Ashley事件のDiekema医師が Clinical Ethics in Pediatric: A Case-Based Textbookという本を出している。今年の9月刊行。利益相反、企業との関係、研修中の倫理問題、障害がある同僚や非倫理的な同僚との間に起きる倫理問題、など、ケース・スタディ中心に。:非倫理的な同僚との間に起きる倫理問題……って、04年のアシュリーの手術の前後にDiekemaの周辺にいたシアトルこども病院の同僚医師らにいろいろご意見を聞いてみたいところだよね。それにしても、ざっと見た感じ、臨床倫理ってのは「いかに病院環境において製薬会社とうまいこと付き合いながら大過なく医師としての仕事をやりこなしていくか」という話であって、「患者への医療をいかに倫理的な姿勢で行うか」という話ではないみたい?
http://www.lybrary.com/clinical-ethics-pediatrics-p-125762.html
脳死臓器移植法を問い直す市民ネットワークが主催して13日に開かれたシンポジウム「このままでいいのか! 改定臓器移植法のこれからを考える」で、小松美彦氏からトゥルーオグの論文解説があった模様。トゥルーオグは当ブログでも興味がある人なので、その要点を某MLに小松氏が投稿されたとりまとめのまま以下に。
脳死者が生きていることを認めたうえで、「移植臓器の獲得のためには殺人も認められる必要がある」と言明し、「正当化された殺人」という概念を提唱したのが、1997年論文。
2008年の論文では、脳死者に加えて心停止ドナーも生きていることを認めたうえで、脳死基準も心停止基準も基準として正確ではないため、人工呼吸器を外して死に至る消極的安楽死が事実上認められているのと同じく、臓器摘出によって死に至ることも認められるべき、すなわち、「デッド・ドナー・ルール」の撤廃を提言。
【Truog関連エントリー】
TruogのGonzales事件批判(2008/7/30)
Truogの「無益な医療」批判への批判(2008/7/31)
臓器移植で「死亡者提供ルール」廃止せよと(2008/3/11)
”息をする死体”に過ぎない植物状態の人は実験利用に、と2006年から(2009/4/16)
Robert Truog「心臓死後臓器提供DCDの倫理問題」講演ビデオ(2009)(2010/12/20)
これまでの臓器移植関連エントリーのまとめ(2011/11/1)
昨日から始まっているカナダの自殺幇助合法化裁判で、自殺幇助を望みながら悲惨な死を遂げた人たちの家族が、次々に証言台で情緒的な語りを繰り広げている模様。
http://www.theprovince.com/news/Wife+recalls+horror+death/5711545/story.html
http://www.vancouversun.com/health/Landmark+right+challenge+begins+Vancouver/5709989/story.html
カナダ王立協会が自殺幇助合法化論者ばかりを集めて検討委員会を立ち上げたのは09年。それについては以下にリンクしたエントリーで書いた。そこから明日、一方的な合法化支持の報告書が出てくるらしい。おなじみAlex Schadenbergらの安楽死防止連合(EPC)から、そもそも委員会のメンバーがおかしいと、改めて指摘。09年に委員会が経ちあげられたのも、議会に合法化法案が出たタイミングだった。今回の報告書も、8月からの集団訴訟など大きな動きとぶつけてきたような感じがする。
http://www.digitaljournal.com/pr/490084
自殺幇助合法化法案が出ているカナダで「終末期の意思決定」検討する専門家委員会(2009/11/7)
将来、肥満になりそうな子どもは3歳半から特定できるかも? :医療も遺伝子や脳科学の個体決定論でマイノリティ・レポート時代に突入していく。 んでもって、そういうことがまた製薬会社や科学とテクノの業界にとっては新たなマーケット創出に繋がっていったりも?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/237598.php
英国NHSのケアの質の悪さでケアの質コミッションの責任が問われているらしい。労働党が09年に設置したコミッション。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/nov/14/nhs-watchdog-faces-investigation?CMP=EMCNEWEML1355
Obama医療制度改革の違憲性を問う裁判、最高裁へ。判決が出るのは次期大統領選挙の5か月前。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/nov/14/obama-supreme-court-healthcare-bill?CMP=EMCNEWEML1355
NYオキュパイ運動の本拠地、Zuccotti公園のキャンプ、強制排除。
http://www.guardian.co.uk/news/blog/2011/nov/15/occupy-wall-street-police-action-live?CMP=EMCNEWEML1355
サルマン・ラシュディの名前をめぐってFacebookの実名ポリシーで悶着があったみたい。NYT. Guardianが「FB側が謝罪して決着ついた」と。
Rushdie Runs Afoul of Web’s Real-Name Police: Salman Rushdie’s fight over which name he is allowed to use on Facebook points to an increasingly vital debate over how people represent themselves on the Web.
