2ntブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
オーストラリア、ニューサウスウェールズ(NSW)州最高裁から
家族介護者の介護に関する画期的な判決。

シドニー在住のRose Thieringさん(58)は
07年にバイクの事故で四肢まひになった息子(33)の介護のために
高給の仕事をやめた。

NSW州には交通事故で障害を負った人には
強制的自動車保険(CTP)の保険会社による賠償金や
Lifetime Care and Supportという支援制度があるものの
プロの介護者の介護に対しては支給されることはあっても
家族介護に対しては給付の対象とならないため、

母親が息子の介護に費やした時間と労力に対して
夫妻が補償を求めて訴訟を起こしていた。

11日、NSW最高裁は
母親が介護した時間と労力に対する補償は請求可能だと判断を下した。

夫妻の弁護士が今後、
賠償保険の保険会社かLifetime Careのいずれかに請求することとなる。

この判決により、
Lifetime Careが家族や友人知人による介護を無休のままアテにしてきたことで
自動車強制保険の保険会社が負担を免れていたことが明らかになったが、

同時に、自動車保険の保険金の値上がりも避けられないだろう、と。

Historic court win for carer
The Telegraph, Novebmer 12, 2011


法律や制度の背景が分からないとなんとも言えないところはあるのだけど、

NSW政府のLifetime Care and Supportについては、
どういう委員会なのか、さかのぼって調べていないものの、
今年2月にNSWでの脳損傷者への支援を調査されたグループの報告文書にヒットしたので、
(お世話になっている名川先生のお顔もある!と思ったら名川先生の文章だった)
その文書から該当部分を以下に。

http://jaga.gr.jp/pdf/2010houkoku03.pdf から

プレゼンテーションにおけるポイントの1つにあがったのは、交通事故による外傷性脳損傷者に対する制度の充実と、それと比較して非外傷性などの脳損傷者に対する支援の不十分さである。すなわち、交通事故による外傷性脳損傷者は、賠償保険により経済的な補償を受け、私費によりサービスを購入確保するとともに、Lifetime Care and Support Scheme(LTCS) という包括的支援制度を利用できる(後述)。しかし、そうでない人は結果として低所得者となってしまうとともに、このスキームを利用できないため、全般的な制度利用にとどまる。両者には実に大きな開きがあるように感じられたが、しかし日本の現状は、この非外傷性などの脳損傷者に対する支援レベルと類似しているのではないかとの指摘があった。

⑴ 賠償保険による補償を受け、経済的に余裕がある場合民間の支援サービスを個人で購入し利用する。住居なども個別に確保する。またLifetime Care and Support Scheme(LTCS)によるサービスを利用する。具体的な生活の例としては、Cerebral Palsy Allianceでヒアリングを行った当事者の状況がわかりやすい。

⑵ 賠償保険による補償を受けられないため、Lifetime Care and Support Scheme(LTCS)を利用できず、低所得である場合オーストラリア連邦政府や州の提供する住居を利用する。あるいは、補助を利用してアパートを借りる。公的グループホームは待機者が大変多い。どうしてもみつからなければ高齢者施設を利用せざるを得ない。

これらに家族が関与するかどうかは、経済状態や障害の状態など諸条件によるため一概にはいえないが、経済的な余裕がある場合、主たる介護者はサービス提供者となり、家族は家族としての一般的なかかわりの中で本人と付き合うようになると思われる。ただし、認知障害や強度行動障害などのマネジメントが不十分で、家族が混乱・疲弊する場合は、生活を共にすることが難しくなるようである。

また、ヒアリングによれば、利用できるサービスがない場合は、家族が主たる介護者とならざるを得ないが、これには、低所得者層とした家庭がもっぱら該当するようである。現在はこのような家族の高齢化が進み、今後の支援体制が課題となっているとの説明もあった。BIA NSW のケースマネジメントスタッフなどが主としてかかわるのは、このようなニーズのある人たちであると、質疑応答で説明がされていた。

