製薬会社から新薬が出てくる速度が遅すぎると、Obama政権が政府機関として新薬開発センターを立ち上げることを決めた。:いよいよ製薬業の国際競争が過酷になって、なにがなんでも勝者となるために米国はこういう手を打つ、ということ? で、そのマーケットを国内だけじゃなく、日本とか途上国とか、そういうところに求めるつもり?
http://www.nytimes.com/2011/01/23/health/policy/23drug.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha23
最近のWakefield論文叩きから、NYTのコラムニストが、米国の親のワクチン不信はWakefield論文よりもはるかに前からあった、この不信を払しょくするためには、ワクチンに伴うリスクと利益の両方を正直にきちんと説明して親を説得する姿勢が必要、と。:リスクがあるということ自体が日本では全く語られないけど。
http://www.nytimes.com/2011/01/21/opinion/21willrich.html?pagewanted=1&nl=todaysheadlines&emc=tha212
ネブラスカでは、遠隔医療で中絶薬を患者に届けるシステムを禁じる法案、ニューハンプシャーでは、子どもが中絶を望んだ場合に親に連絡することを求める法案、オハイオではン妊娠後期の中絶を禁じる法案。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/214239.php
銃乱射事件があったアリゾナ州の知事さんには、統合失調症の息子があり、メンタル・ヘルスには力を入れてきた人なんだとか。ところがこのところの種財政のひっ迫で、他の州と同じくメンタル・ヘルス・サービスを実際には縮小せざるを得なかった。が、今回の事件で、その縮小策が批判を浴び、見直しを迫られている。
http://www.nytimes.com/2011/01/21/us/21mental.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha23
オーストラリアの高齢化に関する記事なんだけど、タイトルにそこはかとなく非難の響きがあって「高齢化するブーマーズのおかげで我々の負担は18億ドル」。
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/ageing-boomers-to-cost-us-18b/2054759.aspx?src=enews
日米豪の3国が諜報活動で連携強化の方針。
http://www.canberratimes.com.au/news/national/national/general/australia-us-japan-watching-the-rest/2054762.aspx
中日新聞が、「胃ろう」に関して真面目な連載を始めている。
1 認知症 早すぎる医師の判断
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20110105161319249
2 家族、現場の葛藤 必要な処置か延命か
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20110112142307757
3 広がる拒否感 「管」=「終末」との誤解
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20110119145604991
【胃ろう関連エントリー】
ヘンだよ、Ashleyの胃ろう(2008/12/20)
有吉先生の卵焼き(2008/12/23)
食事介助の時間短縮策としてのみ語れる胃ろう(Wilfond論文)4(2009/4/27)
認知症が進んだ人の胃ろう、利益と害の検証が不十分(2009/4/27)
「ケアホームのコスト削減で安易な胃ろうが強要されている」と英内科学会(2010/1/7)
ETV特集を機に「胃ろう」について書いたエントリーをまとめてみる(2010/7/26)
“栄養補給所”を作って「業務がはかどる」と胸を張った師長さん、「胃ろう検討は十分な看護ケアをしてから」と主張した師長さん(2010/7/26)
在宅医療における終末期の胃ろうとセデーション(2010/10/6)
http://www.nytimes.com/2011/01/23/health/policy/23drug.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha23
最近のWakefield論文叩きから、NYTのコラムニストが、米国の親のワクチン不信はWakefield論文よりもはるかに前からあった、この不信を払しょくするためには、ワクチンに伴うリスクと利益の両方を正直にきちんと説明して親を説得する姿勢が必要、と。:リスクがあるということ自体が日本では全く語られないけど。
http://www.nytimes.com/2011/01/21/opinion/21willrich.html?pagewanted=1&nl=todaysheadlines&emc=tha212
ネブラスカでは、遠隔医療で中絶薬を患者に届けるシステムを禁じる法案、ニューハンプシャーでは、子どもが中絶を望んだ場合に親に連絡することを求める法案、オハイオではン妊娠後期の中絶を禁じる法案。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/214239.php
銃乱射事件があったアリゾナ州の知事さんには、統合失調症の息子があり、メンタル・ヘルスには力を入れてきた人なんだとか。ところがこのところの種財政のひっ迫で、他の州と同じくメンタル・ヘルス・サービスを実際には縮小せざるを得なかった。が、今回の事件で、その縮小策が批判を浴び、見直しを迫られている。
http://www.nytimes.com/2011/01/21/us/21mental.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha23
オーストラリアの高齢化に関する記事なんだけど、タイトルにそこはかとなく非難の響きがあって「高齢化するブーマーズのおかげで我々の負担は18億ドル」。
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/ageing-boomers-to-cost-us-18b/2054759.aspx?src=enews
日米豪の3国が諜報活動で連携強化の方針。
http://www.canberratimes.com.au/news/national/national/general/australia-us-japan-watching-the-rest/2054762.aspx
中日新聞が、「胃ろう」に関して真面目な連載を始めている。
1 認知症 早すぎる医師の判断
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20110105161319249
