http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=44984
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=45056
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=45093
ネブラスカ州で永続的植物状態の男性を巡って無益な治療事件。Irvin Madridさん。22歳。1年と5カ月、植物状態とされ「回復の見込みなし」として病院が人工呼吸器の取り外しを決定。両親の抗議にもかかわらず一方的に取り外し。7月12日に死亡。
http://medicalfutility.blogspot.com/2011/08/irvin-madrid-hospital-unilaterally.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+MedicalFutilityBlog+%28Medical+Futility+Blog%29
http://www.livewellnebraska.com/article/20110807/LIVEWELL01/708079908/1161
http://www.omaha.com/article/20110807/LIVEWELL01/708079906
英国で、移植用腎臓不足解消のため、売買を認めよう、という声。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2011/aug/04/cash-for-kidney-rules
http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/8677153/Students-could-pay-off-debts-by-donating-kidneys-says-academic.html
【関連エントリー】
Harris「臓器不足排除が最優先」の売買容認論は「わたしを離さないで」にあと一歩(2011/4/8)
8月9日にロンドンでGAVIのワクチン国際カンファ。
http://www.maximsnews.com/news20110808GAVIALLINNCEUKPMLONDON11108080101.htm
「医薬品業界における2010年問題と展望 」という日本語のアナリストの論文。そのポイントの1は「1990年代後半に販売された大型医薬品が、2010年前後に次々と特許切れを迎え、世界の新薬メーカーにとっては、厳しい経営環境となることが予想される」。
http://www.fukoku-life.co.jp/economic-information/report/download/analyst_VOL192.pdf#search=%27%E8%A3%BD%E8%96%AC%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%81%AE2010%E5%B9%B4%E5%95%8F%E9%A1%8C%27
こちらも医薬品業界の「2010年問題」に関するニッケイの記事。:そういえば7月28日の補遺でも、近くブロックバスター7薬の特許が消れて、ジェネリックが使われると値段がぐっと下がるとのニュースを拾った。……もしかして「ワクチンの10年」というのは、この「2010年問題」への対応策だったとか……? 今頃になって気付くのって、遅すぎ?
http://www.nikkei4946.com/zenzukai/index.asp?BackNumber=64
時間差で phentermine と topiramateが効いていくQNEXAというカプセル薬を飲むと、食欲が減退して、肥満や糖尿病、睡眠時無呼吸症候群の人でQOLが有意に上がった……って。:あの~、フェンタミンって向精神薬だったんでは……? 【追記】検索してみたらトピラマートって、抗てんかん薬だった!
http://www.medicalnewstoday.com/releases/232383.php
【関連エントリー】
NHS新たにヤセ薬を解禁(2008/7/9)
6月解禁のヤセ薬、精神障害起こすと早くも販売中止(英)(2008/10/25)
EUがヤセ薬を解禁、「誰の最善の利益」?(2009/1/31)
英国人の4人に3人までが、ナーシングホームは家族を安心して預けられる場所ではないと感じている。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2023595/Three-dont-trust-care-homes-look-relatives-properly.html?ito=feeds-newsxml
今まで非公開を旨としていた英国の保護裁判所で、初めて公開に踏み切ったケース。認知症の高齢の父親が一方的に施設に入所させられ、面会も許されないと訴える息子と、息子からの虐待を疑っての措置だとする当局側の対立。
http://b.hatena.ne.jp/spitzibara/?with_favorites=1&of=0
理化学研究所からプレスリリース「床から車いすへの抱きあげ移乗が出来る介護支援ロボット -抱き上げ重量80kgを達成した「RIBA―Ⅱ」を開発― :この前から英語圏のニュースに出ていたのがこれね。抱き上げ重量80キロを達成……って、なんか、これ、「UFOキャッチャーと洗車機能があればオムツ交換ロボットはできる」という工学者の感覚に近いものはないでしょうか?
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2011/110802_2/detail.html
NYT。読む余裕がないので、タイトルのみ。デジタル時代に合わせて教育内容をアップデイトしなければ。:世界中の教育が、デジタル思考の皮相的な成果主義に急傾斜していくのでは? そういえば米国の教育制度改革にも、最も大きな影響力を持って発言し続けているのはビル・ゲイツ。文学とか音楽とか美術とか、そういうものは価値のないものとして失われていくのかなぁ。あー、そうだ、きっと「UFOキャッチャーと洗車機能でオムツ交換ロボットできる」って、寝たきりの人を見たことなくても疑いなく断言できるような手合いが増えていくんだろうな。
Education Needs a Digital Age Upgrade: It’s time to stop preparing students for a world that no longer exists, writes Virginia Hefferman.
