通常のゼニ儲け目的のハッキングではなく、
沢山の写真やリンクが連続してフラッシュするというもので、
てんかん協会のサイトにアクセスした人の中には
それによって、ひどい偏頭痛を起こしたり発作を起こしかけた人も。
沢山の写真やリンクが連続してフラッシュするというもので、
てんかん協会のサイトにアクセスした人の中には
それによって、ひどい偏頭痛を起こしたり発作を起こしかけた人も。
今年は他にも
視覚障害者のためにパソコンの文字情報を読み上げるソフトを
不正コードによって無力化するという攻撃も起きているとのこと。
視覚障害者のためにパソコンの文字情報を読み上げるソフトを
不正コードによって無力化するという攻撃も起きているとのこと。
子どもがコトの重大さを認識しないままイタズラでやったのではないかと
専門家は言っているのですが、そうかなぁ……。
専門家は言っているのですが、そうかなぁ……。
弱者の、その弱さにわざわざ付け込む犯罪が増えてきたように思えることと
無関係ではないような気がするのだけど。
無関係ではないような気がするのだけど。
でもって、それは、とりもなおさず、
ハッピーではない人が世の中に急増しているからじゃないかという気がするのだけど。
ハッピーではない人が世の中に急増しているからじゃないかという気がするのだけど。
2008.05.09 / Top↑
医学は進歩しても24週未満の未熟児が助かる確率はきわめて低いままである
……との調査結果が英国で今日発表されるとのこと。
……との調査結果が英国で今日発表されるとのこと。
1994年から1999年の5年間と、
2000年から2005年の5年間に生まれた未熟児の救命率を比較して、
2000年から2005年の5年間に生まれた未熟児の救命率を比較して、
いずれの期間でも救命できたのは
23週で生まれた児の18%
22週で生まれた児で救命できたのはゼロだった、と。
23週で生まれた児の18%
22週で生まれた児で救命できたのはゼロだった、と。
実は、この調査結果が今日発表されることには大きな意味があって、
現在英国議会ではヒト受精・胚法改正法案が議論されており、
その中で中絶のタイムリミットを妊娠24週から20週までに引き下げることが検討されている。
その審議が来週行われることになっているのですね。
現在英国議会ではヒト受精・胚法改正法案が議論されており、
その中で中絶のタイムリミットを妊娠24週から20週までに引き下げることが検討されている。
その審議が来週行われることになっているのですね。
当然、タイムリミット引き下げ支持・中絶反対派の議員は
プロ・ライフ派の大デマだとばっさり否定しているのですが、
プロ・ライフ派の大デマだとばっさり否定しているのですが、
この論文からの引用でちょっと気になるのは、
分娩室で死んだ新生児の中には、死産だったケース、重い病気を持って生まれたために蘇生しても成功しないケース、重い病気を持って生まれたために親とスタッフの合意で保存的治療を行わなかったケースがある。
英国の中絶法では
障害のある子どもであれば既に分娩が始まっていても中絶してもよいとされること、
また、障害児を排除しようとする世の中の空気がここ数年で色濃くなっていることを考えると、
親とスタッフの合意で保存的治療(つまり助ける努力)をしなかったケースというのが
実は増加しているというだけではないのでしょうか。
障害のある子どもであれば既に分娩が始まっていても中絶してもよいとされること、
また、障害児を排除しようとする世の中の空気がここ数年で色濃くなっていることを考えると、
親とスタッフの合意で保存的治療(つまり助ける努力)をしなかったケースというのが
実は増加しているというだけではないのでしょうか。
救命技術や救命の成功率は上がっているのだけれども、
敢えて救命しない慣行が増えた結果がこの調査結果なのだとすれば、
敢えて救命しない慣行が増えた結果がこの調査結果なのだとすれば、
それは必ずしも、
これをわざわざこのタイミングで発表する人による
「医学が進歩しても24週未満の救命率は変わっていないから、
24週以前の中絶が助かる命を殺しているとは言えない」との主張を
サポートしてはいないんじゃないのかなぁ。
これをわざわざこのタイミングで発表する人による
「医学が進歩しても24週未満の救命率は変わっていないから、
24週以前の中絶が助かる命を殺しているとは言えない」との主張を
サポートしてはいないんじゃないのかなぁ。
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それにしても、科学研究や調査というのは
