米国ではプライマリー・ケアのドクターが不足しているらしくて、それが医療改革の足を引っ張っている、と。専門医になって富裕層を相手におショーバイするのが一番ラクでいい生活できるから? 何年も前に高齢者医療の専門医がいないから、総合病院で高齢者に適切な医療が行われていないという話が出ていたけど、そういうのが解消に向かうんじゃなくて、もっと問題は深刻になっているということみたい。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/06/19/AR2009061903583.html
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/06/19/AR2009061903583.html
Obama大統領の医療制度改革で、製薬会社がメディケアの薬代を値下げすることに合意。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/06/19/AR2009061900280.html
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/06/19/AR2009061900280.html
DCのホロコーストミュージアムで射殺された警備員の葬儀で、人種差別が根強く残っていることを閣僚ら憂慮。今朝の朝日新聞も米国のヘイトクライムの急増を取り上げていたけど、ハッピーでない人が多くなって、差別が激しくなって、ヘイトクライムが増加している。人種差別だけじゃない。女性差別、障害者差別、高齢者、子ども、病者、貧者、時には何も理由などなくても。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/06/19/AR2009061900532.html
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/06/19/AR2009061900532.html
フィラデルフィアの病院の癌ユニットで、6年間に行われた116件の前立腺がんの手術のうち92件が失敗。でも、そのたびに外部監査官が書類の書き直しでOKにしていたらしい。医師の経歴に傷が付かないように? ここまで酷いかどうかは別にして、これに類する話、日本でもありそうな気がする。私、個人的に1つ知っているぞ。何十人もの患者の命や安全よりも、医師の名誉が優先される話。
http://www.nytimes.com/2009/06/21/health/21radiation.html?_r=1&th&emc=th
http://www.nytimes.com/2009/06/21/health/21radiation.html?_r=1&th&emc=th
米国民は民間保健に対抗できるだけの官製医療保険を望んでいる、との世論調査。
http://www.nytimes.com/2009/06/21/health/policy/21poll.html?_r=1&th&emc=th
http://www.nytimes.com/2009/06/21/health/policy/21poll.html?_r=1&th&emc=th
病休中のアップル社の幹部(チーフ・エグゼキュティブって社長です?)がどうやら2ヶ月前に肝臓移植を受けていたらしい。米国の臓器移植には優先順位のスキャンダルがいくつもある。私はこれともう一冊しか読んでいないけど、どちらも驚愕の内容だった。
http://www.nytimes.com/2009/06/21/business/21apple.html?_r=1&th&emc=th
http://www.nytimes.com/2009/06/21/business/21apple.html?_r=1&th&emc=th
ヒポクラテスの誓いを立てた以上、患者の死に手を貸すことはできない、と自殺幇助に反対する医師のエッセイ。Guardianに。
http://www.guardian.co.uk/society/joepublic/2009/jun/22/assisted-suicide-uk-nhs
http://www.guardian.co.uk/society/joepublic/2009/jun/22/assisted-suicide-uk-nhs
国際捕鯨委員会が始まった。前にここで日本が途中で席を立って国際的な非難を浴びた時も、日本では報道されず、ずっと後になってグリーンピースの抗議行動が激しくなった時に初めて、それまでのいきさつ抜きの被害者の立場で報道されたのには、違和感があった。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/8112055.stm
