2ntブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
Katieケースの新展開を巡る英国の記事はいくつか読んだので、
そういえば第1例であるAshley事件が起きた米国で
メディアが英国のこの展開をどう報じているのかが気になって、
めぼしいところをざっと検索してみたのですが、
驚いたことに報じられていない様子。

(私の検索がまずい可能性もあるので、
どなたか米メディアのニュースをご存知でしたら、
教えていただけると嬉しいです。)

それどころか、10月にAlisonによるKatieの子宮摘出希望が報じられた段階でも
米メディアはあまり伝えていなかったようです。

CNNが10月に報道したのは読んでいたので、
ここくらいは今回の新展開を伝えているだろうと思ったのですが、
検索してみてもヒットせず。

Seattle Times とか Seattle Post-Intelligencerなど、
Ashley事件に関しては非常に熱を入れて報道してきたシアトルの地元紙も
やはりKatieのケースについては全く無視。

なんか、これ……ヘンでは?

【追記】
……と、この原稿を書いてアップするまでの間に、
Fox NewsがKatieケースの展開を17日に報道していたのを発見。
非常にそっけない記事ですが。

このように案外私の検索から漏れているだけかもしれませんが
Ashley事件の際に比べると「非常に少ない」とは言えそうです。

           ――――――

ところで
この検索で代わりに拾ってきたのが
それと全く逆に
アメリカのジャーナリストなのにKatieケースばっかり書いているブログ。

LATimes、Washingon Post で活躍し、
UCLAの施設内審査委員会のメンバーを務めたジャーナリストで
白血病から生還したダウン症の子ども(既に成人)の親でもある
Patricia E. Bauer さんという人のブログです。

守備範囲も多彩で、
英語で海外の障害関連トピックをチェックしたい人には
お役立ちのブログかも。

ここに”Katie Thorpe”というカテゴリーがあり
去年10月のニュースブレイクからずっとフォローしてあります。
興味のある方は以下から。

Archive for the “Katie Thorpe” category
Patricia E Bauer
News & Commentary on Disability issues



しかし、

あらゆる障害関連の問題を網羅してあると見える
このブログで

不思議なのはAshleyケースのカテゴリーが存在しないこと。


Ashley事件に関するエントリーも3つあるにはありますが、
Katieケースに比べると圧倒的に少ないし
その全てがニュース記事をコピペしただけの短いもので、
法律とか医療カテゴリーのバラ記事扱いなのです。

Ashleyケースの方が自国で起きた第1例目であり、
騒ぎもずっと大きく、
論争もずっと激しかったはずなのに

これも、また、なんだか不自然で……。

英国の類似ケースを全くといっていいほど取り上げない米国メディアも、
英国のケースばかり論じてAshley事件には触れない米ジャーナリストも

一体なぜ────────???????


【追記】

いや、改めて考えてみたら、
米国メディアも英国メディアも含めて、
最大の不思議は、

Ashleyの父親が何者かを 当初から知っていたはずなのに
いまだに1紙もそのことに触れないという事実

【追追記】

その後、Bauerさんのブログからは
Katieケースのカテゴリーも削除されて消えてしまいました。

実に不思議です。
2008.01.21 / Top↑
BBCもAlisonに直接取材して17日に記事を打っていました。
病院からどのような返事があったのかという点について、
Alisonはこれまでのどの記事よりも丁寧に説明しています。


去年の10月にAlisonがBBCに対して
手術に同意する医師が見つかったと語ったことに対して、

Alisonは

私たちは、ドクターは上と相談しなければならないと言ったんです

その後、看護部長から連絡があって、病院はまだこういう処置は実施できないって
(they would not be prepared to have this procedure put in place)

病院が言うところでは、手術を可能にする唯一の方法は
 Katieの生理が始まった後に子宮の部分摘出について臨床上の必要を訴える
 ことだけだろうって

そして、今回の決定について

この必要悪をKatieからとってあげる必要があることを
 私たちはずっと説明してきました

実際には、Katieのことも私たちの状況も分からない人たちが
 障害者の人権団体というマイノリティに左右されたってことです

NHSトラストはマイノリティが怖いのよ。政治的正しさというのがね

Alisonは17日のDaily Mailでも
同じ文脈でマイノリティという言葉を使っています。

ここでAlisonが振り回しているマイノリティという言葉には
蔑視や嫌悪感が漂っているように思うのですが、

重症児というのは障害者というマイノリティの中でも
更なるマイノリティだと私はずっと考えてきたのですが、
AlisonにとってKatieや重症児の母親である自分というのは
マイノリティではないのか……。

もしや
政治的・社会的活動をするような障害者は
極端なことを声高に要求する社会の異端・マイノリティで、
極端な主張をするわけではない、それ以外の障害児・者は社会のマジョリティ
……とでもいうのが Alison の感覚なのでしょうか???
2008.01.21 / Top↑
前回のエントリーで取り急ぎのお知らせをしたAshley父のブログ更新の中の
立ち上げ1年後のアップデイトを読んでみました。

まず、Ashleyの近況については
元気にしており、安定している。
薬も減って今は逆流の薬だけ。
 (逆流の薬というのは胃ろうの関係ではないかと思うのですが……。)
現在の体重は63ポンド、身長は53インチで1年前のまま。

しかし、Ashleyの近況は最初の4行で終わり、
このアップデイトの眼目はこの後に続く
両親に寄せられた反響の分析
今後に向けての計画
のようです。

①受け取った4705通のメールを1月に全て読み分類したところ、
93,9%が支持、6,1%が批判だった、と。

自分たちの「枕の天使ちゃん」に同じことを求めている、
または検討中との家族からのメールが159。

批判した238通のメールはほとんどが障害当事者からのもので、
彼らは自分に同じ事をされたら困るという気持ちに反応しているだけ。

(「Ashleyはこういう活動ができるあなたたちとは違うのだ」とはDiekema医師も
去年1月12日のLarry King Live でしきりに強調していました。)

「枕の天使ちゃん」たち重症児との直接体験のある人はほとんど支持している
という点を強調しています。
また、今後何らかの方法でこれらの反響を公にする方法を検討中とも。

「おお、この人らしい」と思ったのは、
自分のブログをちゃんと読んでくれた人は支持しているし、
メディアの報道で惑わされていたがブログを読んで気持ちが支持に変わったという人もいる、
とも書いています。

相変わらず
自分の言っていることさえちゃんと伝われば
受け入れられないはずがないと考えておられるようです。 


②現在すでに同じことを希望する多くの家族の相談に乗ったり、
情報提供をしているが、
(その初期の1人が Alison Thorpe だった可能性は?)
今後やろうと考えていることとして、

・安全でプライベートな情報交換フォーラムを作る。

・初期に行われる症例から学んだことを整理・文書化し先の世代の役立てるために、
“Ashley療法”を子どもにやった人の情報を収集する。

(自分たちのメールアドレスに情報を寄せてくれるよう呼びかけています。)

(「初期の症例」という表現に、
  広く世の中に定着したAshley療法が彼の頭では既にイメージされているのが感じられます。)

・こうした草の根の活動を続けて、“Ashley療法”についての正式な研究を促す。

・“Ashley療法“を実施または検討する家族と医師に対して、
 Gunther医師の残したAshleyの症例記録と自分たちの記録を公開する。

           
ここまでくると、この父親が考えているのはある種の実験なのでしょうか。
2008.01.21 / Top↑