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Ashley事件のDiekema医師って写真が趣味で、なかなかの腕前。以前から自分が撮った写真を講演のパワーポイントの背景に使ったり、あちこちの趣味人のサイトに投稿したりもしているのですが、2月2日にこの写真をまた投稿している。この人、あれだけ論文を書きまくって、倫理学者としてあちこち引っ張りだこで、なおかつ、趣味の写真まで……余裕があるのね……。いまや“わが世の春”なのかしら……。
http://connect.sierraclub.org/post/TrailGroups/Trails_Monthly__Photo_Contest_/photos/copper_ridge_view.html?cons_id=&ts=1265197601&signature=954343ebb5f202311a504b81c62f4651

10人のアメリカ人がドミニカ共和国に連れ出そうとしていたハイチの子供たちのうちの何人かは、当初言われていたように地震で親を失った子供ではなく、親が生きていることが判明。取材を受けた1人の子どもの母親は、金銭と引き換えに子どもを引き渡したことを否定。5人の聴取が行われて、彼らは養子縁組を予定していた、というのだけれど。
http://www.nytimes.com/2010/02/03/world/americas/03orphans.html?th&emc=th

ICUに入った患者の家族介護者は、アルツハイマー病の人の家族介護者以上のストレスにさらされ、うつ状態になる確率が高い、という調査結果。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/177899.php

Obama大統領の医療制度改革の中に含まれている家族介護者へのレスパイト事業に、批判の記事。これまでの施策の間違いの典型例が繰り返されているというのだけど、ざっと読んで、何がいけないと批判しているのかイマイチ分からないような……。
http://www.kaiserhealthnews.org/Columns/2010/February/020110Gleckman.aspx

どこかの補遺くらいで拾っていると思うのだけど、去年、作家のMichael Jenningsさん(91)が睡眠薬で自殺した件で、最後の4日間付き添った2人の娘が手を出していないことを検察が認め、本人だけの「独立した自殺」だったとして娘2人は自殺幇助については不起訴に。:ややこしい事態だ。「独立した自殺」と「幇助された自殺」の区別は検察がしっかり調べるのなら、Gilderdale事件で「最初のモルヒネは本人が注入した」という事実は誰がどうやって実証したのだろう????? これ、Gilderdale事件に関する個人的な疑問の1つ。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/uk/article7012870.ece

温暖化問題で科学者がデータを操作した疑いがもたれている件で、科学者らのメールから科学論文の査読のいいかげんが浮き彫りに。:医学論文の査察が機能していないのではないか、という疑いは、私は06年のGunther&Diekema論文以来のAshley論文を読むたびに新たにしている。だって、論理性の欠落があんなにはなはだしいものがどうして査読を通過するのか理解できないし、擁護論文の大半は「各論は懸念と批判の指摘だけど、総論としては賛成」といういい加減なものばかりなのだから。
http://www.guardian.co.uk/environment/2010/feb/02/hacked-climate-emails-flaws-peer-review

オーストラリアで2番目の医療生協がクリニックをオープン。:え? じゃぁ、日本って、案外ものすごく進んでいる?
http://www.canberratimes.com.au/news/local/news/general/medical-coop-owned-by-patients/1740773.aspx?src=enews
2010.02.03 / Top↑
アルツハイマー病を患う作家のTerry Pratchett氏の
「自殺幇助の希望を個々に審査・承認する委員会の設置を」という提言については
こちらのエントリーで紹介しましたが、

それに対して英国アルツハイマー病協会がコメントを出しました。

英国には認知症を抱えて生きている人が70万人もいて、
その中には終末期の選択肢についていろいろ考える人もいるだろうことは
十分に理解できます。

アルツハイマー病協会としては、死の幇助についても安楽死についても
現在のところ法律改正を支持していません。

認知症の人に必要なのは、本人の選択が可能な、もっと良い終末期ケア、
当たり前の安楽と尊厳が提供されることです。

残念ながら、それどころではないお粗末なケアを受けているという報告ばかりを
本協会は聞いております。

終末期の選択肢について議論したいと望むのはTerry卿に限った事ではありませんが、
Terry卿の見解はきわめて個人的なものです。

終末期の意思決定については認知症患者と介護者が声を上げられることが不可欠です。

この重要な問題に関して会員の意見を反映していけるよう、我々は会員の意見を聞いていきます。



たいへん慎重なもの言いながら、要は、
死んでもいいと認める前に、まず生きるための支援をちゃんとしなさいよ、ということですね。

同感です。


2010.02.03 / Top↑
GuardianにDr. Crippenというシリーズがあるようです。
Dr. Crippen とは英国で長年GPをやってきた人の通称。
したがって、英国GPが匿名で意見を投稿する欄ということでしょうか。

そこに、Gilderdale事件の被害者が慢性疲労症候群であることに目を向ける記事が
やっと登場してくれました。

A caring mother who kills her severely brain-damaged son is found guilty of murder and sentenced to life imprisonment. A caring mother who kills her daughter who is suffering from "myalgic encephalomyelitis", a condition that many doctors only recognise as an inappropriately named psychiatric illness, is found not guilty of murder. It is incomprehensible that she was found not guilty. Where is the logic? The law is clear, but juries are not prepared to enforce it. The law must therefore be changed.

