カナダのRasouli訴訟、最高裁へ。
http://medicalfutility.blogspot.com/2011/08/cuthbertson-v-rasouli-going-to-supreme.html
【Rasouli裁判のエントリー】
「“治療停止”も“治療”だから同意は必要」とOntario上位裁判所(2011/5/17)
「患者に選択や同意させてて医療がやってられるか」Razouli裁判続報(2011/5/19)
カリフォルニア州の財政難から、倫理問題を起こして病院から懲罰を受けた医師を取り締まる機能が働かず、そうした医師が放置されている。
http://www.propublica.org/blog/item/side-effect-of-fiscal-constraints-dangerous-docs-undiscplined-in-california
NYT。先日からあちこちで出ている、類人猿を安易に実験に使うな、という声。:一部のトランスヒューマ二ストやラディカルなパーソン論者の感覚から行くと、知的レベルが高い大型類人猿の代わりに脳死者や植物状態の人など、“パーソン”ではない人間を実験利用しようという声が起こってきても不思議ではないような気がする。考えるだけでも吐き気がしそうだけども。
Stop Using Chimps as Guinea Pigs: Experiments involving great apes do not make sense scientifically, financially or ethically.
日本の、いってみれば“慈悲殺”の事件報道なのだけど、「承諾得て妻を殺害」というタイトルになっている。:英国で「よくぞ殺した」と言わんばかりの時期があったから、こういうのを見ると、日本の感覚のまっとうさに、ちょっとほっとする。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110812/kyt11081202040001-n1.htm
「私の中のあなた」のレビュー以来、どうもニセモノ臭いなぁと思っていた沢木光太郎の「深夜特急3」についての、まー、胸がすく読後感。このブログに書かれていること、私は団塊の世代の左翼男性の密かな(屈折した?)権威主義に通じていくような気がして、快哉を叫びつつ読んだ。
http://keiko5.blog108.fc2.com/blog-entry-55.html
2014年から2015年にかけて、NHSの費用が英国の歳出の30%くらいに上る。
http://www.sterilizationvictims.nc.gov/
英国で喘息とか糖尿病などに気付かずに、新生児が死亡するケースが増えている。:かなり気になるニュース。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/aug/09/uk-childbirth-deaths-underlying-illness
MRIとかCTなどの検査を13週間以上待っている患者が英国で9倍に。6週間以上待っている患者は4倍に。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/aug/10/nhs-waiting-times?CMP=EMCGT_110811&
アルツハイマー病を予防する薬、5年以内に。:治療薬よりも予防薬の方が早く?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/232507.php
http://medicalfutility.blogspot.com/2011/08/cuthbertson-v-rasouli-going-to-supreme.html
【Rasouli裁判のエントリー】
「“治療停止”も“治療”だから同意は必要」とOntario上位裁判所(2011/5/17)
「患者に選択や同意させてて医療がやってられるか」Razouli裁判続報(2011/5/19)
カリフォルニア州の財政難から、倫理問題を起こして病院から懲罰を受けた医師を取り締まる機能が働かず、そうした医師が放置されている。
http://www.propublica.org/blog/item/side-effect-of-fiscal-constraints-dangerous-docs-undiscplined-in-california
NYT。先日からあちこちで出ている、類人猿を安易に実験に使うな、という声。:一部のトランスヒューマ二ストやラディカルなパーソン論者の感覚から行くと、知的レベルが高い大型類人猿の代わりに脳死者や植物状態の人など、“パーソン”ではない人間を実験利用しようという声が起こってきても不思議ではないような気がする。考えるだけでも吐き気がしそうだけども。
Stop Using Chimps as Guinea Pigs: Experiments involving great apes do not make sense scientifically, financially or ethically.
日本の、いってみれば“慈悲殺”の事件報道なのだけど、「承諾得て妻を殺害」というタイトルになっている。:英国で「よくぞ殺した」と言わんばかりの時期があったから、こういうのを見ると、日本の感覚のまっとうさに、ちょっとほっとする。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110812/kyt11081202040001-n1.htm
「私の中のあなた」のレビュー以来、どうもニセモノ臭いなぁと思っていた沢木光太郎の「深夜特急3」についての、まー、胸がすく読後感。このブログに書かれていること、私は団塊の世代の左翼男性の密かな(屈折した?)権威主義に通じていくような気がして、快哉を叫びつつ読んだ。
http://keiko5.blog108.fc2.com/blog-entry-55.html
2014年から2015年にかけて、NHSの費用が英国の歳出の30%くらいに上る。
http://www.sterilizationvictims.nc.gov/
英国で喘息とか糖尿病などに気付かずに、新生児が死亡するケースが増えている。:かなり気になるニュース。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/aug/09/uk-childbirth-deaths-underlying-illness
MRIとかCTなどの検査を13週間以上待っている患者が英国で9倍に。6週間以上待っている患者は4倍に。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/aug/10/nhs-waiting-times?CMP=EMCGT_110811&
アルツハイマー病を予防する薬、5年以内に。:治療薬よりも予防薬の方が早く?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/232507.php
2011.08.13 / Top↑
この衝撃的なNYTの記事を書いているのはMinnesota大学の生命倫理学者。
こういう生命倫理学者もいると知ると、ほっとしますが、
それにしてもショッキングな「タネまき治験」の実態――。
「タネまき治験」とは表向きは通常の治験を装いつつ、
その実、既に認可されていて、さらに治験を行う必要もない薬を
ただ医師らに周知させるためのマーケッティング戦略として行われるもので、
通常、数百人の医師を選んで参加させ、
リクルートした患者一人当たりで報酬が支払われる。
研究期間が長くなれば、それだけ医師はその薬に馴染んで、
研究終了後にも処方する確率が上がる。それが狙い。
しかし、
科学的な必要もメリットもほとんどない研究に参加させられる患者の中には
犠牲になる人もある。
例えば先月、内科学会誌に報告された
Pfizerによるてんかんの治療薬 Neurontinの「タネまき実験」では、
研究者らが未熟だったことに加えて研究デザインにも問題があり、
2700人の被験者の内、11人が死に、73人以上が「深刻な副作用」を経験したという。
それでも大きなニュースになることもなく、懲罰も謝罪もなく
国の生命倫理委員会が調査に入るという動きもない。
その理由1つは「タネまき治験」に過ぎないから。
そんな「タネまき治験」がこのところ急増しているという。
しかし、DFAが「タネまき治験」は研究とみなさないので、
恐ろしいことに、どの程度行われているか実態は誰にも分からない。
例えば、2004年度の抗うつ薬Lexaproの「マーケティング計画」では、
「マーケティング戦略」の項目に102件のフェーズ4治験が挙げられている。
(「タネまき治験」は登録上はフェーズ4として扱われる)
また、メルク社のやった悪名高いAdvantage実験なるものもある。
訴訟の文書によると
メルク社のマーケッティング部門が行った鎮痛剤Vioxxの「タネまき治験」Advantageは
考案も運用もメルク社のマーケティング部によるものだった。
3人の被験者が死に、5人が心臓マヒをおこした。
それでもVioxxが認可済みであり違法な治験ではないことから、
DFAはこれを研究スキャンダルとはみなさず、
タネまき治験の憂慮すべき実態が明らかになっても懲罰も行っていない。
私はぜんぜん読めていないけど、
Advantage実験についてはこちら。
どうやら、あれこれ曰くつきの骨粗鬆症がらみ?
