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豪・上院議会で労働党議員が「安楽死が合法化されると、貧困層が自殺幇助を強要されることになる」と。
http://news.smh.com.au/breaking-news-national/euthanasia-could-be-forced-on-patients-mp-20101117-17x10.html

WHOとIHME他の共催で、明日、the First Global Symposium on Health Systems Research: Science to Accelerate Universal Health Coverage というシンポ。全体会でMurrayが講演。
http://www.healthmetricsandevaluation.org/events/first_global_symposium_1110.html

英国保健相が来年、高齢者介護に関する白書を出す他、いくつかの施策を発表。介護費用をパーソナル・バジェット(ダイレクト・ペイメントのことだと思う)にするほか、介護者のレスパイトや趣味のための費用も出す。それも、なるべくダイレクト・ペイメントで。など。それら介護者支援に今後4年間で4億ポンド。:先に飴玉しゃぶらせといて、すかさずムチで叩きのめす?
http://www.guardian.co.uk/society/2010/nov/16/1m-elderly-get-personal-care-budgets?CMP=EMCGT_171110&
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1330310/Carers-holidays-paid-state.html
http://www.kirkleeslink.cloverleaf-advocacy.org.uk/content/%C2%A3400-million-funding-carers-breaks

BBCの調査でティーンエイジャーの8%が介護者で、公式推計の4倍。
http://news.bbc.co.uk/local/humberside/hi/people_and_places/newsid_9194000/9194407.stm

さしものCameron党首も、子ども介護者への支援予算カットには慎重を呼びかけ。
http://www.bbc.co.uk/news/education-11764267

米国の保険大手MetLifeが介護保険から撤退したことを受け、保健当局が「いや、介護保険は需要も多く、ビジネスとしての将来は有望なんだ」と。
http://www.send2press.com/newswire/2010-11-1117-001.shtml

スーダンの南部の独立を巡り、国民投票。
http://www.guardian.co.uk/world/2010/nov/16/sudan-referendum-william-hague-un?CMP=EMCGT_171110&

日本。電子タバコが大売れしているらしいのだけど、こことここの補遺で拾っている情報によると、ものすごく体に悪いらしい。でも例によって米国では大々的に報道されていることを、日本では、なぜかメディアがスル―してしまうみたいですね。独特のフィルターがある。科学とテクノとその利権構造あたりには、大きな穴の開いたフィルターが。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101117-00000061-yom-soci

いろいろあったみたいだけど、7月14日、アップルがビートルズの楽曲のダウンロードを開始。
http://www.nytimes.com/2010/11/17/business/media/17apple.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=a26
2010.11.17 / Top↑
このエントリー、
前のHCRの重症児の親による成長抑制支持論文にClaireさんが見事な反撃の続きです。


私はもう長いこと、この人のブログを読んでいるけど、
Claireさんは、たぶんBill Peaceとの出会いあたりから、
ものすごい勢いで様々なものを吸収し、学んで、ぐんぐん変ったような気がする。

ここへきて、ついにPeaceを追い越しちゃったのかもしれない。

なにしろBill Peace氏の方は
Walker論文で「障害当事者から疎外された」と批判されたことに
かなりオタオタして、妙に中立的なところに逃げている。
障害児の権利が侵害されたと主張してきたくせに、それでは話の筋が通らない。

私自身は、
親と子の間、介護する者とされる者の間には
避けがたい利益の相克、権利の衝突があることをこそ、
Ashley事件・成長抑制の倫理問題は突きつけていると考えているので、

その相克や衝突を考える上では、障害者運動の人たちには、もちろん
親の置かれている立場や抱えているニーズや問題にも理解の目を向けてほしいけれど、
仮に、どちらかに自己同視して論じるしかない場面があるとしたら
私は障害当事者や運動には、親の側ではなく、断固として子どもの側に立ってほしい。

だから、Bill Peaceも、障害者運動のサイドも、
堂々と「自分たちは、もの言えぬ子どもの側に立つ」と言い切ればいいのだ、と思う。

そして、親の思いやニーズを考えても、
親が支援の手を借りつつ安心して子育てができ、
親が安心して子を託して死んでいける社会が作られることが必要なのだと、

それは、まったくClaireさんが言う通りなのだから、
そのことを一緒になって訴えていこうよ、と親に呼び掛けてくれれば、と思う。

私たち重症児の親も、障害者運動から学ぶ必要があるというのは
本当にClaireさんが言う通りだ。

子どもの障害を知った時から、
私も自分の主観では、ずいぶん頑張って闘い続けてきたつもりになっていたけれど、
そんなの、わずか20年程度のことだ。それに、本当は、ただ腹を立てていただけで、
私は何も知らず、知ろうともせず、何もしてこなかった。