重症の脳障害の息子を殺した愛に満ちた母親が殺人罪で有罪となり終身刑を言い渡された。一方、多くの医師が不適切にも精神疾患だとしか捉えられない慢性疲労症候群の娘を、愛に満ちた母親が殺し、有罪にならなかった。片方が有罪にならなかったこととの間に整合性がない(というが、)どこに論理というものがあるのだろう?法律は明確である。しかし、陪審員がそれを施行したがらない。だから法を変えなければならない、というのは。


殺すことのおぞましさから目をそらせるために
不都合な動物を殺すのは「眠らせる」になり、
人生に嫌気がさした人を殺すのは「安楽死」になる言い換えの欺瞞を突く著者は

自殺幇助合法化に、いったい、どんなセーフガードが可能だというのだ、と
疑問を投げかけ、

中絶が合法になった時にも、
当時の医師は同意書にサインするのに苦しみ抜いたのだが、
その後、医師に説明責任が問われることなどないまま、
いつのまにか求めれば誰にでも行われることになってしまったではないか、と。




英国では去年、
慢性疲労症候群(ME)がどういう病気かを巡って論争が起きていたようです。
当時のGuardian の記事がこちら。


それなのに、どうして今回のGilderdale判決論争では
被害者がそのMEだったことが一向に問題視されないのだろう?????


セーフガードについても、全く同感。
90年代の日本の臓器移植議論でも売買が起こるという懸念が指摘された。
きちんとしたセーフガードさえあれば大丈夫だという反論が
それに対して行われたと記憶しているのだけど、

いま、現に、臓器売買も、臓器目的の人身売買も起こっている。
(日本の子どもが被害にあっていなければいいという問題ではないと思うし)

「セーフガードさえあれば大丈夫」と倫理問題を退けてきた人たちには
セーフガードが実際にどのくらい機能してきたかを検証する責任があるんじゃないかと
考えてみたのが、以下のエントリー。

2010.02.03 / Top↑
去年の2月に
“A療法”批判が出るとネット上で起こることというエントリーで指摘した怪現象が、
この度も、また繰り返されました。

おりしも、AJOB1月号にコメンタリーとともに掲載のDiekema&Fost論文
“Ashley療法”批判の大きなうねりを招いている時期です。

Fost vs Lantos のディベイト
いくつかのサイトで取り上げられているようです。



今度はMedicalという医療関連の掲示板サイト。

タイトルの hender は hinder という単語のタイプミスと思われ、
こういうことがどうしてAshleyの正常な発達を阻害するだろうか」。

長い記事の大半は、例によって2007年1月4日のAP通信記事のコピーです。

文末に、記事を書いた人(またはそれを装った人)の文章が数行あって、
どこかから拾ってきて継ぎ接ぎしたようなギクシャクした文章で
一応この人が批判的な立場であるかのように書かれています。

しかし記事タイトルは明らかに、批判に対する反論メッセージ。

この記事に寄せられたコメントが1つあるのですが、
こちらも摩訶不思議な代物で、

一応は批判的な立場で誰かがコメントしたように装われているものの、
記事最後の著者の数行と、ほとんど同じ言葉づかいとギクシャク文体で、
どう読んでも同一人物であることが一目瞭然です。

つまり、そういう「表向きを取り繕ってある部分」は
取り繕っている体裁だけだから、どうだっていいのでしょう。
この記事を再掲することが目的のようだから。

それにしても、
なぜ、いつも、Lindsey Tannerによる、このAP記事なのか――。

たぶん、親の目的をQOLの維持向上として説明していて、
多くのメディア記事や医師の論文のように「在宅でずっと介護するため」と
親が言ってもいない理由と取り違えて(すり替えて)いないことなど、
親がブログで説明している内容を比較的、正確に書いているからではないか……というのが
今のところ私の推理。

もう1つは、記事の内容は本当のところは大して意味はなく、
なんども07年の記事を再掲するのは、第1段落の最後にある
この問題を議論しよう。家族のブログを読もう」というメッセージを
送りたいからではないか、

つまり、相変わらず
医師の書いていることからだけでは本当のところは分からないのに、
ちゃんと親の書いていることを読んでくれれば理解してもらえるのに……と
ジリついている人がいるんだろうな……というのも、私の推理。

しかし、そういう人がいるとして、
こんなふうに、いつも前とは違うサイトに同じ記事を再掲させることができるというのは、
いったい、どういう背景や影響力なんだろう。

しかも医療系のサイトばっかり――。
2010.02.03 / Top↑