かつて、治験は研究機関が行うものだったが、
1990年代から製薬会社は民間に請け負わせてコスト削減を図り始めた。
そこで、治験を進める動機が知見から利益へと移っていく。
それにつれて、被験者の人権を守るための機関であるはずの組織内審査委員会IRBまでが
それ自体が営利団体となり、果ては研究のスポンサーによって雇われる始末。
あるIRBの審査が厳しければ、別のIRBの審査を受ければよい、というのが実情。
連邦政府が被験者保護のための規制を見直すといっているが
IRBには膨大なカネが絡んだグローバルな民間企業の研究を監督する力がないことを
そろそろ正面から認めて、金銭的にも政治的にも独立した監査システムを作るべきだ、と
著者は提言している。
記事タイトルは「何の役にも立たない研究、リアルな害」。
Useless Studies, Real Harm
The New York Times, July 28, 2011
IRBが既に民間企業の営利事業になって、
研究対象になる薬や技術の販売元が直接雇っていたり、
カネによってどうにでも影響・操作できる存在に堕している実態の詳細は
2007年に以下の事件で読み、衝撃を受けた記憶があります ↓
遺伝子治療で死者(2007/8/6)
遺伝子治療で死者 続報(審査委員会は民間企業?)(2007/8/7)
死者出た遺伝子治療実験に再開許可(2007/1126)
以下は、関係があるかもしれないエントリー ↓
GSKが日本で7~17歳を対象にパキシルの臨床実験、現在“参加者をリクルート”中(2010/6/12)
ゲイツ財団がコークとマックに投資することの怪、そこから見えてくるもの(2011/3/9)
(ビッグ・ファーマが途上国を人体実験場にしている実態が、ここに少し)
“エレファントマン薬物実験”の怪(2008/6/30)
ファイザー製薬ナイジェリアの子どもに違法な治験、11人が死亡(2009/2/1)
こういう生命倫理学者もいると知ると、ほっとしますが、
それにしてもショッキングな「タネまき治験」の実態――。
「タネまき治験」とは表向きは通常の治験を装いつつ、
その実、既に認可されていて、さらに治験を行う必要もない薬を
ただ医師らに周知させるためのマーケッティング戦略として行われるもので、
通常、数百人の医師を選んで参加させ、
リクルートした患者一人当たりで報酬が支払われる。
研究期間が長くなれば、それだけ医師はその薬に馴染んで、
研究終了後にも処方する確率が上がる。それが狙い。
しかし、
科学的な必要もメリットもほとんどない研究に参加させられる患者の中には
犠牲になる人もある。
例えば先月、内科学会誌に報告された
Pfizerによるてんかんの治療薬 Neurontinの「タネまき実験」では、
研究者らが未熟だったことに加えて研究デザインにも問題があり、
2700人の被験者の内、11人が死に、73人以上が「深刻な副作用」を経験したという。
それでも大きなニュースになることもなく、懲罰も謝罪もなく
国の生命倫理委員会が調査に入るという動きもない。
その理由1つは「タネまき治験」に過ぎないから。
そんな「タネまき治験」がこのところ急増しているという。
しかし、DFAが「タネまき治験」は研究とみなさないので、
恐ろしいことに、どの程度行われているか実態は誰にも分からない。
例えば、2004年度の抗うつ薬Lexaproの「マーケティング計画」では、
「マーケティング戦略」の項目に102件のフェーズ4治験が挙げられている。
(「タネまき治験」は登録上はフェーズ4として扱われる)
また、メルク社のやった悪名高いAdvantage実験なるものもある。
訴訟の文書によると
メルク社のマーケッティング部門が行った鎮痛剤Vioxxの「タネまき治験」Advantageは
考案も運用もメルク社のマーケティング部によるものだった。
3人の被験者が死に、5人が心臓マヒをおこした。
それでもVioxxが認可済みであり違法な治験ではないことから、
DFAはこれを研究スキャンダルとはみなさず、
タネまき治験の憂慮すべき実態が明らかになっても懲罰も行っていない。
私はぜんぜん読めていないけど、
Advantage実験についてはこちら。
どうやら、あれこれ曰くつきの骨粗鬆症がらみ?
