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まずは、英国の介護者週間関連から

介護者週間アイルランドでも。
http://www.rte.ie/news/2011/0613/carers.html

アイルランドではアル中のため若年介護者が71000人。
http://www.irishhealth.com/article.html?id=19326

若年介護者は年齢よりも早く大人にならざるを得ない。:これは一種の虐待。
http://www.shieldsgazette.com/news/health/young_carer_has_had_to_grow_up_quickly_1_3475100

NHSも介護者支援に賛同
http://www.bournemouthecho.co.uk/news/9080847.NHS_gives_backing_to_campaign_for_carers/

「隠れたケアラー」を見つけるすべを行政職員は身につけよう、と。
http://www.peoplemanagement.co.uk/pm/articles/2011/06/sainsburys-to-train-staff-to-recognise-hidden-carers.htm

こちらは「ケアラーの本当の顔」を見つけよう、と。:最後の二つは、今日の日本のケアラー実態調査のエントリーにも通じていく。
http://www.bedfordshire-news.co.uk/News/Finding-the-true-face-of-carers-14062011.htm

               ――――――――――


昨夜のBBCの自殺幇助場面を含むPratchettによるドキュメンタリー放送に、インターネットで「自殺幇助をロマンチックなものと描いた」「まるで当たり前のことのように描いた」などの批判や、マネをする人が出るなどの懸念が出たとか。Daily Mailの批判記事を受けてBBCがPratchettの反論と、放送したBBCの意図を説明。論点がわざとズラされている? この中にMailやIndependentの関連記事へのリンクもある。
http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-13760933

こちら、Pratchettの放送後の発言を拾ったBBC記事。
http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-13758286

英国首相は昨日これでBill Gatesからおほめの言葉をいただいていたのだけど、途上国のワクチンに8億1400億ポンドを出すと明言したことで国内で非難を浴びている。本人が「国内で厳しい予算削減を敢行している時だから論議を呼ぶ」と認めつつも「途上国の8000万の子どもにワクチンを打ち140万のいのちを救うことには人道上の意味がある」と。:人道上というよりも、英国が「ワクチンの10年」祭りに取り残されないために、経済・産業施策上の生き残り策なのよ、だから、国内の社会保障はカットできても、こっちはカットできないんだ……とは、やっぱり言えないかぁ。
http://www.dailystar.co.uk/news/view/195839/-814m-injections-for-foreign-kids-/

日本で、ワクチン同時接種で死亡する子どもが8人になったにも関わらず「因果関係は不明」と言い続けなければならないことのカラクリも、英国首相の事情と同じなんだろうか?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110613-00000064-jij-soci

N・カロライナ州が、かつての優生施策によって強制的に不妊手術を受けさせられた障害者や貧困層への補償を検討している。:これ、3月にNC州で、かつての強制不妊事業の犠牲者への補償に向け知事命令(2011/3/21)のエントリーで紹介した話題の続報。
http://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-13700490

【関連エントリー】
今なお聞こえる優生思想のこだま(2007/12/2)
受胎前遺伝子診断:巧妙な言葉の操作が優生思想を隠蔽する(2009/1/16)
米国優生運動の真実を描く映画“War Against the Weak”(2009/1/26)
米国のプライバシー権を確立したGriswold事件から断種法へ 2(2010/7/27)

かたや、こちらは現代版の優生施策。今や胎児の遺伝子を組み替えて、ダウン症やウツ病、アルツハイマー病の可能性を排除し、お好みの目の色、背の高さにすることができるんだとか。技術がここまで来た以上、社会がどこまで認めるかの議論が必要、例えば背の高さが気に入らないからという理由での中絶は認められるのか? 性別が理由なら? と。で、記事タイトルは「神を演じる:遺伝子検査はさらに純粋種(pure species)を作るための解決策か?」:でも「純粋種」って、あ、そうか、このタイトルは皮肉なんだ?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/228350.php

ナーシング・ホームから病院に入院して退院後1カ月以内に再入院する患者が増えて、無駄な医療費の増加を招いているとして、防げる高齢者の再入院を防ぐように、と。:なにがなんでも機械的に早期退院を迫っていたら、結局は回り回って医療費は削減できないことになる……という話なのでは?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/228274.php
2011.06.14 / Top↑
英国ノッティンガムに住む女性 Eva Ottossonさん(56)が
先天性の障害のために子宮を持たない娘Saraさん(25)に
子宮を臓器提供することを決めた。

