The Royal College of Nursing (RCN)が20日付で自殺幇助に関するガイダンス
RCN guidance on responding to a request to hasten death を出した。
私は余裕がなくて読めませんが、ガイダンス本文はこちらに ↓
http://www.rcn.org.uk/__data/assets/pdf_file/0004/410638/004167.pdf
以下の記事の内いくつかにざっと目を通したところでは、
患者が死にたいとか自殺幇助の希望などを口にした時に、
応じると自殺幇助の行為と解釈されてしまうのではないかとの不安から、
そうした患者との会話そのものに応じずに逃げてしまおうとする
現場ナースの悩ましさに応える形で、
たとえ患者が直接的に自殺を幇助してほしいと求めた場合にも、
それは額面通りの要望ではなく、これから自分の病状がどうなるか、苦しむのだろうかと
先に対する不安をそういう形で表現されているのだから、
そうした患者の訴えに耳を傾け、その気持ちについて質問するなど
対応することが自殺をそそのかしたり幇助することになるわけではない、というのが主旨。
ただし、その場合にも
自殺幇助は違法行為である以上、例えばDignitasの名前やその他ウェブサイトなど
自殺幇助に結び付く具体的な情報を提供することはあってはならないし、
自ら自殺幇助の話題を持ち出すことはあってはならない。
そういう患者には、
将来への不安を解消する手段として事前指示書を書いておくという方法があることを
知らせるという対応が望ましい。
意思決定能力のある成人患者が
終末期医療について医療職と率直に語り合えるということは大事なので、
このような患者に対応する医療職には法的な保護と支援が必要、とも。
http://www.nursinginpractice.com/article/27203/RCN_launches_guidance_on_assisted_suicide
http://www.nursingtimes.net/nursing-practice/clinical-specialisms/end-of-life-and-palliative-care/nurses-must-not-ignore-patients-requests-for-assisted-suicide-rcn-advises/5036758.article
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2051179/Dignitas-Nurses-warned-jailed-talking-assisted-suicide.html
http://www.google.com/hostednews/ukpress/article/ALeqM5jZ8FLbLgRlV0Vl1tEJiXbKmlp8iA?docId=N0178671319099891587A
ざっと読む限り、まっとうなガイダンスのような気がするけど、
ガイダンスというのは、一旦出てしまうと、現場では
本来の繊細な主旨とはズレた、ぜんぜん別物の機械的な正当化基準として使われるようになりがち……?
すでに報道記事のタイトルは、おそろしくマチマチで互いに正反対のものも。
なお、RCNは09年に
それまで自殺幇助合法化には反対としていたスタンスを中立に転向しています ↓
英国看護学会が自殺幇助について反対から中立へスタンスを転換(2009/7/25)
英国看護学会、スコットランドの自殺幇助法案提出議員と会談へ(2009/7/28)
自殺幇助問題で看護学会の転向受け、医療職に警告相次ぐ(2009/7/29)
RCN guidance on responding to a request to hasten death を出した。
私は余裕がなくて読めませんが、ガイダンス本文はこちらに ↓
http://www.rcn.org.uk/__data/assets/pdf_file/0004/410638/004167.pdf
以下の記事の内いくつかにざっと目を通したところでは、
患者が死にたいとか自殺幇助の希望などを口にした時に、
応じると自殺幇助の行為と解釈されてしまうのではないかとの不安から、
そうした患者との会話そのものに応じずに逃げてしまおうとする
