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朝日新聞が1月19日に
「医療的ケア必要な子達 卒業後 足りぬ受け皿」という記事で
医療的ケアを必要とする超重症児たちを受け入れる施設が
入所も通所も共に不足しており、
養護学校卒業後の行き場がなくなっている問題を取り上げていました。


日本小児科学会倫理委員会は去年11月21日付で
以下の報告書を学会HPにアップしています。


超重症児の受け入れ施設の不足は深刻で、
家庭で、多くの場合は母親がケア負担を担っている状態ですが、
在宅ケアを支える医療サービスも福祉サービスもほとんど整備されていません。

報告書は
超重症児の受け入れ施設の拡充(ケアホームも含め)
小児在宅医療拡大への施策
小児訪問看護ステーション事業の条件拡大
ヘルパーによる医療的ケア支援を可能にする条件整備
を提言しています。


しかし、以下の記事に見られるように、
現実の施策はこの提言の逆に動こうとしているようです。


周産期医療の進歩で新生児の救命率が上がるのに伴って
NICUのベッドが不足し、
それが患者受け入れ拒否の一因となっているとして、
厚労省は病床移行の調整役を置くというのですが、

そもそも施設も在宅支援も不足しているから、
家庭介護が難しい超重症児のケースでは
小児科に長期入院するしかなく、
そのために小児科ベッドが不足して
重症児がNICUに長期入院せざるをえなくなるという
悪循環があるのです。

受け入れ施設を増やすこともせず、
地域での医療や介護の支援整備もせず、
ただ病床移行の調整役だけを置くのでは、
それは体の良い「追い出し」でしょう。

現在、高齢者の療養病床廃止で介護難民が多量に出ることが懸念されていますが、
それと同じことが重症障害児らにも起ころうとしているのです。
2008.01.24 / Top↑
読売新聞の掲示板サイトに
大きすぎる娘の胸」というトピを立てた人があり、

この春に中学に上がる娘さんの胸があまりに大きいので
胸を小さくしたり、成長を止めることはできないのかな?って
 おもうのですが、手術以外の方法を誰か知りませんか?」と。

この場合、障害とは無関係な話なのですが、

「手術以外の方法を誰か」というからには
「手術すれば小さくできる」という前提もここにはちゃんとあるわけで、

何の抵抗もなく、するっとこういう発想が出てくることに
まず、ぎょっ……と。

日本でも体は「自由に選べるもの」という感覚が浸透しつつあるのでしょうか。
しかし、自分の体に自分の勝手で手を加えるのと
親が子どもの体に勝手に手を加えることはまた別物でしょう。

ここに見られる「親だから子どもの体に手を加えてもいい」との
あまりにも素朴な思い込みに、
ちょっと意表を突かれたような気分になる一方で、

案外に日本の文化の方が親と子を同一視しやすく、
それだけ「親だから」と垣根を越えてしまう危うさも大きいのかも……と思ったり。

しかし、このトピに寄せられたコメントは
母親が子どもの体を「厄介なもの」と捉えていては
娘さんが自分の体を「価値のないもの」としてしか見られなくなりますよ、
といったものをはじめ、
穏やかにたしなめるトーンが多く、
その他真面目にアドバイスしたり、
下着の工夫を一緒に考えているのは
なんだかほのぼのとします。

考えさせられたのは、
養鶏場で餌に混ぜられている成長ホルモンが鶏肉を介して人体に摂取されて
それが最近の子どもたちの体格のよさに繋がっているのではないかとのコメント。

「自分はサプリも薬物も断固摂らない」というポリシーの人でも、
食物を通じてどんな薬物を体内に摂り込んでいるか分かったものじゃない
……という時代なのですね、結局。
2008.01.24 / Top↑