http://www.sunaga.org/works/311t.htm
英国のテレビドラマ Emmerdaleで、中途障害のため首から下が麻痺した青年が絶望して自殺を望み、身近な人に毒物を飲む手伝いをしてもらって死ぬ筋書きが、視聴者から批判を招き、監督機関Ofcomに苦情が寄せられている。自殺幇助がこのように安易にドラマで扱われるべきではない、子どもが見る時間帯に見せるものではない、など。一番上の記事に、当該場面の写真あり。また2番目の記事では、その主人公と同じ脊損の男性が、当初は落ち込んだがそこを乗り越えて生きる希望を持った体験談を語っている。
http://www.metro.co.uk/tv/865802-emmerdale-assisted-suicide-plot-sees-angry-viewers-complain-to-ofcom
http://www.mirror.co.uk/news/top-stories/2011/06/10/emmerdale-s-tetraplegic-actor-andy-walker-on-the-soap-s-harrowing-suicide-storyline-115875-23191022/
http://entertainment.stv.tv/tv/255930-emmerdales-assisted-suicide-scene-was-deliberately-horrific/
上記の話題の関連で、英国では06年に事故で全身マヒ状態になった23歳のラグビー選手が両親に付き添われてDignitasへいって自殺したが、両親は公益にならないとして不起訴となった事件がある。最近、彼の主治医が自殺意図を知っていたことを明らかとなり、物議を醸している。
http://blogs.yahoo.co.jp/spitzibara/63331880.html
BBCがDignitasでの幇助自殺の場面を放送するのは、ホテル王Peter Smedley氏だとのこと。
http://www.smh.com.au/entertainment/tv-and-radio/why-a-quiet-millionaires-suicide-will-be-shown-on-tv-20110609-1fu0q.html
Guaradianに、その番組のプレゼンターで合法化アドボケイトの作家Prattchettの議論を支持するコメンタリー。Alexander Chancellor。この人、どこかで顔を見たことがある人なんだけど、すぐには思い出せない。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2011/jun/10/assisted-suicide-terrypratchett
Lancetに、先日すい臓がんで亡くなった自殺幇助合法化ロビーのGP、Ann McPherson医師の夫が追悼記事を書いている。Assisted suicide ではなく、Assisted dying という表現が使われている。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811%2960855-6/fulltext?elsca1=TL-100611&elsca2=email&elsca3=segment
「ワクチンの10年」は多くのいのちを救う可能性があるが、その実現のための戦略として新たな科学への投資、ワクチン開発の創造的なモデル開発、製造から最果てのクリニックまで届けるサプライチェーン改善への資金。:ゲイツ財団の音頭で「ワクチンの10年」が言われるようになってから、ワクチンが語られる時、医療の問題というよりも、それは経済の問題として語られることが多くなってきた。サプライ・チェーンという言葉に、去年10月のワクチン・カンファで使われていた「ヴァリュー・チェーン」という言葉が重なった。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/228081.php
髄膜炎ワクチン開発が有望。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/228031.php
7月18から19日、シカゴで製薬会社と医療機器会社の、販売とマーケッティング法令遵守カンファ。:文字通り、法令遵守であって、いかに法令遵守を装うかの方法論を議論するカンファでないことを。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/228022.php
製薬会社のランセンス取得におけるパートナーシップと連携マネジメント・カンファがフィラデルフィアで7月18、19日に。:多国籍にパートナーシップを広げて複雑化、階層化することによって、責任の所在をあいまい化し、いかにライアビリティを問いにくくするか、の方法論を議論するカンファではないことを。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/228020.php
シカゴ大学の社会福祉行政の研究者らが、多職種協働による問題解決アプローチで社会福祉研究を、と。:社会福祉の問題は医療化によって解決するのではなく、こういう方向で、と願う。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/228041.php
日本語記事。存亡の淵「マイクロファイナンス」(上)。インド版サブプライム・ローン。:ゲイツ財団が近しくお付き合いしているインドで。インドといえば有名な医療ツーリズムにも、自国の貧困層がただの下痢で死んでいるのを放っておいて……という批判がある。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110610-00000001-facta-bus_all
英国のヨウ素不足問題。さっそくLancetに。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110610-00000001-facta-bus_all
英国の健康における社会経済格差解消に向けた戦略。:ヘルシー・ホームズなどもその一環かも。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2810%2962055-7/fulltext?elsca1=TL-100611&elsca2=email&elsca3=segment
来週、英国とスコットランドの介護者週間。
http://www.fifetoday.co.uk/news/local-headlines/caring_for_the_carers_1_1670552
http://www.yorkpress.co.uk/news/9077303.Carers____Week__Hail_the__unsung_heroes/
http://www.getbracknell.co.uk/news/s/2094163_a_week_of_care_for_hard_working_carers
英国最大のケア・ホーム運営母体Southern Crossが経営難のため家賃30%カットを求め、大家(といっても、こちらにも賃貸の大企業も)勢が猛反発。
http://www.guardian.co.uk/business/2011/jun/08/southern-cross-rent-jobs-cut?CMP=EMCGT_090611&
高齢者虐待予防戦略は、児童虐待の予防戦術に学ぶところは大きいものの高齢者の自己決定権をおろそかにできない複雑さがある。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811%2960866-0/fulltext?elsca1=TL-100611&elsca2=email&elsca3=segment
英国では、こちらもコスト削減のため、レイプ犯の刑期を半減する案が官邸から出ていたらしいけれど、法務相によって撤回に。
http://www.guardian.co.uk/politics/2011/jun/08/kenneth-clarke-jail-terms-rapists?CMP=EMCGT_090611&
死後の遺体からのデータ採取を目的に
黒人の梅毒患者を治療しているように見せかけて、
40年間も治療せずに病状の進行状態を経過観察していたタスキギ実験については
ナチスに次いで悪名高い人体実験となっています。
タスキギの梅毒実験(1932-1972)については、以下のエントリーに ↓
米国で行われた人体実験(2009/3/17)
またタスキギ事件については96年に詳細な調査報告書が出ています ↓
Final Report of the Tuskegee Syphilis Study Legacy Committee May 20, 1996
University of Virginia
しかし、もっと酷い人体実験を
米国は1940年代にグァテマラで行っていました。
グァテマラに派遣された米国兵士の多くが性病にかかって帰ることを心配した米国政府が
最初は性病に感染した売春婦から現地徴兵に感染させての実験を考えたものの、
直接に感染させた方が手っ取り早いことに気付き、
孤児、精神障害者、囚人、売春婦など約1500人のグァテマラ人に
梅毒や淋病などにバクテリアを注射して感染させ、
ペニシリンの効果を観察した。
米国の科学者らは、梅毒に感染させた患者の87%だけに治療を行い、
残り13%については、その後どうなったか不明。
治療を受けた被験者の1割は再発したという。
1947年には調査チームの責任者 John Cutlerが
「法がたまに片眼をつぶってくれてこそ医学の発展はある」との表現で
倫理違反を認めたにもかかわらず、米国保健省は被験者のフォローを続けた。
被験者の多くは明らかになっていないが、
Guardianは3人の被験者とその家族に取材して証言をとっている。
証言の詳細は省略しますが
孤児院でいきなり呼びつけられて暴力的に従わせられた女性の一人は
「何をしているのか説明は一切なかったし、
私にはNOという機会も与えられませんでした」
その後、彼女はメイドとして、また工場労働者として働いたが、
その間、体調不良について医師らからは「血が悪い」との説明しかなかったという。
現在、梅毒は陽性。
「私はこれまで真実を知ることなく生きてきました。 May God forgive them.」
米国の研究者がタスキギ実験について調べる過程でこの事実を知り、
去年10月に米国政府は事実を認めた。
クリントン国務長官とシベリウス保健相の連名で
「このような非難されるべき調査」が公衆保健の名のもとに行われことに
謝罪声明が出され、Obama大統領もグァテマラの大統領に電話で謝罪した。
1500人の犠牲者のうち、生き残っている人はわずかと思われるが、
感染した子どもや孫も数十人規模ではないか、と。
早急な補償が求められるが
集団訴訟が米国の裁判制度に乗ることになると何年もかかる見込み。
それでも先の女性には既に賠償金が支払われたと勘違いした
ギャングから分け前をよこせと脅しが届いているという。
なお、グァテマラ政府による調査報告書が今月中に出る予定。
Guatemala Victims of US syphilis study still haunted by the ‘devil’s experiment’
The Guardian, June 8, 2011
誰かが「無益な治療」論による弱者切り捨てが進む北米の医療を
「ポスト・ヒポクラテスの医療」と読んでいましたが、なんのことはない、
「医学の発展」を言う人にとっては、ずっと「ポスト・ヒポクラテス」だったと?
