2006年にスイスのDignitasで米国人男性 Caig Ewert氏 が幇助自殺する模様を撮影したビデオが
今月末にオーストラリアのテレビで放送される予定だとのこと。
今月末にオーストラリアのテレビで放送される予定だとのこと。
Ewert氏は死の1年前にALSと診断され、
家族の負担になりたくないと死を選んだ人物。
家族の負担になりたくないと死を選んだ人物。
以下の記事では、
ナーシングホーム入所者に栄養と水分を拒否して死ぬ権利を認めた裁判所の判断の直後だけに
この映像の放映は“タイムリー”である、と書いています。
ナーシングホーム入所者に栄養と水分を拒否して死ぬ権利を認めた裁判所の判断の直後だけに
この映像の放映は“タイムリー”である、と書いています。
オーストラリアでは現在のところ自殺幇助は違法ですが、
この国でも、死の自己決定権ロビーがさかんに動き始めたようですね。
この国でも、死の自己決定権ロビーがさかんに動き始めたようですね。
ちなみに、問題の映像は去年、英国で放送され物議をかもしたもの。
その際のニュースを取り上げたエントリーはこちら。
その際のニュースを取り上げたエントリーはこちら。
英TVにDignitasでの自殺映像、Brown首相「合法化は支持しない」(2009/12/12)
2009.08.17 / Top↑
オーストラリア、パース近郊のナーシングホームに入所している49歳の男性Christian Rossiter氏が
四肢麻痺で生きるのは地獄だとして経管栄養を拒否したい意思を繰り返し表明し、
ホーム経営の法人が裁判所に判断を仰いでいたケースで、
四肢麻痺で生きるのは地獄だとして経管栄養を拒否したい意思を繰り返し表明し、
ホーム経営の法人が裁判所に判断を仰いでいたケースで、
金曜日、本人が聴聞に出廷して
「人としての基本的な機能がいずれも果たせない。
鼻もかめないし、涙を拭くこともできない」、
精神状態は健全である、死にたい、と述べた。
「人としての基本的な機能がいずれも果たせない。
鼻もかめないし、涙を拭くこともできない」、
精神状態は健全である、死にたい、と述べた。
またスイスのDingitasへ行くつもりもあるが、
スイス政府の制約によって彼のような場合には手続きが非常に煩雑になっている、とも。
スイス政府の制約によって彼のような場合には手続きが非常に煩雑になっている、とも。
それらの主張を受け、裁判所は
彼には自分の治療を指示する(拒否することも含めて)権利がある、と認めた。
彼には自分の治療を指示する(拒否することも含めて)権利がある、と認めた。
栄養と水分を本人の意思に反して供給してはならない、
しかし、停止することの結果については医療スタッフは十全な説明をしなければならない、と。
しかし、停止することの結果については医療スタッフは十全な説明をしなければならない、と。
Rossiter氏は、まず医療上のアドバイスを受けてから
その後に最終的に栄養と水分を拒みたい、
まだ、この先、説得されて気持ちを変える可能性もある、とも。
その後に最終的に栄養と水分を拒みたい、
まだ、この先、説得されて気持ちを変える可能性もある、とも。
オーストラリアの医療法と倫理の専門家は
「精神科の治療の点でも、動けるようになるという点でも
この人のQOLを向上させられるものは何もないと
裁判所が認定したということです」と。
「精神科の治療の点でも、動けるようになるという点でも
この人のQOLを向上させられるものは何もないと
裁判所が認定したということです」と。
この専門家は
本件は本件に限っての判断であり、前例を作るものではないとも解説するが、
本件は本件に限っての判断であり、前例を作るものではないとも解説するが、
自殺幇助合法化に反対運動を展開している the Right to Live AssociationのPeter O’Meara氏は
「前例となる。大いに懸念される」ので、今回の判断には法的に対抗手段を考えている、と。
「前例となる。大いに懸念される」ので、今回の判断には法的に対抗手段を考えている、と。
また「四肢麻痺の人たちと話をすると、もっと障害の重い人でも、
適切な対応をすれば気持ちを変えられることが分かっている」とも。
適切な対応をすれば気持ちを変えられることが分かっている」とも。
2009.08.17 / Top↑
どんどん醜悪な様相を呈している米国の医療制度改革議論で、
アラスカの州知事を辞めたばかりのSarah Palin氏が
アラスカの州知事を辞めたばかりのSarah Palin氏が
Obama政権の医療改革案には
高齢者や障害者への医療を切り捨てる“死の委員会”条項が含まれている、と糾弾。
高齢者や障害者への医療を切り捨てる“死の委員会”条項が含まれている、と糾弾。
“死の委員会”という文言が独り歩きを始めて
改革つぶしで勢いづく共和党を利する状況となったために、
改革つぶしで勢いづく共和党を利する状況となったために、
問題の条項とは、実際には
終末期の医療について予め医師に相談しておくことを
メディケアの給付対象とするものであり、
“死の委員会”では決してないと主張しつつも、
終末期の医療について予め医師に相談しておくことを
メディケアの給付対象とするものであり、
“死の委員会”では決してないと主張しつつも、
上院財政委員会は、この箇所を法案から削除する、と。
Senate committee scraps healthcare provision that gave rise to ‘death panel’ claims
The LA Times, August 14, 2009
The LA Times, August 14, 2009
こうした動きに、
Obama政権で医療改革を担当するSebelius保健相がABCテレビで
終末期の情報と選択は本人にとっても家族にとっても非常に大切なのに、
そういう条項の事実を捻じ曲げて国民の不安をあおる戦術は「おぞましい」と
語っているビデオがこちら。
Obama政権で医療改革を担当するSebelius保健相がABCテレビで
終末期の情報と選択は本人にとっても家族にとっても非常に大切なのに、
そういう条項の事実を捻じ曲げて国民の不安をあおる戦術は「おぞましい」と
語っているビデオがこちら。
Obama大統領自身の名前でNYTimesに寄稿された文章がこちら。
Why We Need Health Care Reform
By Barack Obama
The NY Times, August 15, 2009
Why We Need Health Care Reform
By Barack Obama
The NY Times, August 15, 2009
この終末期医療の相談料は確か日本の後期高齢者医療制度でも登場して、
似たような非難を受けて棚上げになった経緯がありましたっけ。
似たような非難を受けて棚上げになった経緯がありましたっけ。
Palin氏、相変わらず、あざとくて、
最近のニュースだと、
そのどこまでがデマゴーグで、どこまでが現実的に存在する懸念なのかが
ちょっと分からなくなってくるようでもあり……。
そのどこまでがデマゴーグで、どこまでが現実的に存在する懸念なのかが
ちょっと分からなくなってくるようでもあり……。
2009.08.17 / Top↑
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