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昨日の補遺で拾ったカナダの死ぬ権利訴訟で、Gloria Taylorさん(英国のDebbie Purdyさんのような合法化ロビーの広告塔になりそうな人)の訴訟は時間が大事なのは分かっているからペースアップで、と裁判官。
http://www.vancouverobserver.com/city/2011/08/03/bc-judge-orders-fast-trial-woman-challenging-laws-against-assisted-suicide

久しく名前を見ないと思ったら、オーストラリアのDr. Deathは毒物の入手経路を探すのに忙しかったみたい。法律の穴を見つけてオーストラリアにnembutalを持ちこむことに成功したので、これからさらに6人の自殺を幇助すると予告。
http://www.nationalrighttolifenews.org/news/2011/08/nitschke-announces-to-the-media-his-latest-scheme-to-help-more-australians-kill-themselves/

今週火曜日にNZで高齢夫婦が自宅で死んでいるのが見つかり、一人は明らかに自殺幇助だという話だったのだけど、夫婦共にExit Internationalの地元支部の会員だったとのこと。
http://www.stuff.co.nz/nelson-mail/news/5388185/Couple-were-part-of-euthanasia-group

オーストラリア政府から全国介護者戦略。:オーストラリアの介護者支援は2009年から大きく動いてきた。去年12月にちょっとだけこちらに書いた。
http://www.psnews.com.au/Page_psn276f6.html

オーストラリア、クイーンズランドの介護者支援記事。
http://www.abc.net.au/local/stories/2011/08/04/3285601.htm

米国の介護サイトに「日本では介護ロボットが介護施設入所者の身守りとトランスファーを」と。:まるで中国の高速鉄道のような時期尚早・安全無視の国際的な売り込み作戦では?
http://www.mcknights.com/caregiving-robots-could-soon-monitor-and-lift-long-term-care-residents-in-japan/article/208948/

昨日、某MLでロボトミーが話題になっていたと思ったら、日本の研究者が「脳に電流、アルツハイマー病に有効」だと。日本語記事。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110803-00000504-yom-sci

ウツ病遺伝子をチェックして、予防すれば危険な行動を減らせる。:これからの予防医学はビッグ・ファーマからバイオ企業にシフトしていく予感はあったけど、それにしてもウツ病の遺伝子診断による予防って、レッテル貼りで無用なうつ病を作らないんだろうか? ウツ病の原因は遺伝子だけだとでも? 遺伝子決定説って、まだこんなにも根強い。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/232155.php

ダウン症候群の知的障害の治療薬、有望?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/232156.php

新世代抗ウツ薬は高齢者には脳卒中、転倒、てんかんのリスクを高め、危険。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/232134.php

米で緊急避妊薬(モーニング・アフター・ピル)の偽薬が出回っていると、FDAが警告。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/232214.php
2011.08.04 / Top↑
英国で2人の共に50代の女性の栄養と水分の中止が問題になっている。

片方の女性は54歳で2009年に倒れて以来、永続的植物状態にある。
NHSトラストが中止を要求、家族も支持している。

植物状態の患者の水分と栄養の停止を本人の最善の利益と認めた
1993年のTony Bland判決基準に基づき、既にロンドンの保護裁判所が中止を認めた。

これにより、この女性は
英国で裁判所の決定を受けて栄養と水分の停止により死ぬ44番目の人となる。

もう一人の女性Mさんは最少意識状態(MCS)で、
裁判所は決定を9月まで先伸ばし。

この決定が万が一にも、Mさんの栄養と水分の停止を認めるものであった場合には
Bland判決をさらに推し進めるものとなると、この記事は警告している。

また、
栄養と水分の供給を医療であるとする点、
殺すことが本人の最善の利益とする点、
永続的植物状態の人への栄養と水分は「無益」とする点の
3点について、この記事はBland判決そのものが誤りであると主張する。

Bland判決は2005年にMCAができてからはMCAの基準とされているが、
04年から05年にかけてのMCA起草時には
安楽死ロビー(現在のDignity in Dying)が関与し、
その文言にも大きな影響を及ぼしており、
栄養と水分は医療だとか、死ぬことが「無益ないのち」を避け
「最善の利益」になるといった考え方は彼らがMCAに盛り込んだものだ、とも。

もう1つこの記事で興味深いこととして、
これまた、よく耳にするHelga Kuhseの1984年9月の
フランスでの死ぬ権利世界連盟の第5回会議での発言が引用されており、

If we can get people to accept the removal of all treatment and care – especially the removal of food and fluids – they will see what a painful way this is to die, and then, in the patient’s best interests, they will accept the lethal injection.’



