フロリダの幼稚園で
アスペルガーではないかと診断途上の男の子が、
保護者から学校サイドにそうした情報が届いていたにも関わらず
クラスの子どもたちの投票によってクラスを追い出された、と。
アスペルガーではないかと診断途上の男の子が、
保護者から学校サイドにそうした情報が届いていたにも関わらず
クラスの子どもたちの投票によってクラスを追い出された、と。
以下のCBSニュースの母親のインタビュー・ビデオとニュース記事によると、
幼稚園クラスの教師がAlex Bartonくん(5)をみんなの前に立たせて、
クラスの子どもたち1人1人を指名しては
「Alexのどこが嫌いか」を直接本人に向けて言わせ、
次にAlexがこのクラスにいてもいいかどうかを問うて投票とし、
14対2の多数決で彼をクラスから出した、というのが
少なくともこのインタビューでの母親の言い分。
クラスの子どもたち1人1人を指名しては
「Alexのどこが嫌いか」を直接本人に向けて言わせ、
次にAlexがこのクラスにいてもいいかどうかを問うて投票とし、
14対2の多数決で彼をクラスから出した、というのが
少なくともこのインタビューでの母親の言い分。
教師は間違ったことをしたと考えていないと学校側が突っぱねたので、
母親は学校の苦情を受け付ける担当者に届けを出し、
現在、スクール・ディストリクト(日本の教育委員会にあたる)が調査中。
母親は学校の苦情を受け付ける担当者に届けを出し、
現在、スクール・ディストリクト(日本の教育委員会にあたる)が調査中。
ただし州の検察局は、事件は子どもの心理的虐待には当てはまらないため
犯罪とはならない、と結論。
犯罪とはならない、と結論。
今のところ表に出てきているのは母親の一方的な言い分のみなので、
事件の事実関係は曖昧なままですが、
事件の事実関係は曖昧なままですが、
日本でも最近、
知的障害や発達障害のある人たちの“問題行動”に対して、
本人の自覚の欠如や親や周囲の躾の不足のせいだとする無理解や
“邪魔もの”扱い、“めいわく”視が目に付くような気がするので、
ちょっと気になる記事でした。
知的障害や発達障害のある人たちの“問題行動”に対して、
本人の自覚の欠如や親や周囲の躾の不足のせいだとする無理解や
“邪魔もの”扱い、“めいわく”視が目に付くような気がするので、
ちょっと気になる記事でした。
Port St. Lucie teacher sidelined after letting kindergarten class kick kid out
The Chicago Sun-Times, May 27, 2008
The Chicago Sun-Times, May 27, 2008
2008.05.28 / Top↑
パーキンソン病の震えなどを抑制する効果が確認されて
世界中で4万人が電極を埋めているというDBS(脳深部刺激療法)が
うつ病の治療に有効かもしれないとして実験が進められており、
こうした実験で展望が開ければ、
将来は頭部外傷患者やイラクからの帰還兵にも応用できそうだ、と。
世界中で4万人が電極を埋めているというDBS(脳深部刺激療法)が
うつ病の治療に有効かもしれないとして実験が進められており、
こうした実験で展望が開ければ、
将来は頭部外傷患者やイラクからの帰還兵にも応用できそうだ、と。
とはいえ、現在のところ実験資金も限られており、
(ほとんどは電極製造会社から出ている)
系統的な実験が行われるに至ってはいないし、
今の段階では何も断定的なことはいえない。
(ほとんどは電極製造会社から出ている)
系統的な実験が行われるに至ってはいないし、
今の段階では何も断定的なことはいえない。
(最近の「このハイテクがすごい!」的ニュースって、
読んでみると実はこの程度の話が多いですね。
しかも、詳しく触れられるのは効果がありそうだという症例の話だけで、
効果がなかったケースについて出てくるのはせいぜい症例数程度。
もしかして副作用や失敗の例は闇に葬られているのでは……と勘ぐってしまう。)
読んでみると実はこの程度の話が多いですね。
しかも、詳しく触れられるのは効果がありそうだという症例の話だけで、
効果がなかったケースについて出てくるのはせいぜい症例数程度。
もしかして副作用や失敗の例は闇に葬られているのでは……と勘ぐってしまう。)
DBSの世界的権威であるThe Cleveland Clinic's Center for Neurologic Restrationの
Ali Rezai医師などは
「我々はいろんな意味で脳の配線をやり直しているということです」と。