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/8112055.stm
2009.06.22 / Top↑
2002年の最初の1例めからこれまでにDignitasで幇助を受けて自殺した英国人
115人のうち直近の1人を除く114人分の病気の情報を
Guardianが入手。
115人のうち直近の1人を除く114人分の病気の情報を
Guardianが入手。
病気や障害は22種類で、
114人の英国人のうち36人は様々な形態の癌。
27人が運動神経の病気。
17人がMS。
114人の英国人のうち36人は様々な形態の癌。
27人が運動神経の病気。
17人がMS。
しかし、
クローン病の人が2人。
四肢麻痺の人が2人。
透析や移植で治療の可能性がある腎臓病の人が3人。
1人はリューマチ……と、
ターミナルとはいえない病気の人も含まれている。
クローン病の人が2人。
四肢麻痺の人が2人。
透析や移植で治療の可能性がある腎臓病の人が3人。
1人はリューマチ……と、
ターミナルとはいえない病気の人も含まれている。
英国GP学会の会長Steve Field教授は
「このリストには、ぞっとしますよ。
確かに中には大変な苦しみや悲惨を経験される病気もありますが、
こういう病気を抱えて生きている患者さんは沢山おられる、という病気もあるし、
まだ何年も生産的で有意義な人生を送ることができる病気も含まれている」と。
「このリストには、ぞっとしますよ。
確かに中には大変な苦しみや悲惨を経験される病気もありますが、
こういう病気を抱えて生きている患者さんは沢山おられる、という病気もあるし、
まだ何年も生産的で有意義な人生を送ることができる病気も含まれている」と。
英国医学会倫理委員会会長も、英国医師会倫理委員会会長も、それぞれに
Dignitasが自殺希望者の状態を適切なアセスメントを行わず、
まだ治療可能な人の自殺を幇助したことは重大な問題、と。
Dignitasが自殺希望者の状態を適切なアセスメントを行わず、
まだ治療可能な人の自殺を幇助したことは重大な問題、と。
また、この記事では
去年 the Journal of Medical Ethics に発表された調査にも言及されており、
それによるとDignitasで自殺した様々な国籍の人のうち21.2%は死病ではなかった、と。
去年 the Journal of Medical Ethics に発表された調査にも言及されており、
それによるとDignitasで自殺した様々な国籍の人のうち21.2%は死病ではなかった、と。
当ブログでも繰り返し触れてきた
事故で首から下が不随になった23歳のラグビー選手の自殺も特筆されています。
事故で首から下が不随になった23歳のラグビー選手の自殺も特筆されています。
意思決定能力のある成人でターミナルな人の尊厳死のアドボケイト
Dingnity in DyingのSarah Woottonさんは
自殺幇助は予防すべきだが、死の幇助は規制したうえで認められるべきで
その2つをきちんと区別して法を明確化する必要がある、と。
Dingnity in DyingのSarah Woottonさんは
自殺幇助は予防すべきだが、死の幇助は規制したうえで認められるべきで
その2つをきちんと区別して法を明確化する必要がある、と。
来週英国医師会の年次大会で、
自殺のために身近な人を海外に連れて行く行為の合法化と
UK国内でターミナルな人が死を幇助してもらう権利について
議論が行われる予定。
自殺のために身近な人を海外に連れて行く行為の合法化と
UK国内でターミナルな人が死を幇助してもらう権利について
議論が行われる予定。
Suicide clinic challenged over patients who could have lived ‘for decades’
The Guardian, June 21, 2009
The Guardian, June 21, 2009
訳すのが面倒なので、原文のまま、リストを以下に。
Conditions of first 114 Britons to die, starting in late 2002; no details are yet available of a recent 115th
Aids 1
Cancer 36
Cauda equina syndrome 1
Cerebellar ataxia 2
Huntington's chorea 2
Chronic obstructive lung disease 1
Friedreich's ataxia 1
Heart problems 1