2 家族、現場の葛藤 必要な処置か延命か
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20110112142307757
3 広がる拒否感 「管」=「終末」との誤解
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20110119145604991
【胃ろう関連エントリー】
ヘンだよ、Ashleyの胃ろう(2008/12/20)
有吉先生の卵焼き(2008/12/23)
食事介助の時間短縮策としてのみ語れる胃ろう(Wilfond論文)4(2009/4/27)
認知症が進んだ人の胃ろう、利益と害の検証が不十分(2009/4/27)
「ケアホームのコスト削減で安易な胃ろうが強要されている」と英内科学会(2010/1/7)
ETV特集を機に「胃ろう」について書いたエントリーをまとめてみる(2010/7/26)
“栄養補給所”を作って「業務がはかどる」と胸を張った師長さん、「胃ろう検討は十分な看護ケアをしてから」と主張した師長さん(2010/7/26)
在宅医療における終末期の胃ろうとセデーション(2010/10/6)
2011.01.23 / Top↑
シアトルの誰かの意を受けて、米国でワクチン拒否する親は裁判にかけろと息巻いているDiekema医師のことだから、まぁ、予想される行動と言えば言えるけど、BMJのサイトに18日付でアップされているのが、Diekemaら3人の論説。たぶん主著者も同じ所属。つまりシアトルこども病院/ワシントン大学。タイトルはAssuring research integrity in the wake of Wakefield 3種混合ワクチンの自閉症犯人説を流したWakefield論文の後に、いかにして研究の信頼性を担保するか……。 Diekemaに、他人の論文のマヤカシを非難する資格があるのか、と呆れる。研究や論文が偽りだと、科学そのものの信ぴょう性が傷つけられるのだとか、「真実を求める権利とは、真実と分かったものについて、いかなる部分も隠ぺいしてはならない義務のことでもある」というアインシュタインの言葉まで引っ張ってくる鉄面皮。アンタね、Ashley事件で自分がやっていること棚に上げて、それを言うのかよ。ったく。
http://www.bmj.com/content/342/bmj.d2.full
スイスで自殺のための薬を処方箋なしに薬局で買おうとして、売ってもらえなかった精神障害のある男性が、裁判でも敗訴し、認められないのはプライバシーの権利を侵しているとヨーロッパ人権裁判所に提訴していた件で、男性が敗訴。:スイスも、なんもかもデタラメというわけでもない。何もかもデタラメは Dignitasか。国際自殺ツーリズムだって、目的地はDignitasなんだし。
http://www.bmj.com/content/342/bmj.d2.full
http://www.swissinfo.ch/eng/news_digest/Suicide_appeal_dismissed_by_European_court.html?cid=29292862
コロラド州デンバーで自殺幇助事件か。その後、8日にMSの妻Carol Morrisさんが強い麻薬を飲んで自殺。翌日、夫の方も死んでいるのが見つかった。少し前に、Raymondさんがそれらしいことを言い出したので、娘婿が警察に電話をして、夫妻が事情を聞かれたことがあったらしい。家族はそうした経緯から自殺幇助の後で自殺したのでは、と。
http://www.9news.com/news/article.aspx?storyid=176877&catid=339
英国では介護費用をねん出するために家を売るというのはとっくに珍しいことじゃなくなっているらしいけど、豪でも、家を担保に介護費用を借りたら? と政府が提案するつもりらしい。
http://www.canberratimes.com.au/news/national/national/general/agedcare-report-eyes-homes/2053841.aspx?src=enews
「いつか読みたい」と拾ってはそのままになるものばかりだけど、有名なタスキギの人体実験(黒人梅毒患者に治療していると見せかけて治療しなかった場合の進行を観察していた。米国医療の黒人に対する差別・虐待の代名詞になった実験)の全貌をまとめた1996年の論文がネットで全文公開されている。
http://www.hsl.virginia.edu/historical/medical_history/bad_blood/report.cfm
タスキギ実験については、こちらに簡単にまとめている ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/50487163.html
闘病記研究会というのがあることを初めて知った。
http://blogs.yahoo.co.jp/akihito_suzuki2000/60639747.html
http://www.bmj.com/content/342/bmj.d2.full
スイスで自殺のための薬を処方箋なしに薬局で買おうとして、売ってもらえなかった精神障害のある男性が、裁判でも敗訴し、認められないのはプライバシーの権利を侵しているとヨーロッパ人権裁判所に提訴していた件で、男性が敗訴。:スイスも、なんもかもデタラメというわけでもない。何もかもデタラメは Dignitasか。国際自殺ツーリズムだって、目的地はDignitasなんだし。
http://www.bmj.com/content/342/bmj.d2.full
http://www.swissinfo.ch/eng/news_digest/Suicide_appeal_dismissed_by_European_court.html?cid=29292862
コロラド州デンバーで自殺幇助事件か。その後、8日にMSの妻Carol Morrisさんが強い麻薬を飲んで自殺。翌日、夫の方も死んでいるのが見つかった。少し前に、Raymondさんがそれらしいことを言い出したので、娘婿が警察に電話をして、夫妻が事情を聞かれたことがあったらしい。家族はそうした経緯から自殺幇助の後で自殺したのでは、と。
http://www.9news.com/news/article.aspx?storyid=176877&catid=339
英国では介護費用をねん出するために家を売るというのはとっくに珍しいことじゃなくなっているらしいけど、豪でも、家を担保に介護費用を借りたら? と政府が提案するつもりらしい。
http://www.canberratimes.com.au/news/national/national/general/agedcare-report-eyes-homes/2053841.aspx?src=enews
「いつか読みたい」と拾ってはそのままになるものばかりだけど、有名なタスキギの人体実験(黒人梅毒患者に治療していると見せかけて治療しなかった場合の進行を観察していた。米国医療の黒人に対する差別・虐待の代名詞になった実験)の全貌をまとめた1996年の論文がネットで全文公開されている。