現場ナースの悩ましさに応える形で、
たとえ患者が直接的に自殺を幇助してほしいと求めた場合にも、
それは額面通りの要望ではなく、これから自分の病状がどうなるか、苦しむのだろうかと
先に対する不安をそういう形で表現されているのだから、
そうした患者の訴えに耳を傾け、その気持ちについて質問するなど
対応することが自殺をそそのかしたり幇助することになるわけではない、というのが主旨。
ただし、その場合にも
自殺幇助は違法行為である以上、例えばDignitasの名前やその他ウェブサイトなど
自殺幇助に結び付く具体的な情報を提供することはあってはならないし、
自ら自殺幇助の話題を持ち出すことはあってはならない。
そういう患者には、
将来への不安を解消する手段として事前指示書を書いておくという方法があることを
知らせるという対応が望ましい。
意思決定能力のある成人患者が
終末期医療について医療職と率直に語り合えるということは大事なので、
このような患者に対応する医療職には法的な保護と支援が必要、とも。
http://www.nursinginpractice.com/article/27203/RCN_launches_guidance_on_assisted_suicide
http://www.nursingtimes.net/nursing-practice/clinical-specialisms/end-of-life-and-palliative-care/nurses-must-not-ignore-patients-requests-for-assisted-suicide-rcn-advises/5036758.article
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2051179/Dignitas-Nurses-warned-jailed-talking-assisted-suicide.html
http://www.google.com/hostednews/ukpress/article/ALeqM5jZ8FLbLgRlV0Vl1tEJiXbKmlp8iA?docId=N0178671319099891587A
ざっと読む限り、まっとうなガイダンスのような気がするけど、
ガイダンスというのは、一旦出てしまうと、現場では
本来の繊細な主旨とはズレた、ぜんぜん別物の機械的な正当化基準として使われるようになりがち……?
すでに報道記事のタイトルは、おそろしくマチマチで互いに正反対のものも。
なお、RCNは09年に
それまで自殺幇助合法化には反対としていたスタンスを中立に転向しています ↓
英国看護学会が自殺幇助について反対から中立へスタンスを転換(2009/7/25)
英国看護学会、スコットランドの自殺幇助法案提出議員と会談へ(2009/7/28)
自殺幇助問題で看護学会の転向受け、医療職に警告相次ぐ(2009/7/29)
2011.10.21 / Top↑
乙武洋匡クンの「障害のある子どもの親はおおらかに」説が、
どうやら論争になっているらしい ↓
http://togetter.com/li/198030
こちらのlessorの日記さんのエントリーで知った ↓
http://d.hatena.ne.jp/lessor/20111008/1318099122
概ね、lessorさんが言っておられることに同意。
私は親だから、もうちょっと直截にイラッとする。
「五体不満足」の後この人はすごく苦しんで何枚か皮が剥けたのかと思っていたけど、
やっぱり、どうしてもどこか「優等生障害者」を演じることから
抜けきれないのかな、というのが最初の印象。
私は、本人も親も、障害の受容は一生らせん状に続けていくものなのでは、と思う。
「五体不満足」を読んだ時、
生まれた姿を見てお母さんが「かわいい」と言ったというエピソードは、
息子に自分の障害をネガティブに捉えずに成長してほしいとの願いから
乙武クンのためにお母さんが作った創作だと私は受け止めた。
「かわいい」という言葉がその時に出たことは事実かもしれないけど、
それが大人になるまで息子とその周辺で繰り返し語られ、
本にまで書かれ、世間から広く称賛されていくなかで、
その時の「かわいい」が彼の母親の育児のすべてであるかのように象徴されていった点で、
あのエピソードは、やはり、ある意味の「創作」だと今でも思う。