Inclusion body myositis 1
Kidney disease 3
Motor neurone disease 27
Crohn's disease 2
Multiple sclerosis 17
Multiple diseases 3
Multiple luxation 1
Multiple system atrophy 3
Non-treatable epilepsy 1
Parkinson's 3
Pick's disease 1
Progressive supranuclear palsy 4
Rheumatoid arthritis 1
Tetraplegia 2
Aids 1
Cancer 36
Cauda equina syndrome 1
Cerebellar ataxia 2
Huntington's chorea 2
Chronic obstructive lung disease 1
Friedreich's ataxia 1
Heart problems 1
Inclusion body myositis 1
Kidney disease 3
Motor neurone disease 27
Crohn's disease 2
Multiple sclerosis 17
Multiple diseases 3
Multiple luxation 1
Multiple system atrophy 3
Non-treatable epilepsy 1
Parkinson's 3
Pick's disease 1
Progressive supranuclear palsy 4
Rheumatoid arthritis 1
Tetraplegia 2
2009.06.22 / Top↑
兄弟への臓器提供のために人工授精によって生まれてくる子ども
いわゆる「救済者兄弟」をテーマにしたジョディ・ピコーの小説
My Sister’s Keeper(邦訳タイトル「私の中のあなた」)が
キャメロン・ディアス主演で映画化され、
この金曜日に米国で封切りとのこと。
いわゆる「救済者兄弟」をテーマにしたジョディ・ピコーの小説
My Sister’s Keeper(邦訳タイトル「私の中のあなた」)が
キャメロン・ディアス主演で映画化され、
この金曜日に米国で封切りとのこと。
PG-13指定になっています。
当ブログで取り上げたエントリーは以下に。
(ネタバレを含みます。物語を知らずに映画を見ようと思われる方にはお勧めしません)
「わたしのなかのあなた」から
「わたしのなかのあなた」から 2
「わたしのなかのあなた」から 3
(ネタバレを含みます。物語を知らずに映画を見ようと思われる方にはお勧めしません)
「わたしのなかのあなた」から
「わたしのなかのあなた」から 2
「わたしのなかのあなた」から 3
【救済者兄弟 関連エントリー】
救済者兄弟:兄弟への臓器提供のために遺伝子診断と生殖補助技術で生まれる子ども
救済者兄弟:兄弟への臓器提供のために遺伝子診断と生殖補助技術で生まれる子ども
”救済者兄弟”
英国の”救済者兄弟”事情 追加情報
兄弟間の臓器移植 Pentz講演
臓器目的で子ども作って何が悪い、とFost
ヒト受精・胚法に関する英国医師会見解
英国議会ハイブリッド胚と救済者兄弟を認める
英国の”救済者兄弟”事情 追加情報
兄弟間の臓器移植 Pentz講演
臓器目的で子ども作って何が悪い、とFost
ヒト受精・胚法に関する英国医師会見解
英国議会ハイブリッド胚と救済者兄弟を認める
―――――――
映画といえば、知的障害者への差別意識・発言があまりにも露骨だとして
米国で批判が高まり、上映反対運動などを当ブログでも追いかけた
Tropical Thunder が、ずいぶん前から近所のレンタル店の棚にあるのですが、
どうも、いまいち見ようという気にならない……。
米国で批判が高まり、上映反対運動などを当ブログでも追いかけた
Tropical Thunder が、ずいぶん前から近所のレンタル店の棚にあるのですが、
どうも、いまいち見ようという気にならない……。
たぶん、見終わった後で
この前の臓器移植法改正の投票であっさりA案可決というニュースを聞いた
あの直後のような気分になるように思えて……。
この前の臓器移植法改正の投票であっさりA案可決というニュースを聞いた
あの直後のような気分になるように思えて……。
2009.06.22 / Top↑
National Stroke Association (NSA)のサイトを見ると、
今年の啓発の柱は3本で、「予防」「早期発見」「脳卒中サバイバーと介護者への支援」。
今年の啓発の柱は3本で、「予防」「早期発見」「脳卒中サバイバーと介護者への支援」。
一方、日本脳卒中協会によると、
