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「障がい者の性」というタブーを超えて――性的介護の非営利組織が東京で講義:ホワイトハンズについては5月12日の補遺で拾った。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110923-00000305-alterna-soci

米本昌平氏[論点]出生前診断で中絶倍増(2)生命倫理 再議論の時:「ルールを再整理すべき時期に来ている」が「医師だけでやるべきではない。医師は当事者であるため、どうしても技術を使う方向に向かいがちになるからだ」。同感。科学とテクノの進歩によって、医療に対してシビリアン・コントロールが効きにくくなっていること、それが「メディカル・コントロール」のリスクを高めているように思えることが今の世の中の大きな問題の一つだと私は考えている。もう1つ米本氏「アカデミズムは、社会が取り組むべき問題の形が適切な方向に向かうよう、課題志向的な志を持つべきだ」。これも同感。ただ、文化系の学者さんたちは生き残るための場所そのものを奪われていきつつあるし、そこで生き残るためには「科学とテクノで簡単解決」文化やメディカル・コントロールのお先棒を担ぐ仕事をする以外にないところへと、アカデミズムそのものが政治的に痩せ細りを余儀なくされているような気がする。
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=47424

「メディカル・コントロールの時代」というのは、この度上梓した拙著「アシュリー事件」の副題にも使っている表現なのですが、当ブログが「メディカル・コントロール」という表現を始めて使ったのは、たぶん、こちらのNorman Fost関連のエントリー ↓
「ハイリスクの親」を特定することから始まる児童虐待防止プログラム:Norman Fostが語る「メディカル・コントロールの時代」:You Tube(2分半)(2011/2/21)

上のエントリーから更に頭が勝手に飛躍して、科学とテクノロジ―の論理や価値意識の暴走にシビリアン・コントロールが利かなくなり、メディカル・コントロールの世界の到来が危ぶまれるのではという話を、こちらのエントリーに ↓ 
「現代思想2月号 特集 うつ病新論」を読む 3:社会と医療の変容と「バイオ化」(2011/2/23)



カナダの“無益な治療”訴訟、Razouli事件に関するToronto Star紙の論評。
http://www.thestar.com/opinion/editorialopinion/article/1057057--when-family-and-doctors-disagree-on-when-to-end-life

これまでに補遺で追いかけてきた[http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/63578099.html OR州の自殺キット販売事件 ]で、FBIからの自殺の危険情報を受けてOR州の警察が自殺キットを買った男性の自宅に踏み込んだところ、男性は不在でキットは安全な場所に保管されていた、という騒動があったらしい。
http://www.reuters.com/article/2011/09/22/us-suicide-kits-oregon-idUSTRE78L0F920110922

<米国>有名死刑囚に刑執行 一貫し冤罪訴え、国内外で批判:18日の補遺で拾ったTroy Davisさんの死刑問題の日本語の続報。死刑執行日が何度も設定され、先日は最後の食事を食べ終えた直後に延期となったけど、ついに処刑が行われた、と。こんなに非人道的な拷問もないような。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110922-00000063-mai-int

上記Troy Davisさんの処刑に関するGuardianの記事。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/sep/22/troy-davis-execution-last-words?CMP=EMCGT_220911&

スウェーデンの保育所で遠足の際に子どもにGPSをつけさせることに。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/234819.php

「長生き遺伝子」に議論。他のファクターが関与していると考えられ。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/234815.php
2011.09.23 / Top↑
このニュース、9月13日に報じられていたらしいのですが
私は昨日になって人から教えてもらって、やっと知りました。

死亡した中学生が接種を受けたのはサーバリックス。
7月28日に接種を受けて、30日の朝に心肺停止状態で見つかった、と。

14歳、子宮頸がんワクチン接種後死亡…国内初(YOMIURI ONLINE 2011/9/13)


この記事を読むと、もう何年もずっと漠然と感じてきた疑問が
初めて、はっきりした形をとって意識されてきたので、
もちろん専門知識のないオバサンの疑問に過ぎませんが
その素朴な疑問のままに、書いてみようと思います。

私が上記の記事で気になるのは、2点で、
まず第1には、以下の表現から来る疑問。

ワクチン接種との直接的な因果関係は認められないという。

中学生には突然不整脈を起こす「心室頻拍」の持病があり、
直接の死因は不整脈と推定されている。


この2か所の「直接的な」「直接の」という表現で記事が示唆しているのは
「持病があった人だから死因になったのはその持病による不整脈である」として
「ワクチン接種との因果関係を否定する」立場。

しかし、

「中学生に心室頻拍の持病があった」という事実から導かれるのは
「心室頻拍の持病のある人だからHPVワクチンを接種しなくても
不整脈を起こして死んでいた可能性がある」と、
「心室頻拍の持病のある人だったためにHPVワクチン接種が引き金となって
不整脈を起こして死んでしまった可能性がある」と
両方の可能性のはずで、

前者の可能性は決して自動的に後者を否定するものではないし、
逆に言えば、後者の可能性が完全に否定されない限り
この2つの可能性の中から前者だけを残すことはできないはずだと
私には思えるのだけど、

記事が繰り返している「直接的な因果関係はない、直接の死因ではない」という表現は
表現としては「間接的な死因となった可能性はあるにせよ」を含意しつつ
記事の文脈からは暗に前者の可能性によって後者の可能性を否定し、
前者のみをあげつらって「HPVワクチンは無関係」と
本来なら出せないはずの結論を出しているかのような印象を与える、と私には感じられる。

要するに、私の疑問とは、
ここでの「直接の因果関係はない」「直接の死因ではない」って、
例の「直ちに人体に影響を与えるセシウム・レベルではない」と同じじゃないの? という疑問。

例えば、の話、
Aという持病のある人にBという薬は使ってはいけないという禁忌があるとして、
何らかのアクシデントでAという持病のある人にBが使われて死んでしまったとしたら
その人は、たとえAという持病があったとしても、
Bという薬を使われなかったら死ななかったわけだから、
この人の死を引き起こした「直接の原因」はAではなくBではないかと
私には思えるし、

もしもそうなのだとしたら、この中学生のケースでも、
Aである「心室頻拍」はむしろ「間接的な死因」であり、
Bである可能性のある「ワクチン接種」が「直接的な死因」……
という可能性をこそ、慎重に検討する必要があるのでは?

