やっぱり出てきたよ。ニコチンガムで口腔ガンのリスクが高くなる、という話。何年か前にずいぶん長期に渡ってニコレットのお世話になって、やっとタバコと縁を切ったのだけれど、その頃二コレットを噛みながら、「口の粘膜がこんなに高濃度のニコチンにダイレクトかつ集中的に晒され通しになるのって、どうなのよ?」と思っていた。でも、素人の私が噛みながら思っていたくらいのこと、商品開発段階で分からないか?
http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/health/article6143744.ece?&EMC-Bltn=KLZHIA
http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/health/article6143744.ece?&EMC-Bltn=KLZHIA
40歳の誕生日に妻から「今後1年間365日のセックス」をプレゼントされた夫。
本気で実現するために「時間は? 子どもは? その気にならなかったら? 面白テレビがある晩は?」と現実問題を検討する夫婦の姿。1年がんばってみたらこうだった、という話。この記事、本気で面白い。
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2009/apr/22/365-nights-charla-muller-sex
本気で実現するために「時間は? 子どもは? その気にならなかったら? 面白テレビがある晩は?」と現実問題を検討する夫婦の姿。1年がんばってみたらこうだった、という話。この記事、本気で面白い。
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2009/apr/22/365-nights-charla-muller-sex
NY Times が社内の表現マニュアルで midget 使わず dwarf に、と。この前見たリチャード・ギア主演映画「ハンティング・パーティ」で使われているのを聞いて、ちょっと「ん?」と耳についたところだった。
http://www.patriciaebauer.com/2009/04/20/nytimes-style/
http://www.patriciaebauer.com/2009/04/20/nytimes-style/
テキサス州では、あらゆる行政用語から retard とその派生語を排除し intellectual disabilities に置き換えるのだとか。Austinには mental retardation を名前に含んだセンターがあるので、名称変更するのだとか。去年、映画 Tropical Thunder の知的障害者差別問題で retard という用語について問題提起したBauerさんのブログが取り上げている。
http://www.patriciaebauer.com/2009/04/21/retardation-texas/
http://www.patriciaebauer.com/2009/04/21/retardation-texas/
2009.04.22 / Top↑
90年代、英国 Hampshire の the Gosport War Memorial Hospitalで
92人もの患者が不可解な死を遂げて事件に。
92人もの患者が不可解な死を遂げて事件に。
警察の捜査が入ったが
いまのところ、そのいずれも起訴には至っていない。
いまのところ、そのいずれも起訴には至っていない。
しかし、その92人のうち1996年から1999年の間に亡くなった10人について
調査陪審員が調査を行い、このほど
調査陪審員が調査を行い、このほど
それぞれ60代から80代の5人の高齢患者に鎮痛剤 Diamorphine が過剰に投与され、
それが患者の死を引き起こしたり早めたと認定。
それが患者の死を引き起こしたり早めたと認定。
その他の5人については
鎮痛剤の投与は死因に関与していない、とも。
鎮痛剤の投与は死因に関与していない、とも。
これを受けて家族は警察に再捜査を求めているが
すでに3回の捜査を行ったとして警察は拒否している。
すでに3回の捜査を行ったとして警察は拒否している。
制度について知らないことだらけなので詳細が分かりませんが、
今回で3度めの司法判断が下ったことになるのだとか。
今回で3度めの司法判断が下ったことになるのだとか。
問題の鎮痛剤を処方した医師には
Diamorphine の処方を禁じValium(diazepam)の処方を制限するのみで
継続して同病院での勤務が認められている。
Diamorphine の処方を禁じValium(diazepam)の処方を制限するのみで
継続して同病院での勤務が認められている。
NHS Hampshireは
事件のあった1990年代以降、
同病院のシステムも方針も完全に刷新されている、と。
事件のあった1990年代以降、
同病院のシステムも方針も完全に刷新されている、と。
もちろん、高齢の患者さんたちは、いずれ死ぬのだといわれれば、その通りだから
死者の数だけで病院を責めることはできないと思うけれど、
死者の数だけで病院を責めることはできないと思うけれど、
過剰投与があって、それが死因となったことが認定されたというのは
ただ高齢者だから死ぬのだというのとは別の話のはず。
ただ高齢者だから死ぬのだというのとは別の話のはず。
しかも、記事を読む限りでは、
過剰投与が病院の慣行となっていた可能性が疑われるそうなのに
過剰投与が病院の慣行となっていた可能性が疑われるそうなのに
過失があったことは認定されても
なぜか誰も罪に問われない──。
なぜか誰も罪に問われない──。
なんで……?
