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一つ一つのニュースや出来事はそれほど大それたことには思えないかもしれませんが、
IHMEやBBTIの創設をはじめとするUW周辺の動き、また
UWとゲイツ財団とのつながりと、そこに動いている巨額の資金を考えると、
私の頭がどうしても戻ってしまうのは、このレポートの存在。

CONVERGING TECHNOLOGIES FOR IMPROVING HUMAN PERFORMANCE
The National Science Foundation
The Department of Commerce
June 2002

米国科学財団と商務省とによる
ナノテク、バイオ、IT、認知研究の4部門(NBIC)を統合して
人類の能力を強化しようとの研究レポートです。

米政府がトランスヒューマニストや例えばNorman Fostらのように
科学とテクノロジーによる人類改造を本気で考えていることを証明する
重要なレポートだと私は思うのですが、
そして、ここで謳われているテクノロジーの統合にITが不可欠な分野である以上、
そこにマイクロソフトが関与していないはずはないとも考えるので、
ずっと読みたい気持ちはあるのですが、
実はまだ手がついていません。
この夏の宿題に……。

今のところ、このレポート関連のエントリーは以下の2つです。



UWでIHMEやBBTIのような研究機関が作られていることや
UWが米軍のIT研究の先頭に立っていることや

もしかしたら
“Ashley療法”が行われたのがUWであることだって、

「親は自閉症の隠れた犠牲者」のような記事がUWの曖昧な“調査結果”を引き合いに、
ゲイツ財団やマイクロソフトの御用新聞のようなところで書かれることだって、

I-1000のような自殺幇助合法化への動きがWA州で急拡大していることなども

マイクロソフトとゲイツ財団の本拠地がシアトルであるという事実と
決して無縁ではないのでは……?

マイクロソフトの存在と影響力を通じて、
ワシントン州は科学とテクノロジーの合理主義文化の中心地となり、

(見失ってしまったのですが、今年初め頃に
シアトルは第2のシリコンバレーになっているとのニュースもありました。)

それゆえに米国のラディカルな生命倫理観も
他の州よりも浸透しやすい土壌ができつつある……ということは?
2008.07.01 / Top↑
IHMEがワシントン大学にできたことの他、
最近目に付いて気になるワシントン大学関連ニュースとして、

UW Bothell校にワシントン州当局との連携により
Biotechnology & Biomedical Technology Institute(BTTI)がオープン。

以下の一連の情報によると、BTTIの主たる目的はワシントン州における
バイオテクノロジー、バイオメディカルテクノロジーの産官学協働にあるのですが、
将来的に大学がこの分野でのリーダーであり続けることも
目的のひとつにちゃんと謳われています。

BTTIのプログラムにアフィリエイトとして参加する企業は
企業の規模に応じて年間1000ドルから1万ドル以上の寄付が必要。

こちらの企業向けページに書かれている最終目的は
ワシントン州における生命科学教育・研究の競争力を強化し、
 生命科学分野の経済的なポテンシャルについて
 公衆の意識を高め理解を広めること」。


UW Bothell starts up a biotech institute
Puget Sound Business Journal, April 14, 2008

BBTIの公式サイトはこちら

大学のプレスリリースは以下。
UW Bothell Announces Biotechnology and Biomedical Technology Institute(BBTI)
WU Press Release, April 14, 2008


②国防省から多額の助成金を得て7大学が米軍のために
 コンピューター・データ解析により
シャーロックホームズ並の推理システム作成プロジェクトに乗り出した、
それを率いるのはUW。

UW leads “Sherlock Holmes” military computing project
By Brier Dudley, Brier Dudley’s Blog
The Seattle Times, April 16, 2008

上記記事の冒頭ラインは「これでついにオサマ・ビン・ラディンが見つかるかも」。

兵士が身につけているセンサー、衛星地図、道路のモニター映像、
航空機の振動、偵察ミッションからの報告文書など、
現代の軍隊が手に入れることのできる多様な情報を駆使したリーズニング・システムを構築、
さまざまな判断や、敵の次の動きを予測することに役立てたい、との狙い。

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これまで「ゲイツ財団(IHME)」としてきた書庫名を
「ゲイツ財団とUW・IHME」に改めました。
2008.07.01 / Top↑
ワシントン大学はゲイツ財団から巨額の資金提供を受け、
4月に新たな研究機関IHME(the Institute for Health Metrics and Evaluation)を開設しましたが、

IHMEの目的は世界の保健医療のデータを新たな基準によって洗いなおして
その“科学的な”エビデンスによるデータ分析に基づいて
世界の医療資源を最も効果的に分配するための効率的な施策を提言することであり、
ひいてはIHMEのコストパフォーマンス分析をスタンダードとして、
世界の保健医療施策に反映させること。

(“科学的”とはこの場合、貧困など社会的ファクターを無視することのようですが。)

IHMEについては、気になることとして
科学誌LancetがIHMEとのコラボを表明しており、
これに対して「Lancet誌はゲイツ財団に買収されたのか」との批判が出ています。

そのLancet誌のサイトに、いよいよ
IHMEとのコラボによるthe Lancet Global Health Networkがお目見えしました。


冒頭の挨拶部分に書かれているネットワークの目的は
エビデンスを統合し
 新たな分析を行い、
 提言プログラムを立案し、
世界の保健医療と発展への行動に向けた提言を形作る

これはまさに IHME の目的そのもの。

なおIHMEとのコラボについては
上記LancetサイトのCurrent Calls for Evidenceのページ末尾に明記されています。
健康に対する天候の影響研究では英国のロンドン大学とコラボするようです。、


2008.07.01 / Top↑