http://www.hsl.virginia.edu/historical/medical_history/bad_blood/report.cfm
タスキギ実験については、こちらに簡単にまとめている ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/50487163.html
闘病記研究会というのがあることを初めて知った。
http://blogs.yahoo.co.jp/akihito_suzuki2000/60639747.html
2011.01.23 / Top↑
20日の朝日新聞に「教えて! ワクチン助成」という記事があり、
副題に「Q副作用は? 深刻な事態に陥った報告はなし」とある。
その中に、報告された事例の件数が挙げられていたので、一応メモ。
ヒブ・ワクチンは
推定140万人が摂取して、44例。
小児肺炎球菌ワクチンは
推定70万人が摂取して、42例。
HPV(子宮頸がん)ワクチンは
推定40万人が摂取して、81例。
副題に「Q副作用は? 深刻な事態に陥った報告はなし」とある。
その中に、報告された事例の件数が挙げられていたので、一応メモ。
ヒブ・ワクチンは
推定140万人が摂取して、44例。
小児肺炎球菌ワクチンは
推定70万人が摂取して、42例。
HPV(子宮頸がん)ワクチンは
推定40万人が摂取して、81例。
ヒブと肺炎球菌は発熱やけいれんなどが多く、
HPVでは発熱や失神が目立つが、
深刻な事態に陥ったという報告はない。
2011.01.23 / Top↑
米国の「無益な治療法」といえば、
なんといってもテキサスの事前指示書法(別名:無益な治療法 1999)のようですが、
当ブログではこれまで、他にも少なくとも2州にあるとの断片情報を見つけており、
いったい本当のところ、どれだけの州に同様の法律があるのか
ずっと知りたいと思っていました。
長らく探していたのですが、やっとその情報にヒット。
それだけではなく、法学者が米国の無益な治療論について40分に渡って解説してくれるという
なんとも贅沢な講演を見つけたのです。うっしし。
2008年11月7日にオクラホマ大学で行われた
the Second Annual Bioethics Conference“Bioethics and the Law”で、
St.Johns Medical Centeの法学者Jan Slater-Andersonの講演ビデオ。
Managing Patients or Families Who Demand Medically Futile Care: Ethics and the Law
以前は原稿なのか、それが論文になっているのか、文書をブクマしたのだけど、
いつのまにかファイルがリンク切れになっていて、ビデオだけになってしまった。
さっさと印刷しておけばよかった。
とりあえず前半を聞いたところで、
今日のところは一番の関心事だったことのみをメモ。
現在、
医療提供者と患者または代理人との間で治療に関する意見が対立した場合について
法律で何らかの対応をしているのは以下の11州。
(講演では10州と言われ続けているのですが、同時に示されるのは以下の11州。
後述する理由でテキサスを特例として、残り10州と区別しているのかも?)
アラスカ
カリフォルニア
デラウエア
ハワイ
メーン
ミシシッピ
ニュー・ジャージー
ニュー・メキシコ
テネシー
テキサス
ワイオミング
もちろん詳細はいろいろと異なっているが、
10州すべてが、
「医学的に効果がない」または「医学的に不適切」な治療を拒否することを
医療提供者に認めている。
ただし、治療を「医学的に効果がない」または「医学的に不適切」と決定した段階で、
速やかに患者または代理人に通知することや、
患者の希望に沿った治療を受け入れる医療機関に患者を移送するまで
生命維持治療を続けることなどを義務付けており、
対立が解決しなかった場合に、最終的に(患者や代理人の意思に逆らって)一方的に
生命維持治療を中止することを医療提供者に認めているのはテキサスだけ。
他にも色々、各州法の違いが解説されているのだけど、
あまりにも違いが微妙な上に、早口で、私には1度では分からない。
今後の必要に応じて、もう一度聞くか、文書になったものをもう一度探したい。
ともあれ、「無益な治療」法と呼ぶにふさわしい、
えげつない切り捨て合法化をしているのはテキサスだけなのですね。
悪名が高いはずだわ。
それから、この講演の中で印象的だったのは、
無益な治療の無益概念の定義は今だに確立されたものがないこととか
患者のオートノミーだけでなく、医師のオートノミーも尊重される必要があることとか、
量的無益論では治療の成功率5%がラインになることが多いとか、
無益性を誰が、どういう基準で判断するのかが明確ではないことなどに加えて、
特に、Norman Fostが大好きな、患者のQOLの低さを基準にした「質的無益」について、
医療職だけが判断すると差別に結び付く危険性が指摘されていた。
Norman Fostの「無益な治療」論については
生命倫理カンファレンス(Fost講演 2)(2007/8/25)
Fostのゴーマン全開 13日午前のパネル(2007/9/12)
「Kevorkianだってすんなり起訴されなかったんだから医師は安全。障害新生児に“無益な治療”するな」と説くFost(2010/8/5)
あと、うわぁ、やっぱり……? と思ったのは、
現在は「死にゆく患者 dying patient」を対象に議論されているが、
徐々に「死に瀕していない患者 non-dying patient」が対象になっていくだろう、
それから無益な治療論の舞台も、
病院からナーシング・ホームへとシフトしていくだろう……って。
そういうことなんだろうと、思ってはいたけど、
でも、それって、「死の自己決定権」が如何にウソ八百か、ということでしょう。
この講演がどっちの方向に向かって締めくくられていくのか、
また、いずれ態勢を整えてから後半も聞いてみます。
――――――
ちなみに、08年から09年にかけて、
アイダホ州でも無益な治療法制定の動きがあったのですが、なんとか流れたようです。
ただ、こちらの法案は明らかにnon-dying patients も対象に
質的無益論をベースにして、障害者の治療はしないよ、というものだったみたい。
Idaho上院、発達障害者の治療「無益または非人間的なら差し控え」と全員一致で(2009/3/4)
Idaho州上院で「無益な治療法」可決(2009/3/11):法案が最終的に流れたことは追記に
ついでに、無益な治療法の概要をまとめた以下のサイトも見つけた。
http://en.citizendium.org/wiki/Futile_care
ここによると期限を切ることを認めているのはテキサスとヴァージニアだけ、と。
不思議なのは、ヴァージニアは上の11州の中に入っていないことなんだけど、
私が前にヒットした情報のカケラでも、テキサスとカリフォルニアとヴァージニアになっていた。
やっぱり内容がそれぞれ違うから捉え方によるのかしら????