Claireさんが言うように、目の前の我が子という一本の木、
我が子が通う施設、入所している施設、私たちの住んでいる町という木を眺めていただけのこと。

私が森の存在にやっと気付いたのは、Ashley事件と出会ってからだった。

そんな私でも、森が見えてくれば来るほど、
時々「なぜ、通じないのか!」と、やるせなく、歯がみする思いになることがある。

でも、このブログを始め、
いくつかのMLに参加させてもらって、いろんなことを知り、いろんな人と出会い、
最近、歯がみする思いになるたびに頭に浮かぶのは、

私などよりも、ずっとずっと前から、闘い続けてきた人たちがいる、ということ。

このやりきれない思いを抱えたまま、その思いにじっと耐えながら、
何十年も闘い続けてきた人たちがいる……ということ。

重症児の親として、私も障害者運動に対して思うことは様々にあるけれど、
その運動の長い歴史と、そこに参加した多くの人たちを思う時、

私よりもはるかに昔から、当事者として、私が想像もできないほど深く傷つき、
私よりももっとやり切れない思いを抱えて、それでも声を上げ、
闘い続けてきてくれた人たちに対して、深い敬意と感謝に包まれる。

長い年月の運動によって思考と心を鍛えられてきた人たちの声の強さ、明瞭さに打たれる。
その声が語る言葉に耳を傾け、私も学び、考えたいと思う。

私は私にしか語れない一本の“木”のことを語り続けながら
より大きな“森”を見る努力をし、森のことを一緒に考えていきたいと思う。

そのことを通じて、私も障害のある子をもつ親として、思考と心とを鍛えられ、
いつか、その時がきたら、託してゆく勇気を持てる親に成長していたい、と思う。

そして、その時には、
総じて信頼し、子を託していける人間社会だと、思える世の中であってほしい。



【関連エントリー】
成長抑制を巡って障害学や障害者運動の人たちに問うてみたいこと(2009/1/28)
重症心身障害児・者にはアドボケイトがいない、ということ(2009/1/29)
親と障害学の対立の構図で議論から締め出されている他の存在も見えなくなっている(2010/1/30)
親の立場から、障害学や障害者運動の人たちにお願いしてみたいこと(2010/3/12)
2010.11.17 / Top↑
Bill Peace氏と並んでAshley事件・成長抑制一般化に反対し続けている重症児の母親Claire Royさんが、
Hastings Center Reportに掲載された重症児の親2人の論文のうち、
成長抑制をやりたいとの立場で書かれたSandy Walkerさんの文章を取り上げ、

その問題点を指摘、見事に反駁しています。
この論文への反駁にとどまらず、見事な成長抑制批判になっています。

同じ町に住んでいたら、今すぐに駆けつけて
思いっきりハグしたいくらい。すばらしい!!

Friday, November 12, 2010
No More Ashley X’s: Say NO to Growth Attenuation


まず、Claireさんが指摘していることとして、Walker論文の主要なポイントは
娘Jesseicaさんの成長につれて、本人も家族もこれまで出来ていたことが、
あれもこれもできなくなった、介護もしにくくなった、という問題の羅列であること。

よく、まぁ、こんな甘っちょろいものがHCRの査読を通ったものだと呆れている。
(それを言えば、06年のG&D論文をはじめ擁護側の論文はみんなそうなんだけど)

以下、Claireさんの指摘。

① 介護がしにくくなった要因として、
膝の拘縮と不随意運動が出てきたことが挙げられている点について、
ちょっと待ってよ、それらの問題に成長抑制が対応するわけではないでしょ、と。

成長抑制の効果は成長を抑制することだけのはず、
成長抑制にあれもこれもの効果があるように言わず、
ちゃんと問題を整理しましょうね、と。

(私は厳密には「身長抑制」と言った方がいいと思うし、
その「身長抑制」の効果すら疑問視する医師や学者もいる)

② 次にClaireさんが疑問を投げかけるのは
Jessicaさんが前はできたのにできなくなったことの中に、
「立ったりテレビの前で踊ったり」が含まれていること。
Jessicaさんがそういう障害像なのだとしたら、
彼女はもともと成長抑制の対象にならないはずでは?

そういう障害像の娘をもつ母親がこういう論文を書いていることそのものが
“すべり坂”ではないのか、と。(鋭いぞ、Claireさん!)