5 Lifetime Care and Support Scheme(LTCS)

2006年交通事故法(Motor Accidents(Lifetime Care and Support)Act2006)を根拠として創設された支援スキーム(枠組み)である。交通事故により、一定以上の傷害(脊髄損傷、脳機能障害、上下肢欠損、熱傷、永続的視覚障害など)を被った場合、以下のようなサービスを受ける。リハビリテーションは期限を定めて行われるが、その後の福祉的サービスは、ニーズに応じて継続される。

① 医療(歯科・薬剤を含む)
② リハビリテーション
③ 救急移送
④ レスパイトケア
⑤ アテンダントケア(個々のニーズに合わせた介助者)
⑥ 家事支援
⑦ 義肢、補装具、補助具等
⑧ 教育・職業上の訓練
⑨ 住居・施設等の改修



この調査チームの報告書によると、
交通事故で障害を負った人への支援の仕組みと
その他の原因で、例えば脳卒中の後遺症で障害のある人への支援の仕組みとは
根拠法も枠組みも別もので、前者の方が手厚いようなのですが、

この説明の中でも一概には言えないとしながらも
「主たる介護者はサービス提供者となる」という下りがあるのが興味深い。

交通事故による障害への支援の枠組み限定であるにせよ、今回、
家族介護者の介護についてもプロの介護者のように金銭補償が法的に認められたというのは
やっぱり画期的なこと。

これって、本当は、突き詰めていけば、
「おひとりさま」仕様の介護保険制度が理想形で完成された場合には
家族介護に対しても専門職と同じ介護報酬が認められて然り……ということでは???

いや、まぁ、だから、あくまでも
「理想形で」「完成」されたとしたら、の例え話として、
ちらっと頭に浮かんだだけなんだけど……。
2011.11.13 / Top↑
3月にオランダで認知症の女性に積極的安楽死が行われていたことについては
日本語でも報道されており、ここ数日、話題になっている。

認知症進んだ患者で初の安楽死、オランダ
AFP, 2011年11月10日

英語記事では
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2059444/Senile-64-year-old-Dutch-woman-euthanised-longer-able-express-wish-die.html
http://www.nationalrighttolifenews.org/news/2011/11/does-dutch-euthanasia-for-patients-with-dementia-expose-a-threat-to-u-s-patients/
http://medicalfutility.blogspot.com/2011/11/physician-may-honor-advance-decision.html

その他、BioEdgeもこの問題を取り上げている ↓

Informed consent in Netherlands:euthanasia
BioEdge, November 12, 2011


これらにざっと目を通してみたところでは、
女性は64歳で、ナーシング・ホームで暮らしていたらしい。
名前は明らかになっていない。

女性は意識がはっきりしている時に
自立した生活が出来なくなったり自分の子どもが認識できなくなったら
それは自分にとっては悪夢だから、安楽死させてほしいと
事前指示書を書いていた、という。

Mailによると、オランダでは今年だけでも、
認知症初期の患者21人が致死薬の注射を受けて安楽死したという報告書もあるが
認知症が進行した人の安楽死はこのケースが初めて。

上記の日本語のAFP記事では
この女性のケースについて所定の委員会の判断があったかどうかは不明とされているが、
これら英語記事によると、オランダでも例外的なケースであるため、
当該地域の5つの安楽死検討委員会が調査し、全5委員会とも
医師の行動を適切だと承認したという。

医師は患者と何度も会話をして、
どういう事態になったら耐え難い苦痛だと本人が考えていたかを
ちゃんと理解していたと判断されたもの。

しかし、安楽死当時には患者自身が意思表示することが出来なかったため、当初は
安楽死の要望が自発的なもので熟慮されたものか確信が持てないとして
安楽死に同意するのを拒んだ医師もいたとのこと。
(法律は2人の医師の同意を求めている)