そのあたり、いずれ確認できたら、また追記します。
なお、このサイトの末尾に文献6本リンクされています。
なんといってもテキサスの事前指示書法(別名:無益な治療法 1999)のようですが、
当ブログではこれまで、他にも少なくとも2州にあるとの断片情報を見つけており、
いったい本当のところ、どれだけの州に同様の法律があるのか
ずっと知りたいと思っていました。
長らく探していたのですが、やっとその情報にヒット。
それだけではなく、法学者が米国の無益な治療論について40分に渡って解説してくれるという
なんとも贅沢な講演を見つけたのです。うっしし。
2008年11月7日にオクラホマ大学で行われた
the Second Annual Bioethics Conference“Bioethics and the Law”で、
St.Johns Medical Centeの法学者Jan Slater-Andersonの講演ビデオ。
Managing Patients or Families Who Demand Medically Futile Care: Ethics and the Law
以前は原稿なのか、それが論文になっているのか、文書をブクマしたのだけど、
いつのまにかファイルがリンク切れになっていて、ビデオだけになってしまった。
さっさと印刷しておけばよかった。
とりあえず前半を聞いたところで、
今日のところは一番の関心事だったことのみをメモ。
現在、
医療提供者と患者または代理人との間で治療に関する意見が対立した場合について
法律で何らかの対応をしているのは以下の11州。
(講演では10州と言われ続けているのですが、同時に示されるのは以下の11州。
後述する理由でテキサスを特例として、残り10州と区別しているのかも?)
アラスカ
カリフォルニア
デラウエア
ハワイ
メーン
ミシシッピ
ニュー・ジャージー
ニュー・メキシコ
テネシー
テキサス
ワイオミング
もちろん詳細はいろいろと異なっているが、
10州すべてが、
「医学的に効果がない」または「医学的に不適切」な治療を拒否することを
医療提供者に認めている。
ただし、治療を「医学的に効果がない」または「医学的に不適切」と決定した段階で、
速やかに患者または代理人に通知することや、
患者の希望に沿った治療を受け入れる医療機関に患者を移送するまで
生命維持治療を続けることなどを義務付けており、
対立が解決しなかった場合に、最終的に(患者や代理人の意思に逆らって)一方的に
生命維持治療を中止することを医療提供者に認めているのはテキサスだけ。
他にも色々、各州法の違いが解説されているのだけど、
あまりにも違いが微妙な上に、早口で、私には1度では分からない。
今後の必要に応じて、もう一度聞くか、文書になったものをもう一度探したい。
ともあれ、「無益な治療」法と呼ぶにふさわしい、
えげつない切り捨て合法化をしているのはテキサスだけなのですね。
悪名が高いはずだわ。
それから、この講演の中で印象的だったのは、
無益な治療の無益概念の定義は今だに確立されたものがないこととか
患者のオートノミーだけでなく、医師のオートノミーも尊重される必要があることとか、
量的無益論では治療の成功率5%がラインになることが多いとか、
無益性を誰が、どういう基準で判断するのかが明確ではないことなどに加えて、
特に、Norman Fostが大好きな、患者のQOLの低さを基準にした「質的無益」について、
医療職だけが判断すると差別に結び付く危険性が指摘されていた。
Norman Fostの「無益な治療」論については
生命倫理カンファレンス(Fost講演 2)(2007/8/25)
Fostのゴーマン全開 13日午前のパネル(2007/9/12)
「Kevorkianだってすんなり起訴されなかったんだから医師は安全。障害新生児に“無益な治療”するな」と説くFost(2010/8/5)
あと、うわぁ、やっぱり……? と思ったのは、
現在は「死にゆく患者 dying patient」を対象に議論されているが、
徐々に「死に瀕していない患者 non-dying patient」が対象になっていくだろう、
それから無益な治療論の舞台も、
病院からナーシング・ホームへとシフトしていくだろう……って。
そういうことなんだろうと、思ってはいたけど、
でも、それって、「死の自己決定権」が如何にウソ八百か、ということでしょう。
この講演がどっちの方向に向かって締めくくられていくのか、
また、いずれ態勢を整えてから後半も聞いてみます。
――――――
ちなみに、08年から09年にかけて、
アイダホ州でも無益な治療法制定の動きがあったのですが、なんとか流れたようです。
ただ、こちらの法案は明らかにnon-dying patients も対象に
質的無益論をベースにして、障害者の治療はしないよ、というものだったみたい。
Idaho上院、発達障害者の治療「無益または非人間的なら差し控え」と全員一致で(2009/3/4)
Idaho州上院で「無益な治療法」可決(2009/3/11):法案が最終的に流れたことは追記に
ついでに、無益な治療法の概要をまとめた以下のサイトも見つけた。
http://en.citizendium.org/wiki/Futile_care
ここによると期限を切ることを認めているのはテキサスとヴァージニアだけ、と。
不思議なのは、ヴァージニアは上の11州の中に入っていないことなんだけど、
私が前にヒットした情報のカケラでも、テキサスとカリフォルニアとヴァージニアになっていた。
やっぱり内容がそれぞれ違うから捉え方によるのかしら????