要するに、
栄養と水分の停止による餓死だと患者は苦しむから
その苦しみを患者に与えないためには、
栄養と水分の停止という消極的な安楽死ではなく
むしろ積極的な安楽死の方が患者の最善の利益にかなう、という話になる、と。

この記事が最も懸念しているのも、
1980年代当時ほどにはあからさまに語られることはないが
栄養と水分の無益な治療としての停止が慣行化していくことは
将来の強制的安楽死への布石だ、と。

で、Bland判決基準を覆すこと、MCAの改定を求めている。

TWO WOMEN IN THEIR 50S WITH SERIOUS BAIN DAMAGE WHOSE RELATIVES WANT THEM DEAD. ONE JUDGE HAS SAID ‘YES’ BUT THE OTHER IS STILL THINKING
National Right to Life News Today, August 2, 2011


まず書いておきたいこととして、
このサイトが懸念している「消極的安楽死は苦しいから
積極的安楽死の方が本人利益」という理屈は
既に、あのサヴレスキュの「臓器提供安楽死」で
その正当化の論拠の1つに用いられている。

(それは消極的安楽死での緩和ケアの問題なので全然正当化になっていないし、
こんな理屈をこねまわすサヴレスキュはアタマが悪いか
読者をナメているかのどっちかだと私は思うけど)


なお、Tony Blandは、
1989年に起きた英国のサッカー史上最大の事故と言われる
ヒルズボロの悲劇の犠牲者の一人。当時18歳。

植物状態となり、医師らと親の訴えを受けて、
裁判所が栄養と水分の中止を本人の最善の利益と認めた。
1993年3月3日に22歳で死去。

Tony BlandのWikipediaはこちら

Wikipediaはかなり詳細なので、後半は読んでいません。
改めて気合を入れて読みたいと思いますが、今の段階では
Bland判決というのは、だいたい米国のクルーザン判決に当たるものか、と
そんな程度のなんとも雑駁な理解で。

ただ、Bland判決の3基準というのは
この記事で漠然とは分かる気がするものの
それでもやはり裁判所の判断を仰ぐ必要はあると書かれている点が、

昨日のエントリーで触れた
「英国では医療職が無益と考える治療を提供する義務はない」という話と
どう結びついているのか、というのが大きな疑問。

けど、疑問が大きすぎて、すぐにどうにかしようという気になれないし
私は別に学者でも研究者でもないし、面倒なので、

Wikipediaをちゃんと読みこめば、その辺りのことも書かれているような気はするのだけど、
どうしても知りたくなる時まで、疑問のまま放っておくことにする。
2011.08.04 / Top↑
2008年にワシントンDCで
障害者ケアの事業所の資金繰りが悪化して
閉鎖に追い込まれるグループホームが相次ぎ、問題になった。

ところが、調べてみたら、
トップが法外な給料を取っていることが判明した……というお粗末があった ↓

DCで障害者入所施設の事業者が相次いで撤退(2008/7/7)
障害者ケア事業所「トップが給料取り過ぎ」(2008/7/11)


今回、NY州でも
障害児・者ケア事業所トップによる
メディケイドからのぼったくりの実態が明らかに。

障害児・者のケアに今年度100億ドルを投入しているNY州で
多くのグループ・ホーム、障害児学校、デイケア、移動サービスを運営する最大の事業所、
the Young Adult Institute Networkの経営者Levys 兄弟がとっていた給料は、
それぞれ年間100万ドル以上と916,647ドル。
他の幹部2人も、それぞれ551,682ドルと578,938ドル。

