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サルのクローン胚からES細胞ができた、とのニュースを受け、
トランスヒューマニズム系のブログpracticalethicsに以下の2本のエントリーが。

まず11月14日にはDominic Wilkinsonによる

Clone human embryos not monkey embryos
サルのクローン胚ではなく人間のクローン胚を作れ



その主張しているところは、ざっと以下のようなことと思われます。

サルのクローン作りは許されるのに、なぜ人間のクローン作りは許されないのか。

人種が違うという根拠に基づいて
あるグループに属する人間の扱いを他のグループに属する人間と違えることが
人種差別(racism)であるならば、

人間以外の霊長類に対して
種が違うという根拠でもって扱いを違えることは種差別(speciesism)である。

人間のクローンからES細胞を作り出す方が
サルのクローンからES細胞を作り出すことよりも望ましい理由とは、

①人間の卵子のドナーは
自分がどういう処置を受けるかを理解したうえで 研究利用に同意する。
 つまり人間の女性にはインフォームド・コンセントが可能である。

②人間のクローンから創ったES細胞を研究に使えば、
その成果から人間は恩恵を受けることができるが、
サルのクローン胚から作ったES細胞の研究から得た成果が
サルに恩恵をもたらすことはない。

以上の理由により、
人間はサルのクローン胚ではなく、
人間のクローン胚からES細胞を作るべきである。



11月15日のエントリーは、Rafaela Hillerbrandによる、

Reproductive Cloning Reconsidered
再生クローニング再考


非常に長い文章なのですが、
その主張するところは、どうも以下の1点ではないか、と。
(というか、それ以外は私には意味不明。)

自分の子孫を選ぶ権利は非常にプライベートなものであり、
クローニングによって自分の子どもを作りたいと望む場合も含めて、
国家が介入すべきではない。

          ――――

ちなみに、

このブログはトランスヒューマニストのグループが書いているものですが、
その著者の中には、

Hastings Center ReportにAshley療法を擁護するエッセイを書いていた、
Julian Savulescu と S. Matthew Liaoも含まれています。

そのエッセイと著者らについては、以下のエントリーにて。



(ここで引用したSavulescuの発言にも
「個人の選択によるもので国家の介入ではないから、
出生前診断は優生思想にはあたらない」
との考えが見られます。)

2007.11.18 / Top↑