もっとも医師らに許可が下りるかどうかはこれから。

許可が下りれば手術は娘の住むスウェーデンの病院で行われ、
移植後にSaraさんの卵子と夫の精子で体外受精させた胚が入れられる。

しかし子宮移植は動物実験でも今だに技術が確立されていない実験的な技術で、
マウスでわずか数匹が移植子宮から生まれているとはいえ
それ以上の大きさの動物ではまだ研究が進んでいない。

2009年に英国ロンドンの外科医チームが
ウサギで子宮移植を数例行ったことがあるが、
いずれも妊娠に至らなかった。

ドナー、レシピエント双方に大きなリスクがあるため、
まだヒトで行える段階ではないと専門家は懸念するが

BBCのインタビューでEvaさんは
「そりゃ、大手術でリスクはあるでしょうけど、私は先生方を信頼しています。
専門家のすることだから大丈夫だと思うし、それよりも娘への影響が心配です」

子宮移植では2000年に
サウジアラビアで死亡提供者から26歳の女性に行われたが
血栓から壊死し始めたために3カ月後に摘出された。

スウェーデンのGothernburg大学のMats Brannstrom医師は
実験的な子宮移植の先駆で、Saraさんは同医師の研究で適性検査を受けていた。

もっとも仮に移植が成功しても、
子宮は合併症回避のため、2,3年後には摘出される。
出産にこぎつけたとしたら帝王切開。

子宮移植は技術的には心臓、腎臓や肝臓などの移植よりも難易度が高く
命にかかわる出血や、子宮への血流不良などのリスクがある。

英国では2009年の失敗の後、
資金不足と医学会からの懸念の声もあって研究が滞っていたが、
今年は子宮移植チャリティからの支援を受けて再開の予定とのこと。

この移植が認められなかったり、認められても失敗した時には
養子縁組を検討するとSaraさんは言っている。

UK mother agree to donate her womb to daughter
The Guardian, June 13, 2011


確かに、09年に英国のウサギの実験について、
当ブログでも以下のニュースを拾っていました。

2年以内に世界初の子宮移植ができる、と英国の研究者(2009/10/23)

この時のエントリーを改めて読み返してみると、
この段階では、研究者の方々は、ウサギの実験がうまくいくと考えていたものでしょう。

その「やったぞ! これで我らがチームが世界初の快挙達成だぜい!」との高揚感が
「2年以内に可能になる」との大言壮語を招いたものと思われますが、

でも……ですよ。

仮にこの時の実験がウサギで成功していたとして、
何匹か、正常なウサギが移植された子宮から生まれた、として、、

でも、仮にそうだったとしても、
それだけのことが、なにゆえに「2年後にはヒトでも出来る」というところまで
いとも無責任に飛躍してしまえるんでしょうか?


スウェーデンではEvaさんからSaraさんへの子宮移植手術が
果たして許可されるのでしょうか。

もしも許可されるとしたら、
そこではどのようなリスク・ベネフィット分析が提示されるのでしょうか。

まさか、きちんとしたリスク・ベネフィット分析の代わりに
「科学とテクノの簡単解決バンザイ文化」の常とう文句である
「親のこんなにも美しい愛」が振りかざされる……てなことはないでしょうが、

そもそも、この手術が許可されることに倫理問題はないのでしょうか。

それに、Evaさん、移植医がいくら専門家だからといって、
安全性が未だ科学的に検証されていない、あまりにも実験的な技術に身を任せるのは
決して「信頼」とは言わないと思いますよ……。


------

そういえば、
2007年にカトリック教会が出した生命倫理問題に関する見解で
Ashley療法と、英国で当時論議を呼んでいたハイブリッド胚と並んで、
この年にフロリダで予定されていた「米国初の子宮移植」が取り上げられ批判されていました。

カトリック教会の子宮移植への批判の論点は主に体外受精技術と遺伝子診断の利用だったので、
移植そのものへの批判でもないなぁ……と当時、なんとなく考えたことを思い出しました。

これについては「介護保険情報」07年5月号の連載で書いています。

さっき、ちょっと検索してみたのですが、
07年の子宮移植「フロリダで予定」のニュースはあるものの
実際に行われたというニュースは出てこないので、行われなかったか、
あまりに無残な失敗だったのでなかったことにされたか、の
どちらかだったのではないでしょうか。
2011.06.14 / Top↑
去年のケアラー連盟の創設については
以下の2つのエントリーで紹介してきました。

