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2010.01.27 / Top↑
最初は重症児の母親であるClairさんが
Ashley父のアップデイトを見つけて記事にしてくれました。

私はそれを読んで、日本語の記事を2つ、英語で1つ書きました。

英語のエントリーを書きながら、
きっと呼応してくれるだろうとひそかに期待していた、お馴染みBad Crippleさんが、
2人の記事を読んだと言って、独自に詳細な突っ込みを入れてくれました。

Ashley Treatment and the Parental Update
BAD CRIPPLE, January 26, 2010


大きく言えば、私が指摘したように、
父親が挙げている「専門家の賛同の証拠」というのは、
みんなDiekemaとFostらのことに過ぎない、ということと、

反論や批判については一切触れずに、
まるで賛成と支持ばかりのように書いているとの指摘なのですが、

1つ、ああ、さすが当事者だなと思ったのは、
成長抑制には側わん症の予防・軽減という利点もあるのではないかという父親の発言に対して、

(私は、つい説得されてしまったのですが、)

幼少時に側わん予防のコルセットをつけさせられた自身の経験を語り
振り返って当時の“治療”が如何に的外れで効果のないものだったかを述べて、
ことほどさように医学も治療法も進歩するのだから、
治療方法を改良していくことを省いて子どもの体を変えようというのはおかしい、と批判。

整形の医師らからは反論もありそうな気がするけど、
とりあえず、私にはできなかった批判をしてくれて、イェ~イ。拍手。

だいたい、なんで、この親はここまでやりたがるのか。
当初の論争でCNNにも登場したし、メディアにあれこれ取り上げられたし、
それで満足じゃないのか、この上、なんでここまでして広めたいのか、さっぱりわからん、
とも書いていますが、

私に言わせれば、それは、彼なりの独善的な善意ではないでしょうか。

“独善的な善意”で金と権力に物を言わせつつ、
結果的に世の中の障害児・者を踏みつけ切り捨てていこうとしている人は彼の背後にもいる。

おそらくは、その人と同じテクノ文化の中で暮らしつつ、
その人から多くを学んできたのがAshley父なのだから。

医学モデルでしかものが見えなくなっているのは、
親が十分な正しい情報を与えられていないからではないか、と
Bad Crippleさんが書いているのは

Ashleyの親の方が医師らに利用されていると考えているのでしょうか。

でも、それは逆というものです。両者の力関係は、
当初の資料を注意して読めば、ありありと分かりますし、
(「親と医師の関係性の不思議」の書庫で検証しています)

今回の父親のアップデートに引用されたメールの文面の、
あの、へりくだり方、媚を読めば、一目瞭然――。

そして、その構図は、おそらく、
Ashley父の背後にいる大きな存在の人が、
医療や倫理や法律や教育や障害者支援については全くの素人でありながら、
相当に偏向した彼の個人的な一家言が、誰も抵抗できないほどのお金と権威をまとって
独善的に世の中を変えようと突き進んでいる構図の、実は単なるミニチュアに過ぎないのでは――?

【30日追記】
Bad Crippleさんが28日、
さらにDiekema&Fost論文への痛烈な批判を書きました。ブチ切れています。

受けた批判の上げ足取りと詭弁を弄するばかりで、まともに議論していない、と
Ashleyに対するヤリクチと議論のヤリクチを重ねて、「要はアンタら、傲慢なんだよっ」というトーン。

この点について、Clairさんがコメントで
「その傲慢は、もしかして小心な卑怯からくるんじゃないの」みたいなニュアンスで。

私は全面的に賛同。他にも色々いいことを書いてくれているので
余裕があったらエントリ―にしたいのですが、とりあえず、リンクにて。

2010.01.27 / Top↑