かつて、治験は研究機関が行うものだったが、
1990年代から製薬会社は民間に請け負わせてコスト削減を図り始めた。
そこで、治験を進める動機が知見から利益へと移っていく。
それにつれて、被験者の人権を守るための機関であるはずの組織内審査委員会IRBまでが
それ自体が営利団体となり、果ては研究のスポンサーによって雇われる始末。
あるIRBの審査が厳しければ、別のIRBの審査を受ければよい、というのが実情。
連邦政府が被験者保護のための規制を見直すといっているが
IRBには膨大なカネが絡んだグローバルな民間企業の研究を監督する力がないことを
そろそろ正面から認めて、金銭的にも政治的にも独立した監査システムを作るべきだ、と
著者は提言している。
記事タイトルは「何の役にも立たない研究、リアルな害」。
Useless Studies, Real Harm
The New York Times, July 28, 2011
IRBが既に民間企業の営利事業になって、
研究対象になる薬や技術の販売元が直接雇っていたり、
カネによってどうにでも影響・操作できる存在に堕している実態の詳細は
2007年に以下の事件で読み、衝撃を受けた記憶があります ↓
遺伝子治療で死者(2007/8/6)
遺伝子治療で死者 続報(審査委員会は民間企業?)(2007/8/7)
死者出た遺伝子治療実験に再開許可(2007/1126)
以下は、関係があるかもしれないエントリー ↓
GSKが日本で7~17歳を対象にパキシルの臨床実験、現在“参加者をリクルート”中(2010/6/12)
ゲイツ財団がコークとマックに投資することの怪、そこから見えてくるもの(2011/3/9)
(ビッグ・ファーマが途上国を人体実験場にしている実態が、ここに少し)
“エレファントマン薬物実験”の怪(2008/6/30)
ファイザー製薬ナイジェリアの子どもに違法な治験、11人が死亡(2009/2/1)
2011.08.13 / Top↑
先週、ミュウを迎えに行ったら、
重心施設に向かう廊下でスタッフの一人とばったり出くわした。
「この前、プールで遊んだんですよ」
「えっ?」
いきなり聞かされたものだから、心底、仰天した。
「夏にプール」で仰天するなんて、大げさな……と思われるかもしれないけど、
寝たきりの大人サイズの体がねじれていたり、ねじれたなりに硬直していたりする
重い障害のある人と介護者にとって、プールに入る(入れる)というのが、どれだけ大変なことか……。
ミュウが小さなうちは、我が家でも夏になれば海にも連れて行ったし、
家の前に親子3人が余裕で遊べるほど大きなプールを組み立てもした。
おむすびをいっぱい作っておいて、プールで遊んだ後は
濡れたままの身体で、ビーチパラソルの下で、おむすびを頬張る。
そういうのが我が家の夏の定番だった。
6歳の頃だったか、
どうしても上がらないと言い張るので、ついつい遊ばせていたら
唇が青ざめてきたので、ついに強制退去に及び、
プールから引きあげて玄関のタオルの上に下ろしたとたんに、
近所中に響き渡るどでかい抗議の泣き声を放ち、
そのまま長い間盛大に泣き続けた年があった。
言葉を持たない子が
「まだ、やるんだぁぁぁぁ!!!」
「なんで、勝手にやめるんだぁぁぁぁ!!」
「こんなの許せないぃぃぃぃぃ!!!」と
仰向けで空中に地団太踏みながら猛烈に怒りまくっていた。
本人に聞くと「覚えていない」フリをしているけど
夏になると父と母の間で必ず出てくる思い出話だ。
学校に上がってからは、
毎年、授業で何回かスポーツセンターの温水プールに入れてもらって、
そのたびにミュウはホンモノのプールでごきげんだった。
小学校時代には、夏休みに家でプールを出す時に、
担任が水着を持ってきて一緒に遊んだこともあった。
でも、中学校、高校と体が大きくなるにつれ、
家の前にプールを出すことは少なくなっていった。
準備もそれなりに大変なのだけれど、これは元気なうちにルンルンとやるからいい。
水に入った後、どっと重たく疲れた体での後片付けが、実はものすごくしんどい。
それから、ここは実際に障害のある子どもと生活している人でなければ
なかなか分かってもらえないところだろうけど、
プール遊びの後にも、子どもの介護は常と同じく続くので、
着替え、オムツ交換、車イスへのトランスファー、食事作り、食事介助、
食事の後片付けと並行して薬を飲ませて、歯を磨いて顔を拭いて、
トランスファー、オムツ交換、着替えて、トランスファー、本を読んで、寝かせて、
一緒に寝て、夜の間、何度か寝がえりをさせて、喉が乾いたと言えば
夜中に起きだして冷蔵庫に取りに行って飲ませて、またオムツを替えて、
寝てくれるかと思ったら2時や3時にキャピキャピされて
虐待に及びそうな自分を必死で抑制し、そのことにさらにぐったりとし……と
非日常的なことをやって非日常的な疲れ方をしてしまったからといって
省略できることはないし(さすがにプールに入った日はシャワーだけはパス)
誰か替わってくれる人がいるわけでもなく、
重く疲れた体を娘の幸せそうな笑顔で励ましながら
父と母とでいつもと同じようにこなしていくしかない。
で、学校でホンモノのプールに入れてもらうのをいいことに、
だんだんと我が家のプールには出番がなくなっていった。
高等部を卒業するころには、
親の方も通常の介護で腰やひざをやられることが増えて来て、
もうプールなんて考えられなかった。
高等部を卒業した次の年だったか、その次だったか、
施設の方で何人かずつ順番に室内プールへ連れて行ってくださったけれど、
コイズミ政権の露骨な福祉切り捨てからこっち
年々ジリジリと職員の数は減り、残った職員の半数以上がいつのまにか非正規となって、
