気になる――。
この調査、ものすごく気になる──。
この調査、ものすごく気になる──。
カナダ Alberta大学の研究者がthe British Medical Journalに発表した論文とのこと。
英国の1946年生まれの3500人について
13歳から40代、50代になるまで追跡調査をしたところ、
13歳から40代、50代になるまで追跡調査をしたところ、
学校で問題児だった人ほど
中途退学をしたり、
うつ状態に陥ったり、
離婚したり、
10代で妊娠したり、
金銭上の問題を抱えたりしていた、と。
中途退学をしたり、
うつ状態に陥ったり、
離婚したり、
10代で妊娠したり、
金銭上の問題を抱えたりしていた、と。
(学校で態度や問題があるかどうかについては学校の先生へのインタビュー。
つまり何が「問題児」の定義や基準かは、先生の主観次第だったということですね。
ただし、ここでの「問題児」は必ずしも「障害児」を意味するとは思えません。)
つまり何が「問題児」の定義や基準かは、先生の主観次第だったということですね。
ただし、ここでの「問題児」は必ずしも「障害児」を意味するとは思えません。)
心理学者らから
当時とその後では社会状況が全く違っているので
一般化するのは危ういと疑問視する批判の声が出ている。
当時とその後では社会状況が全く違っているので
一般化するのは危ういと疑問視する批判の声が出ている。
しかし研究者らは論文で
「長期の社会的コストと青少年本人への深刻な影響を考えると、
我々の研究結果は保健医療施策に重要な示唆を含んでいるであろう」と。
「長期の社会的コストと青少年本人への深刻な影響を考えると、
我々の研究結果は保健医療施策に重要な示唆を含んでいるであろう」と。
ここでもまた、「社会的コスト」──。
「示唆」って、いったい具体的に何を示唆しているつもりなのでしょう。
「示唆」って、いったい具体的に何を示唆しているつもりなのでしょう。
この2行、ものすごく恐ろしい発言だと思う。
ありとあらゆる偏見が、研究という名の下に正当化され
排除の科学的根拠へと摩り替えられていく──。
排除の科学的根拠へと摩り替えられていく──。
一体この“排除”の広がり、どこまでいくのだろう──。
2009.01.09 / Top↑
英国のBrown首相は一昨年の首相就任時に
現役外科医のAra Darzi卿を保健相の副大臣に起用し
NHSの見直しと改革を担当させていて、
そのDarzi卿の改革について仕事でちょっとだけ調べてみたことがあるのですが、
現役外科医のAra Darzi卿を保健相の副大臣に起用し
NHSの見直しと改革を担当させていて、
そのDarzi卿の改革について仕事でちょっとだけ調べてみたことがあるのですが、
この人は副大臣に任命されるや、
ロンドンにおける思い切った病院の統廃合と効率化による病院機能の集約案を提言。
現場GP(家庭医)や中小の総合病院から轟々の非難を浴びたけれど、
去年6月に”High Quality Care for All: NHS Next Stage Review final report”として
今後10年間のNHS改革の方向性を打ち出した際にも、
ロンドンでの集約案の全国版のような内容。
ロンドンにおける思い切った病院の統廃合と効率化による病院機能の集約案を提言。
現場GP(家庭医)や中小の総合病院から轟々の非難を浴びたけれど、
去年6月に”High Quality Care for All: NHS Next Stage Review final report”として
今後10年間のNHS改革の方向性を打ち出した際にも、
ロンドンでの集約案の全国版のような内容。
簡単な手術くらいまでGPの守備範囲を広げて
地域ごとに作るポリクリニックをGPに担わせ、
非営利企業の立ち上げを認められた看護師と手を携えて地域医療を担え、と。
地域ごとに作るポリクリニックをGPに担わせ、
非営利企業の立ち上げを認められた看護師と手を携えて地域医療を担え、と。
産科、救急医療と高度先進医療は拠点病院に集約。
その他、6月にこの改革案を齧ってみた時に気になった点は
これまで中央集権で押し付けてきた数値目標をやめるから、
その代わり医療の質を評価させるぞ、と。
これまで中央集権で押し付けてきた数値目標をやめるから、
その代わり医療の質を評価させるぞ、と。
この「医療の質」というのが問題で、
受けた医療に対する患者の満足度が高い病院に追加報酬を出し、
低いと逆に罰金が科せられるというもの。
受けた医療に対する患者の満足度が高い病院に追加報酬を出し、
低いと逆に罰金が科せられるというもの。
別途、治療のアウトカムに関するデータも
病院ごとに集約されて病院評価の対象とする、と。
病院ごとに集約されて病院評価の対象とする、と。
「患者ケアの質をベンチマークとするNHSのインフラ整備ができた」と
6月当時に胸を張っていたのは、もちろんDarzi卿。
6月当時に胸を張っていたのは、もちろんDarzi卿。
これだけでも、うへぇぇ・・・・・・と思っていたのですが、
年末に、今度はGPについても
医師としての有能さとベッドサイド・マナーの2つのテーマに分けて
患者が自由に評価を書き込める(匿名も可)欄を
NHSのサイトに作る・・・・・・という以下のニュース。
医師としての有能さとベッドサイド・マナーの2つのテーマに分けて
患者が自由に評価を書き込める(匿名も可)欄を
NHSのサイトに作る・・・・・・という以下のニュース。
患者の個人情報に関る部分は修正するけれど
それ以外は、どんな酷いコメントも無修正で出すんだとか。
それ以外は、どんな酷いコメントも無修正で出すんだとか。
IT面での準備が整い次第、今年中にスタートする予定。
Ben Bradshaw保健相は
消費者パワーがGPの医療の質を上げてくれると自賛。
「旅行ガイドなしに旅行には出かけない。医療にも同じものが必要」と。
消費者パワーがGPの医療の質を上げてくれると自賛。
「旅行ガイドなしに旅行には出かけない。医療にも同じものが必要」と。
当然ながら、現場の医師らは反発。
「患者をハッピーにするために仕事をしているわけじゃない。
患者を健康にするのが仕事だ」
「専門職と患者の関係というのは、そういうもんじゃない」
「患者をハッピーにするために仕事をしているわけじゃない。
患者を健康にするのが仕事だ」
「専門職と患者の関係というのは、そういうもんじゃない」
保健相は、amazonが本を消費者に評価させたシステムも引き合いに出しているのですが、
医療は本やツアーを売るのと同じではないのでは?
医療は本やツアーを売るのと同じではないのでは?
Patients to rate and review their GPs on NHS website
Doctors say bulletin board will be ‘meaningless popularity contest
The Guardian, December 2008
Doctors say bulletin board will be ‘meaningless popularity contest
The Guardian, December 2008
2009.01.09 / Top↑
| Home |