2ntブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
実は以下の記事、
書いたのは2年も前なのですが、

この果敢な潜入調査をやった Which? で
長年活躍してきたAnna Bradleyさんがトップとなって、
去年10月に英国で医療と社会ケアに特化した消費者保護団体、
Healthwatch Englandという団体が立ちあげられていました。

http://www.healthwatch.co.uk/our-people

英国医療技術評価機構も公式サイトで
Healthwatchへの支持を表明している。

なにしろ私がこの立ち上げを知ったのは、
認知症介護の質のスタンダードを示したNICEの「QS30」のサイトからでした。

なにやら胸躍るニュースなので、
「祝! Healthwatch !」エントリーとして
あっぱれな Which? の潜入調査について書いた連載記事を以下に――。


Which?(どれにする?)と、一風変わった名称を持つチャリティが英国にある。50年の実績を持つ消費者保護団体だ。洗濯機や車などの商品に使用者 の立場で厳密なテストを行って比較情報を雑誌やウェブを通じて届ける他、消費者を取り巻く様々な問題について考えてきた。また法律相談まで提供するなど、 広く消費者保護と支援の活動を行っている。

このWhich? が、今年初めに3人の俳優と女優を雇い、入所者として4つの高齢者施設に送り込んだ。洗濯機やアイロンにテストを行うように、介護施設のサービスを消費者 である入所者の立場でテストしたわけだ。ターゲットにしたケアホームは単独事業所から2か所、チェーン展開をしている事業所の施設から2か所をランダムに 選んだ。潜入中に3人がつけた記録を専門家を含むチームが分析し、調査結果が4月19日に報告された。そこで明らかになったのは、あまりにもお粗末な食 事、日中活動の不足、健康と安全への配慮の欠落、虐待に等しい劣悪なケア……。

覆面潜入した内の一人は一週間で体重が3キロも減少したという。ぱさぱさに乾いたサンドイッチなど、見るからに不味そうな食事は量が少なく、栄養バラン スも悪かった。3つの施設では夕食から次の日の朝食までの間が17時間もあり、その間を何も食べずに過ごさせられるかと思うと、1つの施設では朝食が10 時だというのに昼食が11時半に設定されていた。

日中活動は4施設のいずれにおいても不足しており、入所者は常に退屈していた。体操、クイズ、歌の時間などを一週間毎日欠かさずに行うと広報で謳ってい る施設で、その中のどの活動もまったく行われていない、というケースもあった。じめじめして不潔な施設やむき出しの電線が放置されたり、非常口が物でふさ がれているところもあった。

携帯電話で会話中の職員に片腕を掴まれてトイレへと引きずられる人。立ちあがろうとするたびに何度も乱暴に頭を押さえつけられ椅子に戻される人。まだ飲 みこんでもいないのにスプーンに山盛りの食べ物を次々と口に押し込まれる人。この人は「呑み込むまで待って」という合図で手を上げてスプーンを制したとこ ろ、もう要らないのだと誤解されて食事を下げられてしまった。「あの食事介助は見ていられないほど酷かった。もっと丁寧な介助だったら、あの人はもう少し 食べていたはずなのに」と記録者は書いた。食堂でトイレに行きたいと訴えたのに許されず、30分近くも放置されて泣きそうになる女性の姿も目撃された。

今回の調査結果はケアの質コミッション(CQC)に報告され、1つの施設は新たな入所者の受け入れ差し止め処分となった。またWhich?はCQCに監査・指導の実効性を高めるよう求めた。

この報告に、高齢者チャリティの間で衝撃が広がっている。英国年金生活者会議(the National Pensioners Convention)は「ケアホームは週800ポンド(約10万円)もかかるというのに、これでは介護とも呼べない。我々は自分で声を上げられない人の 代弁をしなければ。結局、監査システムが機能していないし、職員の専門性も欠けているということだ。ケアホームは安全な場所でなければ」。またAgeUK も「介護の質を上げるのはロケット科学のようにはいかない。歳をとって弱った人たちをどのように遇するかという、つまりは姿勢の問題。温かい言葉をかける とか、余分の時間をとって他愛のないおしゃべりをする、ちょっと手を貸すことなどによって全然違ってくる」。Which? では今後もAgeUKと連携し て、高齢者施設の介護の質向上に向け、活動していくとのこと。

英国では2009年に、潜入ルポをウリにしているBBCの「パノラマ」という番組が、レポーターをヘルパーとして事業所に就職させ、在宅介護サービスの お粗末を暴いたことがあった。来るはずのヘルパーが来ず24時間も放置される高齢者や、6か月も入浴はおろかシャワーすら浴びていない高齢者、ケイタイで 喋りながら清拭を行うヘルパー……。この時には、番組の隠し撮りに協力した看護師が看護師・助産師協会から資格登録を抹消されるや、看護学会がケアの質を 懸念した彼女の行動を支持し署名活動を展開するというオマケの論争もあった。

AgeUKや年金生活者会議が言うように、数値化できない面が大きいこと、サービスを受ける人たちが声を上げにくいこと、施設であれ在宅であれ密室空間 で行われることなどによって、いわば“普段着”の介護の質を評価することは難しい。それならば、こうした覆面潜入の“ミシュラン”方式も、一つの選択肢な のかもしれない。
連載「世界の介護と医療の情報を読む」
『介護保険情報』2011年6月号


2009年のパノラマについては
BBCの潜入ルポが在宅介護の実態を暴いてスキャンダルに(2009/4/11)
在宅介護のお粗末を暴いたBBC潜入ルポに反響2つ(2009/4/19)
病院ケアの怠慢を隠し撮りしたナースの登録抹消を労働組合が批判(2009/4/20)
2013.04.30 / Top↑
PASが合法化されたオレゴン州で
癌患者にメディケアから「抗がん剤治療はダメだけどPASはOK」という
通知が届く事態となっているという情報は以下のエントリーで拾っています。

抗がん剤はダメだけど幇助自殺はOKとメディケア(2008/10/4)
「抗がん剤も放射線もダメだけど自殺幇助はOK」というOR州メディケアのガイドライン(2011/1/17)


ただ、2008年の問題については
11年の論文を含め、その後も特定の人のケースしか言及されていないので、
一般的な状況がどうなのか、ちょっと気にかかっていたところ、

医師による自殺幇助(PAS)合法化法案と違法化法案とが
相次いで州議会に提出されては否決される事態となっている
モンタナ州の州民に対して、

既に合法化されているオレゴン州の癌専門医Kenneth Stevensから、
合法化せず医療を守れ、と呼びかける新聞投書があり、
関連情報が含まれているので、以下にその個所を。

In Oregon, the combination of assisted suicide legalization and prioritized medical care based on prognosis has created a danger for my patients on the Oregon Health Plan (Medicaid). First, there is a financial incentive for patients to commit suicide: the plan will cover the cost. Second, the plan will not necessarily cover the cost of treatment due to statistical criteria. For example, patients with cancer are denied treatment if they are determined to have “less than 24 months median survival with treatment” and fit other criteria. Some of these patients, if treated, would however have many years to live, as much as five, 10 or 20 years depending on the type of cancer. This is because there are always some people who beat the odds. The plan will cover the cost of their suicides.
In Oregon, the mere presence of legal assisted-suicide steers patients to suicide even when there is no coverage issue. One of my patients was adamant she would use the law. I convinced her to be treated instead. Twelve years later she is thrilled to be alive.
Don’t make Oregon’s mistake.

オレゴンでは、
合法化された自殺幇助と予後によって優先順位を付けた医療制度が併存していることによって、
私のメディケイド患者には危険な事態となっています。

まず、OR州のメディケイド、オレゴン・ヘルス・プランは自殺幇助の費用を支給するので、
患者にとっては自殺に向かう財政的なインセンティブがあります。

次に、オレゴン・ヘルス・プランは統計データを基準に必ずしも治療のコストを給付しません。
例えば私の癌患者は、治療しても延命の中間値が24カ月を超えないとみなされたり、
その他の基準が当てはめられたりすると、治療を拒否されます。

そういう患者の中には、治療すれば何年も、
癌の種類によっては5年、10年あるいは20年だって生きられる患者もいます。
確率を超える人というのは常にいるわけです。それでも、
オレゴン・ヘルス・プランはそういう患者の自殺のコストを給付するのです。

オレゴンでは、PASを合法とする法律があるというだけで、
メディケアの給付問題がない時でも患者は自殺へと促されます。
私の患者の一人は尊厳死法を利用すると頑固に言い張っていましたが、
私は治療を受けるよう説得しました。12年経って、いま
彼女は生きていることを喜んでいます。

オレゴンの過ちを繰り返さないでください。


この人の投稿には、
癌で亡くなった妻が最後の受診の際に、
帰りがけに医師から薬のオーバードースという方法がありますよ、と言われて
ショックを受けて「ケン、この人、私に自殺しろって言ってる」と言ったという
エピソードが紹介されており、それがPAS問題に触れた最初だった、と。

Protect health care; keep assisted suicide out of Montana
Ravalli Republic, April 22, 2013
2013.04.30 / Top↑
3月28日、知事が法案に署名し、
ユタ州は死刑囚を含め、収監中に死亡した場合に囚人に臓器提供を認める
米国で最初の州となった。

既に同州では247人の囚人がドナー登録。

法案の提出者、下院議員(共和党)のSteve Eliasonは
2010年に臓器提供を望んだ殺人犯 Ronnie Leeの望みが却下されたことが
この法案提出のきっかけになった、と。

また記事には、
オレゴン州で死刑囚からの臓器提供合法化に向けてネットで啓発活動を続けている
死刑囚、Christian Longoの訴えについても言及されている。

Longoの訴えを巡る11年の論争については、こちらに ↓

「執行後に全身の臓器すべて提供させて」と、OR州の死刑囚(2011/3/6)
「囚人を臓器ドナーに」は実施面からも倫理面からもダメ、とCaplan論文(2011/10/14)


New Utah law allows organ donations from prisoners; nearly 250 sigh up
NBC News, April 13, 2013


実はカプランは上記の11年10月の論争と並行して、
以下のように、学者らに向けて中国の研究報告のボイコットを呼びかけた。

世界中の学者が、平然とスル―したのだけれど。

A・Caplanが、死刑囚の臓器に依存する中国の移植医療ボイコットを呼びかけ(前)(2011/10/12)
A・Caplanが、死刑囚の臓器に依存する中国の移植医療ボイコットを呼びかけ(後)(2011/10/12)
2013.04.30 / Top↑
プライバシーの点から名前や児童福祉管轄の自治体は明らかにされていないのだけれど、

海外から3人の赤ちゃんを養子にして育ててきた女性が、
4人目の赤ん坊を養子にしようとしてかなわなかった時に、
自身は健康上の理由から不妊術を受けていて産むことができないからといって、

インターネットを使って手に入れたドナー精子を使って
養子にした子どもの一人に妊娠するよう強要、
少女は14歳の時に流産したが、その後も何度も自己受精を強要し
16歳の時に子どもを産ませた、という
胸が悪くなるような英国の事件。

この女性は養子にした子どもたちを学校にやらず、
ホーム・スクリーニングと称して自宅に閉じこもりきりにさせており、
そのため、この少女には友人がいないばかりか、処女だったという。

その少女に母親は
自分が購入したドナー精子を自己受精するよう何度も強要。
女児が欲しいとして、酸性の液体で膣内を洗浄することまで強要していた。

「最初の精子ドナーは家までやってきた」と書かれているのがちょっと気になる。
それ以後の精子は、デンマークの精子バンク Cryos Internationalで購入されたもの。

少女は養子にしてもらった感謝の念からも拒むことができず、
また望み通りに子どもを産んであげれば、今以上に母親から愛されると思った、と。

事件の発覚は、
子どもが生まれた後、訪問した保健師らが
少女への母親の対応が常軌を逸していることに気付いたのがきっかけ。

この女性の子どもたちへの扱いに関しては児童福祉に通報されたことが数回あるものの、
判事はその介入が「基本的に通り一遍でしかなかったために」
重大な懸念があるとされることはなかった、と。

裁判は非公開で行われ、
現在、この母親は児童虐待の罪で5年の刑に服役中。

国際的な養子縁組の制度と、同様に国際的な生殖子の売買、
双方でのチェックの甘さという問題が改めて浮き彫りに。

Girl, 14, forced to become pregnant with donor sperm bought by mother
The Guardian, April 28, 2013
2013.04.30 / Top↑
26日金曜日、オクラホマ州に
患者サイドが希望する生命維持治療をQOLを根拠に一方的に拒否することを
医療職に禁じる法律が成立。

Thaddeus Popeによると、
これまでに同様の法律ができている州は
アイダホ、ニューヨークなど。

Popeはこうした州を “red light” states と呼んでいる。

こうした法律に反対する側の主張は、
医療の劣化を招き、医師が州外に逃げる、医療費がむやみに膨れる。

賛成する側の主張は、
患者の生の質が低いとか生きるに値しないという
第三者の価値意識に基づいて治療が拒否されることを防ぐことができる。

Oklahomans for Lifeでは
「仮に第三者がその患者のQOLを問題にしたとしても、
治療を受けたいという患者の希望は尊重されるべきである」と。

Oklahoma Prohibits Critical Care clinician from Stopping Requested Life Support
Medical Futility Blog, April 28, 2013
2013.04.30 / Top↑
FEN事件のフロリダ訴訟で、またFEN側Goodwinの勝訴。
http://charlotte.floridaweekly.com/news/2013-04-25/Top_News/A_matter_of_life_and_death_and_the_assistedsuicide.html

