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当ブログでもこれまで2つのエントリーで触れた法案の続報。
(リンクは文末に)

ダウン症だと分かった妊娠の9割が中絶されている米国で、
そうした傾向に歯止めをかけようと
障害胎児・新生児の親への正確で充分な情報提供と支援を謳う法案が
米国上院に提出されていましたが、
昨今の原油高騰でそちらへの対応が優先され、
廃案になったとのこと。

その他にも脳卒中患者やALS患者への医療支援研究や児童ポルノ撲滅など
社会保障関連を含め30以上の法案が一括してパッケージとなっていたようですが、
いずれも大して論争にもならなかった法案であるにもかかわらず、
上院での法案つぶしで“Dr. No“と異名をとる共和党のCoburn議員が
またも立ちはだかった、と。

その費用をどこから捻出するのか、
原油高騰対策が優先、
将来の世代に付けを回さないために、
などがその理由。

要するに「そんなことに使っているゼニはないぞ」ということですね。

廃案に怒った民主党の議員は
「反対票を投じた議員は選挙区に戻ったら
車椅子の人に向かって自分はあなたから回復の手段を奪ったと告げよ」と。

なにやら日本のあちこちで聞こえてくる声と同じだし、
今の時代を象徴する議論なんだろうなとは思うのだけど、

障害児・者切り捨ての動きにはゴリ押しの勢いがあって声も大きく、一方
その動きにかろうじて小さな抵抗を試みる法案は
こんなにも静かにあっけなく、ひねりつぶされていく……。





2008.07.29 / Top↑
去年、英国政府に報告された強制結婚ケースのうち、
5組に1組で知的障害者が被害者となっており、
報告に上がっているのは氷山の一角に過ぎないとして
警察、弁護士、ソーシャルワーカーが検討会を持った。



特に知的障害へのスティグマが大きいアジア、アフリカ、中東出身者が多く、
老いていく親としては障害のある子どもの将来の介護保障として結婚させようとする。

片や、英国籍のある人との結婚によってビザを手に入れたい外国人がいて、
そこで利害が一致して強制結婚がまとまる。

知的障害を隠したまま結婚させるケースも多く、
こうした結婚ではレイプやDVが起こったり、棄てられることも。

しかし人権法が保障する「婚姻の自由」が壁となって
ソーシャルワーカーが介入することが難しい。

上記の会合で話し合われているのは、
その壁をどうにかクリアして介入しなければ
状況は放置しておけないところまで来ている、と。

この記事を読んでいて、とても切ないのは、
出身の文化圏によっては、
結婚だけが子どもの将来を保障してやれる唯一の手段だと
親が考えてしまうのだという点。

障害のある子どもを、親は自分が老いた後も、死んだ後も
どうにかして守ってやりたい……と願う。

その親の切実な思いに応えてくれる社会って、
具体的にどういう社会なんだろう……と
いつも考えることをまた考えた。
2008.07.29 / Top↑