GPも警察も児童福祉も地方自治も
み~んなオンラインで国民から評価を受けることになるんだそうで。
(rating という言葉からすると「採点」も視野に入っているのかも?)
み~んなオンラインで国民から評価を受けることになるんだそうで。
(rating という言葉からすると「採点」も視野に入っているのかも?)
Brown首相が言うのには
公共サービスよりもネットのamazonとか eBayの方が
「透明性のスタンダードが高い」のはおかしいから、
上記のような公共サービスの質についても、
旅行者が利用したプランや宿泊施設についてネットに書き込んだ評価を
消費者が参考にできるような形を実現する、と。
公共サービスよりもネットのamazonとか eBayの方が
「透明性のスタンダードが高い」のはおかしいから、
上記のような公共サービスの質についても、
旅行者が利用したプランや宿泊施設についてネットに書き込んだ評価を
消費者が参考にできるような形を実現する、と。
医療においては患者に
教育と福祉については親に
政府はもっと権限を委譲して、
住民の声に沿った公共サービスを目指すべきだ、とも語っており、
教育と福祉については親に
政府はもっと権限を委譲して、
住民の声に沿った公共サービスを目指すべきだ、とも語っており、
医療での患者評価は夏から
児童福祉の親からの評価は来年からスタートの予定。
児童福祉の親からの評価は来年からスタートの予定。
「こんなの、やってられるか」と立ち去る人たちが、また増えるぞ――。
この記事の最後のほうに、教員の質を上げるための改革の話もちょっとだけ出てきていて、
その、ものすごく単純な能力至上主義がひっかかる。
その、ものすごく単純な能力至上主義がひっかかる。
たとえば非常に優秀な数学者というのは教師にならずに金融業界に入っていく、
そういう人を教育会に引っ張りこんで教師になってもらおう、という発想。
そういう人を教育会に引っ張りこんで教師になってもらおう、という発想。
もちろん数学の才能が図抜けていて、なおかつ教師としての資質もある人が
そういう意欲を持っているのであれば、
ぜひとも教師になってもらえればと私も思うけれども、
そういう意欲を持っているのであれば、
ぜひとも教師になってもらえればと私も思うけれども、
特定の分野で秀でた才能があることは
必ずしもその分野の科目を教える教師として才能や資質があることと同じではないと思う。
必ずしもその分野の科目を教える教師として才能や資質があることと同じではないと思う。
この話、私には、この前日本で出てきた、
高校の英語の授業は英語でやれという話と重なってしまった。
高校の英語の授業は英語でやれという話と重なってしまった。
あの話が出てきた時に、
英語教師のくせにろくにしゃべれない日本人教師を揶揄するような声が
出ていたけれど、
英語教師のくせにろくにしゃべれない日本人教師を揶揄するような声が
出ていたけれど、
必ずしも流暢な英語を話せなくても、
わかりやすく英語を教える技量に優れた日本人教師はいっぱいいる。
わかりやすく英語を教える技量に優れた日本人教師はいっぱいいる。
英語の教師は「英語を使って仕事をする」ことのプロではなくて、
「英語を教える」ことのプロのはずだと私は思うし、
「英語を教える」ことのプロのはずだと私は思うし、
(あ、もちろん、使えないよりは使えた方が良いというのは否定しません。
ただ、ネイティブ並みにしゃべれたりプロの通訳や翻訳者並みに駆使できることよりも
日本語でわかりやすく教える能力のほうが教師には大事だし本筋だと思う、という話です。)
ただ、ネイティブ並みにしゃべれたりプロの通訳や翻訳者並みに駆使できることよりも
日本語でわかりやすく教える能力のほうが教師には大事だし本筋だと思う、という話です。)
数学の才能が図抜けている人が
必ずしも数学を教える才能に恵まれているかどうか
教師としてふさわしいかどうかは別問題だと思うのだけど、
必ずしも数学を教える才能に恵まれているかどうか
教師としてふさわしいかどうかは別問題だと思うのだけど、
なにか、こう、
能力の上下だけではなく種類まで直線上のヒエラルキーとして並べられて、
上部のヒエラルキーの能力があれば
下部のヒエラルキーの能力は無条件に前提されてしまうような……。
能力の上下だけではなく種類まで直線上のヒエラルキーとして並べられて、
上部のヒエラルキーの能力があれば
下部のヒエラルキーの能力は無条件に前提されてしまうような……。
だけどポピュリズムによる競争原理と直線的な能力至上主義による効率化で
本当に人は幸せになるんだろうか。
本当に人は幸せになるんだろうか。