どんな研究や調査が行われるかという仮説や企画の段階から
データの解釈や発表時期ですら
何らかの政治的意図と繋がっているものなのですね。
どんな研究や調査が行われるかという仮説や企画の段階から
データの解釈や発表時期ですら
何らかの政治的意図と繋がっているものなのですね。
そういえば、
例えば生殖補助医療で生まれた多胎児に障害が起こる確率とか
代理出産で障害児が生まれる確率、
その場合に依頼した親と代理母との間に何らかのトラブルがあったか
生まれた子どもがどうなったかという調査などを耳にすることはなし、
例えば生殖補助医療で生まれた多胎児に障害が起こる確率とか
代理出産で障害児が生まれる確率、
その場合に依頼した親と代理母との間に何らかのトラブルがあったか
生まれた子どもがどうなったかという調査などを耳にすることはなし、
臓器移植でレシピアントの生存率に関する調査研究は沢山あっても、
ドナーになった人のその後の健康状態に関する調査もあまり目にしないし、
ドナーになった人のその後の健康状態に関する調査もあまり目にしないし、
脳死になった人からの臓器移植で
臓器提供に同意した家族がその後、
その時の決断をどのように捉えているかという調査も
行われているとは思えないし。
臓器提供に同意した家族がその後、
その時の決断をどのように捉えているかという調査も
行われているとは思えないし。
2008.05.09 / Top↑
W・Postにこのエッセイを書いたのは
Dartmouth大学の生命倫理学教授 Ronald M. Green。
Dartmouth大学の生命倫理学教授 Ronald M. Green。
「赤ちゃん製作は遺伝子から」とでも訳したいタイトルの
この文章の冒頭、Greenが引っぱってくるのは
英国のヒト受精・胚機構(HFEA)が昨年7月に
2組の夫婦に遺伝子診断による胚の選別を認めたという話。
この文章の冒頭、Greenが引っぱってくるのは
英国のヒト受精・胚機構(HFEA)が昨年7月に
2組の夫婦に遺伝子診断による胚の選別を認めたという話。
夫婦共に乳がん患者の多い家系なので人工授精と出生前診断によって
乳がんの遺伝子を排除した胚を着床させたいと希望していた夫婦でした。
乳がんの遺伝子を排除した胚を着床させたいと希望していた夫婦でした。
批判的な人の目には、この一件、
正当な医療としての遺伝子治療と「カンペキな赤ちゃん」欲求との一線を
HFEAがついに超えてしまったと見えたかもしれないが、
もはや、このような子作りは避けがたいし、また悪いことでもない、
みんなで遺伝子操作をやって、デザイナーベイビーを作りましょうよ
…というのがこの文章の論旨。
正当な医療としての遺伝子治療と「カンペキな赤ちゃん」欲求との一線を
HFEAがついに超えてしまったと見えたかもしれないが、
もはや、このような子作りは避けがたいし、また悪いことでもない、
みんなで遺伝子操作をやって、デザイナーベイビーを作りましょうよ
…というのがこの文章の論旨。
Greenは遺伝子操作によるデザイナー・ベイビー批判の論点を4つ挙げて
それぞれに反論しているのですが、
その、あまりのお粗末にゲンナリする。
それぞれに反論しているのですが、
その、あまりのお粗末にゲンナリする。
例えば、Bill McKibbenが指摘している
「自分の能力が遺伝子選択によって与えられたものでしかなかったら
子どもは自分の能力に誇りも、努力する意味を見出せない」という点については、
「自分の能力が遺伝子選択によって与えられたものでしかなかったら
子どもは自分の能力に誇りも、努力する意味を見出せない」という点については、
「タイガー・ウッズを見てみろ。タイガーが父から受け継いだ遺伝的資質を恨むか?」
親が押し付けがましく自分の希望通りの鋳型に子どもを嵌め込もうとすれば
タイガーが不幸になって成功しなかった可能性だってありうるが
その場合は遺伝の問題ではなく、子育てがまずかったという問題だろうと、
あっさり切って捨てているのですけど、
親が押し付けがましく自分の希望通りの鋳型に子どもを嵌め込もうとすれば
タイガーが不幸になって成功しなかった可能性だってありうるが
その場合は遺伝の問題ではなく、子育てがまずかったという問題だろうと、
あっさり切って捨てているのですけど、
しかし、そう思うのであれば、
遺伝子選別で親の希望通りの子どもを作ろうと望むことそのものが
子育てのスタートの姿勢として間違っていると、
あなた自身が認めていることになるのでは?