そのあたり、いずれ確認できたら、また追記します。
なお、このサイトの末尾に文献6本リンクされています。
2011.01.23 / Top↑
英国Bristol在住の6歳の重症障害児の母親 Riven Vincentさんは、
地方自治体の社会サービスにレスパイト・サービスを増やしてほしいと要望していたが、
昨日20日に、これ以上のレスパイトは増やせないとの回答を文書で受け取った。
頭にくると同時にパニックしたVincentさんは、その日のうちに
社会サービスに電話をして、それなら入所施設を探したいと申し込みをした。
そして、インターネット上に
「ウチの娘を施設に入れてちょうだい、と社会サービスに頼みました。
レスパイトの追加はできないというんです。それなら私はやっていけません」と書きこんだ。
これが反響を呼ぶ。
特に、昨年の政権交代が実現した選挙の期間中、
Cameron現首相が選挙活動の一環で彼女の家を訪れて面談し、
障害児を害するような施策はとらないと約束していたことが判明するや、
連立政権の社会福祉削減策への反発も手伝って、ネット上での非難は過熱。
この訪問は、
選挙期間中にオンラインで障害児の親と対話をもったCameron氏が
重症障害のある我が子のオムツ代がどれだけ支給されているかを知らなかったことから、
ウチに来れば教えてあげるのに、とネットにお茶への招待を書きこんだところ、
本当にやってきた、というもの。
その時、自分が首相になったら
1日オムツ4枚の支給制限を外すよう地元のプライマリー・ケア・トラストに手紙を書くと
約束もしたらしい。実際に首相になっても4枚制限は変わっていないけれども。
オムツ代はともかく、Vincentさんは
施設に入れると介護費用は毎週2000から3000ポンドかかるのに対して
在宅でケアすればヘルパーは1時間15ポンドで済むのに、と。
娘のCelynちゃんは全介助で、
経管栄養、歩くことも話すことも座ることもできず、
腕も使えず、排泄も自立していない。移動はリフトを使用。
VincentさんがCelynちゃんの介護について語っていることを以下に抜き出すと、
(Celyneの呼吸モニターの傍で寝ているので、とぎれとぎれにしか眠れない)日々が
7年間も続いて疲れ果て、母親の方がぐったりエネルギー不足になっている。
「(施設に入れるという選択は)母親として私自身にとっても大きな痛手になります。家族のいる家に置いてやりたいです。まさか自分がここまでになるとは思っていませんでした。娘を施設に入れたくないです。そんなことになったら、私は立ち直れないと思います。でも、これ以上の支援がないとなれば、家で娘のニーズに応えるのは難しい」
施設入所の決断は単純ではなく、まだ最終的に結論を出したわけではないが、
もうそれ以外にやりようがない。
Celynのケアは「過酷」。
「誰かが24時間つきっきりにならないといけないんです。
Celynは成長しないんですから」
ネットでの非難を受け、首相の秘書官は
Vincentに手紙を書くこと、自治体に圧力をかけることを約束する一方で、
しかし、これは地方自治体の問題である、と。
また今後、障害児の親のレスパイトには既に8億ポンドの予算を約束しています、とも。
もっとも、この予算は使途の制限を付けずに地方に降りるので
必ずしもレスパイトに回るとは限らないとの指摘も。
Mother who met PM asks to put disabled daughter into care
The Guardian, January 19, 2011
問題は連立政権が進めている社会保障縮小からくる制度的なものだと思われるので、
この人、よく声を上げたなぁ、えらいぞ、勇気があるぞ……とも思うし、
それにネット世論がうまく反応してくれて、こうしてクローズアップされ
首相広報官のところにまで話が上がっていったことには、
同じ親として、しめしめ……という気分がないわけではないけど、
でも、なぁ……と、どうしても今ひとつ全面的にこの話にノリ切れないのは、
① 「これをしてくれないなら、こうしてやる」という、一種の脅しに聞こえること。
② これは個別ケースの問題なのか、という疑問を感じてしまうこと。
以上2つの点で、
「私が死にたい時にスイスに付き添ってもウチの旦那を罪に問わないと
法を明確化して保障してくれないなら、まだ行きたくはないけど、
私は自分だけで行ける早いうちにスイスに行って死んでやる」と
言い続けたDebbie Purdyさんのヤリクチに通じるものを
そこはかとなく感じてしまうから。
あくまでも個別ケースの問題として考えるならば、
仮に英国の法律が明確化されない場合に、スイスに行って死ぬ計画を早めるなら、
それこそ自己決定であり誰の責任でもないだろうに、
「まだ死ななくてもいいし、死ぬ予定もなかった時期に
あたしが早々とスイスに行って死ぬことを決めたら、
それは夫の不起訴を約束しなかったあなたたちの責任だからね」とばかりに
英国政府の責任だと当てつけて、それを駆け引きに使うのは筋違いだろう。
Vincentさんの「レスパイト増やしてくれないだったら、施設に入れます」というのも
通知を受け取った日の内に社会サービスに電話をかけて、そう言い、ネットにもそう書きこんだもので、
決して親として熟考してのこととは思えないし、
そこまでさせる行政をそういう形で責めて動かそうとしているだけのような……。
で、そんなふうに罪悪感によって相手を操作しようとする戦術が入ってくるのは、
私はPurdyさんにしろVincentさんにしろ、個人的な問題と捉えているからなんだろうという気がする。
そして、Vincentさん自身だけでなくネット世論も、首相広報官までもが、
この一件をVincentさん一家の個別の問題としてしか扱っていない、
というところにも違和感がある。
インターネットで騒ぎになっているからといって、
首相の広報官がVincentさんの地元の社会サービスに圧力をかける、などと言いだすのは
まったく筋の通らない、おかしな話だし、
仮に、それで追加のレスパイトが認められたとしたら、
Vincentさんは納得して、ネットで非難している皆さんも「めでたし、めでたし」で
この件は落着するのか。そういう問題なのか。
じゃぁ、Vincentさんと全く同じ境遇に置かれている多くの重症児の親はどうなるの――?