2009.03.13 / Top↑
このケースのことが今朝、朝日新聞のi-PS細胞の安全性に関する記事で触れられていましたが
詳細はなかったので、2月18日のエントリーを以下に再掲。
詳細はなかったので、2月18日のエントリーを以下に再掲。
少年は現在17歳。
どうもイスラエル人らしいのですが、
運動と言語機能に影響するAtaxia Telangiectasiaという遺伝病の治療として
2001年にモスクワの病院で胎性ES細胞を脳と脊髄に3回注射。
最初の注射から4年後に
テルアビブの病院の医師が脳と脊髄にそれぞれ1つずつ腫瘍を見つけた。
いずれも、ちょうどES細胞を注射した場所に出来ていた。
胚や胎児の細胞を利用することの倫理問題とはまた別に
ES細胞治療の安全性に対する懸念も高まること必至。
ちなみに、この治療で少年の遺伝病が改善したかどうかについては「さだかではない」。
Stem cell ‘cure’ boy gets tumour
The BBC, February 18, 2009
2001年の段階で既にそんな治療が実施されていた……ということ自体、衝撃。
それは治療というよりも人体実験だったのでは……?
しかも子どもに……?
どうもイスラエル人らしいのですが、
運動と言語機能に影響するAtaxia Telangiectasiaという遺伝病の治療として
2001年にモスクワの病院で胎性ES細胞を脳と脊髄に3回注射。
最初の注射から4年後に
テルアビブの病院の医師が脳と脊髄にそれぞれ1つずつ腫瘍を見つけた。
いずれも、ちょうどES細胞を注射した場所に出来ていた。
胚や胎児の細胞を利用することの倫理問題とはまた別に
ES細胞治療の安全性に対する懸念も高まること必至。
ちなみに、この治療で少年の遺伝病が改善したかどうかについては「さだかではない」。
Stem cell ‘cure’ boy gets tumour
The BBC, February 18, 2009
2001年の段階で既にそんな治療が実施されていた……ということ自体、衝撃。
それは治療というよりも人体実験だったのでは……?
しかも子どもに……?
2009.03.13 / Top↑
去年、全英に大きな衝撃を与えたBaby P 事件を始め、
このところ地方自治体のソーシャルワーカーが問題を把握していながら
子どもたちを救えないケースが増え、
児童虐待防止体制の総点検が進んでいた英国で4ヶ月の調査が終わり
子ども大臣に対して100ページの報告書が提出された。
このところ地方自治体のソーシャルワーカーが問題を把握していながら
子どもたちを救えないケースが増え、
児童虐待防止体制の総点検が進んでいた英国で4ヶ月の調査が終わり
子ども大臣に対して100ページの報告書が提出された。
報告書の大筋としては、
方針は間違っていないが地方自治体ごとの対応が効果的に機能していない、と。
(詳細は以下のGuardianのほうに)
方針は間違っていないが地方自治体ごとの対応が効果的に機能していない、と。
(詳細は以下のGuardianのほうに)
ただ、Timesの方の記事によると、
だから地方自治体が怠慢だとか無能だとばかりはいえない事情も見えてくる。
だから地方自治体が怠慢だとか無能だとばかりはいえない事情も見えてくる。
なんとソーシャルワーカーのポストの7人に1人は欠員になっているのだとか。
対策として来年度から地方自治体の児童福祉責任者向けに
The National College for School Leadershipが現場担当者への指導に関する講座を開く、と。
The National College for School Leadershipが現場担当者への指導に関する講座を開く、と。
Child services to be retained in hidden family risks after Baby P review
Ed Balls promises intensive courses after shortcomings revealed by deaths of children under care of social workers
The Times, March 11, 2009
Ed Balls promises intensive courses after shortcomings revealed by deaths of children under care of social workers
The Times, March 11, 2009
【追記】
報告書の内容と提言については