http://www.guardian.co.uk/technology/2011/nov/14/salman-rushdie-facebook-identity?CMP=EMCNEWEML1355
日本。製造業派遣「原則禁止」削除…民自公が大筋合意。:民主党って、一体何のために政権交代したんだ? と、この頃とみに思う。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111115-00000381-yom-pol
http://www.lybrary.com/clinical-ethics-pediatrics-p-125762.html
脳死臓器移植法を問い直す市民ネットワークが主催して13日に開かれたシンポジウム「このままでいいのか! 改定臓器移植法のこれからを考える」で、小松美彦氏からトゥルーオグの論文解説があった模様。トゥルーオグは当ブログでも興味がある人なので、その要点を某MLに小松氏が投稿されたとりまとめのまま以下に。
脳死者が生きていることを認めたうえで、「移植臓器の獲得のためには殺人も認められる必要がある」と言明し、「正当化された殺人」という概念を提唱したのが、1997年論文。
2008年の論文では、脳死者に加えて心停止ドナーも生きていることを認めたうえで、脳死基準も心停止基準も基準として正確ではないため、人工呼吸器を外して死に至る消極的安楽死が事実上認められているのと同じく、臓器摘出によって死に至ることも認められるべき、すなわち、「デッド・ドナー・ルール」の撤廃を提言。
【Truog関連エントリー】
TruogのGonzales事件批判(2008/7/30)
Truogの「無益な医療」批判への批判(2008/7/31)
臓器移植で「死亡者提供ルール」廃止せよと(2008/3/11)
”息をする死体”に過ぎない植物状態の人は実験利用に、と2006年から(2009/4/16)
Robert Truog「心臓死後臓器提供DCDの倫理問題」講演ビデオ(2009)(2010/12/20)
これまでの臓器移植関連エントリーのまとめ(2011/11/1)
昨日から始まっているカナダの自殺幇助合法化裁判で、自殺幇助を望みながら悲惨な死を遂げた人たちの家族が、次々に証言台で情緒的な語りを繰り広げている模様。
http://www.theprovince.com/news/Wife+recalls+horror+death/5711545/story.html
http://www.vancouversun.com/health/Landmark+right+challenge+begins+Vancouver/5709989/story.html
カナダ王立協会が自殺幇助合法化論者ばかりを集めて検討委員会を立ち上げたのは09年。それについては以下にリンクしたエントリーで書いた。そこから明日、一方的な合法化支持の報告書が出てくるらしい。おなじみAlex Schadenbergらの安楽死防止連合(EPC)から、そもそも委員会のメンバーがおかしいと、改めて指摘。09年に委員会が経ちあげられたのも、議会に合法化法案が出たタイミングだった。今回の報告書も、8月からの集団訴訟など大きな動きとぶつけてきたような感じがする。
http://www.digitaljournal.com/pr/490084
自殺幇助合法化法案が出ているカナダで「終末期の意思決定」検討する専門家委員会(2009/11/7)
将来、肥満になりそうな子どもは3歳半から特定できるかも? :医療も遺伝子や脳科学の個体決定論でマイノリティ・レポート時代に突入していく。 んでもって、そういうことがまた製薬会社や科学とテクノの業界にとっては新たなマーケット創出に繋がっていったりも?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/237598.php
英国NHSのケアの質の悪さでケアの質コミッションの責任が問われているらしい。労働党が09年に設置したコミッション。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/nov/14/nhs-watchdog-faces-investigation?CMP=EMCNEWEML1355
Obama医療制度改革の違憲性を問う裁判、最高裁へ。判決が出るのは次期大統領選挙の5か月前。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/nov/14/obama-supreme-court-healthcare-bill?CMP=EMCNEWEML1355
NYオキュパイ運動の本拠地、Zuccotti公園のキャンプ、強制排除。
http://www.guardian.co.uk/news/blog/2011/nov/15/occupy-wall-street-police-action-live?CMP=EMCNEWEML1355
サルマン・ラシュディの名前をめぐってFacebookの実名ポリシーで悶着があったみたい。NYT. Guardianが「FB側が謝罪して決着ついた」と。
Rushdie Runs Afoul of Web’s Real-Name Police: Salman Rushdie’s fight over which name he is allowed to use on Facebook points to an increasingly vital debate over how people represent themselves on the Web.
