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BBC Radio 4 のインタビュー(7月2日)で
Dignitasの創設者 Ludwig Minelliが

「終末期の決定は健康な人にも適用されるべき」

「ターミナルな病気の人を巡って自殺幇助を云々している
英国の議論は時代遅れ」

「例えば、非常に高齢の人の場合、
健康であっても生きることは何かと苦しくなります。
とても高齢で、家族も友人もいなくて、そういう人が死にたいと言っているとしたら、
どうして断れますか?」などと語り、

求められれば健康な人の自殺幇助も行う、と。

Dignitas ‘would offer assisted suicide to healthy’
July 2, 2010


またBBCだ……。

去年、放送メディアでは5年ぶりにMinelliのインタビューを放送したのもBBCだった。


自殺幇助に関するBBCの偏向報道については、

自殺幇助に関する偏向報道で、BBCチェアマンに大物議員が会談申し入れ(2010/2/23)
BBC「世論は慈悲殺を支持」の怪(2010/2/1)
「BBCは公金を使って安楽死を推進している」と議員らが批判(2010/2/5)
幇助合法化を訴えて自殺した健康な夫婦の続報を新たな記事のように書くBBCの怪(2010/4/1)
2010.07.03 / Top↑
以下の2つのエントリーでこの話題を取り上げた際にも疑問を呈しましたが、

ドイツ最高裁が本人意思なら延命治療停止は合法との判断(2010/6/25)
ドイツの延命治療停止判断を自殺幇助とグズグズに書く NY Times(2010/6/29)


AP通信が、6月25日の記事(上記、同日のエントリーにリンクしています)で
自殺幇助を合法化したとの報道が誤りであったことを認め、訂正記事を出しました。

以下、全文です。

6月25日の死ぬ権利訴訟に関する記事で、
AP通信はドイツの最高裁が自殺幇助を合法化したと
誤って報道いたしました。

訴訟は、ターミナルな状態ではないものの、
経管栄養にて生かされている(kept alive)植物昏睡(vegetative coma)の女性に関するものでした。

最高裁は
その女性の娘に母親から栄養の管をはずすことができると告げた弁護士の
過失致死の有罪判決を覆したものでした。

女性は昏睡に陥る以前に、
このような状況下で生かされていたくないと言ったことがありました。

Correction: Germany right-to-die story
AP, July 2


この訂正は当たり前と思いますが、
ダメージは既に広く行われてしまいましたし、

訂正記事そのものにも、
「死ぬ権利訴訟」だとか「経管栄養で生かされている」など、
AP通信もBBCのように合法化アドボケイトなのか……と勘繰りたくなるような
微妙な価値判断を含んだ言いまわしが見られます。

さらに、やはり私が25日のエントリーで懸念した通りに
Kuellmerさんはターミナルな状態ではなかったようです。

それならば、
ターミナルだったと書いたところは訂正記事を出すべきでしょう。

(APはターミナルだったとは書いていませんが、
25日にリンクしたメディアの記事は書いていたし、
当時ネットにあふれていた情報からすれば他にもあったと推測します。)

NY Timesも、自殺幇助の議論とグズグズに記事を書いたことについて
ちゃんと総括すべきだと思うし、

いわゆる権威ある主流メディアの報道のいかがわしさについて
改めて考え込んでしまいます。

もしかして、世論を大きく揺さぶるインパクトを与えるためには、
事実や詳細は無用で、誤報であれ何であれ、くっきりしたイメージを流すことがカギ。
事実でないこと、敢えて誤解を招きそうなことを書いたって後で修正すれば済むし、
どうせ修正記事の方は多くの人の目には止まらないのだから……っていうところまで、

まさか、もう堕ちている……?

(Ashley事件で平気でそこまで堕ちたことをやった新聞は、実際にありました。)
2010.07.03 / Top↑