Mailの記事によると、
オランダ国民の95%が安楽死法を支持している一方で、
認知症患者の安楽死を支持する医師は33%に過ぎないとの調査も。

BioEdgeによると、
オランダ医師会(KNMG)は今年、所信表明を出して
「安楽死法が認知症患者と精神障害者にも適用されることは明らか」と宣言したばかり。


しかし、
たぶん日本語ではまともに報道されることはなさそうだけれど
オランダからは、たいそう興味深いニュースがもう一つある。

Informed consent in Netherlands: circumcision
BioEdge, November 12, 2011

KNMGが男児の包皮切除に関し、
ユダヤ教やイスラム教など親の宗教を問わず、
オランダの医師は男児の包皮切除は行わないよう親を説得せよ、と
強い姿勢を打ち出したという。

その理由とは基本的には
「子どもはインフォームドコンセント出せないからダメ」というもので、

BioEdgeの引用によると、
「未成年の治療は病気や異常がある時、または
ワクチンなど、その医療介入が子どもの利益になることが説得力をもって示された場合のみ。
男児への非治療的包皮切除は子どもの自己決定権と身体の統合性の権利に反する」

KNMGの医療倫理学者は
「包皮切除は医学的に不必要な外科手術だとわれわれは感じています。
患者は同意しなければならないが、子どもは同意できません。
それは子どもの権利の侵害であり、間違っていると感じるのです。
医療倫理綱領に、医師は患者に害を為してはならないと書かれています。
包皮切除はまさに害を為す行為です」

イスラム教徒、ユダヤ教徒からは
宗教差別、移民締め出し策だと反発が出ているようだけれど、

それはそれとして
BioEdgeの編集長Michael CookがICの観点から
非常に興味深いエントリーを書いている。

The murky waters of informed conset
BioEdge, November 12, 2011


私も「害を為してはならない」のくだりで同じことを感じたのだけれど、

未成年はICを出せないから包皮切除は非倫理的だと言うなら
IC出せない新生児を殺すことを認めるグローニンゲン・プロトコルが
一体どうして倫理的だと言えるのか、

また3月にICを出せなかった認知症患者の安楽死が
なぜ事前指示書を根拠に問題なしと承認されるのか、

ではICの意味とは一体なんなのだ、と。


グローニンゲン・プロトコルについては以下に ↓
今なお聞こえる優生思想のこだま(2007/12/2)

包皮切除をめぐる論争では
それまでは慎重派だったAshley事件の担当医Diekema医師が
去年からしきりに「病気予防のエビデンスある」と旗を振っているので 、あれこれと拾っていて  ↓
Gatesの一声で、男児包皮切除にエビデンスが出てくるわ、小児科学会もCDCも方針を転換するわ(2010/8/16)
包皮切除件数減少を反対運動のせいだと騒ぐDiekemaのポチ踊り(2010/8/23)
包皮切除でのDiekema発言でNPRラジオに抗議殺到(2010/9/14)
2011年5月20日の補遺

オランダの安楽死法関連は「尊厳死」の書庫にエントリー多数ありますが、例えば ↓
オランダで「70歳以上の高齢者には自殺幇助を」と学者・政治家ら(2010/2/10)
オランダで安楽死が増加し保健相が調査。緩和ケアの崩壊も(2010/6/21)
幇助自殺者が毎年1割ずつ増えるオランダで「安楽死クリニック」求める声(2010/8/12)
2011.11.13 / Top↑
オランダで認知症患者の事前指示書により積極的安楽死。これは日本語記事。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2839924/8058732

「このオランダのケースが米国の安楽死議論に影響するか」とプロ・ライフのサイトが取り上げている。
http://www.nationalrighttolifenews.org/news/2011/11/does-dutch-euthanasia-for-patients-with-dementia-expose-a-threat-to-u-s-patients/

無益な治療ブログのPopeは、このニュースを歓迎? 【12日追記】……のはずはないと思って、読み返してみたところ、たぶん上の2つの段落はオランダのメディアからの引用。
http://medicalfutility.blogspot.com/2011/11/physician-may-honor-advance-decision.html