記事によると、
被験者にはタバコを上げようと言い、
施設や病院には資材・物品が見返りに提供されたというのですが、
「孤児たちを白衣の研究者に提供する見返りに
The Sisters of Charityが一体何を約束してもらったのかは
明らかになっていない」という一文が強く頭に残った。
Ashley事件を巡って抱え続けている憤りが
お腹の底で、ぐりぐり、ざわざわと蠢く。
子どもたちや弱い者たちを守るべき場所にいて、
彼らを守ることを仕事にしている人たちは、
両目も片眼をつむったりせず、
目を開け、声も手も上げて
ちゃんと守ってほしい――。
虐待の実態も酷いし、経営サイドの姿勢も酷いし、行政の監督姿勢も酷いのだけど、低賃金で休みなしに働かなければ食べていけない直接処遇職員の労働条件や、無資格で資質を欠き犯罪歴や施設の失職歴まであるようなスタッフで補充せざるを得ない職場の状況が、まるで、そこに米国の弱肉強食社会の矛盾が寄せ集められているかのようで。強者が弱者を、その弱者がさらに自分よりも弱いものを、と階層をたどって連鎖していく「弱い者いじめ」の構図。その連鎖の最後のところに、強者から順々に踏みつけにされるすべての階層の人の痛みや憂さのはけ口として、言葉を持たない無抵抗の障害児・者がいる。そのことの惨さ――。
科学とテクノで簡単解決文化や、そこから派生する能力至上の価値観や、その背景にあるお金さえ儲かれば人の命なんてどうでもいいかのような新自由主義経済や、それらを正当化する功利主義のあからさまな弱者切り捨て論などが、結局は人の心をここまで荒廃させているのではないのか、と。
ただ、これだけは追記しておかなければならないけど、NY州と連邦政府とで、障害児・者施設にはメディケアから1人当たり年額で140万ドル、日本円にしてざっと1000万円が下りている。実際にはその中から近隣のグループ・ホームなどに回っている部分もあるようだけれど、カネが使われていないから起こっていることとも思えない。ただ、それがなぜ人件費に回らないのか。……そこで、「失業者がいっぱい出ているから、そういう人を介護に回せばいい」という日本で聞いた声が頭に浮かんだ……。
http://www.nytimes.com/2011/06/06/nyregion/boys-death-highlights-crisis-in-homes-for-disabled.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha23
先月、the Human Bodyという番組で癌患者の男性が幇助を受けて自殺する映像を流して物議をかもしたBBCが、今度は70歳の重病のある男性が毒物を飲んでソファで倒れる映像を放送することに。ここでもプレゼンターは作家のTerry Pratchett。:前回の放送については当ブログでは4月26日の補遺などで拾っている。
http://www.mirror.co.uk/celebs/tv/2011/06/07/assisted-suicide-to-be-shown-on-bbc-115875-23184586/
テリー・シャイボ財団がKevorkian医師の死に際して声明を発表。
http://www.lifenews.com/2011/06/06/terri-schiavos-family-jack-kevorkian-was-obsessed-with-death/
デトロイトのカトリック組織からも同医師の死に際して声明。
http://stlouisreview.com/article/2011-06-06/catholics-pray-jack
以下の人のブログによると、Kevorkian医師の半生を描いたHBOの映画“You Don’t Know Jack”は、日本でもWOWOWで放送されていたらしい。邦題は「死を処方する男ジャック・ケヴォーキアンの真実」だそうな。K医師の真実はKevorkian医師の“患者”の6割はターミナルではなかった?ことにあると私は思うけど、日本であの映画がこんなタイトルで流されてしまうこと自体が、これもまた既にできたシナリオに沿って物事が進められていく感触。そこではもはや本来の真実であるはずの事実関係は問題にならない。そして人々は、この映画を見てこんなにもたやすく「意見」を形成していく。
http://blogs.yahoo.co.jp/steelleaf89/25546262.html
10歳から24歳の間のウツ、統合失調症、双極性障害などの精神障害が、多大なグローバルな負担となっている、とLancetでWHOの研究者らが。この年齢層では、死のリスクよりも障害リスクの方が大きい、予防プログラムに力を入れる必要がある、予防で重視すべきは安全なセックス、避妊、鉄欠乏症、とアルコール。:Lancet とWHOとくるとIHMEがらみか……と思ったら、やっぱりGlobal Burden of Diseaseの論文だった。つまり背後にいるのはお馴染みゲイツ財団。いかにも薬臭い記事……という読み方もできないわけでもないですが、読み方によっては、いっそ死ぬのなら負担にはならないが障害リスクだから余計に負担が大きいではないか、とも。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/227449.php
昨日の補遺(3番め)で拾ったニュースの別ヴァージョンかもしれないけど、ゲイツ財団の音頭によってビッグ・ファーマがロタ・ウィルス・ワクチンを値下げ。:ゲイツ財団はあちこちのビッグ・ファーマの株主さんなんだから、慈善パフォーマンスでわざわざ音頭をとってみせて、それに企業が賛同して値下げするような回りくどいやり方をしなくても、企業の内部で株主として値下げを求めれば済むことなのでは?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/227626.php
Guardianも、ビッグ・ファーマがこぞって値下げしている一方で、途上国にワクチンを届けるための資金が未だ22億ポンドも不足している、と。:でも、そうやって世界中からかき集めたお金で届けられたワクチンが、11カ国で大量にどこかへ消えていたりもすることの不思議。ちなみに、Guardianもゲイツ財団のメディア・コントロール傘下。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/jun/06/vaccine-price-cuts-aid-agencies?CMP=EMCGT_070611&
英国で、テロリストを発見する役割を医師に求めようとの動き。英国医師会は守秘義務にもとる、と懸念。:これも一種の「医療化」? どこまでゆくのか、英国のビッグ・ブラザー化?