日本でも2002年から5月25~31日は脳卒中啓発週間とされているのですが、
こちらのサイトにある啓発週間情報を見てみると、
「予防」と「早期発見」のみで
「本人と介護者への支援」という視点がすっぽり抜けています。
日本でも2002年から5月25~31日は脳卒中啓発週間とされているのですが、
こちらのサイトにある啓発週間情報を見てみると、
「予防」と「早期発見」のみで
「本人と介護者への支援」という視点がすっぽり抜けています。
これまでにも、あちこちのエントリーで書いてきましたが、
日本のいわゆる“専門家”の考える「支援」は
実は「指導」であり「教育」であって、肝心の「支援」がないのでは、と
私はずっと感じてきたので、
日本のいわゆる“専門家”の考える「支援」は
実は「指導」であり「教育」であって、肝心の「支援」がないのでは、と
私はずっと感じてきたので、
5月の脳卒中月間を機に、
NSAよりもさらに脳卒中サバイバーと介護者の支援に力を入れている
American Stroke Association(ASA)から出された
「大切な人が脳卒中を起こしたら介護者として心得ておきたい15の心得」を紹介したく、仮訳してみました。
NSAよりもさらに脳卒中サバイバーと介護者の支援に力を入れている
American Stroke Association(ASA)から出された
「大切な人が脳卒中を起こしたら介護者として心得ておきたい15の心得」を紹介したく、仮訳してみました。
(医療保険制度が日本と大きく異なっている点は理解して読む必要があるとは思いますが、
リハビリ制限に関しては日本でも有効なアドバイスです。)
リハビリ制限に関しては日本でも有効なアドバイスです。)
大切な人が脳卒中を起こしたら介護者として心得ておきたい15の知恵
1.知らないことは尋ねましょう。あなたの大切な人が飲む薬について、副作用も含めて、きちんと把握しておきましょう。疑問に思うことは医師や看護師、セラピストに尋ねましょう。脳卒中の直後や回復期の医療について、またリハビリテーションについても、はっきりと説明を受け、資料をもらいましょう。
2.脳卒中を繰り返さないためリスクを減らしましょう。一度脳卒中を起こした人が治療の注意を守らなければ再び脳卒中を起こす確率が高くなります。健康的な食事、運動、正しい服薬、定期的な検診が大切です。
3.回復は様々な要因で変わります。脳卒中が起きた部位、脳が受けたダメージ、患者さんの意欲や介護者のサポート、リハビリテーションの質と量、脳卒中を起こす前の健康状態など、回復には様々な要因が関わっています。脳卒中はどれ1つとして同じではなく、脳卒中サバイバーも1人として同じではありません。回復を他の人と比べないようにしましょう。
4.回復は短期、長期の両方で考えましょう。通常、最初の3~4週間で最も早い回復は起こりますが、中には発作後1年または2年が経った後になって、まだ大きな回復を見せる人もあります。
5.症状によってはリハビリテーションを。次のような兆候があったら、理学療法士または作業療法士の支援が必要と考えましょう:めまいがある。バランスを崩して転倒する。日常生活で歩行や移動が困難。止まって休憩しないと6分以上歩き続けられない。それまで楽しんでいた娯楽や家族との外出を楽しまなくなった。日常生活動作に手助けが必要となった。
6.転倒をあなどらないで。脳卒中の後での転倒は誰にでもあることです。ひどく転んだ時や、転んだ後に強い痛み、あざ、出血があったら、救急病院で診てもらいましょう。怪我のない、ちょっとした転倒でも、半年間に2回以上あるような場合には医師や理学療法士に相談しましょう。
7.機能の回復具合を測るとリハビリ内容を変えることができます。機能回復の度合いによって、急性期リハをどれだけ受けられるかが変わります。急性期リハでは、機能的自立度計測スコア(FIMS)によって機能回復の程度を測り、ポイントを毎週上げることが求められているのです。項目には日常動作や移動、意思疎通スキルも含まれており、通常は一日に1~2ポイント上げるのが目標となります。
8.能力に変化があればサービスも変わります。脳卒中前よりも身体機能が低下していればメディケアでリハビリテーションを受けられます。前回のリハビリを受けて後に運動機能、言語機能、自助能力が改善しても、また、その逆に低下しても、その後のサービスを増してもらえる可能性があります。
9.態度や行動の変化をチェック。ご本人が自分の感情をコントロールできにくくなっていないか、気をつけてチェックしましょう。そういう兆候があれば、医師に相談して対応するための計画を立てましょう。