介護者の権利を守るための「ケアラーズ連盟」、6月7日に発足へ(2010/5/18)(その後、名称変更)
「ケアラー連盟結成宣言」(2010/7/6)

そのケアラー連盟が、NPO法人介護者サポートネットワークセンター・アラジンと共同で
厚労省老人健康推進等事業として、都市部、都市近郊、農村部の全国5地域を対象に行った
「ケアラー(家族など無償の介護者)を支えるための実態調査」の結果がまとめられました。

「ケアラーを支えるために
 家族(世帯)を中心とした多様な介護者の実態と必要な支援に関する調査研究事業報告書」

調査方法は、2万世帯を対象とした質問紙調査と、200人のケアラーを対象としたインタビュー調査。

この調査におけるケアラーの定義は
「介護、看病、療育、世話、心や身体に不調のある人への気遣いなど
ケアの必要な家族や近親者・友人・知人などを無償でケアする人」とされ、
こうした広範囲な定義によるケアラーの実態調査は日本で初めてとのこと。

いくつか、結果の中からデータを拾ってみると、

・ケアラーの3分の2が女性。ただし年齢が上がるにつれ男性も増える。
・ケアラーの13人に1人は育児と介護の両方を担っている。
・12人に1人は20年以上ケアをしている。
・4~5人に1人は睡眠が中断されている。
・9人に1人は自由時間が1時間未満。
・8人に1人は協力してくれる人が誰もいない。
・身体の不調を感じている人は2人に1人。そのうち20人に1人は受診したくてもしていない。
・こころの不調を感じている人は4人に1人以上。そのうち20人強に一人は受診したくても出来ていない。
・7人に1人がかなりの負担、12人に1人は非常に大きな負担と感じている。
・5人に1人が孤立感を感じている。



結果のポイントとしては、

(1) 地域には様々な年代やケアを担うケアラーが高い割合で存在していること。
(2) ケアラーの精神的拘束感が強く、心身とも健康管理ができにくいこと。
(3) 仕事や社会活動の機会が減り、経済的負担も大きいこと。
(4) ケアラーの望む支援は、
   ① ケアラーの緊急時などにも柔軟に対応できる
    ケアをしている相手への十分なサービス。
   ② ケアラー自身への経済的支援策
   ③ 行政や専門職の理解
   ④ ケアと仕事の両立
   ⑤ ケアラーへの直接的なサービスなど。

この結果を受けてまとめられた提言を要約すると、

① 地域に、きめ細かくケアラーを支援するため
 10万人に1か所程度、地域のすべての住民に開かれ24時間対応の
 「包括的地域生活支援センター(仮称)」を

 また、3万人に1か所程度、ケアラー支援の拠点として
 「ケアラー支援センター」を作る。

② ケアを必要としている人への包括的で総合的な
 アウトリーチ型の地域生活支援サービス体制を構築する。

③ ケアラーとケアが必要な人が、ともに尊厳や健康を守り、社会生活を送れるようにする。
 ヤング・ケアラーの支援のためには学校と連携する。

④ 各種調査や施策によってケアラー支援体制を整備構築し、
 ケアラ―支援推進法(仮称)など、国と自治体の取り組みを進める。

⑤ 施策の立案、実施、評価のすべての場面にケアラーの参加を保障する。



私が個人的に最も印象的だったのは、
報告書で何度も繰り返されている「アウトリーチ型」という言葉。

これは私が当ブログの中で「支援する側から迎えに行く支援」と呼んできた考え方とも重なり、
とても共感しました。

「支援が必要なら自分から声を上げて行動を起こせ」と自己責任を問う声もありますが、
美意識で介護を語る世間のダブルスタンダードに縛られている介護者の多くは
介護を苦しいと感じれば感じるほどに自分を責め、
さらに頑張り続けるしかないところへと自分を追い詰めてしまいます ↓

介護を巡るダブルスタンダード・美意識(2008/10/27)

介護者だって生身の人間なのだから
時にギブアップしたくなるのは誰にでもある自然なことなのだよ、
というメッセージが社会から送られ、

頑張りすぎて限界が来そうな時には
「小さなギブ・アップ」を許容する懐の深い社会と、
それを可能にするきめ細かいサービスが必要なのではないかと思うし、

本当は限界が来ているのに、既に抱え込んでしまって
支援を利用する最初の第一歩が踏み出せないケアラーを
「サービスが必要なら自己責任で声を上げろ」と待っているのではなく、
支援する側が出掛けて行ったり、調査を通して発見し、
支援する側から迎えに行って最初の一歩を踏み出すべく
背中を押してあげることも時には必要なんじゃないだろうか。