どうかすると、みんな、目の下にクマを作って働いておられる。
そんな姿を見ていると、
ミュウの人生で、夏にプール遊びができる季節そのものが
もう終わったんだなぁ……と、なんとなく思っていた。
2年前に
「たぶん親も本人も体力的に最後のチャンスだから」とUSJ旅行を敢行したのと同じような意味合いで、
「夏にプールで遊ぶ」という時間も、もうミュウにはないのだろうな、と漠然と思っていた。
そして、そんなことを思うたびに、
大事な宝物を手のひらで転がしていとおしむみたいに
玄関で抗議の爆泣きを続けた、あのミュウの姿を思い出しては夫婦で懐かしんでみたりする。
だから、この夏のはじめに、
園の駐車場の一角に、真新しい大きな組み立て式プールが出現した時にも、
療育園の隣にある肢体不自由児施設が設置したプールだというのはすぐに分かったし、
それは我が子とは無関係なものとして、特に意識して目を止めることもなかった。
なので、廊下で出会いがしらに「プールで遊びました」と聞かされて、
本当に、心底、仰天してしまった、というわけなのです。
「もう何年も、園ではそういうことをしていないし、
こういう言い方もナンですけど、もうちょっと年をとってくると
入りたくても体力的に入れなくなったりもするから、
若い人たちだけでも、今の内に入れてあげたいということになって……」
思わず、じん、と涙ぐんでしまった。
この人たちだって、過酷な労働環境で、
日常の普通の仕事をこなすだけでも疲れ果てているのに、
こんな猛暑の夏に、そこに追加して、そんなハードな計画を……と
思うと、心の底からありがたくて、
そして、そのおかげで、
もう二度とプールに入ることなどないだろうと諦めていたウチの子が
また、そういう経験ができたんだ、楽しかったんだ、と思うと
じん……と嬉しさが心に沁みてきて。
「ミュウさん、大喜びで、キャーキャー言ってました。
金魚すくいのポイが気に入って、頑として放さないんですよ」
そこで、また我々夫婦は「あれは、たしか6歳の夏に……」
例の抗議の大号泣の思い出話をひとくさり。
大笑いしつつ、喋りながらまた涙ぐみつつ、
ひょいっと抱き上げれば、どこへでも行け
何でもさせてやれた昔のヒトコマを披露する。
療育園に行くと、いつもの連絡ノートにプール遊びの写真が3枚はさんであった。
オシャレな水着を着せてもらい、浮き輪に入って職員さんに支えられているミュウ。
口をとがらせて、ポイでプラスチックの金魚を掬いにいくのに熱中している。
水をバシャバシャさせながら顔全体で「ギャッハー」と喜ぶミュウと、
ミュウの隣で大きな浮き輪に入ってくつろぐ、40代のヨーコさん。
その向こうで、何が気に入らないのか、ぶすっとふくれ面になっている、みっちゃん。
そして、最後の写真は、
和やかな表情で、ゆらゆら水を楽しんでいるミュウ。
そこにいるウチの娘は、親にはあまり見せることのない23歳の「女性」の顔をしていた。
穏やかな時間、ゆらぐ水面に夏の陽がキラキラして……。
もちろん目の前にいるミュウの笑顔は
いつだって母を一番ハッピーにしてくれるマジックなのだけれど、
いつからか、親の知らないミュウの時間の中で、この子が見せる笑顔やくつろいだ表情に
何よりもかけがえのない嬉しいものを母は感じるようになった。
その写真を何度も繰り返し眺めながら、つくづく思う。
QOLを決めるのは、その人の障害の種類や程度じゃない。
QOLは、周りにいる人たちの、その人への思いが決める――。
そして、たぶん、その思いを実現可能にする社会資源とが――。
その後、父と母はお盆休みに向けて、町に家庭用のプールを探しに行きました。
ミュウが体を伸ばして入れるサイズでは売れ残りの最後の一つだったため、
ラッキーなことに半額でゲット。
昨夜も腰に湿布を貼って寝たことを思えば、
あはは。もう、ほとんど「決死の覚悟」です。
加えて、これだけ酷暑だと、
本当に外で遊べるかどうかも分からない。
でもね。
昔のようにプールを用意して、
梅干しと昆布と海苔と沢庵もそろえて、
お盆にいつもよりちょっとだけゆっくり家に帰ってくるミュウを待ちたかったんだ。今年は――。
重心施設に向かう廊下でスタッフの一人とばったり出くわした。
「この前、プールで遊んだんですよ」
「えっ?」
いきなり聞かされたものだから、心底、仰天した。
「夏にプール」で仰天するなんて、大げさな……と思われるかもしれないけど、
寝たきりの大人サイズの体がねじれていたり、ねじれたなりに硬直していたりする
重い障害のある人と介護者にとって、プールに入る(入れる)というのが、どれだけ大変なことか……。
ミュウが小さなうちは、我が家でも夏になれば海にも連れて行ったし、
家の前に親子3人が余裕で遊べるほど大きなプールを組み立てもした。
おむすびをいっぱい作っておいて、プールで遊んだ後は
濡れたままの身体で、ビーチパラソルの下で、おむすびを頬張る。
そういうのが我が家の夏の定番だった。
6歳の頃だったか、
どうしても上がらないと言い張るので、ついつい遊ばせていたら
唇が青ざめてきたので、ついに強制退去に及び、
プールから引きあげて玄関のタオルの上に下ろしたとたんに、
近所中に響き渡るどでかい抗議の泣き声を放ち、
そのまま長い間盛大に泣き続けた年があった。
言葉を持たない子が
「まだ、やるんだぁぁぁぁ!!!」
「なんで、勝手にやめるんだぁぁぁぁ!!」
「こんなの許せないぃぃぃぃぃ!!!」と
仰向けで空中に地団太踏みながら猛烈に怒りまくっていた。
本人に聞くと「覚えていない」フリをしているけど
夏になると父と母の間で必ず出てくる思い出話だ。
学校に上がってからは、
毎年、授業で何回かスポーツセンターの温水プールに入れてもらって、