補遺で追いかけてきたカナダのSusan Griffithsさん、ついにDignitasで幇助自殺。敢えてスイスへ行く前からメディアに露出し、逐一を報道させつつ、カナダ議会に対して法改正を求めた。「自国で自殺幇助を受けられるんだったら、こんなに早くスイスへ来なくても、もう何年か生きられたし、生きたかったのに」という訴えは、かつて英国のDebby Purdyさんが使った論法と全く同じ。法務大臣は揺るがず。メディアは家族や友人に囲まれてのGriffithsさんの死を情緒的な美談に仕立て上げて流しまくっている。それに対して、人権団体からメディアへの批判や、保守派から論考など。余裕があったら、来週どこかで概要取りまとめたいけど。
http://www.cbc.ca/news/canada/manitoba/story/2013/04/25/mb-carreiro-swiss-assisted-suicide.html
http://www.cbc.ca/news/canada/manitoba/story/2013/04/25/mb-assisted-suicide-debate-reopened-winnipeg.html
http://www.cbc.ca/news/canada/manitoba/story/2013/04/24/mb-susan-griffiths-assisted-suicide-final-blog.html?cmp=rss
http://canadaam.ctvnews.ca/assisted-suicide-debate-reignited-with-death-of-canadian-in-switzerland-1.1254921
http://www.winnipegfreepress.com/local/rethought-my-stance-martin-says-204810241.html
http://www.calgaryherald.com/opinion/columnists/Martinuk+Your+right+impacts+everyone+right+live/8296633/story.html
http://www.lifesitenews.com/news/human-rights-organization-criticizes-media-orgy-over-disabled-womans-suicid/

スイスで大規模な調査研究が予定されており、DignitasやExitなど自殺幇助機関がずらりとそろって、それに反対する記者会見。そんな調査をやったら、自殺幇助の規制強化に繋がるじゃないか、といって。:その論理って、『信頼の条件』の著者がいう「循環論理」。
http://www.swissinfo.ch/eng/swiss_news/Suicide_organisation_criticise_public_research.html?cid=35627762
http://www.necn.com/04/25/13/Swiss-groups-fear-study-undercuts-assist/landing_nation.html?&apID=b8d917c1026741db9f0c95152820aef7

LAタイムズに、病人に向かって言ってはいけないことを言わないために、自分とその人の関係を整理するためのヒントを、という趣旨のOp Edがあるんだけれど、その整理のために書かれた図が、ほぼ『環状島』。『環状島』ほど深い考察ではもちろんないけど。
http://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-0407-silk-ring-theory-20130407,0,2074046.story

ザッカ―バーグ、IT長者を政治勢力として結集へ?(2013/4/8)の続報。続々とIT長者がザッカ―バーグの下に結集ちう。:これをものすごく恐ろしいことだと感じてしまうのは、私がヘンなの? 私にはモロこういう話に見えるんだけれど ⇒ 「有権者の代表による政府が制する世界」vs「利益志向の企業とスーパーリッチが制する世界」(2013/4/25)。
http://news.cnet.com/8301-1023_3-57581567-93/zuckerbergs-political-action-group-adds-ballmer-gates/

ゲイツ財団のポリオ撲滅運動には、このところ各国政府や要人や大富豪たちが続々連携を表明している。この記事は Carlos Slimとの協力関係について。
http://www.nagalandpost.com/ChannelNews/International/InternationalNews.aspx?news=TkVXUzEwMDAzNjU2Ng%3D%3D-FIEK%2BQyv7Cc%3D

英国の麻疹の流行を受け、Lancet最新号はワクチン関連論文多数。義務化を検討する声も。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2813%2960908-3/fulltext?elsca1=ETOC-LANCET&elsca2=email&elsca3=E24A35F

Lancetの途上国の医療関連で一番気になるのは、これ。途上国で学齢前の子どもにビタミンAのサプリを飲ませたら、死亡率が低下した、という大規模治験 DEVTA。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2813%2960600-5/fulltext?elsca1=ETOC-LANCET&elsca2=email&elsca3=E24A35F

インフルエンザワクチンと、ギラン・バレー症候群の関係。Lancetに論文。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2813%2960182-8/fulltext?elsca1=ETOC-LANCET&elsca2=email&elsca3=E24A35F

2007年にワクチンの副作用で未熟児に呼吸障害が起こる可能性について論文が出ていた。専門的すぎて、読む気にならないけど。
http://www.vaccine-tlc.org/docs/31198987.pdf

1歳児の汗を調べたら、後で攻撃的な傾向を見せる子どもが判別できるんだとか。:こういう研究がどんどん増えてきた。こういう情報が集められて、一体どこへ向かうのか、不気味。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/259575.php

新生児の胎盤血を調べれば、自閉症になるリスクが分かる、というのも。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/259676.php

英国で競馬の馬のドーピング・スキャンダル。
http://www.guardian.co.uk/sport/2013/apr/23/godolphin-trainer-horse-doping

ちょっと前から言われていたけど、英国で整形外科医療への規制強化が求められている。
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2013/apr/24/cosmetic-surgery-crackdown-needed-nhs

英国の社会保障カットがどんどん進む。障害者手当もカット。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2013/apr/24/disability-ruling-new-depths-dishonesty

日本。出来高払いの弊害を考えるー介護報酬の複雑化から見える問題点
http://www.tkfd.or.jp/research/project/news.php?id=1134

日本。医療費負担で麻生副総理「暴飲暴食で糖尿病のツケ払うのは不公平だ」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130425/stt13042508440001-n1.htm

日本。再生医療推進法:きょう成立 財源の議論、乏しく 「近年の医療費高騰は医療技術の進歩が要因だ。10年度の国民医療費は対前年度比3・9%増で、うち2・1%分が医療の高度化による」。これをちゃんと書くメディアは少ない。
http://mainichi.jp/select/news/20130426mog00m010003000c.html

NYT社説委員会。安倍総理に向けて、過去の傷口を広げるのではなく、アジアの民主主義のリーダーとしての役割を果たせ、と。
Japan's Unnecessary Nationalism: Instead of exacerbating historical wounds, Prime Minister Shinzo Abe should focus o
2013.04.30 / Top↑
前に、ピーター・シンガーが
ストーニーブルック大学の認知障害カンファで、アシュリー事件に言及したり、
エヴァ・キテイが障害のある娘セーシャが暮らすコミュニティへの見学ツアーに誘ったのを
「そんなのを見て何が学べるのか」と断ったりした際に(詳細は文末にリンク)、
あれこれ検索した中で偶然に拾って、興味を覚えつつ、
そのまま見失ってしまったので、いつか探しておこうと思っていた情報。

当事私が読んだのはまた別のサイトだったのですが、
シンガーのお母さんが認知症で云々、というその話を、
NDYのブログでStephen Drakeが2008年に書いていました。

Peter Singer ―A Slippery Mind
NDY, March 20, 2008


Drakeのエントリー趣旨は、
Golubchuk(無益な治療)事件でシンガーがコストをあげつらって
医療職の決定権を支持する主張をしたことについて、
以前のDavid Glassの無益な治療事件についてのインタビューでは
「本人と家族の意思を無視して医療職が勝手に決めるのは自律の侵害だ」と
繰り返し強調していることと矛盾している、と突っ込み、

ファンはそう言うのに気付かないだけで、
もともとシンガーの発言は矛盾だらけ、
その場その場で最も受けることを読んで発言しているだけの
ご都合主義だと批判するもの。

Golubchuk事件でのシンガーの発言はこちらに ↓
Singer、Golubchukケースに論評(2008/3/24)

David Glass事件については、Drakeは
とてつもなく長いテレビ番組(2003)のトランスクリプトをリンクしている。
そのタイトルがSinger: Dangerous Mind。

で、それを受けてDrakeは
いや「危険なマインド」というより
「言うことがコロコロ変わるすべり坂のマインド」なんだ…と
付けたエントリーのタイトルが、Peter Singer - Slippery Mind.

Drakeが「無益な治療」論での自律の扱いのほかに、
「言うことがコロコロ変わる」例として挙げているのが、
認知症になった母親の医療についてのシンガーの発言というわけ。

1999年のNew Yokerの取材ではシンガーは以下のように発言している。

I think this has made me see how the issues of someone with these kinds of problems are really very difficult.

これ(spitzibara注:母親の病気という体験)によって、
認知・知的障害を抱える人の問題というのが実際いかに難しい問題なのかということが
私にも分かったと思う。

Perhaps it is more difficult than I thought before, because it is different when it’s your mother.
たぶん私が前に思っていたよりも、ずっと難しい問題。
なぜなら、自分の母親となると話が違ってくるから。


ところが、翌年の2000年にReasonという雑誌のインタビューでは
「その意思決定に関わったのが自分だけだったら
母親はいま生きていなかっただろうけど、姉(妹?)がいるから」と答えている。

とても興味深いのは、
Drakeのこのエントリーに対して、Wesley Smithがコメントして
母親に関しては、どっちも真実だったんじゃないか、と言い、
Drakeがそれに対して、いや、Singerは発言の場を考え、
自分の発言が届く層によって一番受けそうなことを言っているだけだ、と返している。

Smithは上記の2003年の番組に出て、
自殺幇助と安楽死を批判する文脈でこのエピソードを紹介し、
いかなシンガーでも母親に対する愛情があったということは
彼がいずれ過ちに気付き訂正する可能性があるということであり、希望だ、と
語っている。

その個所を抜くと、以下。

The ironic thing was that when Peter Singer’s mother got Alzheimer’s disease, and ceased, in his view, to be a person, he couldn’t have her euthanized. He said, well, it’s different when it’s your mother. Well, that just says that Peter Singer was raised well. Sometimes I think you can take the boy out of the sanctity of life, but you can’t take the sanctity of life out of the boy. Peter Singer proved that he had love in his heart by the fact that he wouldn’t kill his mother, and, in fact, that gives me hope that Peter Singer, someday, will see the error of his ways and realize that either all human life is equal, or none of it is equal.


ここで(2003年に)Smithが言っていることは、
やっぱりちょっと甘っちょろいんじゃないかと思うけれど、
でも、どちらも真実だったんじゃないかという2008年の彼の発言は
意味深いという気がする。

誰にとっても自分の愛する家族の終末期の医療を巡る判断というのは
他人の医療を巡る判断とはまるきり別の話になるだろうし、
まして一般論としての「終末期の人」の話とは
まるきり別の話であって当たり前だと思う。

それに、
終末期の人の医療を巡る意思決定に関わるのが
自分一人だけというケースもあるだろうけれど、
たいていは関わる家族も関係者も複数いて、それぞれの関係にだって
それなりに年月の間に積み重ねられてきた複雑なものがあれこれ絡みついている。

そういうふうに、人が一人、生まれた時から
いろんな人と関わりながら生きてきて死ぬまでの間には
外からはうかがい知れないほどのややこしい事情やいきさつやしがらみが
魑魅魍魎のように絡みついているんであって、

でも人が関係性の中にあるというのはそういうことだし、
だからこそ「わたし」と「あなた」とか「わたしたち」という関係が
そこにはあれこれと輻輳しながら生じているわけで、

シンガーやサヴレスキュやトランスヒューマニストは
人をまるでバラバラに切り離されて存在する個体でしかないように、
しかも、それぞれが単なる機能や能力の総和としての個体ででしかなくて
能力が高くなればそれだけ、その個体それぞれが
それぞれにバラバラのところでハッピーになる……かのように
描いてみせるけれど、

それは、やっぱり違うんじゃない? と
これはもう何度も何度も何度も、そう思う。

やっぱり人間は人との関わりの中で、
「あなたにとってかけがえのない私」、「私にとってかけがえのないあなた」という
「かけがえのなさ」を生きている存在なのだと思う。いい意味でも悪い意味でも。

「自分の母親ということになったら話が違う」というのは、そういうことだし、

その一人の母親の終末期の医療を巡っても、
そこには自分の「私にとっての母」と兄弟それぞれにとっての「私にとっての母」がいて、
さらに意思決定を巡っては、私と兄弟それぞれの「私にとってのあなた」の関係が絡まってくる。

さらに、母と自分と兄弟がそれぞれに絡まりつかせている人との
複雑な関係性にまつわる歴史や事情やいきさつや思惑や、いろんなものが
金魚のウンチ状態になっている。

人はそんなふうに生きているし、

だからこそ、
単なる「機能と能力の総和としての個体」なんかじゃない。

だからこそ、人が幸福かどうか、
誰かの生が生きるに値するかどうかなんて、
その人の能力で決められるものじゃない。



ストーニーブルック大でエヴァ・キテイが中心になって開催した
2008年の認知症カンファに関連したエントリーはこちら ↓

認知障害カンファレンス巡り論評シリーズがスタート:初回はSinger批判(2008/12/17)
知的障害者における「尊厳」と「最善の利益」の違い議論(2008/12/18)
What Sorts のSinger 批判第2弾(2008/12/22)
「障害児については親に決定権を」とSinger講演(2008/12/26)
Singerが障害当事者の活動家に追悼エッセイ(2008/12/29)
Sobsey氏、「知的障害者に道徳的地位ない」Singer説を批判(2009/1/3)
2013.04.30 / Top↑
大統領から任命された15人のチームから成り、
大統領、議会その他連邦機関への諮問を行う連邦政府の機関、
National Council on Disabilityに対して、

Not Dead Yetのトップ、Dian Colemanが電話で、
全米に広がりつつある「無益な治療」論による一方的な治療の停止・差し控えについて、
「我々の命が脅かされている」と危機感を表明。

NCDがこれらの動きに対して懸念の声を挙げる中心となることを求めている。

その内容がNDYのブログに全文掲載されていますが、
ちゃんと訳す余裕がないので、指摘されている主なポイントのみ、以下に。

・無益な治療論そのものは以前からもあったが、そこには
障害のある生を生きるに値しないものとみなす価値意識と、
医療職の障害者のQOLに対する偏見が影響している。

・最もラディカルなテキサスの無益な治療法には
法改正の努力が何度も行われては実らずにきたが、
去年の改正案などはあまりにも穏やかな内容で、
障害者運動は反対せざるを得なかった。
それほどに「無益な治療」法は根付き、憂慮されるものとなっている。

・無益を巡る意識決定プロセスは病院内倫理委に依拠しているが、倫理委そのものに一定の基準がなく、
障害者運動は病院外に障害当事者アドボケイトを含めた場を設けるべきだと主張してきた。