みんな、それぞれにインターネットで窮状を訴え、世論を動かさなければならないの?
それぞれに首相に直接訴えていけ、というの?
最近めっきり少なくなったけど、
日本のメディアが障害児を美談に祭り上げる時にも、いつも同じ疑問を感じてきた。
○○ちゃんがテレビで天使のようだとクローズアップされ、世間の話題になり、
そうするとボランティアをやりたい人たちが、どわっと世間から沸いて出る。
でも、その大半は○○ちゃんのボランティアをやりたい人たちで、
○○ちゃんちの近所に同じような障害のある子どもがいたとしても、
その子になんか興味があるわけじゃないのね。
なんか、そういうズレ方みたいなものが
この一件にも、そこはかとなく漂っているような……。
それから、もう一つ。
この展開、
Vincentさんの家庭の事情とか、現首相との因縁とか、
ネットで書き込みのトーンとか表現とか、
書きこんだネット上のサイトの性格とか、
その日その時のそのサイトの空気とか、
そういう、何か、ちょっとしたことが違っていたら、
案外、誰か一人が
「もう自分で面倒見れないっていうんだったら、勝手に入所させろよ」と言い放ち、
そうすると今とは全く逆の、そっちの方向に周りの反応がわっと振れてしまった可能性だって
今の英国社会の空気にはあるんじゃないのかなぁ……。
なんとなく日本の“タイガー・マスク運動”を連想してしまった……。
――――――
日本の重症児の親たちの多くが十分な支援がないまま
Vincentさんのように「もう自分にはやっていけない」というところに
(もしかしたら、それ以上に)追い詰められていることを
追記しておきたいと思います。
報道を読んでいると、不足ばかりが言われているような印象を受けますが、
専門家ならぬ私には詳細までは分からないものの、たぶん英米の支援のベースラインは
日本よりもかなり高いのではないかと私は常々感じています。
たとえば、07年の英国のKatie Thorp事件の際に
当時15歳のKatieがどれほどの支援を受けていたか、
こちらのエントリーから抜き出してみると、
・知的障害児の学校からの帰りはタクシーを利用。
・週に1度は「ティーンズ・クラブ」に通い、定期的にお出かけにも連れて行ってもらう。
・時々家族のレスパイトのためにKatieを預かってもらう。
英国の福祉については、
「イギリスではなぜ散歩が楽しいのか」という本から(2009/3/9)
英国の介護者支援に思うこと(2008/7/4)
特に英国の介護者支援は法制化されており、
それらについてのエントリーはこちらとかこちらのシリーズにまとめています。
また米国の重症児への支援の実態については
Ashleyケース、やはり支援不足とは無関係かも(2008/12/8)
米国IDEAが保障する重症重複障害児の教育、ベースラインはこんなに高い(2010/6/22)
地方自治体の社会サービスにレスパイト・サービスを増やしてほしいと要望していたが、
昨日20日に、これ以上のレスパイトは増やせないとの回答を文書で受け取った。
頭にくると同時にパニックしたVincentさんは、その日のうちに
社会サービスに電話をして、それなら入所施設を探したいと申し込みをした。
そして、インターネット上に
「ウチの娘を施設に入れてちょうだい、と社会サービスに頼みました。
レスパイトの追加はできないというんです。それなら私はやっていけません」と書きこんだ。
これが反響を呼ぶ。
特に、昨年の政権交代が実現した選挙の期間中、
Cameron現首相が選挙活動の一環で彼女の家を訪れて面談し、
障害児を害するような施策はとらないと約束していたことが判明するや、
連立政権の社会福祉削減策への反発も手伝って、ネット上での非難は過熱。
この訪問は、
選挙期間中にオンラインで障害児の親と対話をもったCameron氏が
重症障害のある我が子のオムツ代がどれだけ支給されているかを知らなかったことから、
ウチに来れば教えてあげるのに、とネットにお茶への招待を書きこんだところ、
本当にやってきた、というもの。
その時、自分が首相になったら
1日オムツ4枚の支給制限を外すよう地元のプライマリー・ケア・トラストに手紙を書くと
約束もしたらしい。実際に首相になっても4枚制限は変わっていないけれども。
オムツ代はともかく、Vincentさんは
施設に入れると介護費用は毎週2000から3000ポンドかかるのに対して
在宅でケアすればヘルパーは1時間15ポンドで済むのに、と。
娘のCelynちゃんは全介助で、
経管栄養、歩くことも話すことも座ることもできず、
腕も使えず、排泄も自立していない。移動はリフトを使用。
VincentさんがCelynちゃんの介護について語っていることを以下に抜き出すと、
(Celyneの呼吸モニターの傍で寝ているので、とぎれとぎれにしか眠れない)日々が
7年間も続いて疲れ果て、母親の方がぐったりエネルギー不足になっている。
「(施設に入れるという選択は)母親として私自身にとっても大きな痛手になります。家族のいる家に置いてやりたいです。まさか自分がここまでになるとは思っていませんでした。娘を施設に入れたくないです。そんなことになったら、私は立ち直れないと思います。でも、これ以上の支援がないとなれば、家で娘のニーズに応えるのは難しい」
施設入所の決断は単純ではなく、まだ最終的に結論を出したわけではないが、
もうそれ以外にやりようがない。
Celynのケアは「過酷」。
「誰かが24時間つきっきりにならないといけないんです。
Celynは成長しないんですから」
ネットでの非難を受け、首相の秘書官は
Vincentに手紙を書くこと、自治体に圧力をかけることを約束する一方で、
しかし、これは地方自治体の問題である、と。
また今後、障害児の親のレスパイトには既に8億ポンドの予算を約束しています、とも。
もっとも、この予算は使途の制限を付けずに地方に降りるので
必ずしもレスパイトに回るとは限らないとの指摘も。