そのたびにミュウはホンモノのプールでごきげんだった。
小学校時代には、夏休みに家でプールを出す時に、
担任が水着を持ってきて一緒に遊んだこともあった。
でも、中学校、高校と体が大きくなるにつれ、
家の前にプールを出すことは少なくなっていった。
準備もそれなりに大変なのだけれど、これは元気なうちにルンルンとやるからいい。
水に入った後、どっと重たく疲れた体での後片付けが、実はものすごくしんどい。
それから、ここは実際に障害のある子どもと生活している人でなければ
なかなか分かってもらえないところだろうけど、
プール遊びの後にも、子どもの介護は常と同じく続くので、
着替え、オムツ交換、車イスへのトランスファー、食事作り、食事介助、
食事の後片付けと並行して薬を飲ませて、歯を磨いて顔を拭いて、
トランスファー、オムツ交換、着替えて、トランスファー、本を読んで、寝かせて、
一緒に寝て、夜の間、何度か寝がえりをさせて、喉が乾いたと言えば
夜中に起きだして冷蔵庫に取りに行って飲ませて、またオムツを替えて、
寝てくれるかと思ったら2時や3時にキャピキャピされて
虐待に及びそうな自分を必死で抑制し、そのことにさらにぐったりとし……と
非日常的なことをやって非日常的な疲れ方をしてしまったからといって
省略できることはないし(さすがにプールに入った日はシャワーだけはパス)
誰か替わってくれる人がいるわけでもなく、
重く疲れた体を娘の幸せそうな笑顔で励ましながら
父と母とでいつもと同じようにこなしていくしかない。
で、学校でホンモノのプールに入れてもらうのをいいことに、
だんだんと我が家のプールには出番がなくなっていった。
高等部を卒業するころには、
親の方も通常の介護で腰やひざをやられることが増えて来て、
もうプールなんて考えられなかった。
高等部を卒業した次の年だったか、その次だったか、
施設の方で何人かずつ順番に室内プールへ連れて行ってくださったけれど、
コイズミ政権の露骨な福祉切り捨てからこっち
年々ジリジリと職員の数は減り、残った職員の半数以上がいつのまにか非正規となって、
どうかすると、みんな、目の下にクマを作って働いておられる。
そんな姿を見ていると、
ミュウの人生で、夏にプール遊びができる季節そのものが
もう終わったんだなぁ……と、なんとなく思っていた。
2年前に
「たぶん親も本人も体力的に最後のチャンスだから」とUSJ旅行を敢行したのと同じような意味合いで、
「夏にプールで遊ぶ」という時間も、もうミュウにはないのだろうな、と漠然と思っていた。
そして、そんなことを思うたびに、
大事な宝物を手のひらで転がしていとおしむみたいに
玄関で抗議の爆泣きを続けた、あのミュウの姿を思い出しては夫婦で懐かしんでみたりする。
だから、この夏のはじめに、
園の駐車場の一角に、真新しい大きな組み立て式プールが出現した時にも、
療育園の隣にある肢体不自由児施設が設置したプールだというのはすぐに分かったし、
それは我が子とは無関係なものとして、特に意識して目を止めることもなかった。
なので、廊下で出会いがしらに「プールで遊びました」と聞かされて、
本当に、心底、仰天してしまった、というわけなのです。
「もう何年も、園ではそういうことをしていないし、
こういう言い方もナンですけど、もうちょっと年をとってくると
入りたくても体力的に入れなくなったりもするから、
若い人たちだけでも、今の内に入れてあげたいということになって……」
思わず、じん、と涙ぐんでしまった。
この人たちだって、過酷な労働環境で、
日常の普通の仕事をこなすだけでも疲れ果てているのに、
こんな猛暑の夏に、そこに追加して、そんなハードな計画を……と
思うと、心の底からありがたくて、
そして、そのおかげで、
もう二度とプールに入ることなどないだろうと諦めていたウチの子が
また、そういう経験ができたんだ、楽しかったんだ、と思うと
じん……と嬉しさが心に沁みてきて。
「ミュウさん、大喜びで、キャーキャー言ってました。
金魚すくいのポイが気に入って、頑として放さないんですよ」
そこで、また我々夫婦は「あれは、たしか6歳の夏に……」
例の抗議の大号泣の思い出話をひとくさり。
大笑いしつつ、喋りながらまた涙ぐみつつ、
ひょいっと抱き上げれば、どこへでも行け
何でもさせてやれた昔のヒトコマを披露する。
療育園に行くと、いつもの連絡ノートにプール遊びの写真が3枚はさんであった。
オシャレな水着を着せてもらい、浮き輪に入って職員さんに支えられているミュウ。
口をとがらせて、ポイでプラスチックの金魚を掬いにいくのに熱中している。
水をバシャバシャさせながら顔全体で「ギャッハー」と喜ぶミュウと、
ミュウの隣で大きな浮き輪に入ってくつろぐ、40代のヨーコさん。
その向こうで、何が気に入らないのか、ぶすっとふくれ面になっている、みっちゃん。
そして、最後の写真は、
和やかな表情で、ゆらゆら水を楽しんでいるミュウ。
そこにいるウチの娘は、親にはあまり見せることのない23歳の「女性」の顔をしていた。
穏やかな時間、ゆらぐ水面に夏の陽がキラキラして……。
もちろん目の前にいるミュウの笑顔は
いつだって母を一番ハッピーにしてくれるマジックなのだけれど、
いつからか、親の知らないミュウの時間の中で、この子が見せる笑顔やくつろいだ表情に
何よりもかけがえのない嬉しいものを母は感じるようになった。
その写真を何度も繰り返し眺めながら、つくづく思う。
QOLを決めるのは、その人の障害の種類や程度じゃない。
QOLは、周りにいる人たちの、その人への思いが決める――。
そして、たぶん、その思いを実現可能にする社会資源とが――。
その後、父と母はお盆休みに向けて、町に家庭用のプールを探しに行きました。
