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Jodi Picoult原作の映画 My Sister’s Keeper でUSA Today のMovies の記事。キャメロン・ディアスが母親役を演じることに、本人はどうなのよ、という話が中心ではあるのだけれど、それにしても「癌の姉のために妹に臓器提供を強要する母親の役」以上に物語の説明がないのも、どうなのよ。妹は初めからその目的で体外受精と遺伝子診断で作られたのであり、それこそがテーマなんだというのに。
http://www.usatoday.com/life/movies/news/2009-06-24-cameron-diaz_N.htm?csp=DailyBriefing

FBIが5000万ドルものメディケアの不正請求を暴き、53人を起訴。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8117561.stm

医療改革に不可欠なのは選択、競争、インセンティブ。NY TimesのOp Ed。
http://www.nytimes.com/2009/06/25/opinion/25enthoven.html?_r=1&th&emc=th

英国では診断の遅れとその後の治療の不備で、医療の質さえ高ければまだ生きられたはずの75歳以上の癌患者が毎年15000人も死んでいる。比較の基準にされているのはヨーロッパと米国のベストな医療。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8117561.stm

州知事さんたちがObama大統領に、「医療改革の必要については認識を同じくしているが、そのために既に苦しい州の財布に余計な負担をかけたり、州独自に始めている革新的な事業の邪魔をしないように」。改革議論への参画を要求。こちらも知事の乱?
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/06/24/AR2009062403609.html

ヘロインやコカインの濫用は犯罪としてではなく、病気として治療しましょう、と国連の担当部局から。
http://www.guardian.co.uk/world/2009/jun/24/united-nations-report-drug-use

ひざの全置換手術、高齢者でコストパフォーマンス良い、と。ほらね。こういう研究がこれからどんどん出てくるんじゃないのかな。この治療はこういう人にはコスト効率がいいけど、こういう人には良くない……良くないということは、たぶん、その治療は受けられなくなるということ。しかも、誰も、その研究の科学的妥当性とか結果の信頼性をなぜかあまり問わないままに。まぁ、日本のリハビリでは、もうとっくに起こっていることなんだけど。
http://www.medicalnewstoday.com:80/articles/155057.php

ADHDではない子どもよりもADHDの子どもに多く見られる遺伝子の変異が沢山わかった。
http://www.medicalnewstoday.com:80/articles/155087.php

またスタチン。今度はアルツハイマー病の進行を抑えるんだと。
http://www.medicalnewstoday.com:80/articles/155083.php

25歳以下の女性への子宮がんのスクリーニングは、間違ってポジで出てしまった時のリスクが大きすぎるので、子宮がん検診が推奨される年齢を20歳以上に変更しようとの案はボツ。英国。
http://timesonline-emails.co.uk:80/go.asp?/bTNL001/mFHLAWA/qOZ3JWA/uM9ZZ6/xPSKBWA
2009.06.25 / Top↑
自分の国の医療制度だって詳細となるとさっぱり分からないのだから
さらに複雑怪奇と見える米国の医療制度のことが、
私などに分かるはずもないのだけど、

Obama大統領が医療制度改革は公約に上げていたし、
就任演説の時に「科学の力を借りて医療改革を行う」みたいなことを言ったのもずっと引っかかっていて
いよいよ医療制度改革案がいろいろ取りざたされているらしいニュースを読むと、
やっぱり気になってしまう。

で、実際に詳しく解説されたものを読んでも理解できないので
こういう分かりやすいものに飛びついてしまうのだけれど、



ずっと昔から皆保険は「社会主義医療」だと反対してきた共和党の立場からの批判なので、
それはそれとして読むとして。

Obama民主党案が目指す皆保険ビジョンというのは
全国民の健康・医療データの全てを国がオンラインで管理して、
科学的なエビデンスに基づくコストパフォーマンス判断を行い、
個々人に最適な医療を受けてもらおう、という仕組み。

こんな仕組みでは高齢者は切り捨てられて、
治療するよりも自殺幇助を受けなさいという話になる。

Obama大統領の巨額の経済刺激策の中に
The Federal Coordinating Council for Comparative Effectiveness Research(190-192)
という研究があるが、

それは「もう治る望みがなくなった人には
最新テクノロジーや高価な薬を使っても意味がないから
そういう治療をやめることでコストを削減しましょう」という方向に
誘導するための研究である。

実際に英国のNHSでは、
このCEが患者への治療を拒否する言い訳に使われているんだぞ。

退職者アドボケイトのAARP は一体何をボケっとしているのだ???
会員である高齢者の利益を守るべく、さっさと戦わんかいっ。

だいたい、こんな感じの記事。

事実関係が、この記事の通りだとすると、
ゲイツ財団がIHMEを通じてグローバル・ヘルスでやろうとしているのと同じことを
Obama大統領は米国の医療でやろうとしているということ──?

