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また英国の自殺幇助議論にこの人が出てきた。アルツハイマー病を患う作家のTerry Pratchett氏。
http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/health/article7010209.ece?&EMC-Bltn=CFP9L2F

米Wisconsin州の刑務所内でのWaltersによる同房者の自殺幇助事件で、裁判が去年から何度も延期になっている。
http://wcco.com/wireapnewswi/Judge.delays.the.2.1460511.html

ゲイツ財団が今後の10年間で途上国向けのワクチン開発費用として100億ドルを提供する、と発表。:これだけを考えればすばらしいことだとは思うのだけど、その一方に、製薬会社の売れ筋トレンド・ビジネス戦略が精神科薬からワクチンに急転換してきている事実を置いてみると、もうちょっと事態は複雑なのではないか……。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/01/29/AR2010012903953.html

ファッション雑誌で引っ張りだこの皮膚科医が、認可前から先走って“しわとり注射薬”Dysportを宣伝したとして、FDAから警告を受けた。Obama政権になってから、製薬会社の広告のあり方など販促方法についてチェックが厳しくなっている、とのこと。
http://www.nytimes.com/2010/02/01/business/01wrinkle.html?th&emc=th

米国のナーシングホーム5つのうちの1つは、質が悪いとの評価結果。:こういう実態だから「施設は“絶対悪”で、身体改造して人権を侵害してでも家庭介護が“善”」という倒錯した論理になるのか。“Ashley療法”みたいに。その中間の解決策はまったく考慮の外で。人の境遇も事情も様々なのだから、施設で暮らす以外にない人や状況だってある。Ashleyの親だって不死身なわけじゃない。それなら人体改造よりも、施設ケアを改善すること、大型収容型施設から地域での共生型施設の設置を急げ、という声だって出てもいいはずなのに……と3年前からずっと考えている。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/177560.php

これは、とてもいい話。児童虐待で親権をはく奪された親から施設に引き取られて成長する子どもでは、その後、親がどこに行ったか分からなくなって親族はその子どもがいることすら知らないままだったり、大人になっても誰ともつながりのないまま生きていかなければならなくなるケースが多いのだけれど、インターネットを駆使し、警察の聞き込みのような丁寧な調査をすれば、ほとんどの子どもで親せきを見つけてあげることは可能なのだそうだ。実際に、そうした努力を重ねている人たちの追跡記事。米国。:一方、こういう手間と時間と費用のかかる仕事がどんどん許されなくなる時代に向かっている……ということを考える。
http://www.nytimes.com/2010/01/31/us/31adopt.html?th&emc=th

カナダで障害の可能性を知りつつ子どもを産んだ女性が、GPに2度目の診察で、いきなり「もう病院に中絶の予約を取ってあるから行きなさい」と言われたり、他の病院でも、ぎりぎりまで障害の可能性があるなら流産予防はしないと治療拒否された、などの経験と思いをAlberta大学の公開討論で語っている。「障害児は産まないのが当たり前」の医療スタンダード。この討論のタイトルは「生きるに値するのは誰なのか」。
http://whatsortsofpeople.wordpress.com/2009/01/22/my-doctor-my-child/

オーストラリア首都特別区で裁判をこなしきれない事態が懸念されている。:これ、去年だったか、その前だったかにも、あって、医療の次に破たんしていくのは司法なのか、それは日本でも起こるんだろうか、と考えたことがあった。
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/15month-wait-for-trials-to-be-heard/1738076.aspx?src=enews

コンゴの内戦による市民の被害は、ハイチの地震の被害の比ではないのに、地震でも起こらない限り国際社会は興味を持たないのか、とNYTの社説。:すみません。私もニュースタイトルは目にしていたのに、「世界中のいろんなところで無政府状態が出現して、女性と子どもが踏みつけられていっている」という漠然とした懸念以上の興味は持っていませんでした。
http://www.nytimes.com/2010/01/31/opinion/31kristof.html?th&emc=th

オーストラリアのRudd首相が、子どもたちの学力など学校のパフォーマンス情報を公開するサイトを作り、保護者が自分の子どもたちが通う学校の評価をして、そこに反映されるような仕組みを考えている。野党も賛成しているんだとか。:英国でも病院について同じ試みが言及されていたけれど、本当に、医療や教育の分野でそういう方向が正しいんだろうか。
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/parents-to-rank-performance/1738708.aspx?src=enews

Obama大統領の一般教書演説で施策の重点が経済対策にシフトしたことを受けて、米国看護協会が、今、医療制度改革を後退させてはならない、と。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/177631.php

Bush前大統領の祖父に当たる人物の会社が企業利益を優先してナチの後押しをしていたという噂がずっとあったらしいのだけど、この度Guardianがそれを裏付ける資料を見つけた、とか。
http://www.guardian.co.uk/world/2004/sep/25/usa.secondworldwar

ハイチの子どもたちを連れだそうとして逮捕された米国の境界団体関係者のニュース。国内に親せきがいる子どもたちで、どこへ連れて行かれようとしているのか本人たちは知らなかった、と。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/world/us_and_americas/article7009970.ece?&EMC-Bltn=CFP9L2F

