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ProPublicaって、マジ、あっぱれなメディアだと思う。

あのGrassley議員の頑張りで表面化した様々なスキャンダルを受けて作られた
The Physician Payments Sunshine Actによって(詳細は文末リンクのエントリーに)
ビッグ・ファーマ7社がネット上に公開している
金銭を支払った医師の名前と金額など
ディスクロージャー情報をつぶさに調べた。

なにしろ各社とも、
詳細・全貌をなかなか掴ませないようなディスクロージャー形式になっていて、
たいそう困難な作業だったらしい。

そして
09年から10年初頭までに10万ドル以上を受け取った医師384人を
金額順に以下の一覧表に並べてみせた。

Top Earners

トップはネヴァダ州の内分泌医 Firhaad Ismail医師で金額は$303,558。
第2位はテネシー州の神経科医 Stephen H. Landy医師の$302,125。
第3位がまた内分泌医でSamuel Dagogo-Jack医師に$257,012。

その後に、20万ドル以上もらった医師が、
数えてみたら、ざっと40人も続く。

もちろん、どこの会社からいくらという内訳つき。

一人の医師に日本円にして3千万円、2千万円という、この金額、
リンク記事のどれだったかがmoonlighting(内職)と呼んだ教育講演活動の稼ぎ――。

当たり前のことながら、これらのプロモ費用は消費者(つまり患者)に跳ね返っている。
つまり医療費の高騰につながっている――。


なお、医師への金銭支払いに関する総合情報サイトはこちらで↓

Dollars for Docs
What Drug Companies are Paying Your Doctor
ProPublica, October 19, 2010

ここから上記のリストや7社のディスクロージャーの詳細ページその他に入れるほか、
関連のメディア記事のリンクも並ぶ。

自分の担当医の名前と州名を入れてデータベースを検索することも可。

        ――――――

さらにProPublicaがすごいのは、この先の調査までやっていることで、

こうしてビッグ・ファーマから日本円にして1千万単位の金銭支払いを受けて
薬のプロモで教育講演して歩いている医師らは
表向き、それなりの権威だということになっている。

ProPublicaは、これら医師の経歴をチェックした。

すると、過去に医療ミスや過誤で州当局から処分を受けていたり
中には研究者や専門医としての資格を欠いている医師まで交じっていたという。

その数、hundreds。

例えば痛みを専門とするWilliam D. Leak医師は
20人の患者に不必要な神経検査を行い、その中の数人に
神経組織を破壊する薬物の注射を含め「過度な侵襲的な治療」を行ったと
Ohio州の医療委員会が結論付けているのだけれど、
Eli Lillyは09年以降、85,450ドルを支払って
同医師を販促講演に使っている。

鎮痛剤Celebrexのリスクを過小に語って適用外の利用を勧めて歩いているとして
2001年にはFDAがリューマチの専門医James I McMillen医師に対して
「偽りの、またはミスリーディングな」プロモはやめるよう命じたにもかかわらず、
他の3社は18ヶ月間に渡って販促講演をさせ、総額で224,163ドルを支払っている。

ProPublicaの調査に対して、7社のうち数社は
医師らに対する州の処罰情報サイトをチェックしていないと認めたとのこと。

Docs on Pharma Payroll Have Blemished Records, Limited Credentials
ProPublica, October 18, 2010


このシリーズ、まだまだ続くようです。



【関連エントリー】
2009年のまとめ:巨大製薬会社・“科学とテクノの簡単解決”文化関連(2009/12/24)
「米国のワクチン不信と、そこから見えてくるもの」を書きました(2010/7/5)
2010.11.02 / Top↑
Vermont州知事選の民主党候補者Peter Shumlin氏が、当選したら自殺幇助合法化に向けて努力する、と。
http://www.lifesitenews.com/ldn/2010/nov/10110109.html

モンタナ州のPlanned Parenthood が、妊娠予防のためのバース・コントロールが給付対象になっていないとして、モンタナの子どもを対象にした医療保険助成CHIPを巡って訴訟を起こした。州法では、ニキビと重い生理に対して避妊薬の処方への給付が認められているらしい。:州によっては、生理が重い場合には子どもにも避妊薬の処方が公的医療保険で認められている……。これはAshley事件を考える際にも重要な情報。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/206253.php