自殺ほう助合法化訴訟が進むカナダで、プロ・ライフの団体の世論調査で「カナダ国民が望んでいるのは安楽死でも自殺ほう助でもなく良い終末期医療」。
http://www.nationalrighttolifenews.org/news/2011/11/canadians-want-good-end-of-life-care-not-euthanasia-or-assisted-suicide/

英国の患者協会から一方的なDNR指定の実態に関する報告書。
http://medicalfutility.blogspot.com/2011/11/more-unilateral-dnar-cases-in-uk.html

脳スキャンで植物状態の人の意識状態を確認しコミュニケートできる可能性。前からこの研究をやっているケンブリッジのAdrian Owen教授ら。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/nov/10/brain-scanner-hope-patients-vegetative?CMP=EMCNEWEML1355

Owen教授らの研究については ↓
「植物状態」5例に2例は誤診?(2008/9/15)
植物状態の人と脳スキャンでコミュニケーションが可能になった……けど?(2010/2/4)


Forbesでビル・ゲイツが製薬会社についてしゃべっている。
http://www.forbes.com/sites/matthewherper/2011/11/10/what-bill-gates-says-about-drug-companies-2/

ビル・ゲイツがナノ・ワクチンで世界人口削減を考えている?
http://www.examiner.com/human-rights-in-national/depopulation-gates-pushes-nanoparticle-vaccine-giant-leap-against-mankind

「米国における鎮痛剤の非医療的利用について」Lancetに報告。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811%2961723-6/fulltext?elsca1=ETOC-LANCET&elsca2=email&elsca3=segment
2011.11.13 / Top↑
精神障害のある子どもを「病院に棄てる」親がいることは
かなり前から米国では問題となっていて、

08年にNE州が法律で保護しようとしたら、
余りにも多数の親が子どもを病院に棄てていくようになったために
対象を乳児に限定する法改正を行い、その分支援策を約束する、という展開があった。

詳細はこちらに ↓
NE州で「こうのとりのゆりかご」ジレンマ(2008/10/1)
NE州の「子棄て」めぐる分析様々(2008/10/6)
NE州“安全な隠れ家法”を改正(2008/11/24)
NE州、法改正で終わらず支援策を約束(2008/11/27)


今回、WP記事が問題にしているのは
ワシントンDC周辺の病院に同様のケースが続発している、
それなのに、そういう子どもの受け皿がなく縦割り行政の責任のなすりあいで
これでは精神障害のある子どものセーフティ・ネットは機能していないじゃないか、
だから他に頼るところのない親が病院に子どもを棄てていくんだ、
これはDCに限らず、全米で起こっていることなんだぞ、
早期にカウンセリングを実施すれば違うだろ、と。

(でも、早期にカウンセリングがあるだけでは
使えるサービスがないまま「相談窓口」作らせるどこかの国の介護みたく、
あまり解決にはならないような気がするけど。)


9月15日に
メリーランド州Prince George在住の母親が
DCの子ども病院の精神科に10歳の男の子を連れて来た。

で、そのまま自分は帰ってしまい、
その後「もう面倒を見切れない。育てられない」と引き取りを拒否し続けている。

裁判書類によると、その子どもはこれまでに
ADHDと躁鬱病(manic depression)、双極性障害(bipolar disorder)を診断されており、
親族の目に鉛筆を突き刺したことがあるという。
医師には人を傷つけるのが「おもしろい(funny)」と言ったとか。

子どもを棄てられた病院では困り果てて裁判所へ。

ウチは急性期の病院だから、棄てられた子どもをずっと置いておくわけにはいかない、
誰も引き取ってくれないなら、この子を救急車に乗せてPrince Georgeに運び、
福祉部の前に棄ててくるぞ、みたいなことまで言っている。

