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カナダ、米国で
新生児スクリーニングの制度化が相次いでいます。

カナダOntario州で先週、新生児スクリーニング・プログラムが始まり、
British Columbia州と Saskatchewan州でも導入が検討されているとのこと。

以下の記事は特に話を嚢胞性線維症(CF)に限ってあり、
早期診断早期治療に結び付けられることのメリットが描かれています。

カナダCF財団もこの動きを歓迎。


        ――――――

また米国でも同様の新生児スクリーニング法案が4月8日に議会を通過したばかり。
かつてのフットボールの選手で息子を神経難病で失くしたJim Kelly議員が
10年がかりでロビー活動を続けた法案で、
文言などの微調整の後、ブッシュ大統領の署名を経て成立の見通し。

新生児スクリーニングに全国的な基準を設けることが目的で、
情報プログラムに年間1500万ドル、
スクリーニング・プログラムの評価に500万ドルなど、
総額で4450万ドルの予算が組まれ、
早期診断される病気に関して教育と家族支援サービスのための情報センターを
保健省が設置・運営することになります。


Kaiser Daily Health Policy Report
The Henry J. Kaise Family Foundation, April 14, 2008/04/21


「産まれた時に病気が分かっていたら息子は死なずに済んだ」という
Kelly議員の思いは純粋に子どもたちのために早期発見を願うものでしょう。

施行の暁には、Kelly議員の亡き息子の名前にちなんで
「Hunter Kelly新生児スクリーニング・プログラム」と通称されるのだとか。

しかし、世の中の空気が空気だけに、
今後、このプログラムが他の意図に利用されることはないのかどうか……。

The Henry J. Kaiser Family Foundation のニュースによると、
米国でスクリーニングの対象となるのは
「先天性、遺伝性、代謝の disorder 」となっていますが
対象となる病気がイマイチはっきりしません。

カナダ、Ontario州のスクリーニングも
報道はCFを取り上げているにせよ、
もっと広くネットを張ってスクリーニングにかけている様子。

そこのところが非常に気になる。
2008.04.21 / Top↑
このところ気になっているので、
ワシントン大学の(実はゲイツ財団の?)研究機関IHMEについてちょっと当たってみていたら、
たまたまWHOのこんなランキング(2000年)に出くわしました。


投入した医療費に対して、どのくらい効果が出ているかという費用対効果を計算して
どの国の医療制度が最も効率的かというランキングを出したもの。
(「効果」の算定基準など詳細は、この資料では不明。)

2000年にWHOが出した統計なので今さらというデータではあるのでしょうが、
私はこういうランキングがあることも知らなかったので、それなりに「へぇ」と。

GDPに対する医療費の割合で言うと先進国の中で30何番目だとかいう話を考えると、
そりゃ効率からいえば、日本の医療はランキングが高くて当たり前でしょうし。

このたびの後期高齢者医療制度の創設でまたまた順位を上げるかもしれませんしね。

けど、高齢ペットについては
ペットフードの会社が「高齢ペットの幸福度に関するアンケート」をやったという話だってあるのだから、

「効率のいい医療制度のランキング」を調べるのだったら、
人間だって、各国の高齢者や病者・障害者の幸福度を調査して、
つき合わせるくらいのことをしてもらったってバチは当たらないんじゃないだろうか──。

【追記】
その「国別幸福度ランキング」調査が実際に行われており、
結果を紹介してくださっている記事があったのでTBさせていただきました。
           ――――

なんでWHOのこんなデータが
ワシントン大学の同窓会誌に掲載されているかというと

このデータは実はWHOが独自に調査したものではなくて、
UWの新しい研究所IHMEの所長Christopher Murrayがハーバード大にいた時に
調査して出したランキングだから。

Murrayらは2000年に自分たちが出したこのランキングを持ってWHOに乗り込み、
世界の保健医療施策に「費用対効果」の検証が必要だと訴えたという逸話が
UW同窓会誌のMurrayの人物紹介記事に紹介されており、
問題のランキングも一緒に紹介されているというわけです。

そういう資料なので、ここでは「費用対効果」の算定方法とか基準などは一切不明ですが、
MurrayらのランキングがそのままWHOのデータとして公表されているということ、
ずっとこういうことを言ってきた人がIHMEを率いているということ、
理事には前WHOの事務局長がちゃんと加わっているということは
それだけで多くを物語っているような……。

ちなみにトップ3はフランス、イタリア、サンマリノ。

英国18位
ドイツ25位
米国37位
キューバ39位

ノルウェイ11位
スウェーデン23位
デンマーク35位
2008.04.21 / Top↑