http://www.guardian.co.uk/politics/2011/jun/06/doctors-identify-potential-terrorists-plans?CMP=EMCGT_070611&
「アメリカ帝国の衰退と終焉」。Guardianの経済欄の編集長。:「文化の腐敗、構造の弱点、金融依存」というのが印象的。その米国の病、でもグローバルに伝染しているのでは?
http://www.guardian.co.uk/business/2011/jun/06/us-economy-decline-recovery-challenges?CMP=EMCGT_070611&
肥満はアルツハイマー病リスクの一つだが、胃のバンディング手術の後で体重が減ると、アルツハイマー病の遺伝子の発現が変わる。:だからアルツハイマー病予防で肥満の人は胃のバンディング手術を……?
http://www.medicalnewstoday.com/releases/227544.php
https://picasaweb.google.com/115172867290423218749/201151417?authkey=Gv1sRgCOGb6pfW-JCsmQE#
Suffolk大学の政治研究センターが気になる調査を行っている。「医療費節減のために」「自己決定能力のある高齢者には」自殺することを認めることについて賛否を問うて、1070人の回答者の内35%が賛成と答えたというもの。:自殺幇助合法化の議論は、最初は「ターミナルで耐え難い苦痛のある人を、無益な苦しみから解放するため」であり、医療費とは無関係なはずだった。それがいつのまにか、このような問いでアンケートが取られるようになる。その問題の変質こそが「すべり坂」ではないか、と思う。
http://www.boston.com/lifestyle/health/articles/2011/06/06/pulling_the_plug__at_what_cost/
途上国の予防接種普及に向けた資金調達会議がロンドンで開催されるのを前に、製薬会社がワクチンの値下げを発表。:社会保障の大幅カットで批判を浴びているキャメロン首相が途上国のワクチン支援を増額すると、そういえば発表したばかりでもある。なにやら世界中で、既に出来上がったシナリオ通りに役者が演じているって感じがしない?
http://www.guardian.co.uk/global-development/2011/jun/06/immunisation-developing-world-drugs-companies?CMP=EMCGT_060611&
拒食症から骨密度が低くなった少女に、エストロゲンが有効。:Ashley事件の文脈でもちょっと気になる記事。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/227524.php
英国でも「中絶は殺人」論が力を得てきて、中絶の規制強化が議論に。:遺伝子診断やデザイナーベビーやES細胞研究で胚を廃棄することはぜんぜんOKだし、生まれてきた障害児を殺すのも「生きるに値しないQOL」になった高齢者を殺すのにも抵抗を感じない人が多いと思われる英国で、胎児の命だけはプロ・ライフというのが、どうもしっくり理解できない。だから、これはプロ・ライフというよりも、アンチ・チョイスということなんじゃないかと思ってしまう。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/jun/05/abortion-rights-prochoice-diane-abbott?CMP=EMCGT_060611&
NYT。乳がんの再発を予防する薬を、そもそもの発病予防に、と。:この薬それ維持隊を云々するつもりも能力も私にはないけれど、こんなふうに発症するかどうか分からない「可能性」でしかないものまでを病気と同列に扱って、薬や遺伝子操作によって「撲滅」しようとする文化そのものが、これまでなかった殺傷力の高いウイルスや、これまでの細菌の凶悪化に繋がっているんじゃないのなかぁ……。
Drug Can Reduce Risk of Breast Cancer, Study Says:A drug now used to prevent recurrence of breast cancer also prevent it from occurring in the first place.
NYT。製薬会社に恐れられていた医療問題専門の敏腕検事が、なんとその敏腕を製薬会社の弁護に転じた。:そっちの水の方が甘いから? それとも世の中の流れはそっちだと読んだから?
Drug Makers’ Feared Enemy Switches Sides, as Their Lawyer: Michael K. Loucks, arguably the nation’s most influential prosecutor of health care fraud, has emerged in recent month as zealous a corporate defender as he was prosecutor.
同じくNYT。CA州で男児の包皮切除を禁じようとの動きにユダヤ社会からの批判。
Efforts to Ban Circumcision Gain Traction in California: Activists are promoting circumcision bans for minors in San Francisco and Santa Monica, and Jewish groups see a real threat, likening the measures to bans in Soviet-era Russia and Eastern Europe.
若年層に良質の医療を提供している病院が高齢患者にも同じ医療を提供しているとは限らない。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/227510.php
脳卒中後の患者さんがバランスを取り戻すのにヨガが有効。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/227530.php
日本語情報。サッカー=イランがFIFAに抗議へ、女子チームの服装問題で。:服装問題というか、フランスのブルカ問題が繰り返されている、というか拡大している?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110606-00000404-reu-spo
ど~だぁ~ぁ! とばかりにゴージャスなゲイツ財団新本部のオープニングが行われ、
約1000人がお祝いに駆け付けた。
Melinda Gates氏は
「このようなプロジェクトを仕事にするには、まずはゴールを決めることから。
それはすなわち、私たちの仕事がバングラデシュであれボストンであれ
ボツワナやナイジェリアであれ、私たちの拠点はここだということ」
Chronicle of Philanthropy紙の編集長 Stacy Palmer氏は
「非常に多様な方法でゲイツ財団は各国政府に影響を及ぼしている。
各国政府だけでなく企業や、実際世界中の誰もが影響を受けている。
単にお金を寄付することに留まらない影響を財団は及ぼしている」
議論されるべき問題そのものを規定し、
議論の枠組みを形作ることによって、
財団はこれまでの民間組織の可能性について
考え方をまるきり変えてしまった。
「それはいいことです。
それだけ多くの人を巻き込んでいるわけだから。
ただ、財団の問題意識が気に入らない人にとっては
ノーチェックで物事が行われていくことだと映るし
それに懸念を覚える人も沢山います」
そこから話は現在米国でゲイツ氏が力を入れている
公教育改革に移っていき、
教育の失敗の責任を何でもかんでも教師に追わせようとしているとか、
教師が説明責任ばかり考えて仕事をしなければならなくなったら、教育はできない、など
生徒の成績で教師のパフォーマンスを評価しようとの
Gates氏の考え方に対する批判に話が移ったり、
財団のCEOの
批判があるのは了解しているが
我々の役割は大事な問題にスポットライトを当てることで
グラントのすべてが成果を出していなくとも、
社会に貢献するためにはリスクをとることも必要だ、と
全然批判の論点に応えていないコメントが引っ張られてきたり、
グラントを受けて財団のために働く機関や研究者らからも
財団のやり方に一貫性がないとか一方的だとの批判が出ていると指摘したり、
イマイチ、何が言いたいのか趣旨のはっきりしない記事だと思ったら、
最後の最後に、以下の一行が付け加えられていた。
NPRも、Gates財団から資金提供を受けている組織の一つです。
As Gates Foundation Grows, Critics Question Methods
NPR, June 3, 2011
なんだ、NPRよ、おまえもか……。
それにしても、
財団が巻き込んでいる人の数の問題ではなく、
まして財団のグラントが成果を出しているかどうかという問題ですらなく、
ただ世界中にばらまけるだけのゼニを持っているというだけで、
ひと組の夫婦にそれだけの影響力が集中していて、
彼らの個人的な価値観やその時々の考えによって
こんなにも多くの各国や世界規模での施策が左右されていくことの是非の問題だと思うのだけど。
【関連エントリー】
ゲイツ財団のメディア・コントロール(2010/10/21)
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 1(2011/5/2)
ゲイツ財団の米国公教育コントロール 2(2011/5/2)
ターミナルな患者の痛苦を放っておけなくて自殺幇助合法化の議論に先鞭をつけた
心優しい不遇で孤独な戦士としてK医師を描く記事が、予想通りに多発している。
たとえば、以下のWP記事。こういうものは他にも多数。
‘Dr. Death’Jack Kevorkian dies at age 83
WP, June 4, 2011
また、4日のエントリーでも出てきたK医師の弁護士Morganrothの
もうちょっと詳しい発言があり、
死の12時間前に話した際には、同医師はまだ楽観的で苦痛も感じていなかったとのこと。
蘇生は一切いらないし状況によっては通常の医療すらいらない、と指示し、
自分の生がもはや生きるに値しないと感じる時が来たら
自分で命を断つというつもりでいた、と。
「自分が説いてきたことを実践する。それが彼の気持ちです」。
Morganroth:Kevorkian pondered his own suicide
The Detroit News, June 4, 2011
まだ楽観的で、苦痛も感じておらず、リハビリを始めようと話していた人が
つまり自分はまだ死なないと考えていた人が、
12時間後には死んでしまった……。
Kevorkian医師がそういう転帰をたどったのだとすれば、
それは「自分が説いてきたことを実践する」というよりも
やはり「人の生死は人知を超えたところにあり、
自分の説や実践や気持ちがどうであれ、
思うように自己決定できるものではない」ということに近い気もするけど、
一方、「K医師の犠牲者は必ずしもターミナルな状態ではなかった」との指摘が出ている。
まず、National Right to LifeのRobert Powell 医療倫理センターのディレクター、
Burke J. Balch, J.D.
