2ntブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- / Top↑
暫定結果とのことですが、
今日の日曜日、スイスのチューリッヒ・カントン(州?)で行われた住民投票で

外国人への自殺幇助を禁止し、
一年以上、同カントンに居住している人に限る規制案は4分の3以上の反対で却下。

全面的な自殺幇助の禁止案は、さらに多数の反対により却下。

Zurich voters reject ban on “suicide tourism”
Swissinfo.ch, May 15, 2011



【スイスでの規制関連エントリー】
スイス議会が自殺幇助規制に向けて審議(2009/6/18)
Dignitas あちこち断られた末にお引越し(2009/6/28)
スイスで精神障害者の自殺幇助に「計画的殺人」との判断(2009/6/30)
スイス自殺幇助グループExit、当局と合意(2009/7/12)
APが「スイスは合法的自殺幇助を提供している」(2009/7/18)
チューリッヒ市が自殺幇助に“規制強化”とはいうものの……(2009/7/21)
スイス当局が自殺幇助規制でパブコメ募集(2009/10/29)
スイス連邦裁判所が「チューリッヒ市とExitの合意は無効」(2010/6/18)
スイス政府、“自殺ツーリズム”全面禁止せず、規制強化で対応の方針(2010/9/18)

【最近の気がかりな議論】
スイスで精神障害者への自殺幇助容認議論(2011/3/1)
スイスの地方自治体が高齢者施設での自殺幇助合法化巡り住民投票(2011/4/15)
スイスの自殺幇助団体Exit、高齢者の要件を緩和(2011/5/9)
2011.05.15 / Top↑
スイス、チューリッヒ郡の「自殺ツーリズム」住民投票関連。
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-13403074
http://www.bbc.co.uk/news/uk-13387444
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5gp1sJkca80FkTaraH-8Ni30sNxhw?docId=CNG.4432ee42b7b95abed5c3f576194fd62f.301

上の話題とも関係、また英国の著名人が自殺幇助合法化支持で発言。今度は元クリケットの選手。
http://www.dailyindia.com/show/439809.php

NYT。ほんと、ヘンな話なんだけど、米国の景気が回復して医療費にお金を使える人が増えたら、と警戒する保険会社が保険料を釣り上げるものだから、多くの人が治療を受けることを先延ばしにして、結局保険会社が記録的なボロ儲け、ということに。:これ、医師や学会にゼニを配りまくらないと商売にならない製薬会社や医療機器会社が、そのゼニを回収するために病気じゃない者までせっせと病人に仕立てて医療費をどんどんかさませていって、それで医療現場がさらに予算削減圧力を受けて……という救いのない悪循環の構図と、なんか似てない? 
Health Insurers Making Record Profits as Many Postpone Care: Companies continue to press for higher premiums, saying they need protection against any sudden uptick in demand once people have more mondy to spend on their health.

ジュベール症候群の遺伝子発見。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/225229.php

内臓の先天奇形の原因となるアダムズ・オリヴァー症候群の遺伝子も発見。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/225218.php

e99*jpさんのブログから「社会保障改革集中検討会議 生中継やめ言いたい放題」:「米国では40%の人がお金がなくて医療が受けられないのに、日本では90%の人が医療に不満を持っている」という発言が出ているんだけど、その「40%の人がお金がなくて医療を受けられない」米国の医療の実態、知らないわけじゃないんだ? なのに、どうしてワクチンだとか臓器移植だとか日本の医療を一定の方向に進める話になる時だけ必ず「米国では」「欧米先進国では」「国際水準の医療に追い付かなければ」ばっかり言うの? 「その米国では40%もの人が医療を受けられない実態もあるんだけどね」とはゼッタイに言わずに?
http://blogs.yahoo.co.jp/e999jp/61823774.html

日本語記事「ある貧しい若者の死が映す臓器売買の闇 - 違法市場、世界各地に広がる」
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=afXphtpsPBMo

【関連エントリー】
バイオ企業と結託した葬儀屋が遺体から組織を採りたい放題(2009/7/30)
被災地に“救援”ではなく“臓器狩り”に人が駆けつける“腎臓バザール”パキスタン(2009/7/31)
2011.05.15 / Top↑
当ブログでもいくらか追いかけてきたように
米国上院のGrassley議員率いる調査はこれまでに
製薬会社と精神科医や研究者らとの恐るべき癒着ぶりを暴きだしてきましたが、
(詳細は文末にリンク)

今度は医療機器メーカーの怪しげなお金の動きをターゲットにしている模様。

つい先日のProPublicaの報道でも
米国不整脈学会や高血圧学会の周辺の関連企業との蜜月ぶりが取り上げられて
その中でGrassley議員の調査から出てきた情報が参照されていました ↓

学会が関連企業相手にショーバイする米国の医療界(2011/5/11)

今回のProPublicaの記事は
ステント・メーカーと心臓病医療との関係を取り上げています。

それによると、

ピッツバーグの病院が今年初め、141人の患者に対して
あなたの受けた血管造影とステント挿入は無用だった可能性がある、と
通知した、とのこと。

また、そんな必要もない患者500人にステントを入れたとして
医師免許のかかったヒアリングに臨むことになっている
メリーランド州の心臓専門医もいる。

さらに、別途明らかになった調査では
ガイドラインではまず薬物療法を推奨しているというのに
血管造影をやってステントを入れた患者の半数以上が
その前に薬物療法を受けていなかった、という結果が出たばかり。