③ Walker論文が「社会支援の必要が問題なのだと言って反対する人がいるが、
こういう状態の重症児と家族にとっては、どれほどの社会支援があったとしても助けにはならない。
そういう立場で反対する人たちは、ウチの娘のニーズも、Jessicaの安楽・健康を守り、
“退屈と孤絶”から救ってやりたい親の望みも分かっていない」と主張することに対して、

自分が以前住んだ町と現在住んでいる町にどれほど利用可能な施設があるかを
Claireさんは具体的にあげてみせる。

人口40万以下の町に、障害者にも利用可能なプールが最低1つ、
スヌーズレンの部屋が最低一つ、障害児を特に意識した子どもセンターもある、
利用可能なグランドに、こども美術館、良質な学校プログラム、
利用可能なバスも小型バスもある……などなど。

確かに障害児と家族が利用できる社会資源はまだ十分ではないかもしれないけれど、
いくらあってもJessicaを退屈と孤絶から救うことができないというのは全くの事実無根だ、と。

身体が大きくなって、かつてできたことができなくなるのは事実だけれど、
だからといって、それが即「退屈と孤絶」になるわけではないし、
逆に、成長抑制がそれら全ての問題を解決してくれるわけでもない。

(この次、本当にアッパレだから、拍手の準備してね)

そもそも、どの家庭にだって変化はやってくるものなのよ。
だいたい、障害がある子どもだからといって、
一生涯、同じことばっか、やって生きていきたいかしら?

④ Walkerが親の老いを介護が困難になる要因として挙げている点について

夫婦のどちらかが障害を負うことだってあるし、
離婚や経済的な破綻や、死ぬことだってあるのよ、と。
成長抑制を提唱する人たちは短期的な視野しかないし、
実際、障害児の将来については何も見ないふりをしているけれど
長期的に見れば、80歳の親にはどんなサイズの我が子だってケアできないでしょーが。

子どもを小さなサイズにフリーズしたからといって、時を止められるわけでもなければ
人生の想定外の出来事を阻止できるわけでもない。
私がケアできなくなった時に、誰がこの子の面倒を見てくれるのか、
その将来の問題は、変らずにそこにある。

だからこそ、やはり必要なのは社会サービスであり、
親は子どもの将来のために、そういうサービスの整った社会を作ろうとすべきでしょう。
どんな子どもであれ、成長抑制がその子に特定の将来を保証することなどありえません。

(そーだ、そーだ! このブログでも、その点をずうううううっと言ってきたんだ)

⑤ Walker論文が結論において、成長抑制を批判する障害者運動の人たちの発言は
自分たちのような考え方をする親や当事者は仲間として認められていないのだ、
重症児とその親は疎外されているのだと感じた、傷ついた、と書いていることについて、

Claireさんは、障害者運動の当事者については、
一方で、自分も同じ感想を抱いていることを認めつつも、

また他方では、
これまで社会で障害者に行われてきたことの大きな歴史的な流れや
障害者の処遇に対する考え方の変遷などを振り返ると、
自分たち親には木しか見えないところで、
彼らには森が見えているのだと捉えるのです。

だから、重症児の人権が成長抑制で侵害されているとの彼らの声に、
今、耳を傾けないでいたら、親が自分でそれに気づくには、これから50年かかるわよ、と。

(なんて、ブラボーな発言だろう。なんて賢い人なんだろう)

⑥ Walkerには、成長抑制を社会という幅広い背景の中で眺める視点が欠けていて、
医療の範疇でしか見ることができていない、との指摘。

それは上記⑤での指摘と重なって、
Claireさん自身はそういう言葉を使っていないけれど、
「アンタは医学モデルでしか成長抑制を捉えていないけど、
そこは社会モデルで考えるべきでしょ」と言っているのだと思う。

最後に、これも、そういう言葉は使っていないけど、
「医学モデルしか見えていないアンタは、だからこそ
障害者アドボケイトから学ばないとダメなのよ」と
説教して終わっているのが、チョーおかしい。

Claire Royさんに、スタンディング・オベーションを――。


(次いで「Claireさんの文章から、親と障害者運動について考えた」を書きました)

【Claireさん関連エントリー】
「一筆ずつ描かれていく絵のように子は成長する」成長抑制批判(2009/7/23)
重症児の親Claire Royさんによる成長抑制批判(2010/4/28)
重症児の親による成長抑制批判の落とし穴(2010/4/28)
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