「Jack Kevorkianが餌食にした犠牲者の多くは
ターミナルな病気などない障害者だった。
一人は高齢だったというだけだった。
少なくとも5件では、解剖の結果、病気はまったく見つからなかった」
「安楽死アドボケイトの中には
Kevorkianの奇怪なスタンスや戦略とは距離を置こうとする人もいたが、
彼の悲劇的な遺産があぶり出しているのは、
うつ病や障害に対して共感と人間的な対応で応じる代わりに
最終的な解決策として死が許容されてしまった時に
最も弱い者に及ぶ危険なのだ」
Jack Kevorkian Preyed On Individuals With Disabilities Without Terminal Illnesses
The MNT, June 4, 2011
また、こちらのNYTのコラムニストRoss Douthatも
同じことを書いており、
1997年の同医師の「診療行為(自殺幇助)」をDetroit Free Pressが調査したところ、
彼が幇助した自殺者のうち60%はターミナルな病状の人ではなかった。
解剖によって「なんら解剖学的病気のエビデンスがない」ケースもいくつかあった。
またK医師は自殺幇助した患者を死後に解剖しており、
彼にとっては人体実験でもあった、とも書いている。
Douthatも、
Kevorkianの信奉者やPAS合法化論者が
こうした事実から目をそむけていることを批判し、
死を自己決定することが権利だとして認められてしまったら
その対象者がターミナルな人に限らず、
すべり坂は現実に起こる、と主張。
Ludwig MinelliがスイスのDignitasで
Kevorkianをはるかに超えて1000人以上を自殺させて
なお罰せられていないことを指摘し、
我々は、そんな殺人者を野放しにしない国であることを誇ろう、と締めくくっている。
Dr. Kevorkian’s Victims
NYT, June 4, 2011
連載「世界の介護と医療の情報を読む」の第60回として
以下の文章を書きました。
ハリケーン・カトリーナ「安楽死」事件
東日本大震災では、多くの施設入所の高齢者や病院の入院患者が逃げ遅れ、津波にさらわれた。過酷な避難生活の中で亡くなった人もある。患者の避難に病院職員が付き添わなかったケースが問題となり、スタッフの避難で手薄になった病院や施設の窮状も報道された。そこには、これから考えていくべき難しい課題がたくさんあるのだろう。
当欄では、2005年に米国ルイジアナ州を襲ったハリケーン・カトリーナの際の安楽死事件と「避難死evacuation death」について、06年9月号と10月号で取り上げた。後者は日本では「災害関連死」と呼ばれている状況に関する報道を、いくつかの角度から眺めてみたものだ。前者は、避難が困難な4人の入院患者に致死量の薬物を注射して死なせたとして医師と看護師が逮捕された事件。逮捕されたアナ・ポウ医師(事件当時49歳)は患者が苦しまないよう手助けしただけだと主張し、07年に不起訴となった。極限状態の病院に最後まで残って患者のために尽力した人道的医師として、その後も英雄視され、災害時のトリアージの専門家として発言を続けている。
この事件について、ネットメディアProPublicaが09年に長文の記事「死の選択:カトリーナ後のメモリアル医療センター(Deadly Chices: Memorial Medical Center After Katrina)」を書き、作年のピューリッツァ賞を受賞した。非公開記録を入手し、ポウ医師を含む多くの関係者にインタビューを重ねるなど、詳細な調査を行って事件の全容解明を試みたもの。8月29日のカトリーナ襲来を乗り切ったはずのメモリアル医療センターに、洪水が押し寄せ病院が電気を失い、やがて予備の発電機も停止する中、患者の避難を巡って病院スタッフはどのように行動したのか――。最後の患者がヘリコプターに乗せられた9月1日午後9時までの4日間が詳細に検証されている。
この記事を読むと、この事件が世間で思われているほど単純な性格のものではないことがよくわかる。詳細は拙ブログの関連エントリー(このエントリーの末尾にリンク)を見ていただきたいのだが、安楽死は明らかに4人以外にも行われているし、その中にはポウ医師が言う「苦痛」を感じていなかった患者が含まれている。
多くの要因が複合的に絡まり合って起きた事件ではあるが、その中で最も大きな要因となったのは、メモリアルの7階がいわば療養型の病棟として外部の会社ライフケアに貸し出されていたことだと思われる。メモリアルの幹部が集まって立てた患者の避難計画から、7階の患者は漏れていたのだ。それに気付いたスタッフが自分たちの患者も病院の避難体制に含めてもらうためには、ライフケア本部を通じて病院を経営する会社に交渉してもらわなければならなかった。
さらに、重症者を丁寧にケアして呼吸器外しや在宅復帰に取り組むライフケアの方針は、メモリアルの一部の医師に理解されず、「望みのない患者への資源の無駄遣い」との批判と共に、「7階の患者は意識のない重症者ばかり」と事実と異なる偏見があった。それもまた、誰もが混乱し疲弊し情報が錯綜する混沌の中で大きな誘因として働いたのではなかろうか。記事によると、自発的行動というよりも病院幹部の一人クック医師からの指示による行動だったとも思われるのだが、ポウ医師が致死薬を注射した4人は全員がライフケアの患者だった。注射の直前「ここの患者は意識がないか、あっても低い人たちだから」と言い、看護師からそうではない事実を教えられて医師が衝撃を受けた際のやりとりを、7階スタッフが記憶している。
もう1つの問題は、自力歩行のできない肥満した患者を移動させる困難だったようだ。クック医師は3日目にICUに残っていた患者に安楽死目的でモルヒネ投与を指示したことを告白しているが、その患者は体重200キロほどの進行がん患者だった。メモリアルの幹部は患者を3つのカテゴリーに分けた。自力歩行可能な患者が最優先で避難させる第1カテゴリー。移動に助けが必要な患者が第2カテゴリー。最後に避難させる第3カテゴリーは重症者やDNR(蘇生無用)指定の患者とされ、2階ロビーに集められた。そこに150キロはありそうな心臓手術後の患者を見た時にも、クック医師は自力歩行ができない彼を避難させることは不可能だと考えた。もっとも「人目があったので」安楽死はさせなかった。
9月1日午後9時、生きて病院を出る最後の患者として車椅子ごとヘリに乗せられたのは、その男性だった。もしも彼が7階の患者だったり人目のないところに寝かされていたら、彼も生きて病院を出ることはなかっただろう。
災害時のトリアージや安楽死を議論する前に、ぜひとも一読してもらいたい記事である。
文中で触れた拙ブログのエントリは以下です。
ハリケーン・カトリーナ:メモリアル病院での“安楽死”事件 1/5: 概要(2010/10/25)
ハリケーン・カトリーナ:メモリアル病院での“安楽死”事件 2/5: Day 1 とDay 2(2010/10/25)
ハリケーン・カトリーナ:メモリアル病院での“安楽死”事件 3/5 : Day 3(2010/10/25)
ハリケーン・カトリーナ:メモリアル病院での“安楽死”事件 4/5 : Day 4(2010/10/25)
ハリケーン・カトリーナ:メモリアル病院での“安楽死”事件 5/5 : その後・考察(2010/10/25)
130人の自殺を幇助したと言われる米国のDr. Death こと
Jack Kevorkian 医師が6月3日、死去。
ミシガン州デトロイトの病院で。凶年83歳。
5月20日の補遺で当時のニュースを拾っていますが、
5月19日に腎臓病が悪化して救急車で運ばれ、そのまま入院。
肺炎も起こしていたようで、その後、毎日のように容態が取りざたされていました。
私は個人的に最も興味深いのは、5月31日の補遺で拾ったように、
英国でも、膵臓がん患者で自殺幇助合法化を訴えていたGPが病院で亡くなったばかりだということ。
つまり、「死の自己決定権」アドボケイトが2人立て続けに、
その権利の行使を求めなかったのか、あるいは求められなかったのか
ともかくも普通に病院で死んだ、ということ。
Kevorkian医師の死を巡る報道の大半は
彼の死の詳細よりも、彼の半生や主張の方に
スペースを割いたものの方が圧倒的に多いようですが、
昨日の補遺でちょっと書いた私の疑問を
共有していると思われる記事も多少はあるようで、
この点は、もはや死人に口なしなのだけれど、
K医師は最後の数日間に意識があったのかどうか、あったとしたら
彼は自分の「死の自己決定権」についてはどのように感じていたのか、について