Mother who met PM asks to put disabled daughter into care
The Guardian, January 19, 2011
問題は連立政権が進めている社会保障縮小からくる制度的なものだと思われるので、
この人、よく声を上げたなぁ、えらいぞ、勇気があるぞ……とも思うし、
それにネット世論がうまく反応してくれて、こうしてクローズアップされ
首相広報官のところにまで話が上がっていったことには、
同じ親として、しめしめ……という気分がないわけではないけど、
でも、なぁ……と、どうしても今ひとつ全面的にこの話にノリ切れないのは、
① 「これをしてくれないなら、こうしてやる」という、一種の脅しに聞こえること。
② これは個別ケースの問題なのか、という疑問を感じてしまうこと。
以上2つの点で、
「私が死にたい時にスイスに付き添ってもウチの旦那を罪に問わないと
法を明確化して保障してくれないなら、まだ行きたくはないけど、
私は自分だけで行ける早いうちにスイスに行って死んでやる」と
言い続けたDebbie Purdyさんのヤリクチに通じるものを
そこはかとなく感じてしまうから。
あくまでも個別ケースの問題として考えるならば、
仮に英国の法律が明確化されない場合に、スイスに行って死ぬ計画を早めるなら、
それこそ自己決定であり誰の責任でもないだろうに、
「まだ死ななくてもいいし、死ぬ予定もなかった時期に
あたしが早々とスイスに行って死ぬことを決めたら、
それは夫の不起訴を約束しなかったあなたたちの責任だからね」とばかりに
英国政府の責任だと当てつけて、それを駆け引きに使うのは筋違いだろう。
Vincentさんの「レスパイト増やしてくれないだったら、施設に入れます」というのも
通知を受け取った日の内に社会サービスに電話をかけて、そう言い、ネットにもそう書きこんだもので、
決して親として熟考してのこととは思えないし、
そこまでさせる行政をそういう形で責めて動かそうとしているだけのような……。
で、そんなふうに罪悪感によって相手を操作しようとする戦術が入ってくるのは、
私はPurdyさんにしろVincentさんにしろ、個人的な問題と捉えているからなんだろうという気がする。
そして、Vincentさん自身だけでなくネット世論も、首相広報官までもが、
この一件をVincentさん一家の個別の問題としてしか扱っていない、
というところにも違和感がある。
インターネットで騒ぎになっているからといって、
首相の広報官がVincentさんの地元の社会サービスに圧力をかける、などと言いだすのは
まったく筋の通らない、おかしな話だし、
仮に、それで追加のレスパイトが認められたとしたら、
Vincentさんは納得して、ネットで非難している皆さんも「めでたし、めでたし」で
この件は落着するのか。そういう問題なのか。
じゃぁ、Vincentさんと全く同じ境遇に置かれている多くの重症児の親はどうなるの――?
みんな、それぞれにインターネットで窮状を訴え、世論を動かさなければならないの?
それぞれに首相に直接訴えていけ、というの?
最近めっきり少なくなったけど、
日本のメディアが障害児を美談に祭り上げる時にも、いつも同じ疑問を感じてきた。
○○ちゃんがテレビで天使のようだとクローズアップされ、世間の話題になり、
そうするとボランティアをやりたい人たちが、どわっと世間から沸いて出る。
でも、その大半は○○ちゃんのボランティアをやりたい人たちで、
○○ちゃんちの近所に同じような障害のある子どもがいたとしても、
その子になんか興味があるわけじゃないのね。
なんか、そういうズレ方みたいなものが
この一件にも、そこはかとなく漂っているような……。
それから、もう一つ。
この展開、
Vincentさんの家庭の事情とか、現首相との因縁とか、
ネットで書き込みのトーンとか表現とか、
書きこんだネット上のサイトの性格とか、
その日その時のそのサイトの空気とか、
そういう、何か、ちょっとしたことが違っていたら、
案外、誰か一人が
「もう自分で面倒見れないっていうんだったら、勝手に入所させろよ」と言い放ち、
そうすると今とは全く逆の、そっちの方向に周りの反応がわっと振れてしまった可能性だって
今の英国社会の空気にはあるんじゃないのかなぁ……。
なんとなく日本の“タイガー・マスク運動”を連想してしまった……。
――――――
日本の重症児の親たちの多くが十分な支援がないまま
Vincentさんのように「もう自分にはやっていけない」というところに
(もしかしたら、それ以上に)追い詰められていることを
追記しておきたいと思います。
報道を読んでいると、不足ばかりが言われているような印象を受けますが、
専門家ならぬ私には詳細までは分からないものの、たぶん英米の支援のベースラインは
日本よりもかなり高いのではないかと私は常々感じています。
たとえば、07年の英国のKatie Thorp事件の際に
当時15歳のKatieがどれほどの支援を受けていたか、
こちらのエントリーから抜き出してみると、
・知的障害児の学校からの帰りはタクシーを利用。
・週に1度は「ティーンズ・クラブ」に通い、定期的にお出かけにも連れて行ってもらう。
・時々家族のレスパイトのためにKatieを預かってもらう。
英国の福祉については、
「イギリスではなぜ散歩が楽しいのか」という本から(2009/3/9)
英国の介護者支援に思うこと(2008/7/4)
特に英国の介護者支援は法制化されており、
それらについてのエントリーはこちらとかこちらのシリーズにまとめています。
また米国の重症児への支援の実態については
Ashleyケース、やはり支援不足とは無関係かも(2008/12/8)
米国IDEAが保障する重症重複障害児の教育、ベースラインはこんなに高い(2010/6/22)
2011.01.23 / Top↑
この動き、見逃していたけど、豪の首都特別区で出されていた自殺幇助合法化法案は否決される見通し。:いいね!