ちなみに、NYの同規模のNPOのトップの平均給与は
493,000ドルだとか(それもすごいけど)。

Levys兄弟は、それ以外にも、
グループの提携事業所からも年間5万ドルに及ぶ顧問料を受け取っていたほか、
それぞれYoung Adult Institute Networkの費用で高級車を乗り回し、
兄弟の片方の娘がNY大学の大学院在学中の学費ばかりか、
在学中に住むためのマンションの購入費用まで
メディケイドにツケ回していた。

他にも幹部の子ども3人の学費が事業所にツケ回されていた。
総額は132,611ドル。

こうしたNPOの運営資金の95%はメディケイドを含む公費から出ているが、
もともとNPO事業所からメディケイドへの追加請求は審査が緩く、
損失が出たことを訴えれば支払いが受けられる。
例えばYAINが去年、1つのGH(入所者28名)について
メディケイドに追加請求したのは100万ドルで
入所者1人に1日700ドルが追加支給されたことになる。

このLevys兄弟、1970年代にはパッとしないソーシャル・ワーカーだった。

転機が訪れたのは、1972年のWillowbrook州立学校のスキャンダル。
同校はStaten島にあった収容型の障害児学校。
4000人定員のところに6000人詰め込み、その酷いネグレクトの惨状を
ジャーナリストが潜入報道で暴いて社会に大きな衝撃を与えた。

(このスキャンダルについては前に調べたことがあるので、
どこかのエントリーにあるはずなのだけど探しきれない。
英語のWikipediaはこちら)

親たちが起こした訴訟で、裁判所が州に対して、
子どもたちを地域のグループ・ホームに住まわせるように命じたことから、
NY州は資金を投入して76年から79年にかけて100以上のGHを作る。
その運営の担い手として俄かに浮上してきたのが民間のNPOだった。

Levys兄弟はこの社会的なGH急増の波に乗った、というわけ。

とはいえ、当初のYoung Adult Institute Networkの理事会には保護者が多く、
小規模にとどまって丁寧なケアを、との方針だったという。
徐々に、理事会から保護者が減らされ業界の専門家が多数を占めていくにつれ
大規模化、多角化に方針が変わっていく。

そこで政治力を駆使したロビー活動や
医療職を巻き込んで専門的ノウハウをウリにする戦略、
資金集め専門のスタッフの常設など、
経営者として手腕をふるったのがLevys兄弟だった。

大規模事業所として急成長すると同時に、
YAINは業界でも大きな影響力を持つようになり、
州の障害児施策や助成金獲得などにも
強力な発言権を握っていく。

上記以外にも、現場担当者の資格を偽るわ、
資金集めスタッフを“俄か経営陣”として申請するわ、の
YAINの不適切なメディケイド請求の実態は当局も把握しながら
これまでほとんど形式的な指導に終わってきた背景には
業界最大手の持つ強大な影響力があるものと思われ、

2009年にやっと不正請求で訴追したものの
単なる手続き上のミスとして1800万ドルで和解。

今回の報道を受けてやっと重い腰を挙げた州当局がYAINに送った手紙も、
「高級幹部の報酬について一貫性のある合理的なモデル作成」に“協力を求める”ものだとか。

NYTがこの実態を報じた後、Levys兄弟は突然に「引退」。
これまでため込んだ資金で次の事業に打って出ようとしているらしい。

が、YAINでは、
高報酬は優秀なスタッフに働き続けてもらうための手段だと説明。
保護者らの中からも、いいスタッフでいいケアが行われている、満足だとの声も。

Reaping Millions in Nonprofit Care for Disabled
NYT, August 2, 2011


いくつかのことを頭に浮かべながら長い記事を読んだ。

まず、日本でも、障害者支援に限らず介護保険でも、
小規模な事業所は経営が成り立たなくて、
大規模なところしか生き残れないようになりつつあるみたいなので、
規模は違うにしても、似たような構図になっていく懸念はあるんじゃないか、というのと、