同医師の弁護士の発言がかなりブレているのは興味深い。
例えば、
‘Dr. Death’ Jack Kevorkian, advocate of assisted suicide, dies in hospital
The Guardian, June 3, 2011/06/04
Geoffrey Fieger, his lawyer and friend, said: "He was a physician who had an acute sense of compassion and a respect for the dignity of his patients."
Asked if Kevorkian would have chosen to end his life by suicide, given the opportunity, Fieger responded that he had neither the physical or mental strength to make that decision in his final days. "Jack Kevorkian didn't have an obligation or a duty to society to end his life in the manner in which some of his patients did," Fieger said. "Everyone chooses the very end for themselves."
ここでは、
最後の数日間のK医師には、自殺を選ぶ体力も精神力もなかった、と答えた後で
「彼は自分の患者と同じような死に方をしなければならない義務を社会に対して負っていたわけではない。
誰だって最期のことは自分で決めるんだ」と、ひどく防衛的。
一方、以下の記事での発言では、
No, Dr. Jack Kevorkian Did Not Commit Physician-Assisted Suicide
Perezhilton.com, June 3, 2011/06/04
I think had he been able to go home, Jack would have not allowed himself to go back to the hospital. The circumstances were such that he was so weak he could not get out of the hospital, he was primarily sleeping most of the time.
「もし退院できたら、二度と入院なんてことは許さなかっただろうと思うけど、
病状が悪くて病院を出られなかったし、たいていの時間は眠っていたからね」
しかし、以下の記事で別の弁護士が語っているところによると、
Assisted Suicide advocate Kevorkian dies at age 83
Forbes (Associated Press), June 3, 2011
An official cause of death for Kevorkian was not immediately determined, but Morganroth said it likely will be pulmonary thrombosis, a blood clot.
"I had seen him earlier and he was conscious," said Morganroth, who added that the two spoke about Kevorkian's pending release from the hospital and planned start of rehabilitation. "Then I left and he took a turn for the worst and I went back."
「(急変する前に)会った時には意識はあった」
2人で、退院がどうなるかという話をし、リハビリを始める計画を立てた。
「私が帰った後で急変したから、私は病院へ戻った」
そうかぁ……リハビリを始める話をしていたのかぁ……。
Kevorkianという人は結局のところ実像以上の役割を背負わされた“象徴”であって、
人はKevorkianという一人の生身の人間の上にそれぞれ自分の見たいものを見て、だから
“象徴”としての彼はこれからも、いろんな人に都合のいいように使いまわされていく……
そういうことなのかなぁ……。
その他、興味深い記事としては、お馴染みWesley Smithが書いている ↓
Kevorkian: A Dark Mirror on Society
By Wesley J. Smith
National Review Online, June 3, 2011
Kevorkianが自殺幇助と臓器提供を結びつけようと説いていたこと、
自分が幇助した患者の一人から腎臓を摘出し、
その腎臓の移植希望者を記者会見を開いて募ったことは
問題にされることはないままメディアが彼をもてはやしたことについて。
K医師は「社会を移す暗い鏡」だった、と。
この話については4月に当ブログでもエントリーを立てている ↓
K医師、98年に自殺幇助した障害者の腎臓を摘出し「早い者勝ちだよ」と記者会見(2011/4/1)
(今回は文字数の関係でリンクできなかったのですが、
Kevorkian医師関連エントリーの一部は上記エントリーの最後にリンクしてあります)
その他、拾ったまま ↓
Dr. Jack Kevorkian dies at 83; ‘Dr. Death’ was advocate, practitioner of physician-assisted suicide
The LA Times, June 3, 2011
Jack Kevorkian dies, but physician-assisted suicide lives on
CBS News, June 3, 2011
Jack Kevorkian dies at 83 (with photos)
The News-Herald, June 3, 2011
With photos というのは、80年代から90年代にかけてのKevorkian医師と弁護士の
自殺幇助合法化に向けた法廷闘争(?)関連写真と解説のスライド・ショー。
‘Dr. Death’ Jack Kevorkian dies at age 83
The WP, June 3, 2011
スライド・ショーの最初は、こちらも自殺装置を披露するK医師。
今日のニュースのビデオと、98年の“60 Minuets”のインタビュー・ビデオ。
http://www.uplink.co.jp/100000/introduction.php
俳優のヒュー・グラントが自殺幇助合法化支持で発言。もともと彼は先日すい臓がんで亡くなった合法化ロビーの活動家McPherson医師のサイトを支援していたらしい。母親が膵臓癌になったことがきっかけだったとか。:「彼女が最後の数週間に何を望んでいたかは分からないけど」という発言に目を引かれた。合法化を求めて活動してきた人が、最後に自殺幇助を求めることなく死んでいったという事例は、この人だけではないと思う。そこのところ、もうちょっと考えるべきことがあると思う。そういえば今あのKevorkian医師も病院で予断を許さない状態が続いているとか。なぜ彼は自分の装置を使わずに病院に運ばれていったのか。今の彼に意識があるとしたら、彼は自殺幇助または安楽死を望む発言をしているのかどうか。もちろんOKされるわけはないだろうけれど、求めても認められないことと求めないこととは、特にこの人たちの場合には大きな違いだと思うので、気になる。
http://www.independent.co.uk/life-style/health-and-families/health-news/hugh-grant-campaigner-was-right-on-assisted-dying-2292456.html
祈りで子どもの腫瘍を治そうとして病院に連れて行かない親が、また問題になっている。オレゴン州のTimothy Whyland事件でDiekemaが倫理学者としてコメント。「親を処罰しても、子どもを親から引き離しても、それが子どもの利益になるわけではない」。