・昨年のNDRNの報告書にも見られるように、
様々な州でP&A組織の介入が何人もの障害者の命を
無益な治療論による一方的な治療の中止から救ってきた事実がある。
NDRNも病院内倫理委ではセーフガードとして不十分だと指摘している。

NDY President Diane Coleman Submits Comments on Futile Care Policies to National Council on Disability
Not Dead Yet, April 22, 2013



昨年のNDRN報告書については、こちらに ↓

障害者人権擁護ネットから報告書「“A療法”・強制不妊・生命維持停止は人権侵害(2012/6/20)
障害者の人権を侵害する医療への痛烈な批判: NDRNの報告書「まえがき」(2012/6/22)
障害者への医療の切り捨て実態 7例(米)(2012/6/26)
NDRN報告書:概要(2012/7/7)
NDRN報告書:WI州の障害者への医療切り捨て実態 2例(2012/7/9)
NDRN報告書: A療法について 1(2012/7/13)
NDRN報告書: A療法について 2(2012/7/13)
NDRN報告書:カルメンの強制不妊ケース(2012/7/14)
NDRNのCurt Decker、"アシュリー療法“、障害者の権利、医療と生命倫理について語る(2012/7/31)
NDRN報告書: 提言(2012/8/2)

2013.04.26 / Top↑
East Anglia大学の認知症スクリーニングの専門家から、

今後、認知症患者の急増が見込まれることから
症状が出ていない内から認知症のスクリーニングを実施しようとの声が
英国でも上がっているが、

定期化すると、
未だ治療方法も見つかっていない中で無用な不安と混乱を招くだけで、
利益よりも害の方が大きい、と懸念の声。

「早期認知症」とは患者に症状が出る前の段階を言い、
診断は認知能力のテストと脳画像診断で行うが、
ちょっとした認知障害なら高齢者の3人に一人はあると答えるし
だからといって彼らの訴えが認知症の症状であることはほとんどない。

治療法もないのに、
症状がないうちから診断されてしまうと、
認知症というラベリングでスティグマを負い、
本人と家族の不安とストレスになるだけでなく、
職業や保険での差別にもつながりかねないし、
実際の病気が影響し始める以前からその人の人生はひっくり返ってしまう。

また医療費の面から言っても、
早期に診断される人を増やすことは無用なコスト増に繋がる。

だいたい、そんな時期から診断したって
本当に認知症になっているか、その人が生きているうちに症状が出るか、
そんな確率が明らかにできるわけでもない。

Routine Early Dementia Screening “A Disaster In Slow Motion”
MNT, April 18, 2013


なんか、これ、読んでいると、
認知症の早期発見スクリーニングに限らず、
遺伝子診断で、これこれの病気の確率がこれこれですよ、と
知らなくてもよいことを知ってしまうことにも通じるような気がする。


【関連エントリー】
一族そろって胃を全摘して癌予防(2007/7/24)
遺伝子診断、無用のストレスが身体に悪いだけ(2008/9/19)
Google創設者、パーキンソン病遺伝子を告白(2008/9/19)
「お子サマに最適なスポーツと最適な訓練方法を」と“DNA霊感商法”(2011/5/20)
2013.04.26 / Top↑
昨日からアブ・ダビで開催されている
ワクチン・カンファでビル・ゲイツが基調講演。

ポリオ撲滅のため、
新たなワクチン開発に向けた6年計画を作るとして、
さらなるワクチンへの投資を呼び掛けた。

途上国へのワクチン支援で最も多くの資金を提供しているのはゲイツ財団で、
その次が米国政府、とも。

その講演の後に受けたインタビューの記事。
記事タイトルは、ビル・ゲイツ「衛星とGPSがポリオと闘っている」

どういうことかというと、

In order to reach the most at-risk children, the Gates Foundation has helped implement a satellite mapping technique, to ensure house-to-house vaccinators use aren't missing any villages or settlements. In some cases, they also equip the vaccination teams with cellphone GPS devices to record where they've gone.
"We take the GPS tracks from cellphones and overlay that onto the assignment, to make absolutely sure that they've gone where they were supposed to go, which helps get the coverage level up," Gates says. "The difference between 85% coverage and 90% coverage is the difference between not succeeding and succeeding."


ゲイツ財団が集めた金で途上国の子どもたちにワクチンを打つのは、
どうやら担当者が一軒一軒ワクチンを持って家を回るらしい。
house-to-house vaccinators というわけだから。

で、その人たちが
紙にイチイチ記録していたのでは
村や集落を見落として回り損なうようなことが起こるから、
ゲイツ財団がお金を出して、衛星マッピング技術とGPSが使えるようにした。

ワクチンチームにGPSつきの携帯電話を支給して、
どこを廻ったか記録していけるように。

それで接種率85%ではなく、90%をめざす。

Bill Gates:Satellites and GPS are fighting Polio
Mashable, April 24, 2013


【関連エントリー】
「ゲイツ財団(の連携機関)が途上国の子どもに銃を突きつけワクチン接種(2011/7/29)

                 ―――――――


ビル・ゲイツはフォーラムで、
ポリオ撲滅にゲイツ財団から18億ドルの資金提供を約束。

ちなみに、
このニュースが掲載されているのは the Economic Times――。

Gates’ Foundation to fund $1.8 bn to eradicate polio
The Economic Times, April 25, 2013
2013.04.26 / Top↑
去年の11月の以下のエントリーで読んだWPの長文記事を、
訳あって、読み返してみていたところ、

製薬会社資金に信頼性を失っていく治験データ……Avanidaスキャンダル(2012/11/30)

そのWP記事に寄せられた
がん専門医の方からのコメントで、ものすごいことが書かれているのに気が付いた。

コメント全文がこちら ↓
全訳はちょっとキツイので、ざざっと。

Let me enlighten many of you as a cancer MD who has been in this field for 50 years. Bias and ego, along with greed, dominate my profession. In fact, my favorite quote is that the oldest profession has become the oldest profession.

Clinical research is funded by the drug companies 95% of the time. The physicians are paid for each patient enrolled. Physicians are invited to be part of speaker panels that tour the globe espousing the particular drug or device. All of this is paid for, of course. The journals are full of advertisements for drugs, along with the continued bombardment of TV ads for various drugs for the sick and ailing American public. That is without a doubt a form of brain washing --but that's the state of the world in the USA today. I cannot stop the flood of medical tabloids that are replete with advertisements.

The FDA panels that approve or reject drugs and/or devices are manned by individuals often on the payroll of the very same drug company seeking approval. From what I have experienced, there is huge bias in the way decisions are made by that panel. Due diligence is often not done by the panel since it is a part time job. Those on the panel are not asked to recuse themselves if there is a conflict of interest. In fact, nowadays the medical journals require you to state any conflicts of interest, including investments or payments related to the article you have published. If you "confess" the conflicts, then all is considered acceptable. The fact that Dr. ABC has stock in Glaxo, or is on the Speaker's Bureau for Aventis is only important in the declaration of the conflict. This is the closest thing to a confessional that I know--just admit your conflict of interest and all is OK.

How to find an honest man or woman. This is truly an odyssey of a biblical nature. But this pervades all of our culture and it is global in nature. We seem to not be able to get close to the truth. Our world is full of amazing technological advances, yet the basic issues of morality and ethics seem to disappear as the greed/ego aspects of our lives gather more "moss" due to the growing religion of consumerism. It's the Al Franken generation of Saturday Nite Live i.e., What's in it for me?

がん医療を50年やってきて、思うのは、
がん専門医の世界はバイアスとエゴと金銭欲に支配されているということ。

臨床実験は95%がた製薬会社の資金で行われており、
患者を一人参加させるたびに医師にはカネが入る仕組み。
薬や医療機器の販促講演に呼ばれれば世界中を旅して廻ってカネをもらう。
メディアは薬の広告攻撃を仕掛けて、まるで洗脳まがいだし、
医学雑誌も広告だらけだ。

薬を認可するFDAの委員会には、
当該製薬会社と金銭関係のある人物が入っていることが多いし、
私の経験からしても、そんな委員会にバイアスがないわけがない。
ディスクロージャーが義務付けられたといっても
金銭関係を「告白」すれば、それが免罪符になって終わり。

一体どこに正直な人間がいるのか、真実が一体どこにあるのか、
もはやほとんど宗教的な次元の話だ。
これが米国の文化であり、グローバルに広がっていくだろう。
素晴らしいテクノロジーの発達の一方で、道徳心や倫理感は消え失せて
消費主義という宗教のもと、金銭欲とエゴばかりがはびこっていく。


そういえば、日本のワクチン評価委員の製薬会社との金銭関係でも、
「ディスクローズしているのだから問題ない」というのが
厚労省の見解でしたっけね…… ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/66296856.html


ビッグ・ファーマ関連スキャンダルについては
もうウンザリするほどエントリーがあるので、リンク一覧は断念。

興味おありの方は
冒頭にリンクしたAvandiaスキャンダルの辺りから
リンクをたどってみてください。
2013.04.26 / Top↑
ほんの少しずつだけれど、
今の世界のあり方の本質的なところをズバリ突っ込んでくれる人が……?

この記事は
地球温暖化対策としてのEUの
二酸化炭素排出量の買い取りプロジェクトが挫折したことを巡って
そうした対策つぶしを強行させてしまった背景にあるのは
各国政府がもはや機能せず、市場主義に敗北してしまっている事態だ、と批判し、
地球を守るのは銀行や企業は民間マネーではできない、として
各国政府に檄を飛ばす内容。

これ、地球温暖化対策だけじゃない、と思う。

例えば、

This self-mutilation is a response to the fact that power has shifted. States now operate at the behest of others. Deregulation, privatisation, the shrinking of the scope, scale and spending of the state: these are now seen as the only legitimate policies. The corporations and billionaires to whom governments defer will have it no other way.
Just as taxation tends to redistribute wealth, regulation tends to redistribute power. A democratic state controls and contains powerful interests on behalf of the powerless. This is why billionaires and corporations hate regulation, and – through their newspapers, thinktanks and astroturf campaigns – mobilise people against it. State power is tyranny, state power is freedom.


そう――。
権力がシフトしてしまっている。
国家は今では他者からの命を受けて機能している。
規制緩和も民営化も小さな政府も、みんな企業と長者さんたちのご希望であり、
各国政府は企業とスーパーリッチに頭を下げてはお望みのままに――。

税は富の再分配を意図するように、規制は権力の再分配を意図する。
民主国家は弱きもののために強きものの利益をコントロールし抑制する。
だからこそスーパーリッチも企業も規制を憎み、
自前の新聞やシンクタンクやネット上に張ったキャンペーンを通じて
人民を反政府に駆り立てる――。

This is an example of what happens in a market-based system: any clash between generating profit and protecting the natural world is resolved in favour of business, often with the help of junk science. Only those components of the ecosystem that can be commodified and sold are defended. Nature is worthy of protection when it is profitable to business.


そう――。
市場原理によるシステムのパターンといえば、
利益創出と自然保護の相克がビジネス的にオイシイ形で解決できる時には
エセ科学が登場し、ゼニになるものだけを擁護する。

自然は、ビジネスにとって利益を産む場合にのみ保護に値する――。

(ここ、「自然」を
「人権」とか「患者の命や苦しみを救うこと」「切実な願いをかなえること」とかに
置き換えてみたって筋がそれなりに通りそうだし)


When governments pretend they no longer need to govern, when they pretend that a world regulated by bankers, corporations and the profit motive is a better world than one regulated by voters and their representatives, nothing is safe. All systems of government are flawed. But few are as flawed as those controlled by private money.

政府がもはや統治する必要がないかのようなフリをする時、まるで政府が銀行家や企業や利益追求によって制される世界の方が、有権者やその代表が制する世界よりもベターだというフリをする時、安全なものは何もない。政府のシステムで穴のないものはない。しかし、民間マネーによって牛耳られるシステムほど穴だらけのシステムはほとんどない。


This faith in the market is misplaced: only governments can save our living planet
The Guardian, April 22, 2013


安全なものは何もない……。



【関連エントリー】
ゲイツ財団の慈善ネオリベ医療グローバリズム賛歌(2009/6/20)
「必要を創り出すプロセスがショーバイのキモ」時代と「次世代ワクチン・カンファ」(2010/5/29)
ビル・ゲイツの音頭で米国の長者たちが各国政府の頭越しに世界人口抑制に取り組もうと合意(2010/6/9)
“プロザック時代”の終焉からグローバル慈善ネオリベ資本主義を考える(2011/6/15)
国家的権威から市場主義的権威による超国家企業の政治制度へ(2012/1/25)
ザッカ―バーグ、IT長者を政治勢力として結集へ?(2013/4/8)
2013.04.26 / Top↑
道徳エンハンスメントについては
これまで以下のようなエントリーを書いており、
いつかこの問題の議論の全容みたいなものを
どこかでチェックしてみたいと思っていたのですが、

SavulescuとSingerが「犯罪者は脳が決める。科学とテクノで犯罪予防を」1(2012/2/4)
SavulescuとSingerが「犯罪者は脳が決める。科学とテクノで犯罪予防を」2(2012/2/4)
SavulescuとSingerが「犯罪者は脳が決める。科学とテクノで犯罪予防を」3:リアクション(2012/2/5)
脳刺激法のエンハンスメント利用を巡ってSavulescu(2012/2/2)
「将来の凶悪犯は幼児期から分かる」と刑法改革を提唱するドイツの脳神経科医(2013/2/10)


たまたまWikiのサイトの
Moral Enhancement関連の論文一覧を見つけたのでメモとして。

http://ieet.org/index.php/tpwiki/Moral_Enhancement


ここに書かれているMoral Enhancementの定義は以下。

The use of information technology, psychopharmaceuticals, genetic engineering, brain stimulation or nano-neurotechnologies to control immoral sentiments, reasoning and behavior, and/or enhance moral sentiments, reasoning and behavior.