一方Prince George郡では
この子を治療できるような医療機関がないから引き取れない、という。

DCの福祉当局は
「母親がDCの住民ではないからダメ」。

仮に親子がDCの住民だったとしても、
子どもの精神障害をちゃんと見れるような機関はDCにもないのが実情。

つまるところ、
子どもの精神保健もセーフティネットも整備されていないということで、

WP記事は
「子ども達のセーフティネットはいろいろ整備されていて
ワクチンだって打ってもらえる。年に1度の往診も受けられる。
それなのにメンタル・ヘルスだけは後回しになっている。

その一方、
最近、the National Center for Children in Povertyが出した報告によると、
子ども5人に1人が精神障害を診断されており、
10人に1人には家庭や学校や地域での生活に支障をきたすほどの
メンタルヘルスの問題があるというのに」

「機能不全のお役所仕事、役に立たない施策、教育の欠落と、
なんといっても大きく不足しているのはカネ」

で、すごいのが、
この10歳の少年のケースでDCの上級裁判所が出した命令で
「誰かが子どもを引き取って、たらい回しを止めよ」と。

誰かが……って。

Safety nets for mentally ill children are full of holes
WP, November 8, 2011


なんかイヤ~な予感がするのは、

日本で療養型病床の廃止方針が打ち出されて以来、
地域での受け皿なんかないまま施設や病院から追い出された高齢者はその後、
重症高齢者専用のアパートという名の貧困ビジネスの食い物にされている……。

そんなように親に棄てられた子ども達の周辺にも、
いわゆる「貧困ビジネス」の新たなマーケットが開拓されていくのでは……みたいな……。

それを想像すると、
うああああああああああああ……髪を掻きむしってしまう……。

障害のある子ども達も、親が面倒を見切れなくなって、かといって殺すこともできず、
公共サービスだって「どうにかしてあげるカネなんかないよ」ということになったら、
そういうところに押し込められていくしかないんだろうか。

高齢者と違って、子どもは、もしかしたら
誰も気づかない内に一人ずつどこかへ連れ去られていくんじゃないだろうか。

もう何年も前から英国の空港や港周辺の保護施設で
移民の子ども達が数十人単位でいつの間にか姿を消しているように……?


英国で子ども達が消えている話については、こちらに ↓
子どもたちがこんなにも不幸な時代(2008/5/30)(これの⑨)
2009年5月11日の補遺
2011年10月23日の補遺


その他、関連エントリー ↓
病院の障害患者遺棄(2007/11/16)
FL州では早期介入で荒れる子どもと家族の支援に効果(2008/12/9)
米国の精神障害者の危機介入に起動危機チーム(2008/12/9)
障害児・病児の介護者の4分の1はレスパイトが不十分(米)(2009/2/16)
2011.11.13 / Top↑
去年12月11日にFENが「GA州法の自殺幇助関連規定は言論の自由を侵す」と訴訟のエントリーで紹介した裁判の続報。7日からGA州最高裁にて審理。
http://www.therepublic.com/view/story/9901f8e1621a4cc39abcba75d6064aa5/GA--Georgia-Assisted-Suicide/
http://www.11alive.com/rss/article/212021/3/CUMMING-Top-court-to-consider-assisted-suicide-law

2009年に4人の逮捕者を出したFENによる自殺幇助事件については
上記去年の記事の末尾に関連エントリーのリンク一覧があるほか、
以下の「介護保険情報」09年4月号の連載記事に簡単にまとめました。
http://www.arsvi.com/2000/0904km.htm

その後、アリゾナでの無罪判決など続報を拾った補遺は以下。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/63118714.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/63130302.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/63316841.html
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/63337923.html


シノドス・ジャーナル掲載の小山エミさんによる米国のパラ・トランジットに関する記事「おばあちゃんのスタバ通い――障害者向けシャトルサービスによる社会参加」。:当ブログの以下のエントリーから障害学MLで話題となり、それをきっかけに書かれたもの。私の方はこのエントリー情報から検索して、「介護保険情報」10月号の連載で「障害者に交通アクセスを保障するパラ・トランジット」という文章を書きました(いずれも以下にリンク)。
http://synodos.livedoor.biz/archives/1852782.html#more