http://www.google.com/hostednews/ap/article/ALeqM5gHe9pvwXyVV2Z04eAPyD9QeiE02g?docId=df07391e6c244c62aa8171a4beb1ea11
http://www.care2.com/causes/health-policy/blog/faith-healers-face-trial-after/
去年11月、Activist Postというサイトがビルゲイツ帝国について批判的な記事を掲載したところ、その日の内にInternet Explorerから危険なサイトのブラックリストに載せられ、アクセスしようとすると危険の警告が出るようになってしまったという。:怖い話だ。http://www.truthistreason.net/independent-news-site-fraudulently-blacklisted-by-internet-explorer-after-negative-bill-gates-article
かつて死刑囚から採った臓器を外国人向け移植ツールリズムに使っていた中国が、自発的な臓器提供ヘとシステムを転換しようとして、でも実際にはさほどうまくいっていない、という内容と思われるLancetの論文。:まだ最初の数行しか読んでいないので。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811%2960794-0/fulltext?elsca1=TL-070511&elsca2=email&elsca3=segment
日本語記事。中国の一人っ子政策が米議会でやり玉に挙がっている。:なぜ今なのかという点では、いろいろ思惑がありそうではあるけど。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110602/amr11060210080002-n1.htm
http://www.epochtimes.jp/jp/2009/11/html/d73473.html
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011060201000197.html
昨日、気になる記事があったばかりのナイジェリアで基本的な医療だけは皆保険で、とずいぶん前からの決定事項がやっと実行されそうなのだとか。でも、決まったまま棚上げになっていた間に、沢山の子どもや女性が死んだ、と。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2811%2960791-5/fulltext?elsca1=TL-070511&elsca2=email&elsca3=segment
ポトマック河でオスの魚がメス化しているらしい。ホルモンバランスに影響する化学物質や、薬品の残留物が流れ込むからでは、と。
http://www.truthistreason.net/male-fish-now-exhibiting-female-traits-due-to-toxic-chemicals-and-big-pharma-runoff
もう10年も続くテロとの闘いに、オーストラリアでは国民がそろそろウンザリ。テロとの闘いは終わることがない、と考え始めている。
http://www.canberratimes.com.au/news/national/national/general/australians-tire-of-decadelong-war-survey/2184058.aspx?src=enews
これまでコンドームと精管切除しかなかったのだけれど、
インドの一匹狼科学者が発明した新たな避妊術 RISUG が注目を集めているらしい。
精管に一種のポリマーを注入することによって
精液はこれまで通りに生成・射精されるが、
精子は化学的にダメージを受けるというもの。
精管切除術のように性欲や勃起機能に影響することなく
避妊の目的を達成することができる。
効果は約10年で、
精管切除術と違って可逆的な処置でもある。
現在インドで治験のフェーズⅢまで進んでおり、
インドでは2年以内に認可されるのではないかと言われ、
発明者 Sujoy Guha氏のもとには世界中から問い合わせが来ている。
The Revolutionary New Birth Control Method for Men
WIRED Magazine, May 2011
で、こういう話になると、
この人の名前が出てこないわけはないのであって、
やっぱり……
RISUGを女性の卵管用にも使えるように研究してほしいと、
去年、Gates財団から Guha氏に10万ドルのグラントの提供があった。
Male Contraceptive: Injection Will Sterilize Men for Ten Years, Supported by Bill Gates
Benzinga, June 2, 2011
そういえばゲイツ財団は超音波による男性の避妊法開発にもカネを出しているし ↓
ゲイツ財団資金で超音波による男性の避妊法を開発、途上国向け?(2010/5/12)
インドで「革新的な家族保健」にもカネを出している ↓
ゲイツ財団がインドのビハール州政府と「革新的な家族保健」の協力覚書(2010/5/17)
その他、関連すると思われるエントリーはこちら ↓
知的障害・貧困を理由にした強制的不妊手術は過去の話ではない(2010/3/23):G8での避妊・家族計画論争
2010年5月29日の補遺:G8での途上国の母子保健関連記事。ここでも「家族計画」に言及。
ゲイツ財団が途上国の「家族計画、母子保健、栄養プログラム」に更に150億ドルを約束(2010/6/8)
「途上国の女性に安価な薬で簡単中絶“革命”を」の陰には、やっぱりゲイツ財団(2010/8/3)
http://www.catholicnewsagency.com/news/us-catholic-bishops-to-consider-statement-on-assisted-suicide/
http://www.prnewswire.com/news-releases/bishops-to-vote-on-physician-assisted-suicide-document-at-seattle-meeting-statement-says-practice-does-not-advance-compassion-choices-122952018.html
最近のギャラップ調査で、米国人の内、医師による自殺幇助は道徳的に間違っていると考える人の割合が微増。
http://www.lifesitenews.com/blog/more-americans-believe-that-assisted-suicide-is-morally-wrong/
英国のGP学会他が2009年に採択した終末期の患者憲章が6月1日に施行された。
http://www.rcgp.org.uk/end_of_life_care/patient_charter.aspx
昨日の補遺で拾った話題で、英国BBCの潜入ルポで明らかになった知的障害者施設の組織的虐待容疑で、ケアの質コミッションが声明。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/227098.php
上の問題で首相官邸も介入、詳細な報告を求めている。:そういえば日本のメディアも、覆面とか潜入と言わないまでも、三浦事件やオウムの頃には、ちゃんと独自の調査報道をやっていたっけなぁ……。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/jun/01/care-home-abuse-ministers-move?CMP=EMCGT_020611&
今朝エントリーにしたナイジェリアの“赤ちゃん工場”のニュースが頭に残っているだけに余計に生々しく見えるNYTのOp-Ed記事。医師志望のインドの10歳の少女が売春宿に売られそうだ、という話。Nicholas Kristofは人身売買について、ずいぶん前から取材しては書き続けている。
She’s 10 and May Be Sold to a Brothel: Slavery still exists, as reflected in the story of a 10-year-old Indian girl who wants to be a doctor but may be headed for a brothel.