IT、向精神薬、遺伝子工学、脳刺激法、ナノ神経工学を利用し、道徳に反する感情、思考と行動をコントロールし、加えて/または、道徳的な感情と思考と行動をエンハンス(強化)すること。


論文が多数挙げられていて、概要もリンクもついているので
また改めて読んでみようと思うのですが、今日のところは
ざっと見たところ、2008年からぽつぽつ出始めて、
この2、3年くらいで急増している印象かな。

私でも知っているビッグ・ネームでは、
John Harris,
Peter Singer,
Jurian Savulescu。

興味深いのは、
Ashley事件の時に擁護に出てきたトランスヒューマニストも
(考えてみりゃ当たり前なんだけれど)名前を連ねていて、

James Hughes それから Matthew Liao 。


A事件での、この2人については ↓
“A療法”擁護者の2つの系譜(2008/1/17)
不思議な“アシュリー療法”エッセイと、その著者たち 1(2007/9/27)
不思議な“アシュリー療法”エッセイと、その著者たち 2(2007/9/28)
HughesもAshley両親についてIEETサイトで(2008/3/17)

James HughesのTHニズム関連では ↓
Hughesの「サイボーグ市民」
he とshe の新たな文法?
サイボーグ社会の“市民権”
人工知能が人間をペットに?(2008/2/29)
Yale大とTH二ストの組織IEETが、動物の権利とパーソン論でカンファ(2013/4/14)
2013.04.26 / Top↑
VT州の世論調査で、PAS合法化への意見は真っ二つ。
http://vtdigger.org/2013/04/16/vermont-alliance-for-ethical-health-care-says-its-poll-shows-vermonters-very-much-divided-on-physician-assisted-suicide-bill/

カナダの世論調査で数年ぶりに自殺幇助と安楽死への反対意見が増加。
http://www.lifesitenews.com/news/poll-finds-decline-in-canadian-support-for-legalizing-assisted-suicide-and

ディグニタスへ行ったカナダの女性Susan Griffithsさんに医師らのPAS承認降りる。
http://www.cbc.ca/news/canada/manitoba/story/2013/04/22/mb-susan-griffiths-doctor-oks-assisted-suicide.html

オーストラリアで自殺幇助事件として処理された06年の事件に10年になって殺人場面の目撃証言が出てきて、再捜査へ。:近親者が幇助しましたと自己申告する自殺幇助と殺人の区別が果たして本当に可能なのか、という疑問が私にはずっとある。
http://www.theaustralian.com.au/news/nation/suicide-case-turns-to-murder/story-e6frg6nf-1226626216122

治験請負企業Cetero ResearchがFDAからデータ操作や隠ぺいの常態化を指摘され、同社が治験に関係した薬は100以上に及ぶという話題は16日の補遺で拾ったけれど、それでもFDAはそれらの薬を認可するんだとか。
http://www.propublica.org/article/fda-approved-new-drug-despite-ongoing-investigation-of-lab-misconduct

BMJに、クローン病患者による、なぜビッグ・ファーマは治験データのディスクローズを邪魔するのか、と問う論考。ステロイドの副作用に苦しみ続けたという体験から。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/259244.php

米国の子どもたちの間でリタリンやアデロールなどの処方薬の濫用が急増している、との調査結果。
http://www.cbsnews.com/8301-204_162-57580869/prescription-drug-abuse-by-teens-up-sharply-study/

【関連エントリー】
米国のティーンの間で処方薬の濫用が広がっている(2009/12/1)
ADHD治療薬の“スマート・ドラッグ”利用を解禁せよ、とNorman Fost(2010/12/28)


英国の大富豪Tony Achcroft氏も、ゲイツやバフェットらのthe Giving Predgeに参加を表明。世界中の大富豪が資産を持ち寄るなら、そこに生まれるのは世界中のどの国家にも太刀打ちできない資金力のある団体。慈善が表看板だとしても、その事実が変わるわけではない。慈善資本主義は慈善ではなく金融資本主義。
http://zeenews.india.com/business/news/international/lord-ashcroft-to-donate-half-of-his-1-2-bn-pounds-fortune-to-charity_74610.html
http://www.thesundaytimes.co.uk/sto/news/uk_news/People/article1248795.ece?CMP=OTH-gnws-standard-2013_04_20

22日には次世代原発の件で韓国にいたビル・ゲイツ、24日にはアブダビでのグローバル・ワクチン・サミットへ。そして、カタール・チャリティと2018年までにポリオ撲滅に向けて連携協定。
http://thepeninsulaqatar.com/qatar/234247-qc-gates-foundation-join-hands-to-fight-polio.html

日本語。英GSK社とインドのワクチン企業とが6種混合ワクチンを製造する合弁企業を設立。インドおよび途上国の小児向けに。:わざわざ会社を作っても儲かるから作る。途上国がそんなの自力で買えるわけもないのだけれど、そこは慈善資本主義でカネは集まる。カネが集まって製造したワクチンが買われれば株主は儲かる。その株主が慈善資本主義の広告塔をやる。カネがまた集まる。それが見越せているから途上国の小児向けワクチンを製造する会社を興せる。違うかな?
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20130202/165900/

日本。厚労省ワクチン評価4委員 製薬会社から寄付金 厚労省「問題ない」 「利益相反」指摘する声も
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20130422161544293

日本語。ワクチン評価委員の医師と製薬会社 不透明な関係 厚労省など「金額公開 問題ない」「NPO法人「臨床研究適正評価教育機構」(東京)理事長で、この問題に詳しい桑島巌医師は「日本の医学界に情報を公開しようという土壌がなかったことに加え、利益相反に伴う深刻な事態に陥った経験が少ないからだろう」と分析する」:へぇぇ。「利益相反に伴う深刻な事態に陥った経験」が日本の医学界には少なかった……でしょうか? 米国でルールづくりが加速した点についても、99年の感染症で死亡した事例がきっかけだったとおっしゃっていますが、へぇぇぇ。「史上最も悪名高い小児臨床実験」と言われたパキシル研究329は? Biedermanスキャンダルは? Grassley議員が委員長を務めた委員会が暴いた癒着スキャンダルの数々が、サンシャイン法につながったのでは?
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20130423115255176

日本。厚科審 予防接種・ワクチン分科会が初会合、異例の傍聴者発言を導入
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=41066

全国子宮頸癌ワクチン被害者連絡会のHP
http://shikyuukeigan.fem.jp/

英国でははしかが流行。「ウェークフィールドのせいでMMRを受けていない世代」に。
http://www.guardian.co.uk/science/life-and-physics/2013/apr/19/mmr
http://www.guardian.co.uk/society/2013/apr/17/measles-outbreak-mmr-jab
http://www.guardian.co.uk/uk/2013/apr/18/swansea-measles-cases-exceed-800

高齢者にロボット介護とセンサーばっちりのスマートシステムを。
http://cordis.europa.eu/fetch?CALLER=EN_NEWS&ACTION=D&SESSION=&RCN=35660

日本。電動車いす入場拒否 ひろしま菓子博「災害対応」理由に:夕方のニュースで知事が「この対応で問題ない」との見解。21日に出された実行委員会からの「電動車いすの利用について」文書 ⇒ http://www.kashihaku2013.jp/themes/hika/20130421release.pdf
http://www.asahi.com/national/update/0420/OSK201304200006.html

日本。<クレーン車暴走>母にも賠償責任 宇都宮地裁判決:なんで成人なのに母に賠償責任? 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130424-00000033-mai-soci

日本語。フランス同性婚合法化、土壇場の反対デモ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130422-00000013-jij_afp-int

日本語。5歳女児が監禁・強姦され重体、インド
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130420-00000022-jij_afp-int

日本語。女児監禁事件の警察対応に抗議、インドでデモ:抑圧され追い詰められた貧困層の男性が、自分よりも弱い女性や子どもをはけ口にする。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130420-00000858-yom-int
2013.04.26 / Top↑
ビル・ゲイツが米国の教育改革、特に教師の評価方法について
継続して発言しており、

ゲイツ財団の米国公教育コントロール 1(2011/5/2)
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 2(2011/5/2)
「生徒に生体データ・ブレスレットつけさせ教師の技量を評価」研究に、ゲイツ財団から100万ドル(2012/6/19)

最近では
生徒のテストスコアだけでなく
授業の評価もするために全米の学校のすべての教室に
50億ドルを投じてビデオカメラを設置すると言っていることを
当ブログでも拾っていますが、

そうしたゲイツの発言に対して、
米国の中学で科学を教えてきた教師でブロガ―のAnthony Codyという人が
ちょっと面白い批判をしている。

もともと教育の専門家でもないゲイツが
ただカネがあると言うだけで口を出したことが
現在の事態を招いているというのに、それを振り返ろうともせず、
さらに教師を評価する方法を云々していることへの批判のようなのだけど、

特に、教育改革や教師の評価以外にも当てはまる個所が
とても興味深いと思ったので、そこを以下に。

The concentration of wealth in the Gates and Walton families allows them to pay for research that supports their ideas, influence media outlets and funnel money through political action committees that advance their agendas ― all without accountability

ゲイツ一家やウォルトン一家への富の集中によって、
彼らは自分たちの考えを裏付ける研究にカネを払うことができるし
メディアに影響を及ぼし、
自分たちのやろうとすることを推進してくれる政治的団体や委員会にカネを回すことができる。
しかも、アカウンタビリティなど一切問われることもなしに。


If Mr. Gates demands that teachers be held accountable for their work, surely he must accept some accountability for his.

ゲイツ氏が教師に自分たちの仕事への説明責任を問うのなら、
彼だって自分の仕事に説明責任を引き受けるべきである。


Codyは、ビル・ゲイツが主張する教師評価の基準に沿って
「億万長者の慈善評価」を試みていて、原文はこちら ↓
 http://blogs.edweek.org/teachers/living-in-dialogue/2013/04/accountability_for_mr_gates_th.html

私はイマイチぴんとこないので、これについてはパス。

Many approve of Bill Gates’ latest words on education, but some question their source – Gates himself
Deseret News, April 22, 2013


【関連エントリー】
世界中の研究機関に流れていくゲイツ財団のお金(2008/8/28)
ゲイツ財団の指摘研究機関が途上国への医療支援の財布を管理しようとしている?(2009/6/20)
ゲイツ財団の慈善ネオリベ医療グローバリズム賛歌(2009/6/20)
公衆衛生でマラリア死8割減のエリトリアから「製薬会社株主ビル・ゲイツのワクチン開発」批判(2011/8/2)


  ――――――――――

ちなみに、22日に韓国へ行き、朴大統領と会談したGates氏、
大統領と握手する際に左手をパンツのポケットに入れたままだったことから
韓国でえらい不興を買ったらしい。

今日もまだニュースがちらほら見かけるくらいだから、
このニュース、世界中を駆け回っている模様。

朴大統領は
科学を発展させ「クリエイティブな経済」をめざすため
アドバイスをよろしく、と。

なお、ゲイツ氏の韓国訪問は、
次世代型原発のベンチャー企業 Terra Powerのチェアマンとしてのお仕事だったとのこと。
(既に中国とはこの件で連携の約束ができている。⇒http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/64541183.html)

以下の記事に問題の握手の写真と、
その写真をでかでかと掲載した韓国の新聞各紙の写真が共にあります ↓

Bill Gates ‘disrespects’ South Korean president with casual handshake
The Telegraph, April 23, 2013
2013.04.26 / Top↑
Judicial Watchの発表では

米国保健省の文書によると、
これまで米国ワクチン被害補償プログラムがHPVワクチンの被害者49人に支払った
賠償金の総額は 5,877,710ドル。

それでも、これまでに出された200件の被害の申し立ての
半分も処理されていない。

Judicial Watchの会長 Tom Fittonは、

This new information from the government shows that the serious safety concerns about the use of Gardasil have been well-founded. Public health officials should stop pushing Gardasil on children.