(三好春樹さんが「こんにちはぁ、コムスンです」とは何事か、
ヘルパーは人として人と向き合うんだ、「こんにちはぁ、佐藤です」と
名を名乗れ、と怒っていたけど、あれは本当に象徴的な指摘だったと思う)

「民間にできることは民間に」と言われ、
競争原理で民間の活力を注入することがサービスの質を上げるのだと
散々言われたけれど、そこで必然的に起こってくるのは
やっぱり、こういう大手の一人勝ち状態と、
その不正の温床化、行政との馴れ合いなのでは、ということと、

それでも、こうした不正の実態があぶり出される時には
その議論が向かう先は、不正をただして子どもたちを守る方向に行くのではなく、
こういう不正があって血税が無駄にされている、けしからんから
予算をカットしようという方向に話が向かうのでは、との懸念と、

それにしても、やっぱり
米国の障害者福祉はひどい、ひどいと言われつつも
それでも日本よりはベースラインははるかに高いんだなぁ、という感想と、
(詳細は文末にリンク)

最後に、
立場の弱い者のアドボケイトを表看板に、
「弱いものを守るために」使われたり集まったりするカネによって肥え太った人が、
いつのまにか官が気をかねるほどの大きな権力を身につけていく……という構図は、
誰かの周りで起きているグローバルな現象のミニチュア版みたいだ、ということと。



【英国のベースラインについて具体的な情報を含んでいるエントリー】
レスパイト増を断れた重症児の母の嘆きの書き込みがネット世論動かす(英)(2011/1/21)
介護者の10の心得 by the Royal Princess Trust for Cares(2011/5/12)
英国の障害者らが介護サービス削減に抗議して訴訟、大規模デモ(2011/5/11)

【米国のベースラインについて具体的な情報を含んでいるエントリー】
Ashleyケース、やはり支援不足とは無関係かも(2008/12/8)
Obama大統領、在宅生活支援でスタンスを微調整?(2009/6/25)
米国IDEAが保障する重症重複障害児の教育、ベースラインはこんなに高い(2010/6/22)
2011.08.04 / Top↑
英国で50代の女性2人について、それぞれの家族から栄養と水分の引き上げを求めて起こされていた訴訟で、永続的植物状態の女性については裁判所が家族の訴えを認めたが、最少意識状態の女性については9月まで判断を持ち越し。ここには、よく引き合いに出されるTony Bland事件の判例が関わっているらしく、重要な記事。読んだのは読んだけど、もう一度ちゃんと読みこみたい。特に気になる点として、英国の後見法であるMCAの起草に安楽死合法化ロビーが関与していた、という意味の記述がある。
http://www.nationalrighttolifenews.org/news/2011/08/two-women-in-their-50s-with-serious-brain-damage-whose-relatives-want-them-dead-one-judge-has-said-%E2%80%98yes%E2%80%99-but-the-other-is-still-thinking-why/

1日の補遺で第一報を拾った、カナダの最高裁に死ぬ権利要求し法改正求めるthe Farewell Foundation for the Right to Die の訴訟に関する記事が、その後も非常に多数出ているので、いくつか拾っておく。
http://www.vancouversun.com/news/Westminster+right+group+begins+court+challenge+prohibiting+assisted/5194112/story.html
http://www.cbc.ca/news/health/story/2011/08/02/bc-assisted-suicide-lawsuit.html
http://www.ctv.ca/CTVNews/Canada/20110802/farewell-foundation-court-case-110802/
http://www.upi.com/Top_News/World-News/2011/08/02/Canada-again-debates-assisted-suicide/UPI-50381312299658/

この訴訟、何年もかかりそうだ、との声。
http://www.torontosun.com/2011/08/02/right-to-die-challenge-could-take-years-group-says

上記訴訟の原告団の一人Gloria Taylorさんの訴訟でも、早く進行してくれと弁護士が要求。Taylorさん、英国でDebbie Purdyさんが演じた役どころになりそう? ALS患者さん。
http://www.winnipegfreepress.com/breakingnews/126594608.html
http://www.thestar.com/news/canada/article/1033721--fast-track-my-right-to-die-lawsuit-dying-woman-asks-court

