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去年12月に上級裁判所のMcCarter判事が医師による自殺幇助は個人の自由の範囲で合法とした判断に、モンタナ州が取り消しを求めている件で、MO州最高裁の聴取が今週水曜日に行われる。
http://www.greatfallstribune.com/article/20090830/NEWS01/90830001/1002/Court+to+hear+arguments+on+assisted+suicide

日本語情報。昨日から報道が続いているショッキングなニュース。性犯罪常習者が妻に手伝わせて誘拐した11歳のJayceeさんを18年間も自宅裏庭に軟禁して、子どもを2人も産ませ、仕事まで手伝わせていた。夕方、CNNにその裏庭のテント生活を物語る映像が流れ、キャスターが「なぜ逃げなかったのでしょう」と何度も繰り返していた。去年はオーストリアで我が娘を地下室に監禁してレイプ、子どもを何人も産ませていた極悪非道の男が世界中に衝撃を与えたけど、妻に手伝わせてレイプ目的で誘拐というのも衝撃。2人の子どもがあまりにも無表情だったのが異様で、それが目を引いたのが発覚のきっかけというのが痛ましい。
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2635328/4506787

モスクワに住む黒人・アフリカ人の6割が人種差別による暴力を受けた経験がある。言葉の暴力を受けたことのある人は8割。:実証できるわけじゃないけど、英語ニュースを覗いていると、世界中で差別と名の付くものが急速に激化しているという感じがする。激化しているというか、むき出しになってきているという方が正確なのかもしれないけど。個別のヘイト・クライムもそうだけど、社会全体の空気とか論理とか、もっと構造的なところでも、あれやこれや。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/8230158.stm
2009.08.31 / Top↑
South Walesの警察署長 Barabara Wilding氏が
(どうしてそれが大事なのか分からないけど
在職年数が最長の女性警察署長でもあると記事はことさらに強調している)

自殺幇助に関する法律を緩和すると、
今後、高齢化する社会において、
家族による高齢者の厄介払いに悪用される恐れがある、と警告。

「高齢者虐待というのは
我々がまだ本当の意味で把握しきれていない問題なのです。
次に社会で大きな問題となる1つが高齢者虐待だと私は考えています」
と語るWilding氏は、

1970年代の児童虐待が最近になって明らかにされたことに触れ、
隠蔽される可能性があり、被害者が声を上げることができない、という点で
高齢者虐待も同じだ、と指摘。

また42年間の警察官としての経験から
「25歳以下の若年層と50歳以上の高齢者層の間に断絶がある、
高齢者層は町で若者のすることを見ては反社会的だと決め付け、
若年層に対する恐怖と不寛容の姿勢を強めているが、

犯罪にゼロ・トラレンスの姿勢で臨むだけでは問題解決にはならない。
我々が社会として若年層にどのような扱いをするかという点で
私は大きな懸念を抱えている」とも。



そう――。
障害者虐待にも同じことが言える──。
2009.08.31 / Top↑
シャイボ事件関連。

Terryさんの父親の死についてのメディア報道において
Schiavo事件が正確に説明されていないことを指摘する記事が出ています。


まず、栄養と水分供給の停止は裁判所の命令によって行われたのではなく、
妻はこんな状態で生きるくらいなら死にたかったはずだとの
夫の不当な主張によっておこなわれたのである、という点。

また特に、Terryさんが植物状態であったことが死後の解剖で確認されたかのように
書かれていることについて、

Terryさんの生前に少なくとも2人の神経学の専門医らから、
Terryさんの状態は植物状態でも最少意識状態でもないとの所見があったこと、

また永続的植物状態の患者が覚醒したケースもあることなどに触れずに
Shaivo事件をまとめて記事を書くことはジャーナリズムのあるべき姿勢ではない、と批判。

ジャーナリストのMichelle Malkinの以下の言葉こそ
Schiavo事件の本質を的確に捉えたものだと紹介しています。

Terri Schiavo, a profoundly disabled woman who was not terminally ill and who had an army of family members ready to care for her for the rest of her natural life, succumbed to forced dehydration at the hands of her spouse-in-name-only.

ターミナルな病気ではない重症障害女性が、寿命ある限りケアするといっている何人もの家族がいるというのに、名前だけの配偶者の手によって脱水を強要されて亡くなったTerry Shicavo事件。

(夫は既に別の女性と暮らしていたと、どこかで読んだ記憶があります。
その女性とはテリーさんが障害を負う前から交際があったとも、どこかで読んだような……。
テリーさんの過食症が障害の原因になったとの説もあるのですが、
そうすると過食症の原因は夫の女性問題だった可能性もあるのかも知れず……)

Terryさんの解剖報告書を読んだMichelle Malkerさんのブログ記事(2007年)がこちら

Malkerさんの事件の捉え方、特にTerryさんの障害像については同意するけど、

そういう立場に立つ人にして、2007年時点で
「寿命の限りケアする家族がいる」ということは
栄養と水分を供給されて生かしてもらうことの資格の1つであるかのように感じていたということには、
ちょっと、引っ掛かりを覚える。

2007年の米国社会には既に、
コストを含めた介護負担を担える家族にのみ重症障害者の延命治療に関する選択権がある……という
空気が漂い始めていた、ということでしょう。

そして、その空気は今や「無益な治療法」という法律として米国の臨床現場に広がり始めている――。

もはや重症障害者の延命治療の選択権は、
本人にも家族にもなく、病院のものとなろうとしている――。
2009.08.31 / Top↑
Terry Schiavoさんが脳に損傷を受けて15年間寝たきりとなり、
両親の抵抗にも関わらず「本人はこんな状態で生きることを望まないはず」との夫の申し立てを裁判所が認め
栄養と水分の供給を停止されて2005年3月31日に亡くなったシャイボ事件。

(テリーさんが植物状態だったと書いている資料も多いのですが、
写真や映像を見る限り、彼女の目には表情があります。
私にはどうしても植物状態だったとは思えません)

米国での生命倫理をめぐる重大事件のひとつですが、

テリーさんの死後、シャイボ財団を作って
重症障害者に対する「無益な治療」論に抵抗する運動を続けてきた
父親の Robert Schindlerさんが29日、死去。

Father of Terri Schiavo – Robert Schindler Sr. passes
Evangelical Examiner, August 30, 2009


このニュースで改めて気づき、ちょっと衝撃を受けたのは、

そういえばAshleyへの手術(2004年7月)は
Schiavo事件の真っ只中で行われていたんだなぁ……ということ。

Schiavoさんが裁判所の決定によって餓死させられてから
まだ5年と経っていないんだなぁ……ということ。

5年前には、「重症障害者から栄養と水分を引き上げる」ということに
大きな衝撃を受け、大論争を巻き起こした米国民が
もはやその考えに大した抵抗を感じない。

「重症障害者への栄養と水分は無益な治療」という慣行が
Schiavo事件後の、たったの5年間で
いかに米国の医療に浸透したことか──。

“Ashley療法”が論争になってからだって、まだ3年と経っていないのに
重症児の身体に医療上の必要以外の理由で手を加えることに対して
3年前には、あれほどの衝撃を受けた英語圏の人たちが
成長抑制の一般化の議論には、もはや興味すら持たない。

重症児の身体を医療でデザインすることどころか、
どうせ重症児だからと臓器目的で死なせることにも大した抵抗を感じない。

たったの5年や3年やそこらで──。


2009.08.31 / Top↑