この政府の新情報によると、ガーダシルの使用への深刻な安全性懸念には十分な根拠があることが明らかである。保健当局はガーダシルを子どもに強要するのをやめるべき。


2010年9月1日から2011年9月1日までの間に
新たに報告された死者は26人で

その他に、
けいれん発作、マヒ、視覚障害、すい臓炎、
言語障害、短期の記憶障害、ギラン・バレー症候群が
FDAワクチン副作用事象報告システムに報告されている。

なお、ウォール・ストリートの分析によると、
ガーダシルの製造販売元のメルク社では
来年ワクチンの販売額が10億ドルに達する見込み。
今後5年間の売り上げは40億ドルにも。

US court pays $6 million to Gardasil victims
The Washington Times, April 10, 2013


多少、偏った立場の著者による記事と思われるため、
データの個所のみ、抜きました。


なお、この記事にも、
以下のエントリーで紹介した論文が言及・引用されています。

HPVワクチンに関する論文アブストラクト 1/3(2013/4/17)
2013.04.20 / Top↑
米国の学校にスクール・ポリスが常駐し、
ささいな問題行動を犯罪視されて逮捕されたり犯罪歴となったりしている、という実態は
去年、以下のエントリーで紹介しました。

授業中にケンカをすればスクール・ポリスがやってくる。そして逮捕(TX)(2012/1/12)


昨今の銃規制をめぐるライフル協会を中心とした抵抗の動きで、
頻発する学校での銃乱射事件の予防策として
学校へのスクール・ポリス増加の方向に向かっていることに
NYTの論説委員会から、批判の論説が出ています。

それによると、70年代には聞いたことのなかったスクール・ポリスは
80年代の若者の犯罪の増加によって置かれるようになり、
99年のコロンバイン高校事件から急速に広がったとのこと。

70年代には1パーセントの学校に過ぎなかったのが、
2008年には40%の学校に拡大。

しかし、2011年に発表された調査報告では
スクール・ポリスの存在は犯罪の減少には結びついていない。

むしろ、それまでなら校長が対応していた些細な問題行動まで
警察が介入して、犯罪視されることとなり、

特に黒人とヒスパニックの生徒では白人に比べて
些細な行動で逮捕される確率が4倍も高い。

授業妨害や汚い言葉を使ったとして
500ドルの罰金や、時には刑務所に入れられることも。

NY市議会ではこうした傾向を問題して、
2010年に the Student Safety Actができた。
生徒が逮捕された場合には警察に詳細な報告を義務付けるもの。
ここでも2011年から2012年年度で、黒人の学生の逮捕率、停学率が圧倒的に高い。

教育関係者の間で
「学校―刑務所パイプライン」を懸念する声が広がりつつある。

NYTの社説は、
未だスクール・ポリスを導入していないスクール・ディスとリクトに対して、
慎重を呼び掛けている。

Criminalizing Children at School
NYT, April 18, 2013
2013.04.20 / Top↑
特にこの話題を追いかけているというわけでもないのだけど、

気の滅入る情報ばっかり流してしまう当ブログも、
たまにはこういう風を入れて空気の入れ替えをしたいものだと、常々思っているので――。



NZ議会で同性婚を認める法案の投票が行われ、
賛成 77 vs  反対 44 で、可決。

同性婚を合法化した13番目、
アジア太平洋では最初の国に。

投票結果が分かった直後、
議場に傍聴に来ていた人たちが
マウイ族のラブ・ソングを歌い始め、
しだいに皆が加わり大きな声となって議場に広がっていく―――。

New Zealand parliament breaks into song after legalizing gay marriage ― video
The Guardian, April 18, 2013


毎日毎日毎日毎日イヤなニュースばっかり読んでいる中で、
ふっとこういう映像に出くわすと、うっかり、ウルウルさせられてしまう。

そして、やっぱり心を洗われる思いになる。

穏やかで美しいメロディと歌声です。

一つの国で、差別が一つ、終わりました。
2013.04.20 / Top↑
どの国のであれ、裁判制度のことは、さっぱりわからないのだけれど、
英国では誰かが始めた訴訟を、その誰かが死んだ場合には
他人が引き継ぐことができるらしい。

去年、日本でもNHKが妙な取り上げ方をしたNicklinson訴訟で、

Tony Nicklinsonさんが敗訴からの失意で食を断って死んだ後、
誰か裁判を引き継いでくれる人があるなら全面的にバックアップする、という
未亡人の呼びかけに応えて、

23年前の交通事故で四肢マヒとなった男性、Paul Lamb(57)が引き受けことになり、
3月13日に高等裁判所もLambがNicklinsonの上訴を引き継ぐことを認めた、というニュース。

Lambさんは右手がわずかに動く以外は全身がマヒしており、
肩には常時痛みがあってモルヒネを常用している。

自殺しようにも自分では自殺するすべがない、
唯一可能な方法は餓死だが、それは尊厳のある死に方ではなく、
死ぬまで見ていなければならない家族にも負担をかけるので
自分で選んだ時に選んだ場所で医師による自殺幇助を受けたい、と希望している。

裁判所に提出した理由の申立書に書かれている内容の一部は
Guardianによると、

“With my level of disability it is not feasible to avail myself of the right of suicide; a right which I have in theory but not in practice … so the law does discriminate against me by on the one hand giving me a right to end my life, but on the other hand it is not a right I can actually use because of my disabilities. This just does not make sense to me. It seems like a cruel trick on me. I could starve myself, but that does not seem a very dignified way of ending my life and it would be cruel, painful and distressing for my sister and son to witness as well as my carers.
"In the last 23 years I have endured a significant amount of pain. I am in pain every single hour of every single day. I have received input from various pain specialists. I have considered having operations. I am constantly on morphine. I suffer from severe pains in the back of my head. I suffer from a pain in my shoulders where the bone has worn away.
"I consider that I have lived with these conditions for a lot of years and have given it my best shot. Now I feel worn out and I am genuinely fed up with my life. I feel that I cannot and do not want to keep living. I feel trapped by the situation and I have no way out.
"Over the past 23 years I have given it my best shot in trying to live as fully as I can, but I am now ready to go. People tell me that I must keep trying – but there is only so much that a person can take."


なお、Nicklinsonさんの未亡人、Janeさんも
夫が自殺することができないまま苦しむのを見ていなければならなかったことが
欧州人権条約の第8条のプライベートな家族生活の権利に反するとして、
別途、訴訟を起こす予定だとか。

Right-to-die: paralysed builder to carry on Tony Nicklinson’s battle
The Guardian, April 18, 2013



【関連エントリー】
“ロックト・イン症候群”の男性が「妻に殺してもらう権利」求め提訴(英)(2010/7/20)
自殺幇助希望の“ロックト・イン”患者Nicklinson訴訟で判決(2012/3/13)
自殺幇助訴訟のNicklinsonさん、ツイッターを始める(2012/7/2)
「死ぬ権利」求めるロックト・イン患者Nicklinsonさん、敗訴(2012/8/17)
Nicklinsonさん、肺炎で死去(2012/8/23)
2013.04.20 / Top↑

Human papillomavirus (HPV) vaccines as an option for preventing cervical malignancies: (how) effective and safe?
Tomljenovic L, Spinosa JP, Shaw CA.
Curr Pharm Des. 2013; 19(8):1466-87

We carried out a systematic review of HPV vaccine pre- and post-licensure trials to assess the evidence of their effectiveness and safety. We find that HPV vaccine clinical trials design, and data interpretation of both efficacy and safety outcomes, were largely inadequate. Additionally, we note evidence of selective reporting of results from clinical trials (i.e., exclusion of vaccine efficacy figures related to study subgroups in which efficacy might be lower or even negative from peer-reviewed publications). Given this, the widespread optimism regarding HPV vaccines long-term benefits appears to rest on a number of unproven assumptions (or such which are at odd with factual evidence) and significant misinterpretation of available data. For example, the claim that HPV vaccination will result in approximately 70% reduction of cervical cancers is made despite the fact that the clinical trials data have not demonstrated to date that the vaccines have actually prevented a single case of cervical cancer (let alone cervical cancer death), nor that the current overly optimistic surrogate marker-based extrapolations are justified. Likewise, the notion that HPV vaccines have an impressive safety profile is only supported by highly flawed design of safety trials and is contrary to accumulating evidence from vaccine safety surveillance databases and case reports which continue to link HPV vaccination to serious adverse outcomes (including death and permanent disabilities). We thus conclude that further reduction of cervical cancers might be best achieved by optimizing cervical screening (which carries no such risks) and targeting other factors of the disease rather than by the reliance on vaccines with questionable efficacy and safety profiles.

HPVワクチンの効果と安全性のエビデンスのアセスメントを行うべく、認可前後の治験のシステマティックな検証を行った。その結果、HPVワクチンの臨床試験のデザイン、そして効果と安全性アウトカムの双方に関するデータの解釈は非常に不適切なものだった。加えて、臨床試験の結果が選択的に報告されている(効果が低いサブ・グループに関連した効果データや、効果がないとする査読論文すら排除されている)エビデンスがある。HPVワクチンの長期的効果について広く楽観視されているがが、これらの結果から、その楽観視の根拠とは未だ証明されていない推測の数々(もしくは事実関係のエビデンスと合致しない類の推測)であると思われる。例えば、HPVワクチンは子宮頸がんを約70%削減すると主張されているが、事実は今日に至るまでHPVワクチンが子宮頸がんを(まして子宮頸がん死を)1例として実際に予防したとは臨床試験のデータで実証されてはいないし、現在の過剰に楽観的なsurrogate marker-based extrapolationsが正当化されたわけでもない。同様に、HPVワクチンは非常に安全であるとの説明についても、その根拠は非常に欠陥の多いデザインの安全性試験であり、ワクチン安全性調査データベースに集積されたエビデンスと症例報告によってHPVワクチンが重篤な反作用のアウトカム(そこには死と永続的な障害を含む)と関連付けられている事実に反している。したがって、我々は子宮頸がんのさらなる軽減は、効果と安全性に疑問のあるワクチンに頼るのではなく、子宮頸がん検診(このようなリスクを伴わない)と子宮頸がんのその他の要因と取り組むことによって達成するのが最善ではないかと結論する。


③HPV vaccines and cancer prevention, science versus activism.
Tomljenovic L, Milyman J, Vanamee E, Bark T. Shaw CA.
Infect Agent Cancer. 2013 Feb

The rationale behind current worldwide human papilloma virus (HPV) vaccination programs starts from two basic premises, 1) that HPV vaccines will prevent cervical cancers and save lives and, 2) have no risk of serious side effects. Therefore, efforts should be made to get as many pre-adolescent girls vaccinated in order to decrease the burden of cervical cancer. Careful analysis of HPV vaccine pre- and post-licensure data shows however that both of these premises are at odds with factual evidence and are largely derived from significant misinterpretation of available data.

現在世界中で行われているHPVワクチン・プログラムの背景にある論理は、1)HPVワクチンは子宮頸がんを予防し、命を救う、2)重大な副作用のリスクはない、という2つの基本的な前提から始まっている。しかし、HPVワクチンの認可前後のデータを慎重に分析したところ、この2つの前提は共に事実関係のエビデンスと合致せず、現在得られるデータに重大な誤解釈が行われたものであることが明らか。
2013.04.20 / Top↑
カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学の研究者らによる論文のアブストラクトを
このエントリーで1本、この後のエントリーで2本、計3本、全訳で。

ただ翻訳は、
とり急ぎ、ざっとやってみたものに過ぎません。
ご了解ください。



Human papillomavirus (HPV) vaccine policy and evidence-based medicine: are they at odds?
Tomljenovic L, Shaw CA.
Ann Med. 2013 Mar; 45(2)

All drugs are associated with some risks of adverse reactions. Because vaccines represent a special category of drugs, generally given to healthy individuals, uncertain benefits mean that only a small level of risk for adverse reactions is acceptable. Furthermore, medical ethics demand that vaccination should be carried out with the participant's full and informed consent. This necessitates an objective disclosure of the known or foreseeable vaccination benefits and risks. The way in which HPV vaccines are often promoted to women indicates that such disclosure is not always given from the basis of the best available knowledge. For example, while the world's leading medical authorities state that HPV vaccines are an important cervical cancer prevention tool, clinical trials show no evidence that HPV vaccination can protect against cervical cancer. Similarly, contrary to claims that cervical cancer is the second most common cancer in women worldwide, existing data show that this only applies to developing countries. In the Western world cervical cancer is a rare disease with mortality rates that are several times lower than the rate of reported serious adverse reactions (including deaths) from HPV vaccination. Future vaccination policies should adhere more rigorously to evidence-based medicine and ethical guidelines for informed consent.

すべての薬物は何らかの副作用のリスクが伴う。

ワクチンは一般に健康な人に打たれる特殊なカテゴリーの薬物である以上、
利益が不透明であるなら副作用のリスクは小さなもの以外は認められない。

さらに、医療倫理ではワクチンは参加者にすべてが説明され、
インフォームド・コンセントが得られた後に実施すべきこととされている。

そのためには、現在分かっている、または予測されるワクチンの利益とリスクについて、
具体的なディスクロージャーが必要である。

しかしHPVワクチンが女性に勧められる際の説明では、
現在得ることのできる最善の知見が必ずしもそのようにディスクローズされていない。

例えば、世界の権威ある医療者らがHPVワクチンは子宮頸がん予防の重要な手段であると言っているが、
臨床試験からはHPVワクチンで子宮頸がん予防できるというエビデンスは得られていない。

同様に、子宮頸がんが世界中の女性に2番目に多い癌であるとの主張も、
それが当てはまるのは途上国のみであるとの現在のデータに反している。

西洋世界では子宮頸がんは稀な病気であり、
死亡率は報告されたHPVワクチンの重篤な副作用(死を含む)の発生率よりも何倍も低い。

今後のワクチン施策は
EBM(エビデンスに基づいた医療)とインフォームドコンセントの倫理ガイドラインを
もっと厳密に遵守すべきである。



ちなみに、フルテキストにコラムで挙げられている「キー・メッセージ」を
こちらは、ちょっと力尽きたので英文のまま。

●To date, the effi cacy of HPV vaccines in preventing cervical cancer has not been demonstrated, while vaccine risks remain to be fully evaluated.

●Current worldwide HPV immunization practices with either of the two HPV vaccines appear to be neither justifi ed by long-term health benefi ts nor economically viable, nor is there any evidence that HPV vaccination (even if proven eff ective against cervical cancer) would reduce the rate of cervical cancer beyond what Pap screening has already achieved.

●Cumulatively, the list of serious adverse reactions related to HPV vaccination worldwide includes deaths, convulsions, paraesthesia, paralysis, Guillain–Barre syndrome (GBS), transverse myelitis, facial palsy, chronic fatigue syndrome, anaphylaxis, autoimmune disorders, deep vein thrombosis, pulmonary embolisms, and cervical cancers.

●Because the HPV vaccination programme has global coverage, the long-term health of many women may be at risk against still unknown vaccine benefits.

●Physicians should adopt a more rigorous evidence-based medicine approach, in order to provide a balanced and objective evaluation of vaccine risks and benefits to their patients.


ちょっとよく分からないのですが、
私の手元にあるフルテキストは2011年に early online として出たもので、
上記のアブストラクトの情報では以下のようになっています。
誌面で出たのは今年3月ということでしょうか。

Ann Med. 2013 Mar;45(2):182-93. doi: 10.3109/07853890.2011.645353. Epub 2011 Dec 22.