遺伝子選別で親の希望通りの子どもを作ろうと望むことそのものが
子育てのスタートの姿勢として間違っていると、
あなた自身が認めていることになるのでは?
さらに、「それでも倫理学者か」と言いたいのは、
「いくら批判しても親の愛情にはかなうまい」と、そこに親の愛情を持ち出してくる姑息さ。
「いくら批判しても親の愛情にはかなうまい」と、そこに親の愛情を持ち出してくる姑息さ。
それも言うに事欠いて、
「今日でさえ、
健康な子どもを望んでいたのに生まれた子どもには障害があったという親ほど
その子どもを熱烈に愛する傾向があるではないか。
そうした親の愛の激しさこそが、
遺伝子テクノロジーによって親の愛は損なわれないという最大の守りなのだ」と、
「今日でさえ、
健康な子どもを望んでいたのに生まれた子どもには障害があったという親ほど
その子どもを熱烈に愛する傾向があるではないか。
そうした親の愛の激しさこそが、
遺伝子テクノロジーによって親の愛は損なわれないという最大の守りなのだ」と、
障害児をテクノロジーによって排除しようとしている張本人が
その技術の正当化に障害児への親の愛を持ち出してくるのだから
アンタ、卑劣だよ、ふざけるなよ、と言いたい。
その技術の正当化に障害児への親の愛を持ち出してくるのだから
アンタ、卑劣だよ、ふざけるなよ、と言いたい。
だいたいトンデモ・ヒューマニズム系の人の論理展開というのは、
まず批判されている点を挙げては、そこに非常に極端な例をぶつけることによって
そのインパクトに乗じて反駁していく……という乱暴な手法が目立つのですが、
まず批判されている点を挙げては、そこに非常に極端な例をぶつけることによって
そのインパクトに乗じて反駁していく……という乱暴な手法が目立つのですが、
Greenがここでやっているのも、それと同じですね。
それにしても、
なんで、こんなのが生命倫理“学者”を張っていられるんだろう──?
なんで、こんなのが生命倫理“学者”を張っていられるんだろう──?
―――――――
Amazonの概要によると、その著書のメッセージはどうやら
「遺伝子操作をして、見た目のいい子どもを作ろう。それが子どもの強みになるから」
ということのようで。
「遺伝子操作をして、見た目のいい子どもを作ろう。それが子どもの強みになるから」
ということのようで。
黒人は子どもの肌を白っぽくしたいだろうし、
アジア人は子どもの目の色を白人のように青くしたいだろうし、
だって見た目で現実に損をするのは子どもなんだから、
それを取り除いてやるのも親の愛情だ、と。
アジア人は子どもの目の色を白人のように青くしたいだろうし、
だって見た目で現実に損をするのは子どもなんだから、
それを取り除いてやるのも親の愛情だ、と。
病気遺伝子の排除よりも、見た目重視の遺伝子操作を提唱しているGreenは
それを独自にcosmetico-genomicsと称しているんだとか。
さしずめ「遺伝子エステティック」とでもいったところでしょうか?
それを独自にcosmetico-genomicsと称しているんだとか。
さしずめ「遺伝子エステティック」とでもいったところでしょうか?
こういうトンデモ・ヒューマンな人って、
私には「自分の価値観の浅薄さを曝け出している、ただのバカ」としか思えないのですが……。
私には「自分の価値観の浅薄さを曝け出している、ただのバカ」としか思えないのですが……。
2008.05.09 / Top↑
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