http://www.guardian.co.uk/technology/2011/nov/14/salman-rushdie-facebook-identity?CMP=EMCNEWEML1355
日本。製造業派遣「原則禁止」削除…民自公が大筋合意。:民主党って、一体何のために政権交代したんだ? と、この頃とみに思う。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111115-00000381-yom-pol
2011.11.15 / Top↑
米国のビッグ・ファーマって、
自分のところのいわゆるブロックバスター(大売れ商品)が
特許切れまで「ひとり大売れ状態」を続けるために
ジェネリックを作っている会社に大枚を支払って
発売を延期してもらっている、んだそうな。
で、その出費分は当然のこととして
患者の薬代に転嫁される。
その額、なんと毎年35億ドル。
なので、こうした慣行そのものに
禁止を求める声もあるのだけれど、
世界的に大売れのコレステロール低下薬リピトール(スタチン系薬剤)が
今月いよいよ特許切れを迎えるファイザー製薬はさらに新たな手口を考案したみたい。
リピトールのジェネリック薬は
インドのRanbaxyという会社が作っているのだけど、08年にファイザーは
Ranbaxyと何やら今年11月までは売り出さないとの合意を取り付けたとか。
その合意の期限も特許の期限もいよいよ切れる12月1日以降を狙って、
Ranbaxy以外の製薬会社もリピトールのジェネリック売り出し競争を激化させている。
そこでファイザーが狙ったのは
薬局やその他薬のバイヤー向けに処方箋を取り扱う仲介業者。
そうした仲介業者に向けてリピトールの大幅値下げを持ちかけて
「仮に処方箋が他者のジェネリック製品で書かれていても薬局等にはリピトールを薦めてね、
とりあえず半年間続けてくれたらお安くするから」と。
で、仲介業者から薬局に対して、そういう指示が飛んでいる。
独立系の薬剤師の団体が暴いた。
リピトールの値下げによって自己負担分は変わらないから
患者は気付かないかもしれないけど、
雇用主とメディケアはジェネリックなら負担が下がるはずなのに
これまでと変わらない金額を払わされることになる。
Pfizer’s Latest Twist on ‘Pay for Delay’
ProPublica, November 14, 2011
つまりは、ビッグ・ファーマが儲け続けるためにキタナイ手を使うから、
ジェネリックが売り出されても医療費削減につながらない、ということですね。
去年からビッグ・ファーマのブロックバスターが相次いで特許切れを迎える
いわゆる「2010年問題」については、今年7月28日と8月9日の補遺で拾いました ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/63717291.html (7月28日の補遺)
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/63785720.html (8月9日の補遺)
7月28日の補遺でMNTの記事を拾った際に既に
「特許が切れ、薬の値段が大幅に下がる……はずなのらしい」と書いたところをみると、
今回ProPublicaが書いているような事態は
その段階ですでに予測されていたということなのでしょう。
【スタチン関連エントリー】
米ではスタチン8歳からどんどん使おう、と
「8歳からコレステロール薬」にNYTimesが社説
Risperdal他、適応外処方にはもっとエビデンスが必要(2008/11/26)
健康な人も5種混合薬を毎日飲んで将来の心臓病リスクを半減しよう、って(2009/4/2)
コラムニストがビッグ・ファーマにお勧めする「2010年・新年の誓い」(2009/12/24)
ビッグ・ファーマが当て込む8つの“でっちあげ病”(2010/4/17)
2011年1月29日の補遺(スタチンにアルツハイマー病予防効果)
それから昨日の補遺でも以下のように書きながら、
私の頭に浮かんだのは「これもまたスタチンのマーケティング戦略?」だった。
9歳から11歳の子どものコレステロールの検査を、さらに17歳から21歳の間でも再検査を、とNIHからガイドライン。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/237562.php
自分のところのいわゆるブロックバスター(大売れ商品)が
特許切れまで「ひとり大売れ状態」を続けるために
ジェネリックを作っている会社に大枚を支払って
発売を延期してもらっている、んだそうな。
で、その出費分は当然のこととして
患者の薬代に転嫁される。
その額、なんと毎年35億ドル。
なので、こうした慣行そのものに
禁止を求める声もあるのだけれど、
世界的に大売れのコレステロール低下薬リピトール(スタチン系薬剤)が
今月いよいよ特許切れを迎えるファイザー製薬はさらに新たな手口を考案したみたい。
リピトールのジェネリック薬は
インドのRanbaxyという会社が作っているのだけど、08年にファイザーは
Ranbaxyと何やら今年11月までは売り出さないとの合意を取り付けたとか。
その合意の期限も特許の期限もいよいよ切れる12月1日以降を狙って、
Ranbaxy以外の製薬会社もリピトールのジェネリック売り出し競争を激化させている。
そこでファイザーが狙ったのは
薬局やその他薬のバイヤー向けに処方箋を取り扱う仲介業者。
そうした仲介業者に向けてリピトールの大幅値下げを持ちかけて