次のエントリーにある③の論文が出たのは今年2月なので、

日本で定期接種が検討された際には、
①のオンライン版と③の論文は既に出ていたことになる……?
2013.04.20 / Top↑
生殖技術の進歩にコントロールが追い付かず、生殖技術を通じた優生思想が復活する、とRobert Winston.
http://www.scotsman.com/the-scotsman/health/lord-robert-winston-warning-over-child-eugenics-1-2842227

オーストラリアのDr. DeathことDr. Nitschkeが上院議員に出馬の予定。ウィキリークスのアサンジも出馬が取りざたされているとか。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10467#comments

英国の死亡臓器提供は50%増加、移植臓器も30%増加。しかしNHSではまだ足りないので、患者本人に提供意思がある場合には家族が反対しても実現できるように、と。
http://www.guardian.co.uk/society/2013/apr/11/organ-donation-drive-prevent-overriding

未熟児の救命のための酸素濃度が高すぎると失明する、低すぎると救命が困難になるというジレンマを解決すべく適正な濃度を見極めるために行われた米国の大規模な臨床実験(2005年から2009年に、23の研究病院で1300人の未熟児に行われた)で、親に渡された同意説明書がメリットは大きく強調して説明し、失明、脳損傷や死亡のリスクについては説明していなかった、と保健相が問題視。
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/watchdog-agency-criticizes-ethics-of-study-of-premature-infants/2013/04/10/bb124926-a205-11e2-9c03-6952ff305f35_story.html

製薬会社のために治験を請け負う企業というのがあるらしい。その1つ、Cetero Researchの治験でのデータ改ざんはあまりにも「言語道断」で、FDAは2005年4月から2009年8月の間に同社によって行われた治験は価値がないと結論付けた。抗がん剤から鎮痛剤まで、同社の治験を含むデータで認可された薬は100種類ほど。ところが、その内容をFDAは公にせず、本来なら新たに検査し直さなければならない薬をそのまま市場に残している。例によってProPublica。
http://www.propublica.org/article/fda-let-drugs-approved-on-fraudulent-research-stay-on-the-market

製薬会社のMRさんたちは、医師のところへ来ても薬の副作用についてはほとんど明かしていない、とカナダ、米、仏の医師らによる国際研究で。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/258942.php

日本。毎日新聞社説。イレッサ原告敗訴 では、何が原因なのか
http://mainichi.jp/opinion/news/20120527k0000m070081000c.html

NYT. 今日使われている化学物質のうち圧倒的な多数は、安全性について中立の検査が行われていない。
Think Those Chemicals Have Been Tested?: The overwhelming majority of chemicals in use today have never been independently tested for safety.

【関連エントリー】
大統領がんパネルが「化学物質はやっぱりヤバい」(米)(2010/5/10)
化粧品には、安全性が確認されていない化学物質がたくさん使われている(2013/2/7)


スタチンに替わる、遺伝子操作による高コレステロール治療法? スウェーデンのカロリンスカ研究所。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/258968.php

胃のバイパス手術にはウエストを細くするだけでなく、遺伝子の働きまで修正する効果?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/259075.php

日本語。世界初の子宮移植女性が妊娠、トルコ。下は、移植に成功した際の2011年10月のニュース。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130413-00000001-jij_afp-int
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2832379/7857631

【関連エントリー】
2年以内に世界初の子宮移植ができる、と英国の研究者(2009/10/23)
英国女性が娘に子宮提供を決断、OK出ればスウェーデンで移植手術(2011/6/14)


妊娠中の大気汚染が出生後の小児がんに。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/258928.php

腎臓疾患のある患者の終末期医療には、黒人と白人で格差があることが明らかに。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/259032.php

日本。新型出生前診断:受診の夫婦「一緒に現実受け入れる」説明受け心境変化
http://mainichi.jp/select/news/20130411ddm041040092000c.html

ビル・ゲイツが米国の教育改革で生徒のテストの点数だけで教師を評価してはいかん、と。
http://www.latimes.com/news/opinion/editorials/la-ed-gates-testing-teacher-evaluations-20130411%2C0%2C7561671.story

ビル・ゲイツが50億ドルを使って、全米の学校の教室にカメラを設置し、全教員の授業を録画して評価する、と。
http://www.fastcompany.com/3007973/creative-conversations/inside-bill-gates-5-billion-plan-put-cameras-every-classroom

【関連エントリー】
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 1(2011/5/2)
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 2(2011/5/2)
「生徒に生体データ・ブレスレットつけさせ教師の技量を評価」研究に、ゲイツ財団から100万ドル(2012/6/19)


日本。親と暮らせない子どもをめぐる状況 島津あき シノドス 「日本でフィールド調査を行なっていた際、とある施設内のネズミの糞の臭いや、出される料理のゴキブリの糞の味などが苦痛で、その旨を伝えたが、「そうです か?」と受け流されてしまったこともある。ゴキブリが這う食べ物を子どもの皿によそうことに、なんの疑問も感じていない。普通の学校であれば大問題になる ようなことも、PTAも保護者もいない環境では問題にされることすらない」
http://synodos.jp/welfare/3308/2

エジプト軍上層部が、去年春の反政府デモの際に、負傷した患者の治療は麻酔なしでやれ、と医師らに命令。そればかりか病院で医師や兵士らによって襲われたデモ参加者も。
http://www.guardian.co.uk/world/2013/apr/11/egypt-doctors-operate-protesters-anaesthetic

米国で学習障害運動が誕生して50年。
http://www.washingtonpost.com/blogs/answer-sheet/wp/2013/04/12/learning-disabilities-movement-turns-50/

オーストラリアのバスで、日本人と間違えられてヘイト・スピーチを浴びせられた中国人留学生と旅行者。「英語しゃべれるのか?」「なんでオーストラリアにいるんだ?」 第2次大戦中に日本が爆撃したことについても。
http://www.smh.com.au/nsw/racist-rant-not-the-first-time-ive-been-abused-says-victim-20130403-2h6oh.html
2013.04.16 / Top↑
モンタナ州議会に提出されていた
医師による自殺幇助を違法とする法案は
昨日、上院法務委員会での投票の結果、

反対27 対 賛成23で

廃案に。

Mont. Senate rejects doctor-assisted suicide bill
SFGate, April 15, 2013


攻防は続く。
すさまじい攻防が……。


【モンタナ州自殺幇助議論関連エントリー】
裁判所が自殺幇助認めたものの、やってくれる医師がいない?(MT州)(2009/4/6)
合法とされたMT州で自殺幇助受けられず子宮がん患者が死亡(2009/6/18)
自殺幇助を州憲法で認められたプライバシー権とするか、2日からモンタナ最高裁(2009/9/1)
モンタナの裁判で「どうせ死ぬんだから殺すことにはならない」(2009/9/3)
モンタナ州最高裁、医師による自殺幇助は合法と判断(2010/1/2)
MT州最高裁の判決文をちょっとだけ読んでみた(2010/1/5)
合法化判決出ても医師ら自殺ほう助の手続きに慎重(2010/1/11)
モンタナの自殺幇助合法化 続報(2010/1/16)
生きたいのにICなしのモルヒネ投与で死んでしまったALSの元外科医(MT州)(2013/3/26)
2013.04.16 / Top↑
12日に以下のエントリーで紹介した話題の元論文を読んでみました。
がんセンターに“アドボケイト”が最後まで担当してくれる「自殺幇助プログラム」(米)(2013/4/12))

上記の記事内容に追加する形で、以下の論文の内容を改めて簡単に取りまとめてみます。

Implementing a Death with Dignity Program at a Comprehensive Cancer Center
N Eng J Med, April 11, 2013


Seattle Cancer Care Alliance(SCCA)は
Fred Hutchinson Cancer Research Centerとワシントン大学、それから
シアトルこども病院の患者を外来形式で引き受ける包括的ながん治療センター。
患者はワシントン州だけでなく、ワイオミング、アラスカ、モンタナ、アイダホからも。

尊厳死プログラムの方針はその他の病院の方針と同じ手続きで承認されたもので、
それに加えて、患者、医師、アドボケイトが最後のプロセスまで使える情報パケットを作成した。

その中に明記されていることとして、
・SCCAは自殺幇助だけの目的でかかろうとする新規患者は引き受けず、Compassion&Choiceに紹介。。
・このプログラムについて公式ウェブサイトには掲載していない。
・致死薬はプライベートな場所でプライベートに飲むと誓約できない患者には出さない。
・職員に参加は義務付けない。

最後の点については
SCCAの医師ら200人に調査を行って81人から回答を得たところでは
29人(35.8%)が、処方することもカウンセリングを担当することもいいずれもOKで
21人(25.9%)は、カウンセリングのみOK。
31人(38.3%)は参加したくない、または決めかねていると回答。

この個所の最後に、論文は以下のように書いている。
「少数でも参加に前向きな医師がこれだけいれば、プログラムの実施には十分と考えられた」

参加希望の患者には、最初に担当のアドボケイトがつく。
同センターには6人の有資格のソーシャル・ワーカーがいて、そのうちの3人がプログラムを担当。

そのうちの1人が担当となり、担当医と共に患者がターミナルであること、自己決定能力があること、
全ての選択肢を理解した上で決断していることを確認し、
手続きがすべて合法的に行われるように全プロセスを通じて仕切る。

もともとSCCAでは、患者が尊厳死プログラムに参加するしないを問わず、
全患者にソーシャルワーカーが最初の心理社会的評価を行っている。
(この部分、WA州の尊厳死法は紹介責任を医師に負わせているが、
SCCAでは精神科のアセスメントの必要判断と紹介をソーシャルワーカーにやらせている、とも読める?)

次に、アドボケイトは患者にPOLSTを書かせる。「希望があれば、記入の支援をする」とも。
POLSTについては ⇒医師が主導して考えさせ、医師の指示書として書かれる終末期医療の事前指示書POLST(2012/11/26))

POLSTに記入されるのは、
・致死薬を飲む際に医師にいてもらいたい場合はその手配。
・薬の入手方法と使わなかった薬の処分方法。
・グリーフケアと法的アドバイスのために定期的に訪問・受診(手紙を書いたりビデオを作ったり)
・家族には不測の事態の可能性を考えて患者が飲む時には連絡するように伝え、家族にもグリーフ・ケア。
・処方した医師は死後の報告書の書き方もアドボケイトから支援。

アドボケイトは通常は2回、患者と家族と面会する。
(この辺りを呼んでいると、なんとなく臓器移植のコーディネーターを連想する)

担当医が個人的な信条から参加したくない場合には、参加してもよいとする医療職から候補を選ぶ。

手続きが所定の通りに行われて処方箋が薬局に出されると、
薬剤師が患者と会い、副作用などについて詳しく説明する。
処方箋で薬を手に入れるかどうか、飲むかどうかは、その後の患者次第。

2009年5月5日から2011年12月31日の間に114人の患者から問い合わせがあり、
そのうち44人(38%)は問い合わせだけで参加しなかった。
30人(26.3%)は参加したものの、途中でやめたか、手続き途上で亡くなった。

残り40人(問い合わせた114人のうち35.1%)がカウンセリングと所定の要望を経て
致死量のセコバルビタールを処方され、全員が亡くなったが
そのうちセコバルビタールを飲んで死んだのは24人(処方されたうちの60%)。
セコバルビタールを使っているのは、ペントバルビタールが品薄のため。

がんセンターSCCAにおける尊厳死プログラムの参加者は
ワシントン州の尊厳死プログラムに参加した総数255人の15.7%に当たる。
その典型ケースは白人、男性、高学歴。

参加希望を断ったのは1人だけで、その理由はプライベートに飲むのを拒否したから。

SCCAのプログラム参加者は
SCCAの患者全体と比べてもメディケアのほかに個人的な保険にも入っている割合が高いことから、
WA州のプログラム参加者よりも働いている人が多いと思われる。
(と書きつつ、論文末尾の弱者への圧力を否定する個所では
SCCAの参加者像がWA州の州民像と異なっているという「エビデンスはない」と)

最初の要望の時点で、参加者の54.2%がホスピス・プログラムに登録している。

死亡時点での登録については調べていないが、
WA州の参加者の80.9%、OR州の参加者の89.7%が死亡時にホスピス・プログラムに登録している。

11人が半年という余命予測を超えて生きた。
このうち9人は半年を平均7.4週超えたところで致死薬を飲んで死亡。
最長は半年を18.9週超えてから飲んだ。(つまり余命半年とされた人が1年近く生きたことに?)

結局、自殺幇助で実際に死んだのはプログラム参加者の21%で
同センターの患者の年間死亡件数のうち 0.02%に当たる。

参加理由で最も多いのは
「自律の喪失」                97%
「楽しい活動ができなくなる/なった」   89%
「尊厳の喪失」                 75%

一回目の要望時にコントロール不能の苦痛または将来の苦痛を挙げた人は
36人中(なぜ36人?)8人で22.2%。WA州全体では34.7%、OR州全体では22.6%。

精神障害の疑いでアセスメントを求められた人はいなかった。WA州では4.8%、OR州では6.7%。

これまでに家族からも介護者からも苦情は出ておらず、受け止めは良好。
患者の死は穏やかだったと言われる。

薬を実際に手に入れるか、飲むかに関わらず、処方箋が出ることに患者と家族が感謝を語り、
不透明な状況でも自分でコントロールできると思えることが大事なのだと話すのが常だという。

PAS反対論者は弱者への圧力になると言うが、
プログラム参加者のほとんどは白人の教育レベルの高い男性だと著者らは反論している。
(でも、自ら上で述べているようにSCCAの参加者が既に選別された層だからでもあろうし、
また、弱者への圧力はPASに追いやるという以外の形で起こる可能性もある)

不測の合併症は起きていないが、薬を飲んだ後、死ぬまで1日かかった患者が一人。
死が長引いたことは家族にとっても医師にとっても辛い体験となった。
同様のケースはこれまでにも報告されている(これは当ブログのORとWAの年間報告書に情報があります)

その他、特に興味深かった点として、

・患者と家族の受け止めが良好である理由について、著者らは
「我々のアドボケイトのプロフェッショナリズムによるもの」と書いている。
(これを読み、また臓器移植コーディネーターが頭に浮かぶ)

・6カ月を超えて生きた患者がいても、
処方した医師にもカウンセリングの担当医にも敢えて伝えないことにしている、という。
理由は、こうした情報を伝えると、医師らが患者に余命を伝えることに慎重となり、
現在でも病気がtoo lateなほど進行してからでないと余命が宣告されない問題を
悪化させてしまう恐れがあるから。(このプログラムのホンネが too late にチラリと?)

