ADHD児へのリタリン使用について、英国で疑問が投げかけられています。
現在日本で起こっているリタリン問題の背景には、
複雑な事情があるように思われ、
詳しいことを知らない私には安易なコメントはできないので、
そうした調査結果を取り上げたBBCの記事を以下に。
複雑な事情があるように思われ、
詳しいことを知らない私には安易なコメントはできないので、
そうした調査結果を取り上げたBBCの記事を以下に。
リタリンを服用しているADHD児の長期追跡調査の結果、
短期的には効果があると見える一方で、
3年以上の長期服用で成長が抑制されたり、
行動がより攻撃的になったりする反作用があったというもの。
短期的には効果があると見える一方で、
3年以上の長期服用で成長が抑制されたり、
行動がより攻撃的になったりする反作用があったというもの。
BBCの番組the Panoramaが取り上げたもので、
Craig Buxtonという14歳の少年のケースのビデオが上記サイトにあります。
Craig Buxtonという14歳の少年のケースのビデオが上記サイトにあります。
保健省の反応は以下。
NICE(国立医療技術評価機構)に、ADHDへの介入ガイドラインを作成するように要請。
NICEは、薬物療法は社会・心理・行動療法と併用した包括的な治療の一環と位置づけるべき、と。
NICEは、薬物療法は社会・心理・行動療法と併用した包括的な治療の一環と位置づけるべき、と。
――――――
Craigのビデオと、番組のキャスターと取材担当者のやり取りからは、
少年の行動がより攻撃的になったということには、
体が大きくなって行動のインパクトがそれだけ大きくなったことや、
通常でも攻撃性の高まる思春期であることも影響があるようにも思えたのですが、
いずれにしても、1つのケースを見て簡単にどうこう言えることでもなく。
少年の行動がより攻撃的になったということには、
体が大きくなって行動のインパクトがそれだけ大きくなったことや、
通常でも攻撃性の高まる思春期であることも影響があるようにも思えたのですが、
いずれにしても、1つのケースを見て簡単にどうこう言えることでもなく。
また、記事の中では、
(急増している)リタリンなどの処方にかかるNHSのコストが2800万ポンド
とも触れられているので、
そうした背景も影響しているのかも。
(急増している)リタリンなどの処方にかかるNHSのコストが2800万ポンド
とも触れられているので、
そうした背景も影響しているのかも。
ただ、こういうニュースに触れると、改めて懸念を覚えるのは、
トランスヒューマニストたちが
薬物を使って体や性格や気分を自分で選ぶのは個々人の自由の範疇と主張したり、
薬物を使って体や性格や気分を自分で選ぶのは個々人の自由の範疇と主張したり、
“アシュリー療法”論争でも、
Gunther, Deikema、Fostら関係医師らや、
擁護に出てきたトランスヒューマニストたちは
「Ashleyに行われたホルモン大量投与による成長抑制は
ADHD児にリタリンを使うのと同じ」だと主張していました。
Gunther, Deikema、Fostら関係医師らや、
擁護に出てきたトランスヒューマニストたちは
「Ashleyに行われたホルモン大量投与による成長抑制は
ADHD児にリタリンを使うのと同じ」だと主張していました。
2007.11.20 / Top↑
アメリカ政府は本気でトランスヒューマニストと同じ方向を向いているのだなぁ、
と、思わせられる資料を以下に。
と、思わせられる資料を以下に。
CONVERGING TECHNOLOGIES FOR IMPROVING HUMAN PERFORMANCE
June 2002
National Science Foundation
Department of Commerce
June 2002
National Science Foundation
Department of Commerce
全米科学基金と米商務省が2001年の12月にワークショップを組織し、
そこで産官学それぞれの主導的な専門家から出た見解や、
その後、米国の科学と技術の専門家から提出された論文等を取りまとめた報告書。
そこで産官学それぞれの主導的な専門家から出た見解や、
その後、米国の科学と技術の専門家から提出された論文等を取りまとめた報告書。
表紙にはロケットを思わせる大きな突起が描かれ、
その先端は4つに仕切られて、それぞれに
nano, bio, info, congno と。
その先端は4つに仕切られて、それぞれに
nano, bio, info, congno と。
(これを「NBICの矢」と呼び、収斂テクノロジーの発展を象徴するのだそうです。)
そのロケットの、山でいうとふもとに当たる部分に、
脳の断面と人影が左右に描かれています。
脳の断面と人影が左右に描かれています。
報告書のタイトルのconverging technologies とは、
ナノ、バイオ、情報、認知の4分野のテクノロジーを収斂することを意味し、
ナノ、バイオ、情報、認知の4分野のテクノロジーを収斂することを意味し、
これら4分野の新興テクノロジーをうまく使い合わせて、
人間の能力向上に利用しよう、と将来を展望する報告書。
(Kurtzweilはロボット工学を重視していましたが。)
人間の能力向上に利用しよう、と将来を展望する報告書。
(Kurtzweilはロボット工学を重視していましたが。)
まだ、ろくに読んだわけではないし、
専門的な論文の集まりなので、読んでも分かるかどうか……。
専門的な論文の集まりなので、読んでも分かるかどうか……。
ただ、目次を見ると、
トランスヒューマニストたちと
とても似通った視点と内容だという印象は強いし、
トランスヒューマニストたちと
とても似通った視点と内容だという印象は強いし、
EXECUTIVE SUMMARYの中の 7.Future Prospects の中に、
Mental Health という項目が目に付いたので、読んでみたところ、
Mental Health という項目が目に付いたので、読んでみたところ、
ナノテクを駆使してスマートドラッグを
神経障害を起こしている脳の部位に直接届ければ云々……と、
神経障害を起こしている脳の部位に直接届ければ云々……と、
Ashley事件をインターネットでたどっているうちに行き着いて以来、
ずっと非常に気になりつつ、ちょっと敷居が高い資料です。
ずっと非常に気になりつつ、ちょっと敷居が高い資料です。
よほど体力・気力が充実した日に気が向けば、
少しずつ齧ってみようと思ってはいるのですが……。
少しずつ齧ってみようと思ってはいるのですが……。
2007.11.20 / Top↑
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