カナダQueen’s大学の研究者らが全国的に共通の医療倫理のガイドラインが必要、と。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/227066.php
遺伝子などのバイオ・マーカーと病気の関連は過大に言われ過ぎ。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/227121.php
英国の14―15歳の少女の48%、つまり10人のうち7人がヨウ素欠乏症だというのだけど?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/226988.php
法改正して、どんな薬物であれ所持しているだけでは罪に問わないことにしよう、と英国の著名人らがキャンペーンをスタート。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/jun/02/drugs-drugspolicy?CMP=EMCGT_020611&
去年8月18日の補遺で拾った話題で、オランダの「コーヒー・ショップ」で政府が規制強化。「コーヒー・ショップ」とはマリファナなどの薬物をたしなめるお店。国境近くの町で外国からの「ドラッグ・ツーリズム」が引きも切らないため、去年8月にその地域では「コーヒー・ショップ」はオランダ人限定となっていた。今回、オランダ人にも一定の条件が課せられる模様。
http://travel.usatoday.com/destinations/dispatches/post/2011/05/hollands-pot-tourism-set-to-go-up-in-smoke/172331/1?csp=Dailybriefing
ヨーロッパでO104の食中毒被害広がる。なぜ、突然これまで注目すらされてこなかった菌が殺人的になったのか、科学者は首をかしげているとか。:抗生物質の耐性菌が出てくるのと同じ原理が、科学とテクノを駆使した農業にも働いているのではないかと、素人は無責任な推理を巡らせてみる。
http://www.nytimes.com/2011/06/02/world/europe/02ecoli.html?_r=1&nl=todaysheadlines&emc=tha2
今度はマサチューセッツ州で竜巻被害。4人死亡。
http://www.guardian.co.uk/world/2011/jun/02/tornadoes-kill-four-in-massachusetts?CMP=EMCGT_020611&
ナイジェリア「出産工場」
【学院倶楽部】科学と宗教ならびに教養と民族の【協同と連帯】(2011/6/2)
私も検索して、以下のBBCの記事を読んでみました。
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ナイジェリアの警察は南東部のAbaにおいて
The Cross Foundation 病院を捜索し、
人身売買組織に閉じ込められていたとみられる妊娠中の32人の少女たちを救出した。
少女らは15歳から17歳で
生まれた赤ん坊は呪術目的や養子に売られていたとみられる。
既に売却契約が交わされ引き取られるのを待つ段階だった赤ん坊4人も
同時に救出された。
病院経営者は望まぬ妊娠をした少女たちの支援団体を名乗って
「赤ちゃん工場」だったとの疑惑を否定しているが
国連によるとナイジェリアでは毎日少なくとも10人の子どもが売買されており、
同国内の犯罪では麻薬の売買と詐欺に次いで人身売買が3番めとのこと。
ナイジェリア政府の人身売買監視団体Naptipによると
赤ん坊は最高6400ドルで売られており、男児の方が値段が高い。
呪術で赤ん坊を殺せば力が高まると信じている地域もあり、
未婚女性の妊娠への差別や排斥が強い文化風土からも
こうしたクリニックに誘われて赤ん坊を売ることになりがちだという。
生んだ子どもを売った少女たちに冒頭の病院から支払われたのは170ドル。
ナイジェリアでは新生児の人身売買は違法で
最高14年の禁固刑も。
Nigeria ‘baby farm’ girls rescued by Abia state police
BBC, June 1, 2011
このニュースで真っ先に頭に浮かんだのは、
グローバル化が進む“代理母ツーリズム”の記事で読んだのだと思うのだけど、
インドでは代理母の妊娠中の健康管理のために
代理母である若い女性を出産まで一か所に集めて生活させ、
人権問題が懸念されるほどの管理をしている企業もある、という話。
BBCはナイジェリアの人身売買の被害に遭った子どもを取材して
2008年にも記事を書いている ↓
http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/7226411.stm
またナイジェリアでは魔女狩りという名目で
大人が子どもを虐待したり殺害している、というニュースも ↓
ナイジェリアの子どもたちの悲惨(2007/12/14)
タンザニアでも、呪術に使う目的でアルビノの人たちが殺されている ↓
アルビノは呪われていると殺害(2008/4/4)
ハイチの子どもの奴隷については、こちらのエントリーに ↓
restavekという名の幼い奴隷(ハイチ)(2008/9/24)
他にも世界中で子どもが売買されていると思われるニュースはあって、↓
子どもたちがこんなにも不幸な時代(2008/5/30)
なお、今年1月にも、ガウタマ・シンラン・ソリドゥスさんの記事に触発されて
世界の奴隷労働に関する当ブログ内の記事を、
こちらのエントリーに取りまとめていました ↓
世界の「奴隷労働」を、拾った記事から概観してみる(2011/1/20)
ガウタマ・シンラン・ソリドゥスさん、
いつもたいへんお世話になり、ありがとうございます。
http://well.blogs.nytimes.com/2011/05/31/cellphone-radiation-may-cause-cancer-advisory-panel-says/?nl=todaysheadlines&emc=tha23
英国でも有名な知的障害者のケアホームで、入所者への虐待が明らかになり職員4人が停職処分に。覆面潜入ルポをウリにしているBBCのPanoramaという番組の報道で。:「パノラマ」は以前にも潜入ルポで在宅介護のお粗末を暴いたことがあった ↓ 5月にもWhich? という消費者保護チャリティが覆面潜入調査で高齢者ケアホームの介護実態を調査し、報告書にまとめていた。これについては「介護保険情報」6月号の連載に書いたので、7月に入ったらエントリーにする予定。
http://www.guardian.co.uk/society/2011/may/31/abuse-at-leading-care-home?CMP=EMCGT_010611&
【パノラマが暴いた在宅ケアのお粗末】
BBCの潜入ルポが在宅介護の実態を暴いてスキャンダルに(2009/4/11)
在宅介護の遅妻つを暴いたBBC潜入ルポに反響2つ(2009/4/19)
病院ケアの怠慢を隠し撮りしたナースの登録抹消を労働組合が批判(2009/4/20)
バイオ燃料のプランテーションがアフリカでブームに。でも、それが結局は食糧価格の高騰を招き、貧富の格差と飢餓の拡大に繋がっている。地球温暖化にも。
http://www.guardian.co.uk/environment/2011/may/31/biofuel-plantations-africa-british-firms?CMP=EMCGT_010611&
インターネットを通じてなど消費者直結(DTC)の遺伝子検査の病気予測には正確性に問題があり、個人の利益にはならない。:この問題、私が英語ニュースをチェックし始めた2006年から同じことが言われていたのに、今だに規制されないまま。
http://www.medicalnewstoday.com/releases/226929.php
日本でもニュースになっていたけど、WHOが携帯電話に発がん性がある可能性を指摘。
http://well.blogs.nytimes.com/2011/05/31/cellphone-radiation-may-cause-cancer-advisory-panel-says/?nl=todaysheadlines&emc=tha23