その後のお母さんの育児の過程がずっと「かわいい」だけであったはずはないし、
そこでもいろんな葛藤や苦しみがあり、らせん状の受容が何度も繰り返されていたはずで、
その中には、障害があろうとなかろうと親として子が可愛いというのだって事実だし、
障害があろうとなかろうと子育ての喜びはもちろん沢山あるけれど、
悲観的になったり、逃げ出したいという思いが頭をよぎる瞬間だって、
なかったはずはない。
また、そういう瞬間があったからといって、
その人が暗いわけでも不幸なわけでも、愛情がないわけでも、もちろんないし
それは、そういう思いや瞬間や時期もある、ということに過ぎない。
人の思いというものは乙武クンが書いているほど、きれいに澄みきった単色じゃない。
彼の母親は「おおらか」だったのではなく、
息子のために「おおらかを装う賢さ」を持っていた、ということなんじゃないだろうか。
でも、その賢さは、ものすごく苦しい受容のらせんを、
何回転も経なければ維持できないものなんだよ。乙武クン。
障害当事者にとっても、
いろんな苦しい思いを巡り揺らぎ経て、らせん状の受容を何周も繰り返しながら
どうにか前向きになれたり、ありのままで生きることに腹をくくれたり、
喜びを見いだせるようになったり、生きる目的を見いだしていくように。
そして、人生の様々な展開や身辺に降りかかる出来事によっては、
そこからまた何度も苦しい受容の葛藤の中に投げ込まれて、もがき、またそこから、
受容のらせんをぐるりと這い上って……を繰り返すしかないように。
本人も親も、その繰り返しの中で、
それでも苦しみや悲しみを抱えたままでも人は日々を幸せに生きていくことができるんだと、
たぶん障害者と家族だけに限らず、誰にとっても生きるというのはそういうことだという
一つの真実みたいなものに、多くの人は辿り着いていくんだと思う。
自分たちの力ではどうすることもできない
環境や諸々の条件や出会いに一定量めぐまれている人はね。
たまたま、そこまで恵まれていない人というのだって、世の中にはいる。
その中には、それなりに幸せと感じられる日常にたどり着けない人もいるんだろうと思う。
親にしろ障害のある人本人にしろ。障害のない人にしろ。
だから、乙武クンのお母さんは
生まれたのを見た瞬間に「かわいい」と言い、その後もずっと
「かわいい」だけで子育てをすることができたお気楽な親でも「おおらかな親」でもなくて、
息子のために「おおらかなフリをしようと努める賢い」親だったのであり、
そして、その母親の賢さがうまく生かされるだけの環境や出会いに、親子が恵まれたから、
息子が母親の創作を現実と信じて成長することができた、ということじゃないのかな。
でも、「五体不満足」の後であれだけ苦しんで、
世間に期待される優等生障害者像から脱皮しようとしたはずなのに、
その歳になって、まだ自分の母親の創作の裏にあるものを見抜けず、
自分の母親は本当におおらかだったと信じているとしたら、
乙武クン、それはちょっとナイーブ過ぎないか?
「……な社会にしていくことも、僕が果たすべき役割のひとつ」
「一人じゃどうすることもできない」と過剰な役割を背負いこんで
「メディアに登場」しているなら、この辺りでもう一度
メディアから距離を置いてみるのも一つでは?
どうやら論争になっているらしい ↓
http://togetter.com/li/198030
こちらのlessorの日記さんのエントリーで知った ↓
http://d.hatena.ne.jp/lessor/20111008/1318099122
概ね、lessorさんが言っておられることに同意。
私は親だから、もうちょっと直截にイラッとする。
「五体不満足」の後この人はすごく苦しんで何枚か皮が剥けたのかと思っていたけど、
やっぱり、どうしてもどこか「優等生障害者」を演じることから
抜けきれないのかな、というのが最初の印象。
私は、本人も親も、障害の受容は一生らせん状に続けていくものなのでは、と思う。
「五体不満足」を読んだ時、
生まれた姿を見てお母さんが「かわいい」と言ったというエピソードは、
息子に自分の障害をネガティブに捉えずに成長してほしいとの願いから
乙武クンのためにお母さんが作った創作だと私は受け止めた。
「かわいい」という言葉がその時に出たことは事実かもしれないけど、
それが大人になるまで息子とその周辺で繰り返し語られ、
本にまで書かれ、世間から広く称賛されていくなかで、
