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いただきもののネタですが、

アラブ世界に向けて障害者への理解を広める目的で作られたラップ・ソングを
国連がリメイクしたものが YouTube に。

とても心地よいので、ぜひ。




視覚障害者。
元気に遊ぶ少女の姿と、大人になって戦争で脚を失った現在の彼女。
教師の無理解で抑うつ的になり引きこもりになる知的障害者。

だけど

“違う”は“普通”。
アンタの憐れみなんかいらない――。

同じように接してくれたら、それでいい。

心地よく繰り返されるリフレインは

Different is a natural thing.
Even in nature, it’s normal for things to be alike or different.


違うは普通。
自然だって、同じがあれば違うもあって、みんな、それで普通。

私はこれまで、
障害児を産むな、産んでも殺せ、障害者は社会のジャマだ、といわんばかりの施策の一方で、
最先端の生殖補助技術では障害児が生まれる確立が高くなるようなことが
わざわざ行われているではないか……と、その矛盾に苛立ちを感じてきたのですが、

このビデオを何度か繰り返して見ていたら、

それだけじゃない、戦争だってそうだ……と。
2009.03.03 / Top↑
BBCの幼児向け番組 CBeebiesのホスト Cerri Burnellさん(29歳)は
生まれつき右腕の肘から先がない。

それについて
「子どもたちが怖がる」
「子どもが悪夢を見てはいけないから番組を見ることを禁じている」などと
視聴者から抗議が届いている、とのこと。

以下のicadのエントリーにあるABCテレビのビデオには
番組の1シーンと、本人へのインタビューがあります。

Handicapping Cerrie Burnell
By Dick Sobsey,
icad, February 26, 2009


Burnellさんが話していることの要点は

かつて人工の腕をつけてみたこともあるが自分には不便なだけだったので、
それ以来、ありのままに姿で暮らすことを選択した。

このままの姿で番組のオーディションを受けて受け入れられたのだから、
番組スタッフとの間で片腕であることが特に問題になったこともない。

今回のようなことはこれまでもよく言われてきたが
それは私個人に向けられたものというよりも、
すべての障害者に対するスティグマであり、
すべての障害者が経験している差別がここに象徴的に現われている。

子どもたちは、この腕を見て、どうしたのかとまっすぐに聞くが
それは怖がっているのではなく単に興味を持ち、知りたがっているだけ。
ちゃんと説明すれば、それでいいこと。

私がテレビに出たことでこういう声が起こってくるというのは、
いかに一般の人々が障害に馴染んでいないか、
いかにテレビに障害のある人が登場することが少ないかを物語っている。

もっと様々な障害のある人がテレビに登場するべきだということ。


BBCでの平等と人権委員会のBert Massie卿の指摘が鋭くて、

障害者に対する偏見や差別意識のある大人はいるが、彼らはその偏見が自分のものだと認めないために、それを子どもたちに投影して、差別しているのが子どもたちであるかのような物言いをする。だから抗議はみんな匿名なのだ。


Sobsey氏 の指摘も鋭くて、

MSNBCのニュースタイトル
「片腕のテレビホストは子どもを怯えさせる、と親。
専門家はBBCテレビの番組ホストに対する親の不快は“時代遅れ”と」
の「時代遅れ」という表現こそ、
ことの本質を見誤っているし、

ABCテレビの番組タイトルに至っては
「片腕のTV番組ホスト、論争を引き起こす」

これでは
「ユダヤ人がホロコーストを引き起こす」
「黒人がリンチ事件を引き起こす」と題するに等しい、と。

論争を引き起こしたのはBurnellさんではなく、
視聴者の偏見であり、無知であり、ヘイトであり、
Burnellさんは差別を受けた被害者である、と。

また親が自分の差別意識を子どもに投影しているだけでなく、
そうした親の姿勢を子どもに受け継がせていくのだ、とも。


まったく、そのとおり──。

そして、”時代遅れ”というよりも、
むしろ今だからこそ、こんな声が出てくるのかも……?
2009.03.03 / Top↑
Iowa州の肉の加工工場で
Texas出身の21人の知的障害男性が劣悪な住居に押し込められて
賃金と州からの障害者手当てを搾取され働かされていたことが判明。

2月7日に住居となっていた建物は封鎖、
21人は州の保護下に置かれたものの、

郡の福祉部局から発見された文書によると、
70年代に1度、さらに97年にも1度、
ソーシャルワーカーが視察して実態を把握していながら
権限がない、十分な証拠がない、として介入していなかったことが判明。

21人が住まわされていたのは築106年の建物で、
ドアのいくつかには錠がかかり窓には板が打ち付けられて、
暖房設備は壊れたまま、小さなヒーターがいくつかのみ。

この一帯に食肉加工の派遣労働者を送っているTexasの会社
Henry’s Turkey Serviceのプログラムによる派遣で、
給与と州から支給される手当てのほとんどが生活費として搾取され
手取りは月に65ドルだったとのこと。

75年の視察の際には
知的障害者への社会経験と職業訓練プログラムだと説明されていた。

Iowaの州知事は同様の事件を防止するため
州法の改定を検討する委員会を立ち上げたとのこと。



そうでした。

貧困層は軍隊に、という話から
障害者・病者・高齢者は科学とテクノロジーの研究資源に……か……と
考えたのだったけど、

まだ奴隷労働というのがあった……。

日本でもぽつぽつと耳に入る話。
これもまた、大きく報道されることはない……。
2009.03.03 / Top↑