・この論文の最後のセンテンスがなかなか味わい深い。

The program ensures that patients (and families) are aware of all the options for high-quality end-of-life care, including palliative and hospice care, with the opportunity to have any concerns or fears addressed, while also meeting state requirements.

このプログラムによって、緩和ケアとホスピスケアもあり、どんな不安にも対応してもらえる機会があることを含め、良質な終末期医療のすべての選択肢を患者と家族がわかっていること、さらに州法規定に沿うこととを共に保障することができる。


SCCAの緩和ケアとホスピスケアの担当者って、この最後の一文を読んで、どう思うんだろう……?

患者と家族が「わかっている/知っている(aware)」というのは、
「受けようと思ったら受けられるんですよ、それを分かった上で受けないと自己決定するんですね」と
単に「あるってことは知っている」ことを確認すれば、後は患者の自己決定だから、それでいい……
ということでしかないんだろうか。

SCCAの緩和ケアの専門家も、そういう理解なんだろうか。

でも、ここに書かれているプログラムの姿勢って、
緩和ケアとホスピスケアの敗北ではないのか、という気がするんだけれど。
2013.04.16 / Top↑
デンバー子ども病院が2004年から2007年に行った
小児のDCD(心臓死後臓器提供)のうち2例で
心停止から75秒だけ待って心臓を摘出したと報告した問題について
2008年に以下のエントリーで紹介しました ↓
心臓を停止から75秒で摘出・移植しているデンバー子ども病院(2008/10/14)

なお、Truogの以下の講演によると、
デンバー子ども病院は批判を浴びて、その後2分待つプロトコルに戻したとのこと ↓
Robert Truog「心臓死後臓器提供DCDの倫理問題」講演ビデオ(2009)(2010/12/20)


この件の周辺の情報を改めて取りまとめておく為のエントリーです。


① The New England Journal of Medicine における
デンバー子ども病院の「75秒で心臓摘出」プロトコル報告論文。

Pediatric Heart Transplantation after Declaration of Cardiocirculatory Death
Mark M. Boucek, M.D., et. all,
N Eng J Med 2008; 359:709-714 August 14, 2008

この論文は
2004年から2007年の間に3例行われた小児のDCDのうち、後の2例では、
倫理委の提言を受けて心停止からの観察時間を「1.25分に短縮した」と書いている。
つまり観察時間は75秒。


② 上記論文に対する反響の論文(いずれも同年8月14日のNEJM)

Gregory D. Curfmanらの論説
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMe0805480

James L. Bernatの批判論文
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp0804161

Robert M. Veatchの批判論文。(レシピエントの体内で機能するなら不可逆的停止ではないと指摘)
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp0805451

Truog とMillerの論文:デッド・ドナー・ルールの見直しを提言。
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp0804474


③ 関連の報道など。

・2007年3月18日のWPの記事。この記事は上記のNEJMの論文の前年に「75秒」を報道している。
New Trend in Organ Donation Raises Questions
Rob Stein
WP, March 18, 2007

・WPのnational correspondence であるWilliam Saletanが書いた、興味深い記事。
(SaletanはA事件でも辛辣な批判記事を書いた人物)
http://articles.washingtonpost.com/2008-10-05/news/36849515_1_brain-death-organs-cardiac-death

・NYT 2009年12月20日
http://www.nytimes.com/2009/12/20/magazine/20organ-t.html?pagewanted=all&_r=0

・米国医学会新聞 2009年1月19日
http://business.highbeam.com/137033/article-1G1-192397885/jan-19-2009-redefining-death-new-ethical-dilemma


・その後、UNOSによるDCDの名称変更提言に関して、上と同じWP記者が書いたもの
Changes in controversial organ donation method stir fears
Rob Stein,
September 19, 2011

この記事については、↓
UNOSが「心臓は動いていても“循環死後提供”で」「脊損やALSの人は特定ドナー候補に」(2011/9/26)



【DCD関連エントリー】
心臓を停止から75秒で摘出・移植しているDenver子ども病院(2008/10/14)
森岡正博氏の「臓器移植法A案可決 先進国に見る荒廃」(2009/6/27)
「脳死でなくても心停止から2分で摘出準備開始」のDCDを、ERで試験的に解禁(米)(2010/3/17)
臓器提供は安楽死の次には“無益な治療”論と繋がる……?(2010/5/9)
ベルギーの「安楽死後臓器提供」、やっぱり「無益な治療」論がチラついている?(2011/2/7)
Savulescuらが、今度はICUにおける一方的な「無益な治療」停止の正当化(2011/2/9)
「1つの流れに繋がっていく移植医療、死の自己決定と“無益な治療”」を書きました(2011/5/14)
WHOが「人為的DCDによる臓器提供を検討しよう」と(2011/7/19)


【William Saletan関連記事】
SaletanのAshley療法批判(1月 WP)(2007/12/13)
受胎前遺伝子診断:巧妙な言葉の操作が優生思想を隠ぺいする(2009/1/16)
2013.04.16 / Top↑
Yale大学のInterdisciplinary Center of Bioethicsが
今年12月に開く予定のカンファ。

テーマは “Personhood Beyond the Human”
共催は the Institute for Ethics and Emerging Technologies (IEET).

基調講演は Peter Singer と Steven M. Wise。

Yale to host conference on non-human personhood
BioEdge, April 13, 2013


で、このカンファで議論される問題を
BioEdgeにリンクされたビデオで熱く語っているのが
Ashley事件の際にCNNに登場していち早く擁護論をぶったIEETの創設者で
Trinity College in Hartford, Connecticutの生命倫理学者のJames Hughes.

当時、彼らのメディア発言で初めてトランスヒューマニストの存在を知り、
その主張について知ってぶったまげた私は、

とりあえずHughesが2004年に出した
Citizen Cyborgという本をゲットして読んでみた。

……というか、読む努力をしてみた。
で、あまりの議論の粗雑さに、すぐにメゲた。

読んだ範囲で一番あぜんとしたのは、
彼が主張する民主的なトランスヒューマンな市民社会の権利4段階説。

その個所を2007年の当該エントリーからコピペしてみると、


彼の分類では生命のタイプは4つ。

まず、最も上のランク。
①完全な市民権(自己決定、投票と契約を結ぶ権利)を与えられるのは、

「理性ある成熟した人格」という意識状態にある
「強化されている・いないを問わず大人の人間と、認知能力がそれに匹敵するもの」。

②障害市民権(生命と、完全な自己決定を行うための補助への権利)が与えられるのが、

人間の子ども
認知症と精神(知的の意?)障害のある人間の大人
Great Apes

彼らの意識状態は「人格(自己意識)」。

③「感覚のある財産」というステイタスで
(不要な苦しみを味わわない権利)を与えられるのが、

ほとんどの動物
胎児
植物状態の人間

意識状態は「Sentience感覚がある(快と痛)」

④権利を持たない「財産」と規定されるのは、

脳死の人間

植物
物品

彼らの意識状態は「Not Sentient 感覚がない」。

その他の詳細は、文末にリンクのエントリーに。


なんだか、なぁ……。
2007年のA療法論争の時には、
ただのトンデモ・ヒューマニストに見えていた人たちが
いつのまにやら生命倫理学者として大きな声でものを言い始めている……。


【James Hughesの“Citizen Cyborg”関連エントリー】
Hughesの「サイボーグ市民」
he とshe の新たな文法?
サイボーグ社会の“市民権”

【Singerらの「大型類人猿の権利宣言」関連エントリー】
Singerらの「大型類人猿の権利宣言」って、あんがい種差別的?
Peter Singerの”ちゃぶ台返し”
SingerやTH二ストにとっては、知的障害者も精神障害者も子どもも、み~んな「頭が悪い人たち」?
2013.04.16 / Top↑
【4月15日追記】
その後、この論文を読んで詳細を別エントリーに取りまとめました。

シアトルがんセンターの「自殺幇助プログラム」論文を読んでみた(2013/4/15)

----------------------------------------------------------


またも医師による自殺幇助に新たなパターンが登場――。

シアトルのがんセンター、the Seattle Cancer Care Allianceが
PASの全プロセスをシステマティックに引き受けるプログラムを実施しており、
患者や家族に好評だと、4月11日にNEJMのオンライン版で論文発表。

その名も the Death with Dignity プログラム。

参加希望の患者には、最初に担当のアドボケイトがつく。
同センターの職員である有資格のソーシャル・ワーカー。

この人が、担当医と共に
患者がターミナルであること、自己決定能力があること、
全ての選択肢を理解した上で決断していることを確認し、
手続きがすべて合法的に行われるように全プロセスを通じて仕切る。

担当医が個人的な信条から参加したくない場合には、
参加してもよいとする医療職から候補を選ぶ。

患者の意向は記録され、
グリーフ・ケア、法的支援、家族へのケアまで怠りない。

手続きが所定の通りに行われて処方箋が出されると、
薬剤師が患者と会い、副作用などについて詳しく説明する。

処方箋で薬を手に入れるかどうか
飲むかどうかは、その後の患者次第。

2009年から2011年の間に114人の患者から問い合わせがあり、
そのうち44人(38%)は問い合わせだけで終わるか、参加資格がないとみなされた。

30人(26%)は
最初の申請を行った後に参加を取りやめたか、その段階で亡くなった。

40人(一回目の申請をした患者の35%)が致死薬の処方を受け、
この40人は全員が既に死亡しているが
致死薬(セコバルビタール)を飲んで死んだのは24人。

結局、自殺幇助で実際に死んだのはプログラム参加者の21%で
同センターの患者の年間死亡件数のうち 0.02%に当たる。

参加理由で最も多いのは
「自律の喪失」                97%
「楽しい活動ができなくなる/なった」   89%
「尊厳の喪失」                 75%

これまでに家族からも介護者からも苦情は出ておらず、
患者の死は穏やかだったと言われる。

薬を実際に手に入れるか、飲むかに関わらず、
処方箋が出ることに患者と家族が感謝を語り、
不透明な状況でも自分でコントロールできると思えることが大事なのだと
話すのが常だという。

PAS反対論者は弱者への圧力になると言うが、
プログラム参加者のほとんどは白人の教育レベルの高い男性だと著者らは反論している。

(でも、それは
こうしたがんセンターにかかれるのが既に選別された層だからでもあろうし、
また、弱者への圧力はPASに追いやるという以外の形で起こる可能性もある)

不測の合併症は起きていないが、
薬を飲んだ後、死ぬまで1日かかった患者が一人。
死が長引いたことは家族にとっても医師にとっても辛い体験となった。

同様のケースはこれまでにも報告されている。
(これはORとWAの年間報告書に情報があります)

気になるのは記事の以下の個所。

The program’s policy - written by the Seattle Cancer Care Alliance’s
medical director and approved by a majority of the medical executive
committee members, as with any clinical policy - requires that patients
request information about medically assisted suicide from their physicians,
or that these clinicians raise the topic, to be considered for referral.

患者側から情報を求めるだけでなく、
医師の側から切り出してもいい、ということになっている。

Cancer patients embrace pioneer assisted-suicide program
Family Practice News, April 10, 2013


前から、ちょっと気に掛ってはいたのだけれど、
がんセンターがこういうプログラムを実施すると、
PASはいよいよ緩和ケアの一環と位置付けられていきそうな気配。

オレゴンの自殺幇助ほぼ全員がホスピス・ケアを受けていた、という怪(2009/3/20)
幇助自殺者が毎年1割ずつ増えるオランダで「安楽死クリニック」求める声(2010/8/12)
全国平均より35%も自殺率高いOR州で、それでも尊厳死法に消極的だとホスピス批判(2010/9/13)
NC州に自殺幇助専用ホスピス?(2010/9/14)


まさに、安藤泰至先生が言う「死や死にゆく人をめぐるケアの医療化」そのもの ↓
『シリーズ生命倫理学 第4巻 終末期医療』書評を書きました(2013/4/3)

こうして「医療によって効率的に死なせるシステム」が整備された社会ができていく――。


改めて、エマニュエルが言っていることを読み返したくなる ↓
Dr. Emanuel「PASに関する4つの神話」(2012/11/5)
「安楽死やPAS合法化は、痛苦の責を患者に転嫁する」と16年前にエマニュエル(2013/3/22)

【追記】
その後、LA Timesも記事にしています(私は読んでいません)。
http://www.latimes.com/health/boostershots/la-heb-death-with-dignity-seattle-20130410,0,7934455.story

さっそく、この論文が「すべり坂懸念を否定するデータ」と報じられている。
http://health.usnews.com/health-news/news/articles/2013/04/10/physician-assisted-suicide-program-rarely-used-study-finds

【追追記】
Wesley Smithが、自殺クリニックだと批判している。
http://www.nationalreview.com/human-exceptionalism/345308/suicide-clinic-washington

【13日追記】
医療系のサイトが、この論文を「患者も家族も感謝」というタイトルで。
http://www.clinicaladvisor.com/patients-families-grateful-for-physician-assisted-suicide-program/article/288336/
2013.04.16 / Top↑
2008年に米国小児科学会誌に発表された
重要な論文を発見。

Loma Linda大学の研究者らが
脳死は定義も適用も難しい概念であるため
小児の脳死判定と記録には大きなバラつきがあるとの仮説を立てて検証した、というもの。

2000年から2004年にカリフォルニア州南部で
臨床的神経基準を用いて脳死と診断されて地元の臓器バンクに連絡が行った子どもたち277人のうち、
臓器ドナーとなったのは142人(51.2%)。

これら142人には死亡時までの完全なカルテがあるため、
それらを1987年の小児の脳死判定14項目について調査したところ、


年齢は
生後1週間       1患者
生後1週間から2カ月  6患者
生後2カ月から1年   22患者
1歳が        113患者

年齢に応じて一定の間隔をあけ2回の脳死判定検査が推奨されているが、判定回数は
0回        4患者
2回       122患者
3回        14患者
4回        2患者

年齢に応じて少なくとも48時間、24時間、12時間とされる判定の間の推奨間隔については、
1987年基準が守られていたのは1歳以上の18.5%のみで、
1歳未満では推奨の間隔が守られていたケースはゼロだった。
最短10分間隔・中央値1.6時間で2回目検査。

14項目のすべてを満たす判定が行われていたのは1人のみ。

14項目のうち神経科医と小児集中医療専門医が満たしていた中間値は5.5項目。
神経外科医が満たしていた中間値は5.8項目に留まった。

60%で無呼吸テストが記録されておらず、
半数以上で動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の上昇が不十分だった。
(日本の基準では自発呼吸の不可逆的停止が確認されるためには60mmHg以上であることの確認が必要)

第一回の判定では57人(40%)で行われた記録があるが、そのうち
最終的な動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が60mmHgを上回ったと記録されていたのは65%のみ。

第2回目の判定では61人(43%)に行われて、
そのうち57%で最終的な動脈血二酸化炭素分圧が60mmHgを上回った。
全体的に、無呼吸テストが最善の形で行われなかったケースでの最終PaCOは
40mmHgから58mmHgの間だった。

確認テストとして脳血流検査が行われたのが112人のうち83人(74%)で、
脳波測定のみのケースは112人のうち29人(26%)。
(いずれも行われた患者が6人いるので、この個所ちょっとデータの整合性が?)