南アフリカの妊産婦への医療機関スタッフによる、あまりにも酷い仕打ち。:こういう問題を放置して、科学とテクノで子どもと女性のいのちを救えという母子保健の話もなかろう、と。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/232413.php
RAD51Dという遺伝子の変異があると子宮がんリスクがあがる。
http://www.guardian.co.uk/science/2011/aug/08/ovarian-cancer-gene?CMP=EMCGT_090811&
男性も乳がんになる。でも、男性だというだけでメディケア給付が受けられない。
http://www.cbsnews.com/8301-504763_162-20089665-10391704.html
―――――
昨日の Metro Access の話を某MLに投稿したら、障害者のエンターテインメントへのアクセスという問題を投げかけてもらった。ざっと検索したら、米国のADAでも英国のDDAでも姿勢はMetroの記事と同じで、平等なアクセス保障が法的に義務付けられているわけだから、その中にはエンターテインメントも当然含まれる、ということのよう。出てきたものをとりあえずのメモとして以下に。
ニュージャージー州の検察が、アトランティック市内11のカジノにADA法違反はないかと査察。
http://www.northjersey.com/arts_entertainment/atlantic_city_gaming/033011_Feds_review_NJ_casinos_disability_access.html
英国(上2つがDDAとアクセス保障、下はケンブリッジのアクセス情報)
http://www.chiltern.gov.uk/site/scripts/documents_info.php?documentID=122&pageNumber=19
http://www.sess-surveying.co.uk/DDA_disability_access.html
http://www.accesscambridge.co.uk/entertainer.html
英国の啓発ウィークエンド
http://www.bbc.co.uk/lancashire/content/articles/2006/10/11/november_disability_awareness_feature.shtml
カナダ
Access 2 Entertainmentカード(2005年から)劇場で介助者無料
http://www.asic.bc.cx/releases/access2faq.shtml
http://www.caregiversns.org/userfiles/file/AccessEntertainment.pdf
Access2Entertainmentカード、対象を劇場から拡大
http://www.abilities.ca/organizations/2009/08/10/easter_seals_access2_forum/
Disability Access in Action(星マークで建物や施設のアクセス評価:P星マークは駐車場とか)
http://disabilityaccessinaction.com/index.html
Quelletteの“BIOETHICS AND DISABILITY Toward a Disability-Conscious Bioethics”に
生命倫理の界隈でよく耳にする Elizabeth Bouvia事件が取り上げられていたので、
その個所のみ、とりあえずのメモとして。(Quelletteについては文末にリンク)
非常に興味深いのは、まず、この事件が紹介されている文脈。
Quelletteはここで
生命倫理という学問のこれまでの概要を解説しており、
直前でとりまとめていることとして、
ある段階で生命倫理には以下のような、
いくつかのコンセンサスができていた、と。
・意思決定能力のある成人は治療を拒否する権利を有する。
・患者は自分の治療に関する決定権を有する。
・また、こうした決定にまつわる入手可能なすべての情報を提供される権利を有する。
・医学的に提供される栄養と水分は治療の一形態である。
これらすべてが関わっている事件として紹介されているのがBouvia事件。
Elizabeth Bouviaさんは脳性まひと関節炎があり(つまりターミナルではなかった)
28歳の時にカリフォルニア州の裁判所に対して、
鼻から通した管による経管栄養を医師に中止させる命令を求めて訴訟を起こした。
医師は中止に反対。
栄養と水分の引き上げは一種の自殺行為だと反論したが、
裁判所は、Bouviaさんの意思決定能力を確認したうえで、
栄養と水分が医療である以上、その拒否権はBouviaさんの自己決定権の範囲だと判決した。
1986年。
Elizabeth Bouvia’s decision to forego medical treatment or life-support through a mechanical means belongs to her. It is not a medical decision for her physicians to make. neither is it a legal question whose soundness is to be resolved by lawyers or judges. It is not a conditional right subject to approval by ethics committees or courts of law. It is a moral and philosophical decision that, being a competent adult, is hers alone.