その時の「かわいい」が彼の母親の育児のすべてであるかのように象徴されていった点で、
あのエピソードは、やはり、ある意味の「創作」だと今でも思う。
その後のお母さんの育児の過程がずっと「かわいい」だけであったはずはないし、
そこでもいろんな葛藤や苦しみがあり、らせん状の受容が何度も繰り返されていたはずで、
その中には、障害があろうとなかろうと親として子が可愛いというのだって事実だし、
障害があろうとなかろうと子育ての喜びはもちろん沢山あるけれど、
悲観的になったり、逃げ出したいという思いが頭をよぎる瞬間だって、
なかったはずはない。
また、そういう瞬間があったからといって、
その人が暗いわけでも不幸なわけでも、愛情がないわけでも、もちろんないし
それは、そういう思いや瞬間や時期もある、ということに過ぎない。
人の思いというものは乙武クンが書いているほど、きれいに澄みきった単色じゃない。
彼の母親は「おおらか」だったのではなく、
息子のために「おおらかを装う賢さ」を持っていた、ということなんじゃないだろうか。
でも、その賢さは、ものすごく苦しい受容のらせんを、
何回転も経なければ維持できないものなんだよ。乙武クン。
障害当事者にとっても、
いろんな苦しい思いを巡り揺らぎ経て、らせん状の受容を何周も繰り返しながら
どうにか前向きになれたり、ありのままで生きることに腹をくくれたり、
喜びを見いだせるようになったり、生きる目的を見いだしていくように。
そして、人生の様々な展開や身辺に降りかかる出来事によっては、
そこからまた何度も苦しい受容の葛藤の中に投げ込まれて、もがき、またそこから、
受容のらせんをぐるりと這い上って……を繰り返すしかないように。
本人も親も、その繰り返しの中で、
それでも苦しみや悲しみを抱えたままでも人は日々を幸せに生きていくことができるんだと、
たぶん障害者と家族だけに限らず、誰にとっても生きるというのはそういうことだという
一つの真実みたいなものに、多くの人は辿り着いていくんだと思う。
自分たちの力ではどうすることもできない
環境や諸々の条件や出会いに一定量めぐまれている人はね。
たまたま、そこまで恵まれていない人というのだって、世の中にはいる。
その中には、それなりに幸せと感じられる日常にたどり着けない人もいるんだろうと思う。
親にしろ障害のある人本人にしろ。障害のない人にしろ。
だから、乙武クンのお母さんは
生まれたのを見た瞬間に「かわいい」と言い、その後もずっと
「かわいい」だけで子育てをすることができたお気楽な親でも「おおらかな親」でもなくて、
息子のために「おおらかなフリをしようと努める賢い」親だったのであり、
そして、その母親の賢さがうまく生かされるだけの環境や出会いに、親子が恵まれたから、
息子が母親の創作を現実と信じて成長することができた、ということじゃないのかな。
でも、「五体不満足」の後であれだけ苦しんで、
世間に期待される優等生障害者像から脱皮しようとしたはずなのに、
その歳になって、まだ自分の母親の創作の裏にあるものを見抜けず、
自分の母親は本当におおらかだったと信じているとしたら、
乙武クン、それはちょっとナイーブ過ぎないか?
「……な社会にしていくことも、僕が果たすべき役割のひとつ」
「一人じゃどうすることもできない」と過剰な役割を背負いこんで
「メディアに登場」しているなら、この辺りでもう一度
メディアから距離を置いてみるのも一つでは?
2011.10.21 / Top↑
米国の退職者協会AARPの「介護の成績表」情報に行った際に
たまたまAARPサイトで目についた介護者支援サイトが面白そうだったので、
とりあえず10月4日の補遺で拾っておきましたが、
その中の一つが「家族介護の9つの秘訣」というスライド・ショー。
副題は「同じ経験をしてきた介護経験者からのアドバイス」
9 Secrets of Caregiving
AARP, September 12, 2011
その9つとは、
① Keep Your Own Medical Records
医療記録は自前で作りましょう。
介護が必要な人はいくつもの医療機関にかかりがちですが、
それぞれの医療機関が連携したり情報共有するわけではないので
いつ誰に会い何を話して何を決めたか、
自分が介護している人の医療については
自分で記録しておきましょう。
② Take Time for Yourself.