つまり、それがアウトリーチ型ということではないか、と思うのだけど。


【関連エントリー】
上手に「小さなギブアップ」ができる支援 1(2008/10/1)
上手に「小さなギブアップ」ができる支援 2(2008/10/1)

You are only human: 介護者だって生身の人間なのだから(2008/10/30)
介護者も自分を大切にしましょう(2008/10/31)
自分の気持ちを理解して受け入れる(介護者のために)(2008/10/31)
自己主張をしましょう(介護者のために)(2008/11/1)

障害のある子の子育ては潜在的な家族の問題を顕在化させる(2008/10/20)
障害のある子どもの子育て、介護一般、支援について、これまで書いてきたこと(2010/3/15)
2011.06.14 / Top↑
ここ数日ずっとそうであるように、英国メディアは、今日月曜日にBBCが放送するホテル王の自殺場面の話題で持ちきり。プレゼンターのPratchettは、昨日、自身も自殺を考えていると報道があったけど、今日のこちらのニュースによると既にDignitasで自殺するための書類も揃えているとか。
http://www.contactmusic.com/news.nsf/story/sir-terry-pratchett-obtains-assisted-death-paperwork_1225164
http://www.mirror.co.uk/celebs/columnists/todays-tv/2011/06/13/terry-pratchett-choosing-to-die-bbc2-9pm-115875-23197419/

【村上春樹】カタルーニャ国際賞スピーチ原稿全文。日本語。:すばらしい。ここで語られていることは原発だけではなく、「科学とテクノの簡単解決文化」でもって自然を征服できると考え、能力と効率至上の功利主義で倫理感覚を鈍らせていく英語圏を中心にした世の中の動きにも、そっくりそのまま当てはまると思う。
http://www.47news.jp/47topics/e/213712.phpl

【関連エントリー】
大統領生命倫理評議会の「人間の尊厳と生命倫理」と「おくりびと」(2009/6/30)


今年もビルダーバーグ会議が開かれている。中国から外務副大臣。:名誉白人……。
http://www.guardian.co.uk/news/blog/2011/jun/12/bilderberg-2011-mandelson-nature-walk?CMP=EMCGT_130611&

“優生主義者ビル・ゲイツ、盛会のエリートの“陰のサミット”ビルダーバーグ会議に(2010/6/9)
ビルダーバーグ会議2010(6月3-6日)(2010/6/10)
「ビルダーバーグ倶楽部」からVeriChipとワクチンについて(2010/6/29)


2015年までにGAVI(ワクチンと予防接種のための世界同盟)が必要とする37億ドルを調達するために開かれた国際資金提供カンファで、米、英、仏、独、日ほかが協力を約束。オーストラリアも2013年までの3年間にGAVIに2億1000万ドルを提供することを約束。Bill Gatesも23億ドルを約束。:これは各国にとって、「ワクチンの10年」という経済と金融の祭りに参加するための通行税みたいなもの? GAVIについては、上記ビルダーバーグ会議関連の最後にリンクした去年6月29日のエントリーに。
http://www.reuters.com/article/2011/06/13/us-vaccines-donors-idUSTRE75C1FV20110613

Cameron首相が国内の社会保障サービスや給付を大幅にカットして、多くの高齢者や障害者から非難を浴びながらも、途上国への支援を増額したことについて、Bill Gatesが称賛。:こうして慈善資本主義に方向づけられていくグローバル経済で生き残るためには、各国政府はなによりも慈善資本王国の帝王サマの歓心を買い、そこで次々に消費されるマーケットに漏れなく参入させていただくために、たとえ自国民を飢えさせ見殺しにすることになろうとも多額の資金を使って次なる新たなマーケット作りにも積極的に参加しなければ……って?
http://www.guardian.co.uk/global-development/2011/jun/13/bill-gates-david-cameron-foreign-aid

NZで2時間の内に大地震が2つ。:前回のNZ地震が影響して翌月、日本で東日本大地震が起きたということだったけど……?
http://www.guardian.co.uk/world/2011/jun/13/newzealand-natural-disasters?CMP=EMCGT_130611&
2011.06.14 / Top↑