意思決定能力が明らかである以上、
機械的な方法での生命維持または治療の中止の決定は、
医師による医学的な決定でもなければ
その精神の健全性を巡る法的問題でもない。
倫理委員会や裁判所の承認が必要な条件つきの権利でもない。
意思決定能力のある成人として、
それは本人のみが有する道徳的哲学的決定権である。
(p.55に引用)
以来、Bouvia判決は、生命倫理の界隈では
ターミナルでなくとも生命維持を拒否することができるとした
自己決定権の画期的な勝利として称揚されていく。
問題となる治療が救命または延命するものであるとしても
患者には拒否権がある、と認められたのだ。
もちろん、この判決のキモはブーヴィアさんの自己決定能力にあり、
この判断をそのまま自己決定能力の低い患者に当てはめることはできない。
そこで、自己決定能力が低いまたはないとみなされる患者のケースで
自己決定に極力近い形での医療判断を保障するための工夫として
生命倫理学は事前指示書と代理決定を検討していく。
で、それを踏まえて生命倫理学の一般的な共通認識として、
・代理決定者には基本的にどのような決定も行う権限があり、そこには治療の拒否や中止の決定も含まれる。
・代理決定者は、可能な限り、本人がかつて有していた自己決定能力に基づいて決定したであろう通りの決定を行うべきである。
・本人が行ったであろう自己決定を見極めることが困難な場合には、代理決定者は本人の最善の利益にかなった決定を行うべきである。
ちなみに、この論理のステップは、
まさにイリノイ州の知的障害女性の強制不妊手術を巡るK.E.J.判決で
用いられたものと全く同じ。(詳細は文末にリンク)
この3つが合流した先に
生命維持治療の中止や差し控えが当人の最善の利益であるという
代理決定もありうる、との生命倫理学の考え方がある、とQuellette。
なるほど~。
しかし、時は流れ、今では病院や医師の側が
本人や家族、代理決定者の意思を無視して、中止させろと裁判所に訴え出る時代。
これほど絶対的であったはずの自己決定権は、今はいったいどこへ――?
【ブーヴィア事件に関する日本語情報】
ブーヴィア事件の解説を含む研究者の方のサイトは以下に ↓
http://www.let.kumamoto-u.ac.jp/ihs/soc/ethics/takahashi/tyousa/2syou.html
http://d.hatena.ne.jp/uumin3/20060327
香川知晶「死ぬ権利 ――カレンクインラン事件と生命倫理の転回」での
ブーヴィア事件に関する記述は以下の中ほどに ↓
http://www.arsvi.com/d/et-usa.htm
【イリノイのK.E.J.ケースに関するエントリー】
イリノイの上訴裁判所 知的障害助成の不妊術認めず(2008/4/19)
IL不妊手術却下の上訴裁判所意見書(2008/5/1)
ILの裁判からAshley事件を振り返る(2008/5/1)
ILの裁判から後見制度とお金の素朴な疑問(2008/5/1)
IL州、障害者への不妊手術で裁判所の命令を必須に(2009/5/29)
【その他、障害者の医療における代理決定原則に関するエントリー】
知的障害者不妊手術に関するD医師の公式見解
女性の不妊手術に関する意見書(米国産婦人科学会)
不妊手術に関する小児科学会指針
末期でも植物状態でもない知的障害者の医療拒否、後見人に「並々ならぬ証明責任」
Syracuse大学から「障害のある人の延命ケアと治療に関する一般原則声明
英医師会の後見法ガイダンス
【Quellette関連エントリー】
今回の新刊
Alicia Quelletteの新刊「生命倫理と障害: 障害者に配慮ある生命倫理を目指して」(2011/6/22)
09年のAshley事件批判論文
「倫理委の検討は欠陥」とQuellette論文 1(2010/1/15)
子の身体改造をめぐる親の決定権批判論文
Quellette論文(09)「子どもの身体に及ぶ親の権限を造り替える」 1: 概要
(論文については、それぞれ、ここから4つエントリーのシリーズで)
それでもそのベースラインは日本よりもはるかに高いのでは、という具体的な情報に触れると、
それを記録として拾っておく……といったエントリーは
これまでに何度か書いてきたけれど(文末にリンク)
でも。
今回ほど、
びっくりしたことは、なかった。
ワシントンD.C.で地下鉄とバスを運行しているMetroには、
障害のために公共の交通機関を利用できない人のために
一人一人または乗用車や小型バスを乗り合わせる形で
目的地まで送迎するMetro Access Paratransitというサービスがある。
最初に読んだ時には、「え? そんなサービスが本当に?」と
すぐには信じられなかった。
まぁ、実際には予約しても来てくれなかったり、
目的地とぜんぜん違う場所で下ろされたり、
あんまり信頼できるサービスでもないらしいけれど、
実際に1日に7000人以上が利用しているとのこと。
2011年度は2400万人へのサービスが見込まれ、予算は1億370万ドル。