自分の時間を持ちましょう。
介護者にはレスパイトが不可欠。
レスパイト・サービスを探しましょう。
わずか半日でもいいから、
可能な時には介護を離れて自分の時間を。
私の好きな“身勝手な豚”さんは Break, or you break.
「ブレイクして休むか、それともあなたがブレイクして壊れるか」と言っています。
③ Focus on One Person.
一度にあの人のこともこの人のことも考えないで。
子どもを育てながらの配偶者や老親の介護だったり、
複数の人を同時に介護していたり、状況はいろいろ。
でも、その時その時に、あなたを最も必要としている人に集中しましょう。
もちろん、あなた自身にも時間を割いて。
そういう切り替えが、介護を続ける力となります。
④ Accept Today; Don’t Wish for Yesterday
「昔はこうだったのに」と考えるより今のその人に目を向けましょう。
元はこういう人だったのに、と
その人が元気だったころの姿を惜しんでばかりいると
今のその人が見えなくなります。
それよりも苦しくはないかな、ハッピーかな、と
今のその人に目を向けると、目の輝きに気づいたり、
今のその人との関係に喜びを見つけることができます。
⑤ Don’t be a Martyr; Ask for Help.
悲劇のヒロインにならないで。助けを求めましょう。
介護されている人も介護している人も
世の中には五万といるのだから、
友達や近所の人や専門機関にも堂々と助けを求めて、
決して悲壮な覚悟で介護を抱え込まないで。
⑥ Talk about the Tough Topics.
難しい問題から逃げず話してみましょう。
人の弱みにつけこんでカネをだまし取るような輩が
世の中には沢山います。何かおかしいなと感じても、
お金の話題は出しにくいものですが、逃げずに
思い切って、話してみましょう。
⑦ Get the Legal Stuff Done.
法律や金銭の問題を専門家に相談しましょう。
法的な代理人になるなど、
法律と金銭の問題について専門家に相談して、
知識を身につけ、対処しておきましょう。
⑧ Take Care of Your Own Health.
自分の健康管理もしっかり。
介護者にも持病があったりします。
介護負担に追われてなおざりにしておくのではなく、
運動をしたり食事にも気をつけて、
自分自身の健康管理もしっかりしましょう。
⑨ Don’t Succumb to Chaos.
とんでもないことが起きてもパニックしないで。
とんでもない事態が発生した時、最も大事なことは落ち着くこと。
落ち着くことで、どんな状況下でも強く、柔軟に、思いやりをもって対処することが出来ます。
AARPの「州ごとの介護の成績表」については
「介護保険情報」11月号の連載で書きました。
また、これまでに同誌の連載で介護者支援関連で書いたものは
去年、介護者支援シリーズ1~6にとりまとめました ↓
英国の介護者支援
英国の介護者週間
英国のNHS検証草案と新・全国介護者戦略
米国 家族介護者月間
障害のある子どもを殺す母たち
NHSの介護者支援サイト Carers Direct
なお、介護者に向けたメッセージやアドバイスとしては ↓
「介護者の権利章典」訳を改定しました(2008/12/12/)
今日から豪介護者週間……because I care(2008/10/19)
You are only human: 介護者だって生身の人間なのだから(2008/10/30)
介護者も自分を大切にしましょう(2008/10/31)
自分の気持ちを理解して受け入れる(介護者のために)(2008/10/31)
自己主張をしましょう(介護者のために)(2008/11/1)
「介護者の10の心得」by the Princess Royal Trust for Carers(2011/5/12)
たまたまAARPサイトで目についた介護者支援サイトが面白そうだったので、
とりあえず10月4日の補遺で拾っておきましたが、
その中の一つが「家族介護の9つの秘訣」というスライド・ショー。
副題は「同じ経験をしてきた介護経験者からのアドバイス」
9 Secrets of Caregiving
AARP, September 12, 2011
その9つとは、
① Keep Your Own Medical Records
医療記録は自前で作りましょう。
介護が必要な人はいくつもの医療機関にかかりがちですが、
それぞれの医療機関が連携したり情報共有するわけではないので
いつ誰に会い何を話して何を決めたか、
自分が介護している人の医療については
自分で記録しておきましょう。
② Take Time for Yourself.
