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Yahoo!Japanで記事タイトルを見て、思わず唸った。
許せない。




以下のNYTimesの記事では、

イラク軍のスポークスマンがAP通信に語った話として
「自爆したのは知的障害者 」と書きつつも
決定的な証拠が示されたわけではない」とも。

米軍が出したプレスリリースでは
「イラク当局から女性が知的障害者との発表があったことは承知している。
それ以上の我々独自の報告は得ていないが
イラクの発表を疑う理由もない」

また記事の後半には
「市場で(2人のうち1人の)女性の切断された頭部を調べた結果
ダウン症だと結論付けられたとのイラク内務省警察部隊の高官発表があった」

ただ
「以前にもイラク官憲は同様の発表をしたことがあり、
爆発の衝撃で頭部にゆがみが生じた可能性の有無はすぐには分からない」とも。

(これは以前の発表は間違いだったということでしょうか。
それから顔で判断したということ?
 染色体を調べたのではなくて? )

Two Bombings Wreak Carnage in Iraqi Capital
The New York Times, February 2, 2008

チェックポイントでの検査が強化されて
車に仕掛けたのでは通過しにくくなったために、
チェックポイントで検査を受けない女性を使うという
新たな戦術に出たものだろうとの見方も。

その女性に関連した部分を
とりあえず原文で以下に。

Iraqi security officials said the women were mentally disabled, but offered no conclusive evidence. The Iraqi officials said the bombs were set off by remote control.

Iraq’s chief military spokesman in Bagdad, Brig. Gen. Qassim al-Moussawi, told The Associated Press that the bombers were mentally impaired.
Other officials made similar claims. Maj. Gen. Abdul Kareem al-Ezzi, a senior officer in the Ministry of Interior police commandos, said officials at the Ghazil market concluded after studying the bomber’s severed head that she had Down symdrome.But Iraqi officials have made similar claims in the past, and it was not immediately clear whether the bomber’s head could have been distorted by the blast.

記事ではこのすぐ後に露天商の目撃談が続いており、
彼が爆発の数分前にこの女性を見かけた際には
「見たところ普通に行動していた(apparently behaving normally)」、
「小さな男の子の手を引いて後ろを振り返りながら歩いていた姿は
 落ち着いていた(she wasn’t uncomfortable at all)」と。

爆発後に切断された頭部を見て、その時の女性だと気づいたが
男の子の姿が消えていた、
無垢な眼差しが忘れられないので
あの子がどうなったか気になる、とも。

【追記】
しかし、
1人は何らかの手がかりがあってダウン症と判断したのだとしても
染色体を調べたのでなければNYTimesが言うように根拠が乏しいし、

さらに
もう1人の女性が知的障害者だったというのはどういう根拠で判断したことなのか?

この話、もしかして、ちょっと……??

【追追記】
上記NYTimesの記事の中に、
女性だとチェックをかいくぐりやすいという点で、
最近は自爆テロで死んだ兵士の未亡人から志願者を募っているらしい
という話もありました。


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もちろん障害に付け込んで武器として利用するなどという卑劣は
どんなに憎んでも憎みきれない非道ですが、

知的障害者だから治療をさっさと切り上げて臓器を取ってしまおうとか、
障害者だから病院から追い出して路上に捨ててしまおうとか、
障害があるから親に殺されてもやむをえないところがあるとか、
障害者だから生まれてすぐに殺してもいいだろうとか、

健常者の利益や都合のために
障害のある人の命を軽んじる、
または障害に付け込んで、障害をいいわけに理不尽な扱いをするという意味では
根っこにあるものは違わないのでは?

これが本当にイラク当局の発表どおりの事件だったにせよ、
もしも何らかの意図で流されたガセだったにせよ、

この事件もその他世界のあちこちでもう少し目立たない形で起こっていることと同じ、
障害者に向ける世の中の目がどこか決定的に変質しつつあることの1つの表象なのでは
……という気がしてくるものだから改めてまた背筋が冷たくなるような……。
2008.02.02 / Top↑
日本で起きた中国製毒入りギョーザ騒動2日目の31日、
NYTimesには中国での白血病治療薬汚染の話が出ています。

国営の大規模製薬会社が作った白血病の薬が汚染されて
去年の夏に200人近い中国の癌患者らがマヒを起こしたとか。
この事件で上海警察が刑事事件として捜査を開始、
既に工場責任者2人が逮捕されるなど、
国を挙げてのスキャンダルに発展しているとのこと。

この製薬会社 Shanghai Hualianは20数カ国に薬を輸出しているというのですが、
日本は大丈夫なのでしょうか。


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ところで、
去年アメリカでは中国製のオモチャの塗料とか
ペットフードの汚染が問題になっていましたが、
この汚染薬品スキャンダルは直接的にアメリカで被害が出たわけでもないのに、
何故こんな大きなニュースになっているかというと、
この会社がアメリカで使われているRU-486と呼ばれる経口中絶薬の唯一の製造元だから。

同じ会社とはいえ、問題の白血病の治療薬を作ったところとは別工場で作られているとか、
そちらの工場については上海のFDAがしっかり査察しているとか、
内容はそういったニュースなわけです。


このRU-486については
つい最近気になる記事を読んだ覚えがあったので
当たってみたら1月22日のWashington Postに
As Abortion Rate Drops, Use of RU-486 Is on Rise

プライバシー権に含まれるとして初めて女性に中絶権を認めた
Roe v. Wade 裁判から35年、
アメリカの中絶事情も様変わりして、
中絶の全体数が減っている一方で
2000年に認可された経口中絶薬RU-486の使用が急増しているというニュース。

女性には自宅で目立たずに中絶できる点が好評で
医師にとっても、
中絶を行うクリニックはどうしても目に立つけれど
経口中絶薬を処方するのは外部からは伺えないので
プロ・ライフ派の批判を浴びにくいという利点があって、
これまで中絶はしないという方針だった医師の中にも
経口中絶薬を処方する人が増えてきているとのこと。

これはつまり、誰にとっても「お手軽だから」ということですね。
リスクが全くないというわけではないのですが。

どうも英米のニュースからは、
様々な薬がとても安易に濫用されて、
それを当たり前と感じる文化が広がりつつあることが懸念されます。

6歳の子どもにエストロゲンを大量投与するなどという考えも、
こうした背景の中から出てくるものでしょうが、
インターネットでの薬の売買をちょっと覗いただけでも
薬の濫用は日本でも実は意外なほどに広がっているのでは、という気もします。

WPの記事では生殖医療の専門家団体のメディカル・ディレクターが
この薬のインパクトと将来性は大きいですよ。
 このまま中絶をごく普通のことにしてしまうでしょう。

まるで製薬会社のプロパーさん(MR?)が営業しているみたいに。


         ―――――――

ちょっと古い記事ですが
シアトル在住の日本人助産師さんが
RU-486を巡るアメリカの医療を解説しているサイトがありました。
リスクについても詳しく書かれています。
女性の健康 第4回:中絶ピル


RU-486に関する日本の厚労省の見解はこちら
2008.02.02 / Top↑