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/euthanasia-bill-bid-doomed/2052593.aspx?src=enews
あれこれ気に入らない発言の多い哲学者のMary Warnockが、DPPのガイドラインはおかしいと指摘。ただ、主張は合法化。素人が愛情さえあれば、自殺を手伝ってもいいって、そんなこと言ってたら、失敗して死に切れない人が出るに決まっている。だからちゃんと法改正をして、医療職によって安全な死を保障しましょう……って。:確かに、あのDPPのガイドラインはものすごくおかしいと思う。善意でやることなら家族が勝手に患者を死なせてもOK。そんなの、アリです? でも、だからといって、安全に死ねるかどうかとか、なんで死に方の問題にするのよ?
http://news.uk.msn.com/uk/articles.aspx?cp-documentid=155902397
http://www.google.com/hostednews/ukpress/article/ALeqM5g02wlJBLXCiZCkcjBlOuL3Y-n5Ng?docId=N0246461295447248280A
オレゴン州が財政赤字のため、高齢者ケアの予算をカットすることに?:またまた「あなたは高齢のためケアは提供できませんが、自殺幇助ならOKですよ」って、通知を送るのか?
http://www.dailyemerald.com/news/oregon-s-budget-deficit-may-lead-to-more-cuts-in-elderly-care-1.1903614
去年通したObama大統領の医療制度改革法案を、共和党優勢に転じた下院が投票で廃止に。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/jan/20/republicans-repeal-healthcare-reforms-vote?CMP=EMCGT_200111&
若者の多くが仕事がなくて食い詰めているというのに、英国の銀行がまたまた多額のボーナスで国民感情を逆なで。
http://www.guardian.co.uk/business/2011/jan/19/bankers-10bn-unemployment-record-high?CMP=EMCGT_200111&
英国の政治家から「イスラムへの偏見はあって当たり前」との発言。
http://www.guardian.co.uk/uk/2011/jan/20/lady-warsi-islamophobia-muslims-prejudice?CMP=EMCGT_200111&
環境保護団体に潜入していた囮捜査官が団体職員と恋に落ちて結婚。そんなことはプロのすることじゃねぇ、と警察長官。:笑い事じゃないのだろうけど、こういう話は、なんか、いいね!
http://www.guardian.co.uk/uk/2011/jan/19/undercover-policeman-married-activist-spy?CMP=EMCGT_200111&
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/euthanasia-bill-bid-doomed/2052593.aspx?src=enews
あれこれ気に入らない発言の多い哲学者のMary Warnockが、DPPのガイドラインはおかしいと指摘。ただ、主張は合法化。素人が愛情さえあれば、自殺を手伝ってもいいって、そんなこと言ってたら、失敗して死に切れない人が出るに決まっている。だからちゃんと法改正をして、医療職によって安全な死を保障しましょう……って。:確かに、あのDPPのガイドラインはものすごくおかしいと思う。善意でやることなら家族が勝手に患者を死なせてもOK。そんなの、アリです? でも、だからといって、安全に死ねるかどうかとか、なんで死に方の問題にするのよ?
http://news.uk.msn.com/uk/articles.aspx?cp-documentid=155902397
http://www.google.com/hostednews/ukpress/article/ALeqM5g02wlJBLXCiZCkcjBlOuL3Y-n5Ng?docId=N0246461295447248280A
オレゴン州が財政赤字のため、高齢者ケアの予算をカットすることに?:またまた「あなたは高齢のためケアは提供できませんが、自殺幇助ならOKですよ」って、通知を送るのか?
http://www.dailyemerald.com/news/oregon-s-budget-deficit-may-lead-to-more-cuts-in-elderly-care-1.1903614
去年通したObama大統領の医療制度改革法案を、共和党優勢に転じた下院が投票で廃止に。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/jan/20/republicans-repeal-healthcare-reforms-vote?CMP=EMCGT_200111&
若者の多くが仕事がなくて食い詰めているというのに、英国の銀行がまたまた多額のボーナスで国民感情を逆なで。
http://www.guardian.co.uk/business/2011/jan/19/bankers-10bn-unemployment-record-high?CMP=EMCGT_200111&
英国の政治家から「イスラムへの偏見はあって当たり前」との発言。
http://www.guardian.co.uk/uk/2011/jan/20/lady-warsi-islamophobia-muslims-prejudice?CMP=EMCGT_200111&
環境保護団体に潜入していた囮捜査官が団体職員と恋に落ちて結婚。そんなことはプロのすることじゃねぇ、と警察長官。:笑い事じゃないのだろうけど、こういう話は、なんか、いいね!
http://www.guardian.co.uk/uk/2011/jan/19/undercover-policeman-married-activist-spy?CMP=EMCGT_200111&
2011.01.23 / Top↑
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