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statins に代わるコレステロール低下薬として
強力な売込みが進んでいるVytorinとZetiaの2つの薬について、
先週明らかにされた臨床試験のデータでは
実は動脈硬化予防の効果はさほどなかったことが判明。

しかも製薬会社が副作用に関するデータを1年間も隠蔽していた疑惑も。

この2つは、
薬効ではなく売り込み戦術によって売れている薬である、と。

Overpromoted Cholesterol Drugs
The NY Times (Editorial), April 2, 2008/04/16


患者というか消費者の側としては
臨床試験で安全性が充分に確認されたからこそ認可されて医師が処方しているのだという前提で
薬を買って飲んでいるわけですよね。

だから、
薬が認可されて、もう沢山の患者が飲んだ後になって
臨床試験の結果が後出しされるということが、どうにも分からない……。

日本でも繰り返されている薬害事件を考え、
英米のこうしたニュースを読むと、
どうも、そういうふうに安穏とナイーブであってはいけないらしい。

じゃぁ、何を信じて患者は薬を飲めばいいんだ?

           ――――――

数年前から総コレステロール値がほんのわずかに正常値を上回っていて、
私は「高脂血症」の患者ということになり、
かかりつけ医から薬を飲んだ方がよいと時々言われていたのですが、

正常値の見直しが必要だとする議論を読み齧ってもいたので、
悪玉、善玉、中性脂肪は正常だというのを盾にとって
3年くらい「ダイエットで下げる努力をします!」と抵抗し続けていたら、
(私のダイエットは3年間ずっと効果がなかったことになりますが……)

ある日、突然、総コレステロール値が高脂血症の条件からはずされて、
私は「病人」ではないことに。

かかりつけ医もいつのまにか
「ま、たまには検査はしましょうね」くらいのことしか言わなくなった。

そういえば、高脂血症の基準が変わったころ、
なんとなく頭をよぎったことがあった。

これ、製薬会社がスタチンでもう充分に稼いだってことなんかなぁ……と。


2008.04.17 / Top↑
この頃、薬関連のニュースがやたらと目に付くのですが、
それらが警告しているのは主に以下の2点のようです。

①安易な過剰処方
②製薬会社の法令遵守の問題(臨床試験の不十分または不透明)

ここでは「子どもへの安定剤使用に不安」というBBCニュースを。

Fear over child tranquilliser use
BBC, April 7, 2008/04/16


他動や自閉症の子どもらに
不用意に無認可の向精神薬が処方されるケースが英国で急増している。

92年から05年までの13年間で
18歳未満にこうした薬が処方される割合は倍になったという調査結果。
中には2歳でADHDだと診断されて、これらの薬を処方された例も。

米国での同様の傾向を英国が後追いしている、この事態。
相当に深刻そうです。

これらの薬はオトナへの臨床試験で認可されたもので、
子どもへ投与された場合の効果や安全性については短期の試験しかされておらず、

上記調査を行ったロンドン薬科大学のIan Wong教授は

「これらの薬には確かに大きな効果があります。
 しかし長期の影響、特に発達期の子どもたちの脳への影響については分かっていない

として、特に15歳以下では慎重に、と警告。
 
しかし、米国のFDAに当たるMHRA (the Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)は
「薬の適応については処方する医師が判断すること。副作用は詳しくモニターされている」と。

──お役所答弁。

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発達障害のある子どもとか、キレやすい大人が急増しているのは
誰しも身近に実感しているのではないかと思うのだけれど、

なんで、その原因を調べてみようとする研究者はいないんだろうか。

私は素人だから何の科学的根拠もないけど、

医薬品やテクノロジーによる健康至上・肉体改造狂騒曲に多くの人が踊らされる時代になって
実は逆に我々は足をすくわれているんじゃないかという気がする。

人類が改良型へとヴァージョンアップしていくんじゃなくて、
薬とテクノロジーに実は人類はじわじわと蝕まれていくんじゃないのか――?



2008.04.17 / Top↑