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臓器移植を受けた人の3分の1が臓器提供者の人格からの影響を感じている。それなら、良い人からの臓器提供を受けたい、殺人犯の臓器は要らない、という調査。心臓移植したらドナーの人格の影響を受けているような気がして、ドナーが誰だったかを探し始める……というミステリー、ずっと前に読んだ、そういえば。もう20年近く前のような気がするけど。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8084936.stm

WHOがロタ・ウイルスのワクチンを全ての子供に、と。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8083684.stm

去年5月の英国での児童虐待事件の裁判。母親と内縁の夫に監禁されていた7歳女児が何ヶ月も食べ物を与えられず、事実上の餓死(最後は感染症)。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/west_midlands/8084972.stm

英アルツハイマー病協会が英国のアルツハイマー病患者への薬の過剰投与で「ぼったくり」と政府を非難。Timesが火をつけた論争ということになるのか。今後を注目しておきたい。
http://www.medicalnewstoday.com:80/articles/152410.php

オーストラリアでも自殺幇助合法化もとめる声が上がっている。この読者投稿ではアルツハイマー病の末期の悲惨がやはりイメージされていて、英国哲学者Warnock氏の「認知症患者には死ぬ義務がある」発言が引っ張られている。
http://www.smh.com.au/opinion/letters/allow-assisted-suicide-to-end-peoples-suffering-20090604-bx1y.html

英国の自殺法改正議論関連。まだまだ出ているけど、全体に改正賛成の声が圧倒的に多い感じ。でも、国内で自殺幇助は違法だけど、合法な国に連れて行くのはOKというのも、よく分からない。そこは、やっぱり、その後はズルズル……ってことなのか……。
http://www.timesonline.co.uk/tol/comment/letters/article6433007.ece

ウィスコンシン州の監獄で同房者の自殺を幇助したとされるJoshua Waltersの裁判関連。
http://www.fortmilltimes.com/124/story/589839.html

未熟児の救命率が上がっている
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8078911.stm

カザフスタンで行われたワールドカップ予選で、イングランドのファンが撃たれて怪我。
http://www.timesonline.co.uk/tol/sport/football/international/article6428864.ece?&EMC-Bltn=CGO9SA
2009.06.05 / Top↑
もちろん、この件での関係はないのだけど、
Massachusetts General Hospital(MGH)と聞くと、
ああ、あのBiederman先生がいらっしゃる病院だ……と連想してしまう。

そのMGHの研究者らがBMJに発表した研究によると、

認知症の末期の患者さんはこうなりますよ、
その場合の治療の選択肢はこれこれですよ、と言葉で説明するよりも、
実際の末期患者のビデオを見せて説明した場合の方が、

高齢者が終末期医療について「じゃあ安楽ケアだけでいいです」という選択をする確率が高かった。

よって、終末期患者の実像をビデオで見せることは
高齢者が終末期の選択をするのを“help”する(助ける・手伝う・支援する・促す……どれだ?)と。


研究で被験者に見せたのは80歳の認知症の女性患者が
明らかに歩けない、食べられない、家族とコミュニケーションがとれない姿。

被験者はボストン地域で病院にはかかっているが認知症状のない65歳以上の高齢者200人。

この女性の様子を言葉だけで説明されるグループと
女性の姿を撮影した2分間のビデオを見せられるグループに分け、
自分の終末期の医療について以下の3つの選択肢の中から選んでもらったところ、

①どんなにコストがかかっても延命して欲しい。
②身体機能を維持するためのケアだけをしてほしい。
③痛みをとって最大限に安楽にするケアだけにしてほしい。

ビデオなしのグループでは、①14% ②19% ③64%

それに対して

ビデオを見せられたグループでは ①6% ②9% ③86%

6ヵ月後に同じ被験者に同じ質問をしたところ、
言葉だけで説明を受けたグループでは29%の人で気持ちが変わっていたが
ビデオを見せられたグループで気持ちが変わっていたのは、わずかに6%だけだった。

Video Can Help Patients Make End-Of -Life Decisions
The Medical News Today, May 30, 2009


どうして認知症状のない人に向かって認知症患者さんの末期を見せて
それ以外の病気で死ぬことになる確率の方が高いかもしれないのに
なにもかもひっくるめた“終末期”医療の選択をさせるのだろう?

もしかしたら、
脳死の人や植物状態の人のビデオもそのうち作られて、
事故や病気で重態となって運び込まれてきた救急患者さんの家族に見せながら
「こうなる可能性もありますが、救命治療、どうされますか?」とか、

重症児とか、重度の知的障害のある人とか
意識ははっきりしているのに脳卒中で寝たきりで言葉が不明瞭な人のビデオまで作られて、
「こうなる可能性もあるので、治療は無益だと思われますが、どうですか?」とか?

家族の意思決定への“支援”として?

わ~ん。こわいよぉぉ……。
2009.06.05 / Top↑
米国NYとボストン地域で7つのケアホームを運営するHearthstone Alzheimer Careの社長で
社会学者でもある Dr. John Zeiselが
Times紙が主催した科学フェスティバルの講演で

英国のアルツハイマー病患者は抗精神病薬で薬漬けにされて
自宅や施設や病院で、ただぼうっとなったまま放置され
あとはベッドで衰えていくだけ。

まるでビクトリア時代の癲癇や自閉症患者への扱いのような
時代遅れのケアだ、と指摘。

患者を美術館や劇場や海辺へのピクニックに連れ出したり
絵画を描いたり地域の活動への参加などの刺激を与えることによって
不安や攻撃性が抑えられたり、言語機能が改善している、と
米国での試みとその効果のほどを語り、

投薬を減らして、もっと残存機能に刺激を与えて働きかける工夫を、と説いた。

英国アルツハイマー病協会が今日発表した報告書でも、
去年10月のアルツハイマー病患者への処方のうち20%が抗精神病薬だった。



同じ指摘は4月に英国内部の大手介護企業からも出ていました。
認知症患者への不適切な抗精神病薬投与、教育・意識改革が必要(2009/4/17)

ちなみに英国の全国認知症戦略についてのエントリーはこちら

日本でも家族へのICなしの投薬って、あるんじゃないのかな、と思ったのは、
佐野洋子「シズコさん」を読んだ時。

「米国では違う」というのだって、そうそう信じにくい。
こんなデータも出ているのだから。
2009.06.05 / Top↑