確かに、それでこそ
「科学の偉業によって医療を効率化する」といった
就任演説での約束にふさわしいのかもしれないけど──。


もちろん、この記事を読めば、
でも、だからといって、貧乏で健康保険に入れないような人たちは
みんなで面倒を見る必要などなくて個人で勝手に死ねばいいという話でもないだろう、とは思うのだけど、

ただ、その一方にあるのが、
国民に広く浅く医療を保証するためには科学とテクノロジーを駆使して、
科学とテクノロジー資源の最も効率的な配分方法を考えるしかない……という話なんだとしたら、

高齢者も障害者も、医療のコストパフォーマンスを持ち出されたら
そんなものが良いはずは金輪際ないのだから

どっちに転んでも、
貧しい病人(ゼニも手もかかる高齢者も障害者も)を待っているのは
「じゃぁ、せめて、苦しむ前に自殺幇助してくだせぇ」と言いたくなる現実なのかなぁ……。

あ、もちろん、そこは”死の自己決定権”を行使して
”自己責任・自己選択”として”尊厳死”を選ぶわけですけど。

だってね、私はなんとなく予感がする――。
これから医療の現場では「カウンセリング体制」が充実してくるんだろうな、という予感が――。



ちなみに、自殺幇助が既に合法化されたOregon州では、
「抗がん剤治療はダメだけど自殺幇助はOK」とメディケアという話が現実になっています。



2009.06.25 / Top↑
現在、米国の障害者向け公的保健制度メディケイドでは
基本的には在宅ケアが認められず、
重度の人はナーシングホーム入所しか選択肢がない。

そこで記事冒頭に紹介されているMSの女性のように
19年間会計士として働きながらアパート暮らしをしてきたような人でも
2年前に失業して収入が途絶え、メディケイドに頼ることになると
いきなりナーシングホームで暮らす以外に道がなくなる。

こういう状況については10年前に最高裁が
差別であり、米国障害者法に違反するとの判断を示しており、
メディケイドで介護を受けながら地域で暮らすことも選択できるように
障害当事者らは何年も前から the Community Choice Act の実現を訴えている。

州ごとに何らかの努力は行われているようで
48000人が施設入所しているミズーリ州では
メディケアの介護費用の45%を地域サービスに回しており、
(しかし、在宅サービスの待機リストは4000人)

入所者97000人のイリノイ州ではメディケアの介護費用の30%が地域サービスに。

アリゾナでは64%が回されているが
なんとテネシー州では2007年に地域サービスに回った予算は1%のみ。

Obama大統領は上院議員時代にはこの法案提出のスポンサーの一人に名を連ねたが、
(大統領選の時には「実現に向けて努力する」みたいなことを言っていたような……)

ホワイトハウスのサイトの表現が最近になって
当初の「大統領はCCAを支持する」というものから
「各州がサービスを施設から地域にシフトするよう促進する現在の努力を続ける」に変更された。



こういう米国の在宅介護支援の不足のニュースを読んで、うっかり、
あ、なんだ、アメリカもひどいんだな、日本と違わないじゃん……と
考えるかもしれない人のために、

こちらに1例として、
24時間介護を必要とする脊髄性筋萎縮症の11歳の女の子のケースを紹介したエントリーを。


父親は連邦政府の官僚で、一家が暮らしているのはWashington DC。
連邦政府が職員にかけてくれる医療保険と娘さんに支給されるメディケイドで
これだけの在宅ケアが実現している。

ただ、折からの不況で、このたび
毎日朝7時から夜7時まで12時間の訪問看護が医療保険からはずされることになった。

母親は記事の中で
「じゃぁ、私に毎日24時間、休日なしで娘のケアをしろということなんですか。
そんなこと無理です。そんなことができる人なんて、どこにもいませんよ」と腹を立てている。

もちろん中央官僚の家庭だから恵まれているのも事実だろうけれど、
この家には、他に2人の女の子がいて、その2人はなんと養子。

24時間介護の必要な障害のある子どもがいて、
それでもなお2人も養子を育てられる家庭が、日本のどこにあるだろう?

「私に24時間、子どもの介護をしろというんですか?
 そんなことができる人なんか、どこにもいませんよ」と
堂々と言い放てる日本の障害児の母親が、どこにいるだろう?

きっとベースラインそのものが全然違うところにある──。

在宅介護サービスが「ひどい」「足りない」という声を聞くからといって、
日本と同じだと思い込んではいけないんだろうな……という気がする。



【関連エントリー】
Obama政権の障害者施策方針(2009/1/23)
2009.06.25 / Top↑