自分の時間を持ちましょう。
介護者にはレスパイトが不可欠。
レスパイト・サービスを探しましょう。
わずか半日でもいいから、
可能な時には介護を離れて自分の時間を。
私の好きな“身勝手な豚”さんは Break, or you break.
「ブレイクして休むか、それともあなたがブレイクして壊れるか」と言っています。
③ Focus on One Person.
一度にあの人のこともこの人のことも考えないで。
子どもを育てながらの配偶者や老親の介護だったり、
複数の人を同時に介護していたり、状況はいろいろ。
でも、その時その時に、あなたを最も必要としている人に集中しましょう。
もちろん、あなた自身にも時間を割いて。
そういう切り替えが、介護を続ける力となります。
④ Accept Today; Don’t Wish for Yesterday
「昔はこうだったのに」と考えるより今のその人に目を向けましょう。
元はこういう人だったのに、と
その人が元気だったころの姿を惜しんでばかりいると
今のその人が見えなくなります。
それよりも苦しくはないかな、ハッピーかな、と
今のその人に目を向けると、目の輝きに気づいたり、
今のその人との関係に喜びを見つけることができます。
⑤ Don’t be a Martyr; Ask for Help.
悲劇のヒロインにならないで。助けを求めましょう。
介護されている人も介護している人も
世の中には五万といるのだから、
友達や近所の人や専門機関にも堂々と助けを求めて、
決して悲壮な覚悟で介護を抱え込まないで。
⑥ Talk about the Tough Topics.
難しい問題から逃げず話してみましょう。
人の弱みにつけこんでカネをだまし取るような輩が
世の中には沢山います。何かおかしいなと感じても、
お金の話題は出しにくいものですが、逃げずに
思い切って、話してみましょう。
⑦ Get the Legal Stuff Done.
法律や金銭の問題を専門家に相談しましょう。
法的な代理人になるなど、
法律と金銭の問題について専門家に相談して、
知識を身につけ、対処しておきましょう。
⑧ Take Care of Your Own Health.
自分の健康管理もしっかり。
介護者にも持病があったりします。
介護負担に追われてなおざりにしておくのではなく、
運動をしたり食事にも気をつけて、
自分自身の健康管理もしっかりしましょう。
⑨ Don’t Succumb to Chaos.
とんでもないことが起きてもパニックしないで。
とんでもない事態が発生した時、最も大事なことは落ち着くこと。
落ち着くことで、どんな状況下でも強く、柔軟に、思いやりをもって対処することが出来ます。
AARPの「州ごとの介護の成績表」については
「介護保険情報」11月号の連載で書きました。
また、これまでに同誌の連載で介護者支援関連で書いたものは
去年、介護者支援シリーズ1~6にとりまとめました ↓
英国の介護者支援
英国の介護者週間
英国のNHS検証草案と新・全国介護者戦略
米国 家族介護者月間
障害のある子どもを殺す母たち
NHSの介護者支援サイト Carers Direct
なお、介護者に向けたメッセージやアドバイスとしては ↓
「介護者の権利章典」訳を改定しました(2008/12/12/)
今日から豪介護者週間……because I care(2008/10/19)
You are only human: 介護者だって生身の人間なのだから(2008/10/30)
介護者も自分を大切にしましょう(2008/10/31)
自分の気持ちを理解して受け入れる(介護者のために)(2008/10/31)
自己主張をしましょう(介護者のために)(2008/11/1)
「介護者の10の心得」by the Princess Royal Trust for Carers(2011/5/12)
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