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英国の社会保障費カットで、精神障害者が自殺に追いやられる可能性が精神科医療の専門家から指摘されている。
http://well.blogs.nytimes.com/2011/05/31/cellphone-radiation-may-cause-cancer-advisory-panel-says/?nl=todaysheadlines&emc=tha23

英国でも有名な知的障害者のケアホームで、入所者への虐待が明らかになり職員4人が停職処分に。覆面潜入ルポをウリにしているBBCのPanoramaという番組の報道で。:「パノラマ」は以前にも潜入ルポで在宅介護のお粗末を暴いたことがあった ↓ 5月にもWhich? という消費者保護チャリティが覆面潜入調査で高齢者ケアホームの介護実態を調査し、報告書にまとめていた。これについては「介護保険情報」6月号の連載に書いたので、7月に入ったらエントリーにする予定。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/may/31/abuse-at-leading-care-home?CMP=EMCGT_010611&

【パノラマが暴いた在宅ケアのお粗末】
BBCの潜入ルポが在宅介護の実態を暴いてスキャンダルに(2009/4/11)
在宅介護の遅妻つを暴いたBBC潜入ルポに反響2つ(2009/4/19)
病院ケアの怠慢を隠し撮りしたナースの登録抹消を労働組合が批判(2009/4/20)

バイオ燃料のプランテーションがアフリカでブームに。でも、それが結局は食糧価格の高騰を招き、貧富の格差と飢餓の拡大に繋がっている。地球温暖化にも。
http://www.guardian.co.uk/environment/2011/may/31/biofuel-plantations-africa-british-firms?CMP=EMCGT_010611&

インターネットを通じてなど消費者直結(DTC)の遺伝子検査の病気予測には正確性に問題があり、個人の利益にはならない。:この問題、私が英語ニュースをチェックし始めた2006年から同じことが言われていたのに、今だに規制されないまま。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/226929.php

日本でもニュースになっていたけど、WHOが携帯電話に発がん性がある可能性を指摘。
http://well.blogs.nytimes.com/2011/05/31/cellphone-radiation-may-cause-cancer-advisory-panel-says/?nl=todaysheadlines&emc=tha23

中国の経済発展の原動力になってきた労働者層の増加がプラトー状態に。
http://www.washingtonpost.com/business/economy/chinas-workforce-is-expected-to-start-shrinking-in-next-few-years/2011/05/02/AGrVKmFH_story.html?wpisrc=nl_cuzheads
2011.06.01 / Top↑
米国国立衛生研究所NIHのクリニカル・センターで行われている臨床実験について
Washington Postが記事を書いている。

1953年に米国政府が創設したNIHのクリニカル・センターは
人を対象とする治験を目的とする世界最大の研究機関で、ヒトを対象とした治験は年間1500件。
センターの臨床研究の予算100億ドルのうち、3億ドルが特にヒトを対象とした治験用に使われる。

それでも件数でいえば米国で行われる治験のごく一部ではあるが、
症例数が少ない病気だったり、ギャンブルみたいに効果が不透明な治療など
製薬会社やバイオ企業や大学には手を出しにくい治験も実施するところが
このクリニカル・センターの特性。

かつては治験参加者は医師らが口頭で募っていたが
現在ではインターネットに専用サイト Clinicaltrials.govがあり、
また同センターのウェブサイトから申し込む人もあって、希望者数は膨れ上がっている。

これまでNIHがスポンサーとなった治験に参加したのは約40万人で、
治療法がない病気の最後の望みだったり他では治療が受けられない珍しい病気の人だったり、
まだ新しい治療法を試してみたいとか、病気に関する知識を身につけたいとか、参加の理由は様々。

治験での医療はすべて無料。

「請求書を送ることはありません。
支援がなければ通えない人には交通費も支給します。
社会経済的な理由でアクセスを拒まれる人はありません。
だから他の人たちがとっくに諦めてしまったような状態で
うちに来る人は少なくないですよ」と、センター幹部。

例えば同センターの生命倫理部長のEzekiel J. Emanuelなど
実験で使われる薬に命に関わる副作用がある可能性について
被験者がその実験のリスクをきちんと説明され、
それを実際に十分に理解した上で参加に同意しているかどうか、
ただ文書を読むことと、その内容をちゃんと理解することとは違うが、
実際には文書を読んですらいない人もいるのではないか、
多くの人は研究のリスクを理解していないのではないか、と
疑問を投げかける声はあるが、

多くの被験者は、リスクは冒してでも、と考えるようだ。

例えば
5年前にステージ4の乳がんを治療したSamantha Seinfeldさん(35)は
08年にシアトルのWashington大学でガン患者向けの実験的なワクチンの治験に参加した。
カリフォルニアからシアトルに通い、治験に参加。
しかし治験が始まって6カ月後に乳がんが再発した。

Samanthaさんがインターネットで調べてNIHの治験を知り、
WA大学の担当者に相談すると、

何も証明されてはいない理論の段階だけれど
NIHの治験で使われているPANVECは有望なワクチンだし、
こちらで既に6か月試してみたワクチンとの相乗作用もあるかもしれない、と勧められ、