中国の経済発展の原動力になってきた労働者層の増加がプラトー状態に。
http://www.washingtonpost.com/business/economy/chinas-workforce-is-expected-to-start-shrinking-in-next-few-years/2011/05/02/AGrVKmFH_story.html?wpisrc=nl_cuzheads
Washington Postが記事を書いている。
1953年に米国政府が創設したNIHのクリニカル・センターは
人を対象とする治験を目的とする世界最大の研究機関で、ヒトを対象とした治験は年間1500件。
センターの臨床研究の予算100億ドルのうち、3億ドルが特にヒトを対象とした治験用に使われる。
それでも件数でいえば米国で行われる治験のごく一部ではあるが、
症例数が少ない病気だったり、ギャンブルみたいに効果が不透明な治療など
製薬会社やバイオ企業や大学には手を出しにくい治験も実施するところが
このクリニカル・センターの特性。
かつては治験参加者は医師らが口頭で募っていたが
現在ではインターネットに専用サイト Clinicaltrials.govがあり、
また同センターのウェブサイトから申し込む人もあって、希望者数は膨れ上がっている。
これまでNIHがスポンサーとなった治験に参加したのは約40万人で、
治療法がない病気の最後の望みだったり他では治療が受けられない珍しい病気の人だったり、
まだ新しい治療法を試してみたいとか、病気に関する知識を身につけたいとか、参加の理由は様々。
治験での医療はすべて無料。
「請求書を送ることはありません。
支援がなければ通えない人には交通費も支給します。
社会経済的な理由でアクセスを拒まれる人はありません。
だから他の人たちがとっくに諦めてしまったような状態で
うちに来る人は少なくないですよ」と、センター幹部。
例えば同センターの生命倫理部長のEzekiel J. Emanuelなど
実験で使われる薬に命に関わる副作用がある可能性について
被験者がその実験のリスクをきちんと説明され、
それを実際に十分に理解した上で参加に同意しているかどうか、
ただ文書を読むことと、その内容をちゃんと理解することとは違うが、
実際には文書を読んですらいない人もいるのではないか、
多くの人は研究のリスクを理解していないのではないか、と
疑問を投げかける声はあるが、
多くの被験者は、リスクは冒してでも、と考えるようだ。
例えば
5年前にステージ4の乳がんを治療したSamantha Seinfeldさん(35)は
08年にシアトルのWashington大学でガン患者向けの実験的なワクチンの治験に参加した。
カリフォルニアからシアトルに通い、治験に参加。
しかし治験が始まって6カ月後に乳がんが再発した。
Samanthaさんがインターネットで調べてNIHの治験を知り、
WA大学の担当者に相談すると、
何も証明されてはいない理論の段階だけれど
NIHの治験で使われているPANVECは有望なワクチンだし、
こちらで既に6か月試してみたワクチンとの相乗作用もあるかもしれない、と勧められ、
Samanthaさんは3年前に仕事をやめ、同棲していた恋人とも別れて
ワシントン州近郊のBethesdaに移り住んだ。
Samanthaさんの他に乳がん患者12人、子宮がん患者14人が参加したが、
現在、残っている被験者はSamanthaさん一人だ。
他の26人はガンで亡くなったり、悪化して辞めた。
最初から病気が軽かったのか、化学療法の中断期間が長かったためか、
またはWA大学で6カ月受けたワクチンの効果なのか、
なぜかSamanathaさんだけはガンが見つかっていない。
現在Samanthaさんは数カ月おきにNIHへ行き、
CTを撮って、PANVACワクチンの注射を受ける。
同ワクチンは遺伝子操作を行った鶏痘ウイルスから作ったもので、
免疫システムを強化し癌の再発を予防する効果が期待されている。
NIH human clinical trials look for causes and cures for disease
The WP, May 31, 2011
私は医療職でも何でもないので、
気になったからといって詳細に論じるだけの知識も能力もないけれど、
この記事で、いくつか気になった点をメモしておくと、
① Samanthaさんが数カ月おきにCTスキャンを受けていることには
放射線被ばくリスクがあるのではないか、という点。
この点は
日本ではCT装置の設置率が他国よりも高くて
それだけ患者に検査がオーダーされることが多いとして、
最近なにかと指摘されている問題でもあり、
英語圏のニュースでも、
2010年11月22日の補遺や2010年12月21日の補遺で拾ったように
特に子どもの検査被ばくが問題視され始めている。
治験に参加して、既に3年もの間、数カ月おきにCT検査って、
そこには倫理的な問題はないのかなぁ……と、素人の素朴な疑問。
また記事の中で別の治験に参加している人は
半年ごとに脊髄液の生検を受けているという。
これもリスクの高い検査では?
② 癌予防のワクチン開発が有望視されていることについては
当ブログでも以下のエントリーその他で拾って来ており、
その背景にはゲイツ財団の慈善資本主義が提唱する「ワクチンの10年」、すなわち
ワクチンを今後10年間で新たなマーケットに育てようとする政治経済的な意図が
あると読んできただけに、
ああ、ここでもやっぱりゲイツ財団の手であり足であるワシントン大学が出てくるのか、
なるほど辻褄が合うことだなぁ……と。
【関連エントリー】
リスクの“リ”の字もなく“黄金時代”に沸くワクチン開発記事(2009/11/19)
「これからはワクチンが儲かりまっせぇ」の陰には、やっぱりゲイツ財団が……(2009/11/20)
「必要を作り出すプロセスがショーバイのキモ」時代と「次世代ワクチン・カンファ」(2010/5/29)
③ リスクが低く効果もあって臨床現場に定着している一般的な医療へのアクセスを、
多くの人が社会経済的な理由で拒まれている米国社会で、
リスクが大きく効果も多くの場合は不透明な臨床実験へのアクセスの方は
「社会経済的な理由で拒まれる人はいません」と、胸を張って保障されることの皮肉。
【関連エントリー】
「なぜ大国アメリカで?」と医師が憤る無保険者の実態(2009/8/13)
④ この記事が挙げた「治験参加を希望する人の理由」の中には、なぜか含まれていないけれど、
まさにその「社会経済的な理由」から、病気になって何がしかの医療を受けようと思えば
治験に参加して無料で受けられる医療を受けるしか他に方法がないから、という人もあるのでは?
それなら、
途上国の医療アクセスの乏しさに付け込んだ非人道的な人体実験が行われている状況が
米国内でもあるということなのでは?
【関連エントリー】
ファイザー製薬ナイジェリアの子どもに違法な治験、11人が死亡(2009/2/1)
ゲイツ財団がコークとマックに投資することの怪、そこから見えてくるもの(2011/3/9)
そういえば、Ashley事件の黒幕と当ブログが睨んでいて
WA大学のオトモダチでもある過激派倫理学者のNorman Fostや
科学とテクノで不老不死を夢見るトランスヒューマニストの間からは
2007年あたりから、既にそれらしい発言が出ていました ↓
多数のため少数の犠牲は受け入れよ、とカーツワイル(2007/10/1)
Fostらが「プライバシー法は医学研究のジャマ」(2007/11/26)
もう1つ、Fostのコワい発言(2007/11/28)
(「報酬さえ出してやれば子どもを治験に参加させたって別に」という趣旨の発言)
小児科の医学研究 安全基準見直しへ(米)(2008/6/9)
(この見直しを検討するFDA委員会の委員長はFost)
その他、2007年にWPが報じていたNIHでの遺伝子臨床実験問題はこちら ↓
遺伝子治療で死者
遺伝子治療で死者 続報
死者出た遺伝子治療実験に再開許可(2007/11/26)
【その他の治験関連エントリー】
臨床試験の舞台裏についてArt Caplan(2008/4/18)
“エレファントマン薬物実験”の怪(2008/6/30)
【Dr. Emanuel関連エントリー】
「障害者は健常者の8掛け、6掛け」と生存年数割引率を決めるQALY・DALY(2009/9/8)
自己決定と選択の自由は米国の国民性DNA?(2009/9/8)