ミュウが体を伸ばして入れるサイズでは売れ残りの最後の一つだったため、
ラッキーなことに半額でゲット。
昨夜も腰に湿布を貼って寝たことを思えば、
あはは。もう、ほとんど「決死の覚悟」です。
加えて、これだけ酷暑だと、
本当に外で遊べるかどうかも分からない。
でもね。
昔のようにプールを用意して、
梅干しと昆布と海苔と沢庵もそろえて、
お盆にいつもよりちょっとだけゆっくり家に帰ってくるミュウを待ちたかったんだ。今年は――。
2011.08.13 / Top↑
恐らく世界で初めてではないか、と言われているらしい、イスラエルの判決で、
交通事故で死んだ17歳の少女から、
卵子を採取、冷凍保存することが家族に認められた。
凍結胚の方が凍結卵子よりも着床率がよいため、
家族はドナーの精子を使って胚にした上で冷凍保存することを望んだが、
そちらの望みは認められなかった。
すでに採取と冷凍保存は終わっているとのこと。
少女の名前は Chen Aida Ayashさん。
「事故から1週間後に亡くなった」後で、
家族は臓器提供に同意し、
さらに卵子の採取などへの許可を裁判所に求めたもの。
今回、家族の要望の理由や動機は一切公表されていないが、
イスラエルで New Family という家族の権利アドボケイト団体を
立ち上げた弁護士 Irit Rosenblum氏は
問題は本人の同意だろう、と。
たとえ17歳であっても、
子どもを産んで子孫を残したいという望みを口にしていたとすれば、
そして「それを家族が事実として証明できれば、
特に許可しない理由は見当たりません」
男性の精子が死後に採取された前例は沢山あり、
イスラエルでも2007年に代理母を利用して孫がほしいと
望んだ両親の願いがかなえられたケースもあるし、
今年初めにも、さらに1家族から
亡くなった息子の精子で孫がほしいと訴訟が起きている。
Rosenblum氏は Ayashさんの卵子で子どもを作るには
生物学上の父親が育てることが条件になる必要がある、
子どもにとっては匿名のドナーの生殖子よりも
自分の生物学上のつながりが分かる方が望ましいから、と。
最近あったケースで、
IVFで複数の胚を作ったところで妻の方にがんが分かった夫婦がおり、
妻の死後2年経って、子どもを作ろうとした妻との約束を果たそうとしたが
イスラエルの法律は代理母を認めず、男性は米国へ。
Rosenblum氏によれば、この子どもは
生物学上の母親の死後長い時間が経ってから生まれた世界で初めての子どもだとのこと。
Israeli family can freeze eggs of daughter killed in road accident
Guardian, August 8, 2011
「事故から1週間後に亡くなった」という表現に続いて
「水曜日に脳死と診断された」という表現が使われており、
その両者がどういう関係にあるのか、は不明。
また、提供された臓器は複数形になっているけれど、
どの臓器が提供されたのかも不明。
【関連エントリー】
「死んだ息子の精子で代理母たのみ孫がほしい」認められず(2009/3/5)
「死んだ息子の子どもがほしい」母に裁判所が遺体からの精子採取を認める(TX州)(2009/4/17)
亡き夫の精子は妻の“財産”(2011/5/24)
ドナーカード保持者に臓器移植の優先権(イスラエル)(2009/12/17)
映画「ジェニンのココロ」: イスラエル兵に殺されたパレスチナの少年の臓器をイスラエルの子どもに移植(2011/4/14)
交通事故で死んだ17歳の少女から、
卵子を採取、冷凍保存することが家族に認められた。
凍結胚の方が凍結卵子よりも着床率がよいため、
家族はドナーの精子を使って胚にした上で冷凍保存することを望んだが、
そちらの望みは認められなかった。
すでに採取と冷凍保存は終わっているとのこと。
少女の名前は Chen Aida Ayashさん。
「事故から1週間後に亡くなった」後で、
家族は臓器提供に同意し、
さらに卵子の採取などへの許可を裁判所に求めたもの。
今回、家族の要望の理由や動機は一切公表されていないが、
イスラエルで New Family という家族の権利アドボケイト団体を
立ち上げた弁護士 Irit Rosenblum氏は
問題は本人の同意だろう、と。
たとえ17歳であっても、
子どもを産んで子孫を残したいという望みを口にしていたとすれば、
そして「それを家族が事実として証明できれば、
特に許可しない理由は見当たりません」
男性の精子が死後に採取された前例は沢山あり、
イスラエルでも2007年に代理母を利用して孫がほしいと
望んだ両親の願いがかなえられたケースもあるし、
今年初めにも、さらに1家族から
亡くなった息子の精子で孫がほしいと訴訟が起きている。
Rosenblum氏は Ayashさんの卵子で子どもを作るには
生物学上の父親が育てることが条件になる必要がある、
子どもにとっては匿名のドナーの生殖子よりも
自分の生物学上のつながりが分かる方が望ましいから、と。
最近あったケースで、
IVFで複数の胚を作ったところで妻の方にがんが分かった夫婦がおり、
妻の死後2年経って、子どもを作ろうとした妻との約束を果たそうとしたが
イスラエルの法律は代理母を認めず、男性は米国へ。
Rosenblum氏によれば、この子どもは
生物学上の母親の死後長い時間が経ってから生まれた世界で初めての子どもだとのこと。
Israeli family can freeze eggs of daughter killed in road accident
Guardian, August 8, 2011