Samanthaさんは3年前に仕事をやめ、同棲していた恋人とも別れて
ワシントン州近郊のBethesdaに移り住んだ。

Samanthaさんの他に乳がん患者12人、子宮がん患者14人が参加したが、
現在、残っている被験者はSamanthaさん一人だ。
他の26人はガンで亡くなったり、悪化して辞めた。

最初から病気が軽かったのか、化学療法の中断期間が長かったためか、
またはWA大学で6カ月受けたワクチンの効果なのか、
なぜかSamanathaさんだけはガンが見つかっていない。

現在Samanthaさんは数カ月おきにNIHへ行き、
CTを撮って、PANVACワクチンの注射を受ける。
同ワクチンは遺伝子操作を行った鶏痘ウイルスから作ったもので、
免疫システムを強化し癌の再発を予防する効果が期待されている。

NIH human clinical trials look for causes and cures for disease
The WP, May 31, 2011


私は医療職でも何でもないので、
気になったからといって詳細に論じるだけの知識も能力もないけれど、
この記事で、いくつか気になった点をメモしておくと、


① Samanthaさんが数カ月おきにCTスキャンを受けていることには
放射線被ばくリスクがあるのではないか、という点。

この点は
日本ではCT装置の設置率が他国よりも高くて
それだけ患者に検査がオーダーされることが多いとして、
最近なにかと指摘されている問題でもあり、

英語圏のニュースでも、
2010年11月22日の補遺や2010年12月21日の補遺で拾ったように
特に子どもの検査被ばくが問題視され始めている。

治験に参加して、既に3年もの間、数カ月おきにCT検査って、
そこには倫理的な問題はないのかなぁ……と、素人の素朴な疑問。

また記事の中で別の治験に参加している人は
半年ごとに脊髄液の生検を受けているという。
これもリスクの高い検査では?


② 癌予防のワクチン開発が有望視されていることについては
当ブログでも以下のエントリーその他で拾って来ており、

その背景にはゲイツ財団の慈善資本主義が提唱する「ワクチンの10年」、すなわち
ワクチンを今後10年間で新たなマーケットに育てようとする政治経済的な意図が
あると読んできただけに、

ああ、ここでもやっぱりゲイツ財団の手であり足であるワシントン大学が出てくるのか、
なるほど辻褄が合うことだなぁ……と。

【関連エントリー】
リスクの“リ”の字もなく“黄金時代”に沸くワクチン開発記事(2009/11/19)
「これからはワクチンが儲かりまっせぇ」の陰には、やっぱりゲイツ財団が……(2009/11/20)
「必要を作り出すプロセスがショーバイのキモ」時代と「次世代ワクチン・カンファ」(2010/5/29)


③ リスクが低く効果もあって臨床現場に定着している一般的な医療へのアクセスを、
多くの人が社会経済的な理由で拒まれている米国社会で、

リスクが大きく効果も多くの場合は不透明な臨床実験へのアクセスの方は
「社会経済的な理由で拒まれる人はいません」と、胸を張って保障されることの皮肉。

【関連エントリー】
「なぜ大国アメリカで?」と医師が憤る無保険者の実態(2009/8/13)


④ この記事が挙げた「治験参加を希望する人の理由」の中には、なぜか含まれていないけれど、
まさにその「社会経済的な理由」から、病気になって何がしかの医療を受けようと思えば
治験に参加して無料で受けられる医療を受けるしか他に方法がないから、という人もあるのでは?

それなら、
途上国の医療アクセスの乏しさに付け込んだ非人道的な人体実験が行われている状況が
米国内でもあるということなのでは?

【関連エントリー】
ファイザー製薬ナイジェリアの子どもに違法な治験、11人が死亡(2009/2/1)
ゲイツ財団がコークとマックに投資することの怪、そこから見えてくるもの(2011/3/9)


そういえば、Ashley事件の黒幕と当ブログが睨んでいて
WA大学のオトモダチでもある過激派倫理学者のNorman Fostや
科学とテクノで不老不死を夢見るトランスヒューマニストの間からは
2007年あたりから、既にそれらしい発言が出ていました  ↓

多数のため少数の犠牲は受け入れよ、とカーツワイル(2007/10/1)
Fostらが「プライバシー法は医学研究のジャマ」(2007/11/26)
もう1つ、Fostのコワい発言(2007/11/28)
(「報酬さえ出してやれば子どもを治験に参加させたって別に」という趣旨の発言)
小児科の医学研究 安全基準見直しへ(米)(2008/6/9)
(この見直しを検討するFDA委員会の委員長はFost)


その他、2007年にWPが報じていたNIHでの遺伝子臨床実験問題はこちら ↓

遺伝子治療で死者
遺伝子治療で死者 続報
死者出た遺伝子治療実験に再開許可(2007/11/26)

【その他の治験関連エントリー】
臨床試験の舞台裏についてArt Caplan(2008/4/18)
“エレファントマン薬物実験”の怪(2008/6/30)

【Dr. Emanuel関連エントリー】
「障害者は健常者の8掛け、6掛け」と生存年数割引率を決めるQALY・DALY(2009/9/8)
自己決定と選択の自由は米国の国民性DNA?(2009/9/8)
2011.06.01 / Top↑