メトロやバスに乗れない障害者には個別シャトルで平等なアクセスを保障(ワシントンDC)(2011/8/8)
「障害者に交通アクセスを保障するパラ・トランジット(米国)」を書きました(2011/11/2)


日本。「生活保護受給者過去最多」について生活保護問題対策全国会議その他、多数の団体からの見解。問題は貧困の拡大。
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-9.html

世界人口の1%のスーパーリッチの自己正当化への批判。「もしも勤勉と創意工夫が富で報われるならアフリカの女性は大金持ちになっているはず」。過去30年間の富は金の亡者の手に落ちたために世界経済は破綻に瀕しているのだ、と。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2011/nov/07/one-per-cent-wealth-destroyers?CMP=EMCNEWEML1355

電子カルテの不備が患者の死傷に繋がったケースを調査するよう、医療研究機関の報告書が勧告。
Panel Emphasizes Safety in Digitization of Health Records: An Institute of Medicine report recommend that an independent agency investigate deaths and injuries related to poorly designed, hard-to-use computerized health records.

ミシシッピ州法の中絶禁止に向けた改正法案は否決。共和党の全国的な中絶禁止キャンペーンに痛手。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/nov/09/mississippi-voters-reject-anti-abortion-amendment?CMP=EMCNEWEML1355
Mississippi Voters Reject Anti-Abortion Measure: Republican-backed measures across the country took a hit, including a Mississippi initiative known as the ‘pesonhood’ amendment.

オハイオ州では労働組合の権利を制約する法案、否決。
Ohio Turns Back a Law Limiting Unions’ Rights.: Voters in Ohio delivered their verdict on a centerpiece of the conservative legislative agenda.

インドで鼻に近づけるだけで結核を診断できる簡易装置の開発が進むことに。資金はGrand Challenges Canadaという団体とゲイツ財団から。:インドで貧しい農夫をさらに貧しいところに突き落す農業改革を進めている財団が、片方でこういうことをしていることの怪。投資という視点で考えると怪でも何でもないのかも。
http://www.guardian.co.uk/global-development/2011/nov/07/tuberculosis-electronic-nose-device?CMP=EMCNEWEML1355
http://indiatoday.intoday.in/story/tuberculosis-electronic-nose-bill-gates-icgeb-scientists/1/159083.html
http://www.deccanherald.com/content/203283/gates-open-e-nose-project.html

米国では子どもに抗生剤を投与し過ぎ。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/237321.php

黒人に比べて白人とヒスパニック系の若者に薬物乱用が多い。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/237286.php

病院に比べてナーシング・ホームでは看護師がミスを報告しにくい傾向がある。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/237219.php

英国でクリスマスを前にテレビによる認知症啓発キャンペーン。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/237247.php

脳卒中のリスク・ファクターが認知症に繋がる。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/237282.php

NHSの医療レベルがあまりにも酷い、との報告書。ナースが痛み止めを拒否、食べ物も水分も十分に与えられない患者ケア。
click.mail.guardian.co.uk/?qs=76a89bdf7ec63e44d27e840ac32c19cbe3373928c0d75f2ff81135b882e97a6f

米国のAffordable Care Actで高齢者が処方薬に払う費用が減り予防ケアを無料で受けられるようになって、医療費120億ドル節減。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/237236.php

未熟児に自閉症が多い、そうな。
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/autism-diagnosis-is-found-to-be-more-common-in-those-who-weighed-least-at-birth/2011/11/02/gIQA7iXOvM_story.html?wpisrc=nl_cuzheads

電子タバコの有害性がかなり前から時々話題になっているけど、日本ではちっとも問題にならないのはなぜ?
A Tool to Quit Smoking Has Some Unlikely Critics: The results of a study of “e-cigarettes” are encouraging, but a coalition of government officials and antismoking groups are warning about their dangers and trying to ban their sales.