「事故から1週間後に亡くなった」という表現に続いて
「水曜日に脳死と診断された」という表現が使われており、
その両者がどういう関係にあるのか、は不明。
また、提供された臓器は複数形になっているけれど、
どの臓器が提供されたのかも不明。
【関連エントリー】
「死んだ息子の精子で代理母たのみ孫がほしい」認められず(2009/3/5)
「死んだ息子の子どもがほしい」母に裁判所が遺体からの精子採取を認める(TX州)(2009/4/17)
亡き夫の精子は妻の“財産”(2011/5/24)
ドナーカード保持者に臓器移植の優先権(イスラエル)(2009/12/17)
映画「ジェニンのココロ」: イスラエル兵に殺されたパレスチナの少年の臓器をイスラエルの子どもに移植(2011/4/14)
2011.08.13 / Top↑
これはAshley事件との関連で重要な事件なので、spitzibara以外に関心のある人はないかもしれないけど、トップに。避妊薬のピルが原因で血栓症を起こし、35歳の女性が死亡。英国。:女性ホルモンを6歳の女児に「大量投与」しておいて、「そのリスクは、成人女性が避妊薬を飲む際に喜んで引き受ける程度のものに過ぎません」とCNNで放言したのがDiekema。
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2024068/Carer-35-dies-blood-clot-caused-birth-control-pill.html?ito=feeds-newsxml
[解説]「5大疾病」に位置づけ(yomiDr.)「大阪市で先月開かれた日本うつ病学会総会で、講演した複数の精神科医が『抗うつ薬の販路拡大を目指す製薬会社のキャンペーンに影響され、診断が過剰になった側面がある』と語った。「今回のうつ病学会総会で製薬会社がPRに最も力を入れたのは、そうとうつ状態を繰り返す『双極性障害』だった。ある精神科医は、会場でこう皮肉った。『製薬会社の活動で、今度は双極性障害の“患者”が急増するだろう』:この問題に限らず、日本のお医者さんたちの多くは米国で起こってきた醜いスキャンダルの数々、その背景にビッグ・ファーマの人命軽視の利益至上主義があることについて、知らないわけではないだろうと思うのだけど、なぜ、こういう声がもっと早くに上がってこないのだろう。英語圏で報道されている内容をこのブログでそのまま流しただけでも、それに逆上して「じゃぁ、オマエが解決策を示してみろ」とか「患者の分際で余計な情報を流すな」とばかりに怒鳴りこんでこられる医師の方があるけれど、現場の医師にとって、ご自身の臨床のエビデンスが操作されていたり信頼できない可能性があるという話ならば、腹を立てなければならない相手が違うのではないか、といつも思う。
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=45254
上の記事を読んでから、もう一度、こういうの読んでみて ↓
子宮頸がんワクチンの失神は「ドキドキするから」?(2011/8/5)
日本でもガーダシル導入へ、厚労省当該部会の議論の怪 1(2011/8/5)
日本でもガーダシル導入へ、厚労省当該部会の議論の怪 2(2011/8/5)
この流れで、どうしてもイヤ~な予感がする記事なので、昨日の補遺から以下に再掲 ↓
時間差で phentermine と topiramateが効いていくQNEXAというカプセル薬を飲むと、食欲が減退して、肥満や糖尿病、睡眠時無呼吸症候群の人でQOLが有意に上がった……って。:あの~、フェンタミンって向精神薬だったんでは……? 【追記】検索してみたらトピラマートも、抗てんかん薬だった!:ビッグ・ファーマ、今度はこういう路線の企みを???? それ、ものすごく恐ろしい話なのでは? まるで医療はビッグ・ファーマによるマーケット創出のフィールドに過ぎないかのように……。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/232383.php
子どものねむり見直して 専門医が解説書(神戸新聞):これも、あれこれ、上記の関連その他、気になる表現が……。
http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/0004345403.shtml
ソマリアの飢饉への英国内の支援の呼び掛けに反応が鈍い。犠牲者の数はソマリアの方がはるかに多いにもかかわらず、アジアの津波被害への募金ほども集まっていないとか。:これ読んで、ふっと思ったんだけど、ゲイツ財団って災害の被災地へは興味を示さないなぁ……。私が知らないだけかしら。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/aug/08/somalia-famine-appeal-raises-less?CMP=EMCGT_100811&
誰に聞かされるまでもなく、ビル・ゲイツがウォーレン・バフェットだけでなくメディア王のルパート・マードックとも親しい仲だろうというのは想像はついていたけれど、ゲイツ氏、ニューズ社と連携して米国の教育改革の一端として、新たな教育アプリの開発に乗り出す。:これまでの発言から推測するに(詳細は以下のリンクに)、たぶん、どんな教師が教えても理論的には同じだけの成果が上がることになるデジタル教育アプリがイメージされているのだろうと思う。だから、このアプリを使って成果が出せなければ、それはダメ教師の烙印 → 減給 → クビ。教師も介護士もロボットでいいのよ。もう。たぶん、そのうちには、お医者さんも?