地下鉄やバスだと3ドルとか4ドルで済むところに
一人あたり40ドルもかかる移動サービスを行っている。
すべては、米国障害者法によって
Metroには障害者に対して平等なアクセスを保証することが求められているため。
今までは私は、あまり突き詰めて考えていなかったこともあって、
国連障害者人権条約の求める「合理的配慮」について
今いち具体的なイメージに乏しいままだったのですが、
ああ、なるほど、こういうことなんだぁ……と、
現実にやっている場所があるとなると、
俄かに「実現可能な配慮」の形としてくっきりとイメージされてくる感じがする。
もちろん、このご時世に記事になっているのは、
高齢化と障害人口の増加に加えて、
メディケアの給付抑制で移動サービスがカットされた影響などで、
今後のMetro Accessの費用負担増加が見込まれるため、
Metroが様々な対策を講じて、障害者にメトロやバスの利用を促している、という内容。
MetroがMetro Accessの持続可能性を模索する中で
収入増加策として、まず試みたのが利用料金の値上げ。
前は一律で片道3ドルだったのを
距離と時間性を導入した。ただし上限7ドルまで。
(分かりにくい、フェアじゃないと、評判は悪い)
次に、利用抑制策として、資格審査を加え、
地下鉄やバスを利用できる人には利用してもらうように
安全な乗り方の講習会などを開催。去年は5800人に指導した。
資格審査では「条件付きで利用OK」も。
記事に出てくる車イス利用者の「条件」は
股関節の痛みが来ている時とか吹雪や炎天下での
この人の最長時間の移動の場合にはMetro Accessを利用することができる、というもの。
ただ、この人は高校時代に親が電車に乗る練習をさせてくれて慣れているし、
Metro Accessは前もって予約が必要、あまりアテにならない、
ラッシュ時には乗り合う人のルートによっては10分の距離に2時間かかることもある、
など不便なので、地下鉄やバスを乗り継いで通勤している。
困るのは、駅のエレベーターがしょっちゅう故障していることだという。
この辺り、いかにもアメリカだなぁ……と思いながら読んでいたら、
しかし、ここでもまた目を見張ってしまうのは、
Metroがエレベーター故障やバスの故障に備えて、
障害のある人たち向けに代替え輸送専用のバスを用意していること。
この女性も故障したエレベーターの前で困っていると、
専用バスの運転手に職場まで運んであげると言われて
「こんなの初めて」と驚く。
これもMetroが
障害のある人にバスや地下鉄を利用しようという気になってもらうために
導入した新制度だという。
また利用者に、Metro Accessのサービス・カーの運行状況や
駅のエレベーターやエスカレーターの故障状況をメールで通知するサービスも始めた。
もちろん障害当事者に言わせれば、
まだ駅の照明が暗いとか、エレベーターの修理、見えやすいサインの工夫、
Metro Accessの連絡不足や不確実性など、まだ改善の余地は沢山ある。
実際、視覚障害者や車イス利用者の転落事故や死亡事故も起きており、
ラッシュ時の混雑が怖くて地下鉄もバスも利用できないという人も多い。
車内放送は聴覚障害者には聞こえないし、
エレベーターやエスカレーターは2回に1回は止まっている、とも。
でも、記事を読んでいて、一番「すごいっ」と思ったのは
agency officialなのか、そうだとしてどういうagencyなのか、はたまた障害当事者なのか、
この人の立場がちょっと判然としないんだけど、
Silver Spring在住だという人が言った以下の言葉。
「私たちはMetroと話し合いながら、
利用者の助けになるものを導入してもらってきました」
もちろん、そういう努力を求めてきた「私たち」もだけれど、
その話し合いに応じて、それなりに努力してきたMetroの姿勢も――。
だって、そういう姿勢って、
日本じゃ「どう考えても、あり得ない」範疇のような――?
Frustrating, dangerous Metro problems for the disabled
WP, August 7, 2011
Metro Accessのリンクは上記本文中に張ったものの、
まだトップページをちょっと眺めただけなので、
いずれ、ちゃんと読んでみたいと思っています。
【英国のベースラインについて具体的な情報を含んでいるエントリー】
レスパイト増を断れた重症児の母の嘆きの書き込みがネット世論動かす(英)(2011/1/21)
介護者の10の心得 by the Royal Princess Trust for Cares(2011/5/12)
英国の障害者らが介護サービス削減に抗議して訴訟、大規模デモ(2011/5/11)
【米国のベースラインについて具体的な情報を含んでいるエントリー】
Ashleyケース、やはり支援不足とは無関係かも(2008/12/8)
Obama大統領、在宅生活支援でスタンスを微調整?(2009/6/25)
米国IDEAが保障する重症重複障害児の教育、ベースラインはこんなに高い(2010/6/22)