ゴールドマン・サックスの社長に1億ドルのボーナス、との噂。
http://timesonline-emails.co.uk/go.asp?/bTNL001/mCFP9L2F/qLOG9L2F/uM9ZZ6/x19D3L2F
2010.02.01 / Top↑
英国で影響力の大きな医療施策関連のチャリティKing’s Fundから
1月27日、終末期ケアの改善に関する報告書
Delivering better care at end of life: The next stepsが刊行されました。

報告書は10の提言をしているとのこと。

以下のMedical News Todayの記事によると、例えば

・終末期には「9時から5時」ではなく「1週間7日、1日24時間」のケアを保障すること。すべての患者が、支援を求めてから1時間以内にニーズに応えられる人へのアクセスを得られること。

・専門職に向けて、死について患者や介護者と話をするための研修を行い、専門職が自信を持って患者支援に当たれるよう、特にコミュニケーションの改善に向けた努力を行うこと。

・ケアの質とアウトカムについて監督すること。行政は、ただ安価なサービスを求めるのではなく、地元のサービス提供者と協働して質が高く革新的で柔軟な終末期ケアの在り方にフォーカスすること。

・エビデンスに基づいたケアを確立すること。自信を持って改革を行うには、コスト効率の全国規模のエビデンスと、新たなケア・モデルの評価が必要。

これだけを読むと、
コストカットの方向にずいぶんと傾斜した報告書のようにも読めるのですが、

報告書として主張しているところは、
「個々の患者や家族のニーズに応えつつ、
なおかつコスト効率のよいケアを構築せよ」ということのようで、

ここがミソだと思うのだけど、そのためには、
「今はコストカットすべき時ではない。
むしろ質を高め、コストを削減するために
賢明な投資をするべき時である」と。



出版された報告書(10ポンド)の購入ページはこちら


ちなみに英国保健省は2008年7月16日に
「終末期ケア戦略」を出していて、そのページはこちら

そのexecutive summary はこちら

上記サマリーをざっと読んでみたので、
目に付いた事実関係を一応記録しておくと、

英国政府は終末期ケア戦略のために予算を増額しており、
2009/2010 年の総額は8800万ポンド。
2010/2011 年の総額は1億9800万ポンド。

現在、年間の英国内の死者は約50万人で、
そのうちの3分の2が75歳以上の高齢者。

58%がNHSの病院での死で、
18%が自宅での死。
17%がケアホーム、
4%がホスピス。
その他が3%。
2010.02.01 / Top↑
なんでメディアはいつも、こんなふうにミスリーディングなタイトルを打つのか
私は腹立たしくてならないのですが、

記事タイトルは「世論調査『慈悲殺を支持』」。

でも、ですね。ちゃんと読んでみると、
BBCのドキュメンタリー番組でGilderdale事件を特集し、
その中で約1000人に調査を行ったところ、
ターミナルな状態の人の自殺幇助が友人・親族には認められるべきだと
いう意見の人が73%だったのだけれども、

Gilderdaleさんの娘Lynnさんのように
ターミナルではない病気の人への自殺幇助についても
友人・親族に認められるべきだと答えた人は48%。



もちろん48%はショッキングな高率です。
しかし、48%で、どうして「世論は支持」とタイトルを打てるのか。

また、調査では自殺幇助について聞いておいて、
どうして「慈悲殺を支持」とタイトルを打てるのか。

それに、いちいち確認するエネルギーも時間もないけど、
こういう「調査」で実際の質問を調べてみたら、
ものすごく大雑把で誘導的なものが多いのも事実。

ちなみにPAは、同じBBCの調査を取り上げた記事に
「自殺幇助に世論二分」と正確なタイトルを打っています。


【2月1日追記】
Daily Telegraph紙も世論調査を行っていて、こちらは
「5人に4人が近親者の自殺幇助は訴追するな、と」だそうです。


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英国での報道を追いかけていると、
メディアが合法化に向けて世論誘導を行っているとしか思えなくて、
本当にハラハラ、イライラしてしまうのですが、

これと同じことは去年の脳死・臓器移植法改正議論の際に
日本でも行われていました。

今回の小沢氏の問題でも、妙な情報操作がやたらと目につきます。
(なんで小沢氏の後援会だけが「資金管理団体」なのか私はずっとわからなくて……)

だいたい、
「科学とテクノ」や「弱者切り捨て医療推進」にとって都合が悪い海外ニュースが
日本ではとんと報道されないこと自体、てんで、おかしい。

Ashley事件に見られるように、英米のニュース・メディアはもはや
権力の番犬として機能することができないで、しっぽを丸め、口を閉ざしている。
地方行政や障害者の人権擁護団体までが、本来の機能を放棄して
権力の側に取り込まれ、平然と「パートナー」をやっている。

第2のシリコンバレーと言われる米国Washington州シアトルで起こっていることは
世界中で起こっていることに当然つながっているのだから、
日本でも同じような事態が進行していないわけがない。
ただ、日本では私たちに見えにくくされているだけで。

メディア・リテラシーという言葉をどこかで見ましたが、
ニュースの行間や背景をちゃんと読み説くための読解力というものが
必要になってきている時代のような気がします。

そして、「ないニュース」は
「そのニュースがないこと」そのものが見えにくくなるのだからこそ、
「なぜ、そのニュースはないのか」ということの意味を
日本にいる我々は、もっと考えなければならないのでは……? と思う。




2010.02.01 / Top↑