そもそも
「直接の死因ではない」と言うことや「直接的な因果関係はない」と言うことは、
「心室頻拍のある子どもへのHPVワクチン接種の安全性が確認された」と言うことと
決して同じではないはずなのだから、

これほど広くHPVワクチンが推奨されている日本で
子ども達の安全を本当に真面目に考える態度とは、
心室頻拍のある人には、もしかしたらHPVワクチンが不整脈の引き金となる可能性と
慎重に向かい合うことであり、

さらに、
サ―バリックスに予防効果があるのはHPVの内の2つの系列のウイルスのみであり
必ずしも子宮頸がんを予防する効果が確認されているわけではないこと、
HPV感染のほとんどは自然に消えていくものであること、
HPVワクチンの効果がどれほど続くかはいまだに不透明であること
などなどを考慮すれば、

一定の持病のある子どもにはHPVワクチンが命に関わる可能性から目をそむけてまで
接種を推進しなければならないほどの緊急性がこのワクチンにあるとも思えない。

それならば、そうしたリスクのある持病のある子どもには、とりあえず見合わせるなどの
慎重策がとれないはずはないだろうと思うのだけど?


ちなみに、2009年に日本でサーバリックスが認可される前日に、
実は英国で13歳の中学生が接種した数時間後に死亡したケースが報告されています。

HPVワクチン接種後に13歳女児が死亡(英)(2009/9/29)

上記リンクのエントリーでも追記したように、
その後、この少女には肺がんがあったことが判明して
HPVワクチンは死因ではなかったとNHSが判断しています。

今回、日本の死亡例を機に
その判断について報じた以下の記事を読みなおしてみました。

すると、NHSの発表では以下のように言われています。

The pathologist has confirmed at the opening of the inquest into the death of Natalie Morton that she died from a large malignant tumour of unknown origin in the heart and lungs. There is no indication that the PHV vaccine, which she had received shortly before her death, was a contributing factor to the death, which could have arisen at any point.




ナタリーさんの死因は、心臓と肺にあった原因不明の大きな悪性腫瘍であり、
「死の直前に接種を受けたHPVワクチンが死因であると示すものは何もない。
ナタリーさんの死は、いつ起こっても不思議のないものだった」

私はここにも同じ疑問を感じるのですが、

心臓と肺に、いつ死んでもおかしくないほど大きなガンがあったとはいえ、
そのことに気づかず、HPVワクチン接種の直後まで普通に学校生活を送っていた人が
接種した直後に突然亡くなった、という時に、

一体どういうindicationがあれば
「悪性腫瘍という悪条件のある人にワクチンが死の引き金となった」と言えるのかが
今の段階ではっきりしているのでしょうか?

逆に言えば、
「解剖した際に何がどうであればワクチンが引き金だったと分かる」ということが
今の段階で確立されていないのだとしたら、
「ワクチンが引き金になったことを示すものはない」ということは同時に
「ワクチンが引き金にならなかったことを示すものもない」ということに過ぎず、

それなら
NHSの言う「ワクチンが引き金になったことを示すものはない」とは
「この人はワクチンを打たなくても、いつか死んだ可能性はあるけれど、
その日その時に死んだことにはワクチンが引き金となった」という可能性を
完全に否定できるわけでもないと思うのだけど。

Cervical cancer jab girl Natalie Morton died from large chest tumour
The Times, October 2, 2009


もう1つの疑問は、
日本のケースに関する読売の記事の以下の記述。

サーバリックス接種後の死亡は今回が世界で5例目。
因果関係がはっきりした事例はないという。

インターネットで数年前からあちこちのサイトを見る限り、
サーバリックスに限った数値ではないにせよHPVワクチン接種後の死亡例は
20数件または30数件と言われており、

上記、ナタリーさんの死亡事例の際にも
Guardianが「英国で1例、米国で32例」と書いている。
(英国でその他、重度障害が1例)

また、その際にエントリーにする余裕がなかった以下のサイトによると死亡件数は20件。

サーバリックスに限ったとしても「世界で5例目」ということはないのでは?
……というか、ガーダシルも認可されたのだし、ガーダシルでも死亡例が出ているのだから
どちらも合わせて報告すべきでは?

Reported Side Effects of HPV Vaccine: Parents & Teens Worried
AskDrSears.com, September 24, 2008


さらに、上記サイトで20件の死亡例の内17件の詳細をみると、
心臓の異常とけいれんとが目立っています。

2008年段階に既に心臓の異常がこれほど目立っていたにもかかわらず、
2011年の日本で、心臓に異常のある中学生にPHVワクチンが打たれた。
そして、その中学生が2日後に亡くなった。

それでも「直接的な因果関係は認められない」……?
2011.09.23 / Top↑