1日遅れで出てきた以下のTimeの記事に詳しいです。
報告書の内容と提言については
1日遅れで出てきた以下のTimeの記事に詳しいです。
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深刻な人手不足に悩む日本の介護現場で、事業者が講習会などに集められては
「介護職の離職理由は待遇の悪さだけじゃない、労務管理にも問題があるからだ」と責任転嫁され、
「求人の方法にもっと工夫をしろ。やめさせない労務管理を考えろ」と叱咤されていることと
もしかしたら、おんなじなのかなぁ……。
「介護職の離職理由は待遇の悪さだけじゃない、労務管理にも問題があるからだ」と責任転嫁され、
「求人の方法にもっと工夫をしろ。やめさせない労務管理を考えろ」と叱咤されていることと
もしかしたら、おんなじなのかなぁ……。
まず医療職の不足が欧米で深刻になり(ちょっと遅れで日本でも深刻になり)
次いで介護職の不足が欧米で深刻化し(ちょっと遅れで日本でも深刻化し)
次いで介護職の不足が欧米で深刻化し(ちょっと遅れで日本でも深刻化し)
このニュースを読むと、
次は日本でもソーシャルワーカーがいなくなるのか……。
次は日本でもソーシャルワーカーがいなくなるのか……。
いや、まだいるにしても児童相談所はずいぶん前から悲鳴を上げているんだった……。
いずれの職種でも、きっと本当は
現場はとっくの昔から「これ以上どうしろというんだ!」という極限状態で回っているのに
問題視も対処もされずに綱渡りを強いられてきていて、
現場はとっくの昔から「これ以上どうしろというんだ!」という極限状態で回っているのに
問題視も対処もされずに綱渡りを強いられてきていて、
やがて綱渡りの限界を超えるとショッキングな形で犠牲者が出るから、
(実はそれほどショッキングでない形の犠牲者は既にわんさと出ているのだけど)
メディアを中心に社会がわっと現場をたたく。
(実はそれほどショッキングでない形の犠牲者は既にわんさと出ているのだけど)
メディアを中心に社会がわっと現場をたたく。
しばらく現場がこっぴどく叩かれているうちに
犯人探しはだんだんと下から上へと問題をたどっていって、
やっと少しずつ問題の全貌に目が向けられてみると、
犯人探しはだんだんと下から上へと問題をたどっていって、
やっと少しずつ問題の全貌に目が向けられてみると、
個々の職員の怠慢とか能力不足といった問題じゃないかも……ということが分かってくる。
(もちろん個々の問題という場合だってあるとは思うのですが、
それは別問題としてきちんと考えるべきこととして)
(もちろん個々の問題という場合だってあるとは思うのですが、
それは別問題としてきちんと考えるべきこととして)
で、遅まきながら炙り出されてくるのは
制度そのものが崩壊しつつあるという、もっと深刻な事態──。
制度そのものが崩壊しつつあるという、もっと深刻な事態──。
医療崩壊が云々され始めた頃に誰かが「立ち去り型サボタージュ」とか呼んでいたのは
結局は、それなりに技能も知識も志もあって努力もし誠意を持って働いてきた人が
「こんなの、やってられねーよ」と立ち去っていくしかないところに追い詰められる状況への
警告だったのだと思うのですが、
結局は、それなりに技能も知識も志もあって努力もし誠意を持って働いてきた人が
「こんなの、やってられねーよ」と立ち去っていくしかないところに追い詰められる状況への
警告だったのだと思うのですが、
なんだか、社会を成り立たせているあれこれの仕組みが
あちこちから綻び、崩壊していっているように思えて、本当に怖い──。
あちこちから綻び、崩壊していっているように思えて、本当に怖い──。
もはや、崩壊せずに何が残るのだろう……という話?
あ、もしかして、それ、軍隊?
あ、もしかして、それ、軍隊?
―――――――
ただ、英国の医療では
ベッドあたりの医師や看護師の数がもともと日本に比べてはるかに高かったと思うし、
ブレア首相の時からNHSの改革にも予算を思い切って投入しているし、
(今のブラウン首相は、その当時の財務大臣)
ベッドあたりの医師や看護師の数がもともと日本に比べてはるかに高かったと思うし、
ブレア首相の時からNHSの改革にも予算を思い切って投入しているし、
(今のブラウン首相は、その当時の財務大臣)
タイムラグを経て日本で起こっているからといって、
同じ問題として考えていいのか、という疑問は残る。
同じ問題として考えていいのか、という疑問は残る。
2009.03.13 / Top↑
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