どうやらステントの過剰使用は、
調査だけでなく訴訟も多発して問題となってきたらしいのだけれど、

一方、米国血管造影インターベンション学会(SCAI)の09年の歳入820万ドルの内
57%に当たる4700万ドルが医療機器会社と製薬会社からのカネ。

金額のトップ3は、ステント業界のビッグ3。

SCAIの直前会長は学会がカネをもらっているからといって
スポンサーの製品のプロモをやったりリスクを過小に言うことはないと言い、

会員が現に無用なステントを患者に使っていた事実を指摘されると、
学会は「取り締まり機関」ではない、と抗弁しつつ、重大に受け止め
不適切なステント治療を行う医師は追放処分にする、と。

なにしろステントは儲かるんだそうで、

2005年から2009年に米国のメディケアで心臓ステント挿入に支払われたのは
24万8116件で13億ドル。

ガイドラインでは、まず薬物療法を試した後に血管造影やステントを、と推奨しているが、
無用なステントへの抑制の努力はあまり行われている形跡がない。

Grassley議員は8年と09年にかけて
ステントと心臓カテーテルの最新情報を現場に流してきた心臓血管研究財団についても
調査の対象とし、関連企業から財団が提携しているコロンビア大学へのカネの流れを
ディスクローズしていないことを問題とした。

しかし、それに対して、コロンビア大は
09年に金銭的な利益の相反については新しい方針を採択してはいるが、
医師らは大学職員となる前にカネを受け取っているので
ディスクローズする必要はないと答えたとのこと。

Cardiac Society Draws Bulk of Funding From Stent Makers
ProPublica, May 13, 2011


Biedermanスキャンダルを始め、
ビッグ・ファーマと精神科医らの間であったことが
全くそのまま、ここでも繰り返されている感じがしますが、

世界中に衝撃が走った、あのBiedermanスキャンダルから3年の間に
次々に同様のスキャンダルが暴かれ続けているというのに
その一切が日本では微塵も報道されないのは、一体なぜ?????



【Grassley議員の調査など関連エントリー】
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書(米国)(2008/11/17)
抗ウツ剤めぐる研究者と製薬会社の癒着スキャンダル報告書 Part2(2008/11/23)
今度はラジオの人気ドクターにスキャンダル(2008/11/23)
FDAの科学者ら「認可審査あまりにも杜撰」と内部告発(2009/1/15)
製薬会社がゴーストライターに書かせた論文でエビデンス作り(2009/8/8)

【いわゆる“Biedermanスキャンダル”関連エントリー】
著名小児精神科医にスキャンダル(2008/6/8)
著名精神科医ら製薬会社からのコンサル料を過少報告(2008/10/6)
Biederman医師にさらなる製薬会社との癒着スキャンダル(2008/11/25)
Biederman医師、製薬業界資金の研究から身を引くことに(2009/1/1)

【その他関連エントリー】
子どもへの抗精神病薬でFDAと専門家委員会が責任なすり合い(2008/11/19)
FDAと製薬会社の訴訟つぶしに待った(2009/3/5)
2011.05.15 / Top↑
英国のDr. Deathと呼ばれるDr. Irwinについては
以下のエントリーで追いかけてきましたが

英国で患者の自殺を幇助した医師が「証拠出すから逮捕に来い」と(2009/7/28)
英国で、自殺幇助容疑で元GP逮捕へ(2009/9/28)
自殺幇助ガイドライン後、初の起訴か(英)(2010/4/25)
自殺幇助の元GPに英国公訴局長「証拠はそろっているけど、公益にならないから不起訴」(2010/6/26)
英国のDr. Death「元気な高齢者にも医師による自殺幇助を」(2010/8/16)
中高の授業でDr. Deathが自殺装置を披露する「教育ビデオ」(英)(2011/4/17)


今週末のスイスの“自殺ツーリズム”への規制を巡る住民投票を受けて
多くの人がDignitasに向かう英国でも議論がさらに過熱しており、
そうした一連の議論の中で、

Dignitasが自殺者らの遺灰を湖に投棄していた件を問われて答えたもの。

「これは私に言わせればスイスの責任、葬儀屋の責任。」

「人は死んだらそれまで。死んだ人の灰がどうなろうと、私は一切興味はないね」

「自分の人生と宿命については自分がコントロールできて然りだ。
どんな死に方をするかだって自分が個人的に選べて然り」

これまで3人がDignitasに行くのに随行し、
もう一人をBerneのExit Internationalに連れて行ったというIrwin医師は

その中の2人の遺灰が英国の身近な人に送られたと語り、
Dignitasで死んだ残りの2人の遺灰についてはどうなったか知らない、と。

DR Death – I DON’T CARE WHEREDIGNITAS PATIENTS’ ASHES ARE
EXPRESS, May 15, 2011


去年の骨壷発見時のニュースについては こちらに ↓
チューリッヒ湖の底に大量の骨壷、Dignitasが投棄か(2010/4/28)

5月13日の補遺で拾った住民投票関連のニュースに、
この時の骨壷引き上げ作業の映像を含むビデオがあります。
2011.05.15 / Top↑