「仮に処方箋が他者のジェネリック製品で書かれていても薬局等にはリピトールを薦めてね、
とりあえず半年間続けてくれたらお安くするから」と。
で、仲介業者から薬局に対して、そういう指示が飛んでいる。
独立系の薬剤師の団体が暴いた。
リピトールの値下げによって自己負担分は変わらないから
患者は気付かないかもしれないけど、
雇用主とメディケアはジェネリックなら負担が下がるはずなのに
これまでと変わらない金額を払わされることになる。
Pfizer’s Latest Twist on ‘Pay for Delay’
ProPublica, November 14, 2011
つまりは、ビッグ・ファーマが儲け続けるためにキタナイ手を使うから、
ジェネリックが売り出されても医療費削減につながらない、ということですね。
去年からビッグ・ファーマのブロックバスターが相次いで特許切れを迎える
いわゆる「2010年問題」については、今年7月28日と8月9日の補遺で拾いました ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/63717291.html (7月28日の補遺)
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/63785720.html (8月9日の補遺)
7月28日の補遺でMNTの記事を拾った際に既に
「特許が切れ、薬の値段が大幅に下がる……はずなのらしい」と書いたところをみると、
今回ProPublicaが書いているような事態は
その段階ですでに予測されていたということなのでしょう。
【スタチン関連エントリー】
米ではスタチン8歳からどんどん使おう、と
「8歳からコレステロール薬」にNYTimesが社説
Risperdal他、適応外処方にはもっとエビデンスが必要(2008/11/26)
健康な人も5種混合薬を毎日飲んで将来の心臓病リスクを半減しよう、って(2009/4/2)
コラムニストがビッグ・ファーマにお勧めする「2010年・新年の誓い」(2009/12/24)
ビッグ・ファーマが当て込む8つの“でっちあげ病”(2010/4/17)
2011年1月29日の補遺(スタチンにアルツハイマー病予防効果)
それから昨日の補遺でも以下のように書きながら、
私の頭に浮かんだのは「これもまたスタチンのマーケティング戦略?」だった。
9歳から11歳の子どものコレステロールの検査を、さらに17歳から21歳の間でも再検査を、とNIHからガイドライン。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/237562.php
2011.11.15 / Top↑
イリノイ州に、引き取り手のない遺体を検死官の判断で医学生の解剖に供することができる新法。:これは、前に日本のどこかの自治体で似たようなことをやっていたような記憶が……、と思って検索してみたら、09年7月1日の補遺にあった。「富山市が生活保護者の遺体を本人の同意なしに大学に献体」。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/9833#comments
8月にいったん挫折したカナダのFarewell Foundationによる自殺幇助合法化集団訴訟の原告の一人でALS患者のGloria Taylorさん(63)が、改めて同じ趣旨の訴訟を起こしている。
http://www.ctv.ca/CTVNews/Canada/20111113/dying-woman-resurrects-assisted-suicide-debate-111113/
http://www.thestar.com/news/canada/article/1086165--landmark-case-renews-debate-on-right-to-die
この動きを受け、Calgary Heraldに安楽死防止連盟のAlex Schadenbergらによる合法化反対の論考。
http://www.calgaryherald.com/news/should+afraid+assisted+suicide/5703321/story.html
Farewell Foundationの訴訟については以下の補遺に ↓
2011年8月1日の補遺
2011年8月3日の補遺
2011年8月19日の補遺
腎臓病のあるマイノリティの子どもは家族の所得層に関わらず、人工透析が必要となる前に腎臓移植を受けられる確率が白人の子どもよりも低い。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/237495.php
57歳の時に体外受精で子どもを産みたいと表明し、年齢的に子育て懸念の批判を受けた際に「夫は11歳も年下」と反論して母親となった女性が、その後離婚し、現在61歳で3歳児の母。「後悔はないけど、あの時、批判した人たちは正しかったわ。生殖補助医療の年齢制限は50歳にするべき」と。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2058133/IVF-mum-61-My-critics-right-age-limit-50.html?ito=feeds-newsxml
【関連エントリー】
インドの70歳女性、体外受精で初産(2008/12/9)
66歳で世界最高齢出産の女性、3歳の双子を残し、癌で死去(2009/7/16)
59歳がIVFで妊娠希望、医師ら年齢制限には反対(英)(2010/1/19)
