http://www.caresapo.jp/fukushi/insurance/2011/06/post_14.html
OR州で自殺キットの販売を禁じる法が成立。(これまでに補遺で追いかけた前記事は、「自殺キット」で書庫内内容検索してもらったらいくつも出てくると思います)
http://www.lifenews.com/2011/07/01/oregon-governor-signs-bill-banning-sale-of-suicide-kits/
英国保健省から100ページの緩和ケアに関する報告書 Finding the Right Care and Support for Everyone。良質な緩和ケアを受けることが出来ていない人が10万人もいると報告されている。:この報告書の現実を一方に、PAS合法化を議論するのって、やっぱりオカシイと私は思うんだけど。
http://medicalfutility.blogspot.com/2011/07/new-palliative-care-system-for-england.html
土曜日に始まったツール・ド・フランスでドーピングが問題となり、こういう問題ならこの人、Norman Fostがコメントしている。
http://news.discovery.com/adventure/cycling-doping-drugs-sports-110701.html
米国有権者の大多数が、連邦政府はバイオテクノロジー企業を支援すべきだ、と考えている。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/230244.php
ProPublicaが脊髄関連の医療機器を巡る論争で、医学雑誌と企業との癒着について。
http://www.propublica.org/blog/item/spinal-product-controversy-raises-red-flags-on-medical-journals-disclosure-
こちらは医学雑誌に掲載される薬の広告の正確さについてLancetの調査論文。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2803%2912118-6/abstract
処方薬の消費者への直接広告(つまり「お医者さんにソーダンだっ」)に疑問を呈するLancet論文。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2801%2906254-7/abstract
で、Lancet自身が、Lancetの薬の広告について。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811%2961001-5/fulltext?elsca1=TL-010711&elsca2=email&elsca3=segment
NYTの社説。「現代の奴隷制」。NYTでは日本通のコラムニストKristoffがこの問題をずっと追いかけている。
http://www.nytimes.com/2011/07/02/opinion/02sat3.html?_r=2&nl=todaysheadlines&emc=tha211
英国から、子どもの時に受けた性的虐待が統合失調症の原因になる可能性がある、との研究報告。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/230198.php
7月1日の補遺で拾いましたが、
そのニュースに対してVancouver Sun誌に米国オレゴン州から投稿された
William L Toffler医師の文章が、とても、とてもいいのです。
ご存知のようにオレゴン州では医師による自殺幇助(PSA)は合法化されています。
したがって、この医師も
これまで10数人の患者とPASを話し合ったことがあると言います。
まだ最初の頃に話し合った一人は、
進行性のMSで車イス生活となっていた男性がPASを希望したケースだったとのこと。
Toffler医師がこの男性に言ったのは
彼の不安ややりきれない気持ちはよくわかるし、
自殺するのが一番いいと考えることも分かる、と。
そして、これから先、彼の病状が重くなり、体力がなくなっていっても、
自分は出来る限り最善の医療と支援をする、と。
どんなに障害が重くなろうと、少なくとも私にとって
あなたの命は、どんな時でも、生きているというそれだけで価値あるものなのだ、
だから、私は自殺は勧めないし、自分もあなたの自殺に手を貸すことはできない。
その男性は、ただ一言「ありがとう」と。
Toffler医師は、このような要望に医師がどのように応じるかによって
患者は自分の命を価値あるものと感じるか、さらに希望を失わされるか、
患者によっては、医師の対応によって、
自殺への道を歩むしかないと感じてしまうことだってあるだろう、と書いた後で、
「我々の法律では、PASの死が患者の本人意思によるものだとの保障はありません。
我々の間違いを繰り返さないでください」
‘Legalizing assisted suicide is a mistake’
The Vancouver Sun, July 4, 2011
この人が書いていることって、こういうことじゃないかな…… ↓
「医師の姿勢で薬の効き方違う」と非科学的なことを言う、緩和ケアの「こころ医者」(2010/6/3)
患者はJordan Allen(14)。
ごく普通の健康な子どもだったJordanは去年、手術不能の脳腫瘍と診断され、
先月、心臓発作を起こして意識不明状態に陥り、人工呼吸器を装着。
先週、病院から両親のところに届いた手紙は
Jordanはターミナルで不可逆な状態なので
病院の倫理委が生命維持は中止すべきだと決めた、
転院できないなら日曜日までに呼吸器を取り外す、と通告するものだった。
一応、病院側も受け入れてくれる転院先を探すとは言い、
また当初はテキサス子ども病院の予後によって治療費支払いを拒否した保険会社も
一転して、転院先での治療費は払うと言い始めるなど、状況は予断を許さないものの、
両親は息子には回復の兆しが見られる、闘う、と。
病院からは声明が発表されて、
This is a challenging and emotional time for the patient and his family and the doctors and staff of Texas Children's Hospital. Our collective hearts go out to our patient and his family as they strive to determine what is best for their family."
"In cases where there is a disagreement about medical treatment, Texas Children’s Hospital’s Bioethics Committee, which is composed of members of the Houston community, clergy, bioethicists, physicians of various disciplines, nurses, social workers and health care administrators, reviews the physicians’ recommendation that care should be withdrawn. These members of the committee, many of whom are parents themselves, are sensitive and highly skilled. They take into account ethical considerations, state law, and the parents’ position regarding life-sustaining treatment in reviewing the treatment decisions regarding the patient."
患者家族への同情を形だけ示しつつ
言っているのは、ただ「倫理委員会が決めたことだから」。
Family fights to keep teen alive as hospital decides to end life support
KHOU, July 1, 2011
「意識不明状態」って「ターミナルで不可逆」なんでしたっけ……?
それに、Jordanが意識不明状態に陥ったのは「先月」のことだと書かれていますが、
そう書いているのは、7月1日付の記事。
テキサス州は米国で唯一、
一方的に生命維持治療を停止する権利を病院側に認める“無益な治療”法を持つ州 ↓
生命維持の中止まで免罪する「無益な治療法」はTXのみ(2011/1/21)
つい先日、せめて転院先が見つかるまで継続させるよう
改正法案が議会に出されて、つぶれたばかり ↓
テキサス州議会に「無益な治療法」の廃止を求める法案(2011/5/12)
TX州の「無益な治療」法改正法案、“死す”(2011/5/25)
【TX州のGonzales事件関連エントリー】
テキサスの“無益なケア”法 Emilio Gonzales事件(2007/8/28)
ゴンザレス事件の裏話
生命倫理カンファレンス(Fost講演2)
TruogのGonzales事件批判
ドイツの Federal Medical Councilの投票で
医師が自殺幇助を行うことに対して
反対 166 vs 賛成 56 (棄権7)により、
PSA禁止の続行を確認。
会長の Jerg-Dietrich Hoppe は、
「医師は、患者の尊厳と本人意思を尊重しながら
死んでいく患者を支えなければならないが、
患者に求められたからといって殺すことは禁じられている。
自殺を幇助してはならない」
German docs keep ban on assisted suicide
BioEdge, July 2, 2011
【追記】
ドイツ医師会は2月にガイドラインで
自殺幇助に関する判断を個々の医師にゆだねているとの報道があり、
ここで投票を行ったのは医師会ではないことに気付き、タイトルを変更しました。