10.ウツは回復の敵。そうなる前に止めましょう。時期のばらつきはありますが、脳卒中後にウツ状態になる人は3~5割もいると言われており、よくあることです。しかし脳卒中後のウツ状態は回復やリハビリテーションに大きく影響します。ウツかなと思ったら医師に相談して対応するための計画を立てましょう。
11.支援を求めましょう。脳卒中サバイバーや介護者支援グループなど、地域には家族やあなた自身を支援する資源があります。地域の情報を得るためには、ケース・マネージャー、ソーシャルワーカー、退院支援担当者との繋がりを切らないようにしましょう。
12.保険の支払いについて把握しましょう。医師やケース・マネージャー、ソーシャルワーカーに相談して、リハビリテーションがどのくらいの期間に渡って保険で支払われるか把握しましょう。リハ・サービスは症例によって大きく違うことがあります。あなたの保険ではどのくらいの期間支払われるのか、自費でどのくらい支払うことになるのか、把握しておきましょう。
13.必要なら協力を求め、自ら行動を。「医療上の必要」の不足を理由に保険会社がリハビリテーションを拒否した場合は、主治医に介入を求めましょう。保険者に記録を送ってもらい、必要なら自分で保険会社に電話をしましょう。
14.自分の権利を知っておきましょう。あなたの大切な人の受ける医療とリハビリテーションの記録を公開してもらう権利が、あなたにはあります。カルテの記述や脳の画像も含め、医療記録のコピーをもらう権利もあります。
15.自分を大切にしましょう。他の家族や友人、近所の人に協力を求めて自分自身のための時間を作り、介護からの休憩を取りましょう。きちんと食事をとり、毎日運動やウォーキングで体を動かして、ちゃんと休みましょう。
仮訳:児玉真美
「世界の介護と医療の情報を読む」より(「介護保険情報」2009年6月号p.104-105掲載のものを一部改定)
1.知らないことは尋ねましょう。あなたの大切な人が飲む薬について、副作用も含めて、きちんと把握しておきましょう。疑問に思うことは医師や看護師、セラピストに尋ねましょう。脳卒中の直後や回復期の医療について、またリハビリテーションについても、はっきりと説明を受け、資料をもらいましょう。
2.脳卒中を繰り返さないためリスクを減らしましょう。一度脳卒中を起こした人が治療の注意を守らなければ再び脳卒中を起こす確率が高くなります。健康的な食事、運動、正しい服薬、定期的な検診が大切です。
3.回復は様々な要因で変わります。脳卒中が起きた部位、脳が受けたダメージ、患者さんの意欲や介護者のサポート、リハビリテーションの質と量、脳卒中を起こす前の健康状態など、回復には様々な要因が関わっています。脳卒中はどれ1つとして同じではなく、脳卒中サバイバーも1人として同じではありません。回復を他の人と比べないようにしましょう。
4.回復は短期、長期の両方で考えましょう。通常、最初の3~4週間で最も早い回復は起こりますが、中には発作後1年または2年が経った後になって、まだ大きな回復を見せる人もあります。
5.症状によってはリハビリテーションを。次のような兆候があったら、理学療法士または作業療法士の支援が必要と考えましょう:めまいがある。バランスを崩して転倒する。日常生活で歩行や移動が困難。止まって休憩しないと6分以上歩き続けられない。それまで楽しんでいた娯楽や家族との外出を楽しまなくなった。日常生活動作に手助けが必要となった。
6.転倒をあなどらないで。脳卒中の後での転倒は誰にでもあることです。ひどく転んだ時や、転んだ後に強い痛み、あざ、出血があったら、救急病院で診てもらいましょう。怪我のない、ちょっとした転倒でも、半年間に2回以上あるような場合には医師や理学療法士に相談しましょう。
7.機能の回復具合を測るとリハビリ内容を変えることができます。機能回復の度合いによって、急性期リハをどれだけ受けられるかが変わります。急性期リハでは、機能的自立度計測スコア(FIMS)によって機能回復の程度を測り、ポイントを毎週上げることが求められているのです。項目には日常動作や移動、意思疎通スキルも含まれており、通常は一日に1~2ポイント上げるのが目標となります。
8.能力に変化があればサービスも変わります。脳卒中前よりも身体機能が低下していればメディケアでリハビリテーションを受けられます。前回のリハビリを受けて後に運動機能、言語機能、自助能力が改善しても、また、その逆に低下しても、その後のサービスを増してもらえる可能性があります。
9.態度や行動の変化をチェック。ご本人が自分の感情をコントロールできにくくなっていないか、気をつけてチェックしましょう。そういう兆候があれば、医師に相談して対応するための計画を立てましょう。
10.ウツは回復の敵。そうなる前に止めましょう。時期のばらつきはありますが、脳卒中後にウツ状態になる人は3~5割もいると言われており、よくあることです。しかし脳卒中後のウツ状態は回復やリハビリテーションに大きく影響します。ウツかなと思ったら医師に相談して対応するための計画を立てましょう。