肺炎の子どもは入院するよりも自宅療法の方がよい。:家で本人のペースに合わせて好きなものを飲んだり食べたりさせてやれるなど、入院しないことのメリットは大きいと、数え切れないほどの気管支炎、肺炎を繰り返した娘の幼児期に私も痛感していた。ただ、それは親の側にそれなりの経験や知識があってのことで、また子どもの元々の健康状態やその時の症状、家庭環境にもよると思うので、医療費削減の社会的要請からこういうデータが出てくるのかなぁ……と思わせられるところには、むしろ警戒感が先に立つ感じ?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/237504.php
日本では「政策仕分け、社会保障分野もテーマに―刷新会議、20-23日開催。
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35957.html
英国保健相が、勝手に配給医療をやったり手術を延々と待たせたりして医療費を浮かせているNHSのトップはクビにしてやるぞ、と。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/nov/14/andrew-lansley-prepared-to-sack-pct-chiefs?CMP=EMCNEWEML1355
9歳から11歳の子どものコレステロールの検査を、さらに17歳から21歳の間でも再検査を、とNIHからガイドライン。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/237562.php
ボランティアをしたり他の人を助けようとする田舎の子どもには、薬物濫用が少ない。:むしろ薬物に手を出さないような安定した子どもでないと、ボランティアをやろうという気になかなかならない、ということでは?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/237509.php
北米のワクチン未接種の人の間で麻疹の流行。:これはここ数年ずっと言われていて、接種の法的義務付け論者が引き合いに出してくる。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/236401.php
【関連エントリー】
「ワクチン拒否の親には他児に害をなす“不法行為責任”を問え」とDiekema医師(2010/1/20)
米国で「ワクチン打たないなら診てやらない」と医師ら(2011/7/6)
千葉で「障害者虐待防止法で学習会 危機管理 支える側にも」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20111113/CK2011111302000056.html
シノドス・ジャーナルに掲載の小山エミさん「『ウォール街占拠』運動における『運動内運動』――性暴力、ホームレス非難、ホモフォビアをめぐって」
http://synodos.livedoor.biz/archives/1855845.html
ロンドン・オリンピックでの英国側の警備態勢が万全でないので、選手を守るためFBIのエージェントを500人も送らねばならん、と米国が腹を立てている
http://www.guardian.co.uk/sport/2011/nov/13/us-worried-london-olympics-security-2012?CMP=EMCNEWEML1355
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/9833#comments
8月にいったん挫折したカナダのFarewell Foundationによる自殺幇助合法化集団訴訟の原告の一人でALS患者のGloria Taylorさん(63)が、改めて同じ趣旨の訴訟を起こしている。
http://www.ctv.ca/CTVNews/Canada/20111113/dying-woman-resurrects-assisted-suicide-debate-111113/
http://www.thestar.com/news/canada/article/1086165--landmark-case-renews-debate-on-right-to-die
この動きを受け、Calgary Heraldに安楽死防止連盟のAlex Schadenbergらによる合法化反対の論考。
http://www.calgaryherald.com/news/should+afraid+assisted+suicide/5703321/story.html
Farewell Foundationの訴訟については以下の補遺に ↓
2011年8月1日の補遺
2011年8月3日の補遺
2011年8月19日の補遺
腎臓病のあるマイノリティの子どもは家族の所得層に関わらず、人工透析が必要となる前に腎臓移植を受けられる確率が白人の子どもよりも低い。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/237495.php
57歳の時に体外受精で子どもを産みたいと表明し、年齢的に子育て懸念の批判を受けた際に「夫は11歳も年下」と反論して母親となった女性が、その後離婚し、現在61歳で3歳児の母。「後悔はないけど、あの時、批判した人たちは正しかったわ。生殖補助医療の年齢制限は50歳にするべき」と。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2058133/IVF-mum-61-My-critics-right-age-limit-50.html?ito=feeds-newsxml