英国の地方自治体の予算カットで、障害者や高齢者チャリティはサバイバルに必死。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/aug/02/charities-fight-survival-funds-slashed?CMP=EMCGT_020811&

スペインのサッカー・チーム、バルセロナがゲイツ財団と提携。ポリオ撲滅とワクチン普及で3年間、広告塔に(という表現はもちろん記事ではされていないけど)。:サッカー通の知り合いの情報では、バルセロナは唯一スポンサーを持たないチームで、ユニフォームの提供はユニセフだとのこと。なるほど~、ユニセフ繋がりでしたかぁ。
http://accra-mail.com/index.php?option=com_content&view=article&id=39204:barcelona-and-gates-foundation-announce-partnership-on-polio-and-vaccines&catid=84:sports&Itemid=214
2011.08.04 / Top↑
家族に断りもなく病院が勝手にDNR(蘇生無用)指定にしていたといえば、
カナダのAnnie Farlow事件(2005年に死亡。訴訟は2009年)が思いだされますが、

以下の記事によると、英国では
病院側がDNR指定をするさいに家族への通知は無用とされているとのこと。


今年1月にSunderland Royal Hospitalで
肺炎で亡くなったのは28歳の脳性まひ男性、Carl Winspearさん。

両親が、病院側の対応を不服として地元の国会議員に訴え、
議員が病院幹部に手紙を書いた。

病院の広報官によると、
1月2日、3日にカールさんを担当した医師が
3日の3時に心肺蘇生無用(DNACPR)指定を行ったことを確認。

その判断理由は
心肺停止が起こったとしても、蘇生は成功しないと思われ、
CPRは患者に害をもたらす可能性のある措置で、
近親者が望まない形の死に終る可能性もあるため、
蘇生は患者の最善の利益にならないと判断した、というもの。

DNR指定の際に医療職には家族への通知は求められていないが
カールさんのDNR指定の際、カルテには
「明朝、家族と話し合うこと」と書かれている。

「この話し合いは実際に行われ、
それによってDNACPR指定は取り消されたので
カルテにそのように記録されました」と病院広報官。


ただし、家族が問題にしているのはDNR指定そのものではない。
その点は「蘇生しても無理な状態だったからだと理解している」。

問題にしているのは、
いかに夜中とはいえ重要なことなのに家族に知らせなかったことであり、

母親は「カールは自分で意思表示ができない子なので、
28年間ずっと私が本人に代わって意思決定してきました。
あの晩、その決定が私から奪われたのです」と

親の代理決定権が尊重されなかったことを問題にし、
DNR指定の際には家族に知らせるよう法律を変えるべきだ、と訴えている。

Family wants law changed after Sunderland man’s death
Sunderland Echo, August 3, 2011


いくつか釈然としないのは、

午前3時にDNR指定にしたため
家族を起こすのに忍びなくて翌朝知らせたというけど、

朝までの間に蘇生が必要となるような急変が予想される事態なら
当然、家族には連絡が行くんじゃないかと思うので、午前3時の段階で
カールさんがそれほど切迫した状態だったとは思えない。

① それなら、なにも午前3時に指定しなくても、
翌朝まで待って、家族と話し合ったうえで指定したってよかったのでは?

② それほど切迫した状態でなかったとしたら、
なぜ「心肺停止になっても蘇生は成功しない」と判断できるのだろう?

③ 肺炎で全く同じ身体状態にある、障害のない患者であれば
DNR指定にはならなかった……という可能性は?


英国の無益な治療事件といえば、2009年のBaby RB事件があります。↓
QOL低すぎると障害乳児の生命維持停止求め「無益な治療」訴訟(英)(2009/11/6)


なお、最近どこかで
「英国では医療職が無益と考える治療は行う義務はないとする法律がある」と
読んだ記憶があって、これは要確認情報だと思いつつ、まだ手がついていませんが、

この記事の、
DNR指定を家族に通知することは求められていない、との記述と合致します。

たぶん、いま少しずつ読んでいる Quelletteの著書ではなかったかと思うのですが、
またいずれ確認できたら、改めて。
2011.08.04 / Top↑