Ali Rezai医師などは
「我々はいろんな意味で脳の配線をやり直しているということです」と。
もちろん、今の段階で安易な適用には慎重を呼びかける人もあり、
The National Institute for Mental HealthのDr. Wayne Goodmanは
DBSは非常に侵襲度が高く実験的な医療であり、
厳選された患者への最後の手段である、と。
The National Institute for Mental HealthのDr. Wayne Goodmanは
DBSは非常に侵襲度が高く実験的な医療であり、
厳選された患者への最後の手段である、と。
Goodman医師が懸念するのは、
効果と副作用とを慎重に見極めずに多用するには時期尚早なのに、
DBSの電極そのものは広く出回っているので、
きちんとした訓練を受けていないセンターが4万ドルもするこの手術を
精神科の患者に実施し始めるのではないか、という点。
効果と副作用とを慎重に見極めずに多用するには時期尚早なのに、
DBSの電極そのものは広く出回っているので、
きちんとした訓練を受けていないセンターが4万ドルもするこの手術を
精神科の患者に実施し始めるのではないか、という点。
去年、どこまで広がるDBS(脳深部刺激術)?のエントリーで
上記Rezai医師がDBSの精神疾患への応用を考えていることが
新たな形での安易な精神外科医療の復活につながるのではないかと懸念しましたが、
やはり、その通りになっているのかもしれません。
上記Rezai医師がDBSの精神疾患への応用を考えていることが
新たな形での安易な精神外科医療の復活につながるのではないかと懸念しましたが、
やはり、その通りになっているのかもしれません。
もしかしたら先端技術の臨床応用の情報は
敢えてフライング気味に流されているのでは、と思ってしまう。
敢えてフライング気味に流されているのでは、と思ってしまう。
「この技術がすごい!」、「将来はこんなことも可能!」などと
すぐにも夢の技術が実現するかのような大騒ぎで患者サイドの夢をかきたてて
それによって患者側にニーズを無理やり創出し、
患者のニーズと自己選択をいいわけにすれば、
安価で広範囲な人体実験ができるから……?
すぐにも夢の技術が実現するかのような大騒ぎで患者サイドの夢をかきたてて
それによって患者側にニーズを無理やり創出し、
患者のニーズと自己選択をいいわけにすれば、
安価で広範囲な人体実験ができるから……?
=== === ===
この記事を読んで思い出したのですが、
夢の素材としてあらゆる方面に用途が広がっているナノ・チューブに
アスベスト並みの発がん性があるかもしれぬ、とWPが報じていました。
夢の素材としてあらゆる方面に用途が広がっているナノ・チューブに
アスベスト並みの発がん性があるかもしれぬ、とWPが報じていました。
様々な用途に利用されているナノ・チューブに直接的に触れる人だけでなく、
製造過程で空中に飛散するナノ・チューブ・ダストに長年さらされる人も危ないらしい、
という研究結果が報告された一方で、
製造過程で空中に飛散するナノ・チューブ・ダストに長年さらされる人も危ないらしい、
という研究結果が報告された一方で、
技術開発や商品化には巨額の資金がつぎこまれても、
健康や安全に関する研究に回される資金はわずかにその5%だといいます。
健康や安全に関する研究に回される資金はわずかにその5%だといいます。
そのリスクに対する無神経には、唖然。
「この技術がすごい!」と夢ばかり描き、その実現に向け前に進むことばかり、
早く進むことばかり……というのはいいかげんにやめて、
しっかり安全を確かめながら、ゆっくり進んだっていいんじゃないでしょうか。
早く進むことばかり……というのはいいかげんにやめて、
しっかり安全を確かめながら、ゆっくり進んだっていいんじゃないでしょうか。
せめて、「バラ色の未来は近い!」的、フライング情報に踊らされないようにしたい。
「50年後の人類がスーパー人類へと変貌を遂げているためには、
今の人間一人ひとりの健康や命などコラテラル・ダメージに過ぎない」なんて考えている人がいる。
そういう人たちによって、使い捨て実験資材にされないために。
今の人間一人ひとりの健康や命などコラテラル・ダメージに過ぎない」なんて考えている人がいる。
そういう人たちによって、使い捨て実験資材にされないために。
2008.05.28 / Top↑
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