http://www.huffingtonpost.com/leonie-haimson/bill-gates-rupert-murdoch-impatient-optimists_b_920000.html
【関連エントリー】
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 1(2011/5/2)
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 2(2011/5/2)
ゲイツ財団、ゴージャスな新本部をオープン(2011/6/6):ここにもゲイツ教育改革への批判が少々。
その他、最近の動きは補遺に多数拾っています。
つるたさんのブログに『根本(もと)から変えよう! ――もうひとつの日本社会への12の提言』の案内。某MLへの投稿によると、障害者政策についてつるたさんが執筆されているとか。以下の部分にとても共感する。
「障害者」の課題は多様性の承認の問題としてだけあるのか。確かにそういう側面もある。しかし、それだけでは決定的に欠落しているように思う。障害者政策を考えることは近代と決別するオルタナティブな社会を考える一つの機軸になえるはずだというのは冒頭に書いた話でもある。そこで重要だと思えるのが「生存権の無条件の承認」。これを「存在の無条件の承認」と呼んでもいいだろう。「何かをすること」とりわけ「生産」「開発」することに意味があるとされた資本主義近代から、ただ存在すること、「あること」「生きていること」が大切にされる社会への転換が問われているように思う。
http://tu-ta.at.webry.info/201108/article_5.html
BLOGOS【新聞チェック】“原爆の日”に全く触れなかった産経、特集満載の朝日・毎日とは対照的。
http://news.livedoor.com/article/detail/5765934/?p=2
同じくBLOGOS 原子力をめぐる新聞論調の二極分化 - 柴田鉄治
http://news.livedoor.com/article/detail/5759246/
IVFで作った受精卵の内部の動きによって、どの受精卵を子宮に入れるかを判断できる技術のブレークスルー。これによって多胎児のリスクを軽減できる、と。
http://www.guardian.co.uk/science/2011/aug/09/pulsations-embryos-success-ivf?CMP=EMCGT_100811&
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2024068/Carer-35-dies-blood-clot-caused-birth-control-pill.html?ito=feeds-newsxml
[解説]「5大疾病」に位置づけ(yomiDr.)「大阪市で先月開かれた日本うつ病学会総会で、講演した複数の精神科医が『抗うつ薬の販路拡大を目指す製薬会社のキャンペーンに影響され、診断が過剰になった側面がある』と語った。「今回のうつ病学会総会で製薬会社がPRに最も力を入れたのは、そうとうつ状態を繰り返す『双極性障害』だった。ある精神科医は、会場でこう皮肉った。『製薬会社の活動で、今度は双極性障害の“患者”が急増するだろう』:この問題に限らず、日本のお医者さんたちの多くは米国で起こってきた醜いスキャンダルの数々、その背景にビッグ・ファーマの人命軽視の利益至上主義があることについて、知らないわけではないだろうと思うのだけど、なぜ、こういう声がもっと早くに上がってこないのだろう。英語圏で報道されている内容をこのブログでそのまま流しただけでも、それに逆上して「じゃぁ、オマエが解決策を示してみろ」とか「患者の分際で余計な情報を流すな」とばかりに怒鳴りこんでこられる医師の方があるけれど、現場の医師にとって、ご自身の臨床のエビデンスが操作されていたり信頼できない可能性があるという話ならば、腹を立てなければならない相手が違うのではないか、といつも思う。
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=45254
上の記事を読んでから、もう一度、こういうの読んでみて ↓
子宮頸がんワクチンの失神は「ドキドキするから」?(2011/8/5)
日本でもガーダシル導入へ、厚労省当該部会の議論の怪 1(2011/8/5)
日本でもガーダシル導入へ、厚労省当該部会の議論の怪 2(2011/8/5)
この流れで、どうしてもイヤ~な予感がする記事なので、昨日の補遺から以下に再掲 ↓
時間差で phentermine と topiramateが効いていくQNEXAというカプセル薬を飲むと、食欲が減退して、肥満や糖尿病、睡眠時無呼吸症候群の人でQOLが有意に上がった……って。:あの~、フェンタミンって向精神薬だったんでは……? 【追記】検索してみたらトピラマートも、抗てんかん薬だった!:ビッグ・ファーマ、今度はこういう路線の企みを???? それ、ものすごく恐ろしい話なのでは? まるで医療はビッグ・ファーマによるマーケット創出のフィールドに過ぎないかのように……。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/232383.php
子どものねむり見直して 専門医が解説書(神戸新聞):これも、あれこれ、上記の関連その他、気になる表現が……。
http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/0004345403.shtml
ソマリアの飢饉への英国内の支援の呼び掛けに反応が鈍い。犠牲者の数はソマリアの方がはるかに多いにもかかわらず、アジアの津波被害への募金ほども集まっていないとか。:これ読んで、ふっと思ったんだけど、ゲイツ財団って災害の被災地へは興味を示さないなぁ……。私が知らないだけかしら。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/aug/08/somalia-famine-appeal-raises-less?CMP=EMCGT_100811&
誰に聞かされるまでもなく、ビル・ゲイツがウォーレン・バフェットだけでなくメディア王のルパート・マードックとも親しい仲だろうというのは想像はついていたけれど、ゲイツ氏、ニューズ社と連携して米国の教育改革の一端として、新たな教育アプリの開発に乗り出す。:これまでの発言から推測するに(詳細は以下のリンクに)、たぶん、どんな教師が教えても理論的には同じだけの成果が上がることになるデジタル教育アプリがイメージされているのだろうと思う。だから、このアプリを使って成果が出せなければ、それはダメ教師の烙印 → 減給 → クビ。教師も介護士もロボットでいいのよ。もう。たぶん、そのうちには、お医者さんも?
http://www.huffingtonpost.com/leonie-haimson/bill-gates-rupert-murdoch-impatient-optimists_b_920000.html
【関連エントリー】
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 1(2011/5/2)
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 2(2011/5/2)
ゲイツ財団、ゴージャスな新本部をオープン(2011/6/6):ここにもゲイツ教育改革への批判が少々。
その他、最近の動きは補遺に多数拾っています。
つるたさんのブログに『根本(もと)から変えよう! ――もうひとつの日本社会への12の提言』の案内。某MLへの投稿によると、障害者政策についてつるたさんが執筆されているとか。以下の部分にとても共感する。
「障害者」の課題は多様性の承認の問題としてだけあるのか。確かにそういう側面もある。しかし、それだけでは決定的に欠落しているように思う。障害者政策を考えることは近代と決別するオルタナティブな社会を考える一つの機軸になえるはずだというのは冒頭に書いた話でもある。そこで重要だと思えるのが「生存権の無条件の承認」。これを「存在の無条件の承認」と呼んでもいいだろう。「何かをすること」とりわけ「生産」「開発」することに意味があるとされた資本主義近代から、ただ存在すること、「あること」「生きていること」が大切にされる社会への転換が問われているように思う。
http://tu-ta.at.webry.info/201108/article_5.html
BLOGOS【新聞チェック】“原爆の日”に全く触れなかった産経、特集満載の朝日・毎日とは対照的。
http://news.livedoor.com/article/detail/5765934/?p=2
同じくBLOGOS 原子力をめぐる新聞論調の二極分化 - 柴田鉄治
http://news.livedoor.com/article/detail/5759246/
IVFで作った受精卵の内部の動きによって、どの受精卵を子宮に入れるかを判断できる技術のブレークスルー。これによって多胎児のリスクを軽減できる、と。
http://www.guardian.co.uk/science/2011/aug/09/pulsations-embryos-success-ivf?CMP=EMCGT_100811&
2011.08.13 / Top↑
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