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インドの70歳女性、体外受精で初産(2008/12/9)
66歳で世界最高齢出産の女性、3歳の双子を残し、癌で死去(2009/7/16)
59歳がIVFで妊娠希望、医師ら年齢制限には反対(英)(2010/1/19)
肺炎の子どもは入院するよりも自宅療法の方がよい。:家で本人のペースに合わせて好きなものを飲んだり食べたりさせてやれるなど、入院しないことのメリットは大きいと、数え切れないほどの気管支炎、肺炎を繰り返した娘の幼児期に私も痛感していた。ただ、それは親の側にそれなりの経験や知識があってのことで、また子どもの元々の健康状態やその時の症状、家庭環境にもよると思うので、医療費削減の社会的要請からこういうデータが出てくるのかなぁ……と思わせられるところには、むしろ警戒感が先に立つ感じ?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/237504.php
日本では「政策仕分け、社会保障分野もテーマに―刷新会議、20-23日開催。
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35957.html
英国保健相が、勝手に配給医療をやったり手術を延々と待たせたりして医療費を浮かせているNHSのトップはクビにしてやるぞ、と。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/nov/14/andrew-lansley-prepared-to-sack-pct-chiefs?CMP=EMCNEWEML1355
9歳から11歳の子どものコレステロールの検査を、さらに17歳から21歳の間でも再検査を、とNIHからガイドライン。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/237562.php
ボランティアをしたり他の人を助けようとする田舎の子どもには、薬物濫用が少ない。:むしろ薬物に手を出さないような安定した子どもでないと、ボランティアをやろうという気になかなかならない、ということでは?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/237509.php
北米のワクチン未接種の人の間で麻疹の流行。:これはここ数年ずっと言われていて、接種の法的義務付け論者が引き合いに出してくる。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/236401.php
【関連エントリー】
「ワクチン拒否の親には他児に害をなす“不法行為責任”を問え」とDiekema医師(2010/1/20)
米国で「ワクチン打たないなら診てやらない」と医師ら(2011/7/6)
千葉で「障害者虐待防止法で学習会 危機管理 支える側にも」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20111113/CK2011111302000056.html
シノドス・ジャーナルに掲載の小山エミさん「『ウォール街占拠』運動における『運動内運動』――性暴力、ホームレス非難、ホモフォビアをめぐって」
http://synodos.livedoor.biz/archives/1855845.html
ロンドン・オリンピックでの英国側の警備態勢が万全でないので、選手を守るためFBIのエージェントを500人も送らねばならん、と米国が腹を立てている
http://www.guardian.co.uk/sport/2011/nov/13/us-worried-london-olympics-security-2012?CMP=EMCNEWEML1355
2011.11.15 / Top↑
患者の立場から英国の医療の質の向上に向けて活動するチャリティ
The Patients Associationから、患者や家族の生の声を拾った3つ目の報告書が出ている。
We’ve been listening, have you been learning?
The Patients Association
報告書冒頭の、チャリティの責任者Katherine Murphy氏の挨拶によると、
もう何年も前から指摘されていることなのに、高齢患者が相変わらず
水分をとれず、食事介助もされずに、ナースコールは手の届かないところに置かれて
痛みのケアさえ受けられずに放置されている、とのこと。
Medical Futility Blogがとりあげていたので、
報告書34ページから36ページの Immacolate Lacovara さんのケースを読んでみた。
息子のMatt さんが書いたもの。
Lacovaraさんは今年の1月12日、
74歳の誕生日に病院の集中治療室に入院。
前日に呼吸専門ナースの診察を受け、COPDと診断されており、
12日の血液検査で異常が見られたので入院して酸素マスクを着用となった。
集中治療室ではPTが来ても
ベッドから椅子に移すだけで何もしてくれなかった。
(まずは座位をとることからリハビリを始めるというのはアリだと思うのだけれど、
この場合、家族にそれがきちんと説明されていなかった問題なのかも?)