著者らの結論は以下。

Children suffering brain death are cared for in various locations by a diverse group of specialists. Clinical practice varies greatly from established guidelines, and documentation is incomplete for most patients. Physicians rely on cerebral blood flow measurements more than electroencephalography for confirmatory testing. Codifying clinical and testing criteria into a checklist could lend uniformity and enhance the quality and rigor of this crucial determination.


臨床で行われている脳死判定はガイドラインと大きくかけ離れており、
ほとんどの患者で記録も不完全なものにとどまっている……。

Variability in Pediatric Brain Death Determination and Documentation in Southern California
Mudit Mathur, MD, et. al.
Pediatrics, May 1, 2008


ちなみに、私がこの論文について知って、探してみようと思ったきっかけは
以下のNYTの記事なのですが、

When Does Death Start?
NYT, December 20, 2009


書いたのはマサチューセッツ医科大学の小児心臓科長、Darshak Sanghavi医師。

Amandaという少女が事故で脳に重大な損傷を負い、
もう助からないなら、と両親が生命維持の停止と臓器提供を決心し
心臓死後臓器提供DCDのプロトコルによって手術室で人工呼吸器を外したところ、
Amandaはなかなか死ななかったために、臓器が提供できなかっただけでなく、
両親が非常につらい思いをして「いっそ、このまま採ってくれ」と言った
というエピソードを紹介して、

臓器不足のために死んでいく患者を救うためにも、
臓器提供の希望がある人が苦しまないためにも、
こういうケースでは全身麻酔をかけて摘出してもよいことに、と
暗に主張する文章。

Savulescuらが10年に論文を書いて
「臓器提供安楽死」と称して提案したことは、
それ以前から既にこうして言われていたわけですね……。

ちょっと愕然……。

で、Sanghavi医師は、
上記のLoma Linda大の論文を簡単に紹介し、
さらに「脳スキャンのやり方が適切ではなかった」ことによる脳死の誤診事例として
有名なザック・ダンラップのケースにも触れて、

その後で以下のように書いています。

Such sloppiness is potentially tragic, but it is also exceedingly rare. Whether or not a checklist is followed, by the time a neurologist is consulted to assess a critically ill patient for brain death, the odds of recovery are already minuscule. Doctors see that these patients have begun dying and the uncertainty is not about whether it will happen but when.

このようないいかげんな判定には悲劇を招く可能性があるが、しかし極めて稀でもある。チェックリストがきちんと守られようと守られまいと、重症患者の脳死判定が神経内科医に依頼される段階では、回復の可能性はすでに極めて小さい。医師にはこれらの患者は既に死のプロセスが始まっていることが分かるし、そこで不確実なのは死ぬかどうかではなく、いつ死ぬかでしかない。


いや、でも、
上記論文の結果を前に「極めて稀」と言われても……。

それに、この数行で書かれていることって
「どうせ死ぬんだからチェックリストも基準も要らない」
「どうせ回復の見込みなんかないんだから脳死になっていようといまいと関係ない」
「稀に悲劇が起こるかもしれないけど、そんなの構わない」と
「どうせ」が手放しで全開にされているだけでは?

そして、それは
「科学的な姿勢」でも「科学的な思考」でも全然ない……んでは――?


【12日追記】
詳しい方からご教示いただいたので。

無呼吸テストのPaCO2値に関しては
119.6mmHgで呼吸をした患者も報告されており
閾値の設定については論争があるそうです。↓

http://www6.plala.or.jp/brainx/trick_determination.htm#B
2013.04.16 / Top↑
以下のYouTubeビデオを見たので、要点をメモ。

2013/03/28 参議院 厚生労働委員会 生活の党 はたともこの質疑


●今回の法改正で、「子宮頸がん予防ワクチン」が「HPVワクチン」に名称変更になった。
これは「子宮頸がん予防ワクチン」という名称が必ずしも適切ではないということ、と
はた氏は指摘。

この点については、当ブログが拾った情報でも、すでに2011年段階で専門家から
子宮がん予防効果についてはデータが不十分であるにもかかわらず、
こうした名称を用いることに対する疑問として提示されていた ↓

日本でもガーダシル導入へ、厚労省当該部会の議論の怪 1(2011/8/5)
日本でもガーダシル導入へ、厚労省当該部会の議論の怪 2(2011/8/5)



●国立感染症研究所のファクトシート(平成22年7月7日版)によれば、
・性的活動を行う女性の50%以上が生涯に1度はHPVに感染すると推定されている。

●厚労省の説明によれば、Lancetに日本人研究者が報告した論文で、
・日本の一般女性がHPVに感染する割合について、16型が0.5%。
・同、18型が0.2%。

●米国のデータによれば、
・HPVに感染しても、90%以上は自然排出され、90%以上は2年以内に消失する。

●HPV感染から異形成を経て子宮頸がんになる人の割合は、0.1~0.5%。
(厚労省は様々なデータがあるため「確立した数値は得られていない」と理解)

・持続感染して軽度または中等度異形成になったとしても、
その90%は自然治癒し、残り10%も適切な治療を施すことができれば治癒率は概ね100%である。

これらから「日本人女性の99.9%以上には効果がないか、必要性がないワクチン」と同議員。

一方、

●3月11日に開催された副反応検討会議資料によれば、

・メディアではHPVワクチンの副反応の発生率はインフルエンザ・ワクチンの10倍とされているが、
それは事実ではなく、実際は、

副反応はインフルエンザ・ワクチンの
サーバリスクが38倍
ガーダシルが26倍。

そのうち重篤な副反応では、
インフルエンザ・ワクチンの
サーバリスクが52倍
ガーダシルが24倍。
2013.04.16 / Top↑
またもリヴァプール・ケア・パスウェイ批判。今度はBMJで、精神科医Eugene Breen。
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10456#comments

【関連エントリー】
“終末期”プロトコルの機会的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(英)(2009/9/10)
「NHSは終末期パスの機会的適用で高齢患者を殺している」と英国の大物医師(2012/6/24)
英国の終末期パスLCPの機会的適用問題 続報(2012/7/12)
LCPの機会的適用でNHSが調査に(2012/10/28)


カナダの72歳の筋ジスの女性 Susan Griffithさんが自殺目的でスイスへ行き、法務大臣あてに自殺幇助合法化を呼び掛けたことから、またぞろメディアが議論を再燃させている。今月中に自殺すると言い、それまでの間を合法化の訴えに使うつもりみたい。
http://www.cbc.ca/news/canada/manitoba/story/2013/04/08/mb-assisted-suicide-griffiths-susan-europe-letters-mps.html
http://www.cbc.ca/news/health/story/2013/04/08/mb-assisted-suicide-storify-winnipeg.html
http://www.cbc.ca/news/canada/manitoba/story/2013/04/05/mb-woman-switzerland-euthanasia-winnipeg.html

英国のMencapが、知的障害者への医療差別をめぐって、Charter for Clinical Commissioning Groups というのを出している。医療への改善提言だと思う。必読。
http://www.mencap.org.uk/CCGcharter
http://www.homecare.co.uk/news/article.cfm/id/1559640/mencap-produces-charter-to-eliminate-health-inequalities-of-people-with-learning-disabilities-in-the-nhs

【関連エントリー】
「医療における障害への偏見が死につながった」オンブズマンが改善を勧告(2009/3/31)
オンブズマン報告書を読んでみた:知的障害者に対する医療ネグレクト(2009/3/31)
Markのケース:知的障害者への偏見による医療過失
Martinのケース:知的障害者への偏見による医療過失
「NHSは助かるはずの知的障害者を組織的差別で死なせている」とMencap(2012/1/3)
助かったはずの知的障害児者が医療差別で年間1238人も死んでいる(英)(2013/3/26)


英国のKent County Councilが、認知症患者のケアをボランティアで自宅で受け入れの呼びかけ。
http://www.homecare.co.uk/news/article.cfm/id/1559645/kent-county-council-initiative-wants-people-to-open-their-homes-to-people-with-dementia

子どもを殺した英国の親の37%に事件前に精神障害があり、12%は一年以内に精神科医療を受けていた、との調査結果。:いろんな解釈が可能な結果だと思うんだけど、記事は読めていない。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/258666.php

ビル・ゲイツ、中国Boaoで開催されたアジア・フォーラムで、中国のワクチンと農業でのイノベーションが途上国を救う、と称賛。
http://zeenews.india.com/business/news/technology/chinese-innovations-to-benefit-world-bill-gates_73724.html

中国の習首相、ビル・ゲイツと会談し、協力関係をより深めていく、と。: ゲイツ財団は09年から中国でこんなことやってたし ⇒ http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/57491438.html
http://news.xinhuanet.com/english/china/2013-04/08/c_132292967.htm

日本。国産エイズワクチン アフリカで試験 「日本で開発が進む、エイズの発症を予防するワクチンの安全性や効果を確かめる臨床試験が、1日からアフリカのルワンダで始まりました」:なんでアフリカで? って、アフリカはもうずいぶん前から先進国のビッグ・ファーマの人体実験場と化している。そのカラクリの一部はこちらのエントリーに ⇒ http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/62888127.html そういえば、この本 the Body Hunters、そろそろ翻訳が出てもいい頃だと思うんだけどな。
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/151036.html

米国CDCから、1歳から5歳の子ども53万人で鉛の血中濃度が基準値を超えている、との発表。:ふ~~む。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/258706.php

英国で、遺伝病治療として遺伝子操作により3人の生物学上の親を持つ子どもを作ることが可能に?
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10458#comments

幹細胞から作った生殖子で子どもを作れば、「試験管優生思想」が可能、とオーストラリアの生命倫理学者 Robert Sparrow.
http://www.bioedge.org/index.php/bioethics/bioethics_article/10462#comments

英国で乳児用ミルクを大量に買い込んで中国に送る人が多発して、スーパーが一人あたりの販売量を制限している。
http://www.guardian.co.uk/money/2013/apr/08/baby-milk-powder-rationing-supermarkets

米国でも高齢者・障害者介護の予算カット。
http://www.dglobe.com/event/article/id/63900/

日本。虐待の6割、孤立介護 高齢者被害、半数が困窮世帯 朝日新聞・防止学会調査
http://www.asahi.com/shimen/articles/OSK201304060159.html

「なぜこんなワクチンを接種させるのか」接種中止を求め訴え/全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会による記者会見「問題となっているHPVワクチン2種(サーバリックス、ガーダシル)によって引き起こされたことが確認されている被害として、激しい頭痛・発熱・全身の痛 み・痙攣・呼吸困難・吐き気・記憶障害・計算障害・歩行障害など、あらゆる症状が1000件以上報告されているという。しかし、HPVワクチンは2007 年に導入されたばかりのワクチンであり、現状の掌握がまだできておらず、そうした状況の中で十分な検証・情報公開をせずに定期接種実施に踏み切ったことを 問題視した。連絡会は、この実態が医療機関に理解されていないことを訴えるとともに、HPVワクチン接種の中止と現状を踏まえた追跡調査の早期実施・公 表、被害救済制度による補償等を求めた」「3月28日の参議院厚生労働委員会におけるHPVの感染率について、国立感染症研究所が2010年に発表した「HPVワクチンに関するファクトシート」で は、性的活動を行う女性の50%以上が生涯で1度はHPVに感染すると推定されるとの記述があるが、日本の研究者が海外の医学系雑誌で発表した報告には、 日本の一般女性がHPVに感染する割合について、16型が0.5%、18型が0.2%と、1%にも満たない感染率であるとの試算があることも明らかになっ ている。さらに、HPVに感染しても、90%以上は自然排出され、持続感染しても適切な治療を施すことができれば治癒率は概ね100%であることが同委員 会において示されている」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/73089

日本。不妊治療女性「39歳まで」有識者会議で検討へ:「医療費がかかりすぎる」という話がしきりに言われる領域と、全然いわれない領域がある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130408-00001701-yom-pol

愛媛大学付属病院、あすから出生前診断受付け
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130407/ehm13040702040000-n1.htm

新型出生前診断、採血予定の民間会社が計画中止
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130404-OYT1T01433.htm

日本。障害者12人への虐待が判明
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201304080005.html

防犯ブザー配布中止撤回=朝鮮学校に謝罪―東京都町田市
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130408-00000122-jij-pol

日本。主権回復式典:政府主催で4月28日開催を閣議決定
http://mainichi.jp/select/news/20130312k0000e010181000c.html
 
日本語。大学キャンパスで刺され14人負傷、男子学生を拘束 米
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130410-35030628-cnn-int
2013.04.16 / Top↑