ヨーロッパ人権裁判所が収監中の囚人に投票権を認める。
http://www.guardian.co.uk/uk/2010/nov/02/prisoners-vote-european-court-human-rights?CMP=EMCGT_021110&

英国とフランスが防衛協定(?)。共同核弾頭実験も?
http://www.guardian.co.uk/politics/2010/nov/02/britain-france-defence-cooperation?CMP=EMCGT_021110&

英国の研究者らが「子どもの成績を上げるには親の努力がカギ」。:いつから「子どもの成績を上げること」が科学研究の重要課題になったんだろう。子どもの成績を上げるために本気になって親が“努力”するのは、仮にそれが成績を上げるために有効だとしても、親が自分の手で我が子を不幸にしたくなければ、やめた方がいいと思う。子育ての目標は成績を上げることじゃない。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/206269.php

英国のソーシャルワーカーが白人夫婦には他の人種の子どもを世話したがらないので、養子縁組が進まない、人種間の養子をもっと進めろ、と英国の子ども大臣。
http://www.guardian.co.uk/society/2010/nov/02/inter-racial-adoption-children-social-workers?CMP=EMCGT_021110&

メキシコ初の女性大統領、勝利演説で女性の権利のために戦う、と。:Hurray!
http://www.guardian.co.uk/world/2010/nov/01/brazil-first-presidenta-womens-rights?CMP=EMCGT_021110&

同性愛が違法行為となっているウガンダで、同性愛者狩りが激化している。政府は死刑により罰する法律を検討中。メディアも同性愛者の実名や顔写真を暴き、ヘイト・クライムを煽っている。ここ数日、気になっているニュース。そんな中、一人の同性愛者が連帯を呼び掛けるブログを始めた、というニュースを夕方見たのだけど、とりあえず以下のリンクは同じ話題の昨日のもの。
http://edition.cnn.com/2010/WORLD/africa/11/01/uganda.gay.list/index.html?iref=allsearch

「米国中間選挙」でググったら、朝日小学生新聞が分かりやすかった。
http://www.asagaku.com/jkp/2010/10/1017.html

NASAがロボットを月に送ろうとしている。「1000日以内に」。
http://www.nytimes.com/2010/11/02/science/space/02robot.html?_r=1&nl=&emc=a26

米国政府が人身売買に関する報告書で国内に現代の奴隷制が存在していることを認めた。
http://www.inthesetimes.com/article/6192/slavery_in_our_time/
2010.11.02 / Top↑
The Spokesman-Reviewという新聞への投書。

Katie Densleyさんの伯父さんは
1年前にWashington州の尊厳死法を使って
医師による自殺幇助を受けて亡くなった。

尊厳死法が出来る1年ほど前から自殺幇助を口にしていたらしい。

ガンの手術を受けて、術後はカテーテルを入れていた(詳細は不明)。
94歳で、ウツ状態だったけど、友人やプロの介護者の支援を得て自宅で暮らしていた。

尊厳死法が出来ると、友人たちが伯父さんを医師のところへ連れて行った。
元車のセールスマンだった伯父さんは、それが自分の望みだと医師を説得してしまった。

介護してくれていた友人たちは、
あんたはターミナルじゃないから無理だよ、と言って諦めさせようとしていたのに。

その日、Katieさんは亡くなるまでの25分間、伯父さんを抱いていたという。
そして「それは処刑のように感じられた」という。


伯父は新しい法律のもとで死んだ3人目でした。
ウツ状態でした。ターミナルではありませんでした。



Suicide like execution
The Spokesman-Review, September 26, 2010




WA州の尊厳死法で起きている「すべり坂」については、

WA州の尊厳死法、殺人の可能性あっても「問わず語らず」で(2010/9/16)


Oregon州でも、ウツ病の人が死なされている。

オレゴン州の尊厳死法、セーフガードは機能せず(2010/8/17)
2010.11.02 / Top↑