Lacovaraさんは順調に回復を見せて、一般病棟に移ったものの、
体重が100キロを超える大きな人だったこと、英語が不自由だったことから
ナースは露骨に迷惑視して、ロクな看護をしてくれずに放置されたために、
母親の身体は辱そうだらけ、傷だらけになった、と家族は言う。
家族のいるところでも体が大きく重いことについて
ナースから平気で非礼な発言が繰り返されたので
娘が病院の責任者に抗議したがまともに受け止められたとは感じなかった。
が、何よりもこの人のケースで問題だと思うのは、
カルテに家族の誰も知らないDNR(蘇生無用)指定が記入されていたこと。
家族がそれに気付いたのは
母親が亡くなった夜だったという。
最後の晩には夫が付き添っていたが、
呼吸が出来なくなった時にどうにかしてくれと助けを求めても
DNR指定がされていたために何もしてもらえず、
夫は苦しむ妻を抱いていてやることしかできなかった。
そんなものを提案されたとしても
母親の代わりに家族がサインするはずはないし、
母親はずっと家に連れて帰ってくれと家族に懇願していたのだから
もしも万が一にも母親自身がサインしていたとしたら、それは
いい加減な説明で自分のために医療職がしてくれることだと信頼したか、
英語が不自由だったために理解できなかったかで
よもやそれで自分が見捨てられることになるのだとは
夢にも思わずにサインしたに違いない、と息子。
英国で一方的DNR指定が行われていることについては、↓
肺炎の脳性まひ男性に、家族に知らせずDNR指定(英)(2011/8/3)
「本人にも家族にも知らせず“蘇生無用”」はやめて一律のガイドライン作れ、と英国で訴訟(2011/9/15)
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The Patients Associationから、患者や家族の生の声を拾った3つ目の報告書が出ている。
We’ve been listening, have you been learning?
The Patients Association
報告書冒頭の、チャリティの責任者Katherine Murphy氏の挨拶によると、
もう何年も前から指摘されていることなのに、高齢患者が相変わらず
水分をとれず、食事介助もされずに、ナースコールは手の届かないところに置かれて
痛みのケアさえ受けられずに放置されている、とのこと。
Medical Futility Blogがとりあげていたので、
報告書34ページから36ページの Immacolate Lacovara さんのケースを読んでみた。
息子のMatt さんが書いたもの。
Lacovaraさんは今年の1月12日、
74歳の誕生日に病院の集中治療室に入院。
前日に呼吸専門ナースの診察を受け、COPDと診断されており、
12日の血液検査で異常が見られたので入院して酸素マスクを着用となった。
集中治療室ではPTが来ても
ベッドから椅子に移すだけで何もしてくれなかった。
(まずは座位をとることからリハビリを始めるというのはアリだと思うのだけれど、
この場合、家族にそれがきちんと説明されていなかった問題なのかも?)
Lacovaraさんは順調に回復を見せて、一般病棟に移ったものの、
体重が100キロを超える大きな人だったこと、英語が不自由だったことから
ナースは露骨に迷惑視して、ロクな看護をしてくれずに放置されたために、
母親の身体は辱そうだらけ、傷だらけになった、と家族は言う。
家族のいるところでも体が大きく重いことについて
ナースから平気で非礼な発言が繰り返されたので
娘が病院の責任者に抗議したがまともに受け止められたとは感じなかった。
が、何よりもこの人のケースで問題だと思うのは、
カルテに家族の誰も知らないDNR(蘇生無用)指定が記入されていたこと。
家族がそれに気付いたのは
母親が亡くなった夜だったという。
最後の晩には夫が付き添っていたが、
呼吸が出来なくなった時にどうにかしてくれと助けを求めても
DNR指定がされていたために何もしてもらえず、
夫は苦しむ妻を抱いていてやることしかできなかった。
そんなものを提案されたとしても
母親の代わりに家族がサインするはずはないし、
母親はずっと家に連れて帰ってくれと家族に懇願していたのだから
もしも万が一にも母親自身がサインしていたとしたら、それは
いい加減な説明で自分のために医療職がしてくれることだと信頼したか、
英語が不自由だったために理解できなかったかで
よもやそれで自分が見捨てられることになるのだとは
夢にも思わずにサインしたに違いない、と息子。
英国で一方的DNR指定が行われていることについては、↓
肺炎の脳性まひ男性に、家族に知らせずDNR指定(英)(2011/8/3)
「本人にも家族にも知らせず“蘇生無用”」はやめて一律のガイドライン作れ、と英国で訴訟(2011/9/15)
高齢者の入院時にカルテに「蘇生無用」ルーティーンで(英)(2011/10/18)
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“終末期”プロトコルの機械的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(英)(2009/9/10)
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