11.支援を求めましょう。脳卒中サバイバーや介護者支援グループなど、地域には家族やあなた自身を支援する資源があります。地域の情報を得るためには、ケース・マネージャー、ソーシャルワーカー、退院支援担当者との繋がりを切らないようにしましょう。
12.保険の支払いについて把握しましょう。医師やケース・マネージャー、ソーシャルワーカーに相談して、リハビリテーションがどのくらいの期間に渡って保険で支払われるか把握しましょう。リハ・サービスは症例によって大きく違うことがあります。あなたの保険ではどのくらいの期間支払われるのか、自費でどのくらい支払うことになるのか、把握しておきましょう。
13.必要なら協力を求め、自ら行動を。「医療上の必要」の不足を理由に保険会社がリハビリテーションを拒否した場合は、主治医に介入を求めましょう。保険者に記録を送ってもらい、必要なら自分で保険会社に電話をしましょう。
14.自分の権利を知っておきましょう。あなたの大切な人の受ける医療とリハビリテーションの記録を公開してもらう権利が、あなたにはあります。カルテの記述や脳の画像も含め、医療記録のコピーをもらう権利もあります。
15.自分を大切にしましょう。他の家族や友人、近所の人に協力を求めて自分自身のための時間を作り、介護からの休憩を取りましょう。きちんと食事をとり、毎日運動やウォーキングで体を動かして、ちゃんと休みましょう。
仮訳:児玉真美
「世界の介護と医療の情報を読む」より(「介護保険情報」2009年6月号p.104-105掲載のものを一部改定)
(原文はその後、あちこちで見るたびにタイトル本文ともに少しずつ違っているのですが、
上記の仮訳は4月29日にMedical News Todayに掲載された
15 Tips Caregivers Should know After A Loved One Has Had A Stroke を使用)
上記の仮訳は4月29日にMedical News Todayに掲載された
15 Tips Caregivers Should know After A Loved One Has Had A Stroke を使用)
脳卒中に限らず、広く慢性病患者や障害児・者と介護者に必要なのは
正しい知識・技術と情報を「指導」と「教育」によって与えられることだけでなく、
それらを現実に使いこなしながら日々を暮らす力をつけることであり、
そのエンパワメントをサポートしてくれる支援なのだということ。
正しい知識・技術と情報を「指導」と「教育」によって与えられることだけでなく、
それらを現実に使いこなしながら日々を暮らす力をつけることであり、
そのエンパワメントをサポートしてくれる支援なのだということ。
そのためには専門家の「支援」の視点が医療の中に留まって、
その高みから患者の体だけを眺めているというのではなくて
患者の生活や人生の側に視点を移して、
患者の側に寄り添ってみることから始めて欲しいという
個人的な願いをこめて。
その高みから患者の体だけを眺めているというのではなくて
患者の生活や人生の側に視点を移して、
患者の側に寄り添ってみることから始めて欲しいという
個人的な願いをこめて。
-------
ASAのサイトは、例えば「脳卒中後の生活」カテゴリーだけでも、
医療機関や最新治療・代替医療、リハビリ、後遺障害、支援テクノロジーに関する豊富な情報のほか、
「片手で野菜を切る方法」「片手で運転する方法」など日常生活のヒント集、
金銭面でのアドバイスのページ、受けられる支援に関する情報ページなど
医療機関や最新治療・代替医療、リハビリ、後遺障害、支援テクノロジーに関する豊富な情報のほか、
「片手で野菜を切る方法」「片手で運転する方法」など日常生活のヒント集、
金銭面でのアドバイスのページ、受けられる支援に関する情報ページなど
いわば「サバイバーと介護者をエンパワーするための情報」の宝庫となっています。
【英国の介護者支援エントリー】
英国の介護者支援について
「介護者それは英国のシークレット・サービス」と英国の介護者週間
介護者の実態調査(英国介護者週間)
「レスパイトは贅沢ではなく不可欠な必須事項」
「ケアプランには計画的に定期的なレスパイトを」と英国のチャリティ
英国の介護者支援について
「介護者それは英国のシークレット・サービス」と英国の介護者週間
介護者の実態調査(英国介護者週間)
「レスパイトは贅沢ではなく不可欠な必須事項」
「ケアプランには計画的に定期的なレスパイトを」と英国のチャリティ
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