オキュパイ運動も1カ月となり、そろそろダレてきた観も。このところ、あちこちで住民とのトラブルも報じられていて、DCの警察が対応姿勢を変更?
http://www.washingtonpost.com/ac2/wp-dyn?node=admin/registration/register&destination=login&nextstep=gather&application=reg30-local&applicationURL=http://www.washingtonpost.com/local/dc-politics/police-to-adjust-tactics-for-dealing-with-occupy-dc-protesters-chief-says/2011/11/07/gIQAuh1JxM_story.html?wpisrc%3Dnl_cuzheads

墓から掘り出したミイラ29体に服を着せて家に保管していたとかで、市民歴史家を逮捕。ロシアで。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/nov/07/russian-historian-mummified-bodies-police?CMP=EMCNEWEML1355

英国人向け、手巻きずし、にぎりずしの作り方ビデオ。解説は日本語、英語字幕付き。包丁さばきがカッコイイ。なるほど英語ではこういうのか、というのも面白い。シリーズで他にてんぷらとみそ汁ビデオも。
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/video/2011/nov/07/how-to-make-sushi-video?CMP=EMCNEWEML1355
2011.11.13 / Top↑
夕方、なんということなくつけていたCNNで、

エジプトでアフリカからの難民が奴隷状態に置かれ、
その中から生きたまま臓器を摘出されて殺されている人がある、

そうした難民から盗まれた臓器の密売がエジプトで
武器の密売に次いで儲けの大きな商売になっている、
というニュースを見たので、

検索してみたら、以下の関連記事があった。

Refugees face organ theft in the Sinai
CNN, November 3, 2011


シナイ半島の砂漠で
腹部、特に肝臓と腎臓のあたりに不自然な縫合のある遺体が多数発見されている。

(上記記事のビデオに、
腹部に複数の大きな切開・縫合痕のある遺体の衝撃的な写真があります)

もともとエジプトはWHOから臓器売買のハブとなっていると指摘されており、

砂漠から見つかった遺体の解剖結果では
死ぬ前48時間以内に臓器が摘出されているらしい。

多くの縫合は肝臓と腎臓のあたりにある。

(とはいえ、上記ビデオの写真では
腹をぱっくり開いて採りたい放題したのでは……と
思えるほどに大きな傷が、遺体ごとに複数あります)

今回、人権団体the New Generation Foundation for Human Rightsが
これらの遺体について調査して、

カイロの医師らが関与して大がかりな臓器窃盗と密売が行われている、
アフリカからの難民が被害に遭っている、との証拠をつかんだ。

やっているのはアフリカからの密入国を手掛けるBedouin族。

Bedouin族は、
エチオピア、エリトリア、スーダンなどからの難民から
金を取ってイスラエルへ密入国させているが、
金を払えない難民は拘束して奴隷労働に従事させたり拷問したりしている。

それらの難民に麻酔をかけて
生きたまま臓器を摘出し、そのまま放置して死なせている、という。

エジプトの法医学部局の前トップで違法臓器売買の専門家である
Fakhry Saleh医師によると、

一味とつるんでいる医師らがカイロから
移動クリニックとして来て摘出しているのではないか、とのことで、

「臓器密売は武器の密売に次いで儲けの大きな商売。
麻薬や売春なんかよりも、はるかに儲かる」

CNNがコンタクトに成功したBedouin族で臓器売買に関与している人物は
「医師らは直接Sawarka一族と取引している。臓器の値段は2万ドルから」
「カイロとかまで6から8時間くらい臓器を保存するために
医師らは携帯型の冷蔵庫を持ってくる」

記事では、CNNがコンタクトをとったBedouin族の男性の
「まるで車の部品みたい」という言葉が紹介されていますが、

夕方見た番組の方では、この前に
「医師から、これとこれとが欲しい、という注文が入ると、
それらの臓器を採るのに見合った難民をこっちで品定めするんだ。
まるで車の部品みたいなもんだよ」という流れの発言でした。
2011.11.13 / Top↑