2009.04.22 / Top↑
スコットランドで無所属のMargo MacDonald議員が
今年のうちに尊厳死法案End Of Life Choices (Scotland) Billを議会に提出すべく
現在、準備中。(提出には18人の議員の賛同が必要)
今年のうちに尊厳死法案End Of Life Choices (Scotland) Billを議会に提出すべく
現在、準備中。(提出には18人の議員の賛同が必要)
それに対して、the Scottish Council on Human Bioethics が
法案は「危険であり不要」とするプレスリリースを発表。
法案は「危険であり不要」とするプレスリリースを発表。
同カウンシルのDr. Callum MacKellarは
「適切な緩和ケアによって肉体的な苦痛はケアすることが可能。
死に行く患者も、苦しまなくてもよいのだと知ると
安楽死についての気持ちを変えることが多い」ので“不要”。
死に行く患者も、苦しまなくてもよいのだと知ると
安楽死についての気持ちを変えることが多い」ので“不要”。
「ケアの困難な、またはケアに費用がかさむ人たちが
社会への重荷(burden)とみなされたり、
第2級市民とみなされるようになる」ので“危険”。
社会への重荷(burden)とみなされたり、
第2級市民とみなされるようになる」ので“危険”。
「さらに、これまで一貫して、殺すことではなく、治しケアすることであった
医師とその他医療職の役割を根本的に変えてしまう」ので“危険”。
医師とその他医療職の役割を根本的に変えてしまう」ので“危険”。
また、リリースは次のようにも述べています。
自殺幇助の合法化は次の点でも危険です。
すなわちスコットランド社会が、いかなる理由であれ、命によっては
もはや生きるに値しない、すでに一切の価値も意味も失って終わりにすべきであると
(初めて)合意することとなる。
さらに、自殺幇助を支持することは、
社会が意味も価値もないとみなす人は手を貸して殺してもいいと認めることでもある。
すなわちスコットランド社会が、いかなる理由であれ、命によっては
もはや生きるに値しない、すでに一切の価値も意味も失って終わりにすべきであると
(初めて)合意することとなる。
さらに、自殺幇助を支持することは、
社会が意味も価値もないとみなす人は手を貸して殺してもいいと認めることでもある。
カナダでつい先日起きたKaylee事件こそ、
正にこのような影響を自殺幇助合法化議論そのものが
社会に与えている証拠なのでは?
正にこのような影響を自殺幇助合法化議論そのものが
社会に与えている証拠なのでは?
プレスリリースはこちら
【Kaylee事件 関連エントリー】
2009.04.22 / Top↑
ちょっと常識的な人なら、
こんなこと、なにも専門家がデータを出してくれずとも
分かっていたこと……とは思うのだけれど、
こんなこと、なにも専門家がデータを出してくれずとも
分かっていたこと……とは思うのだけれど、
癌になるかどうかは遺伝子だけで決まるわけではなく、
がん患者の中で親から受け継いだ病気の遺伝子のために癌にかかったという人は5%~10%。
がん患者の中で親から受け継いだ病気の遺伝子のために癌にかかったという人は5%~10%。
きちんとした食生活を維持し、体を動かし、体重を管理すれば
乳がんや大腸がんも含めて、たいていのよくある癌なら、39%は予防できる。
乳がんや大腸がんも含めて、たいていのよくある癌なら、39%は予防できる。
発病に関係していると特定された遺伝子を受け継いでいると分かっても、
それは、そうでない人に比べて発病の確率が高いというだけのことであり、
かならず発病するとは限らないのだ、と。
それは、そうでない人に比べて発病の確率が高いというだけのことであり、
かならず発病するとは限らないのだ、と。
The World Cancer Research Fund (WCRF) のDr. Rachel Thompson が。
全体に、パーセンテージをどうやって出したのか、
その根拠がこの記事には示されていないのが引っかかるけど、
主張されていること自体、もともと「そりゃそうだよね」ということではある……。
その根拠がこの記事には示されていないのが引っかかるけど、
主張されていること自体、もともと「そりゃそうだよね」ということではある……。
それから、この人は触れていないけど、
やっぱり、ストレスがよくない……と世に言われている常識だって
たぶん捨てたもんじゃないはず、とも思う。
やっぱり、ストレスがよくない……と世に言われている常識だって
たぶん捨てたもんじゃないはず、とも思う。
この前、柳原和子さんの「百万回の永訣」を読んだ時に
多くのがん患者さんの共通の体験として、
がんを発病したり、再発する直前に、それぞれ
身体的にも精神的にもストレスの大きな数年間を過ごしていた、
という話が何度か出てきて、「ああ、やっぱりなぁ」と、しっくり腑に落ちた。
多くのがん患者さんの共通の体験として、
がんを発病したり、再発する直前に、それぞれ
身体的にも精神的にもストレスの大きな数年間を過ごしていた、
という話が何度か出てきて、「ああ、やっぱりなぁ」と、しっくり腑に落ちた。
(念のために余計なことを書いておくと、
「がん患者学」の時から、私は、ごく部分的にしか共感できなかったけど
特に再発後のこの人の言動については批判的にしか受け止めることができません。)
「がん患者学」の時から、私は、ごく部分的にしか共感できなかったけど
特に再発後のこの人の言動については批判的にしか受け止めることができません。)
ちょっと話は違うけど、
娘が小さい時に、他のお母さんたちと話をしていたら、
「夜寝ない」「ちょっとのことですぐ起きる」「異様な激しい夜鳴きをする」ことに
親がほとほと困り果ていた……という体験が
その後てんかんの診断を受けた子どもたちに“予兆”として共通していた。
娘が小さい時に、他のお母さんたちと話をしていたら、
「夜寝ない」「ちょっとのことですぐ起きる」「異様な激しい夜鳴きをする」ことに
親がほとほと困り果ていた……という体験が
その後てんかんの診断を受けた子どもたちに“予兆”として共通していた。
ずっと前から医師に訴えていたのに相手にしてもらえなかった、というのも
これまた誰もが共通に体験していた。
これまた誰もが共通に体験していた。
患者の体験だって、ちゃんと調査研究してみれば科学的なデータとなって、
病気について分かることって案外に沢山あるんじゃないのかなぁ……と思うのだけど
病気について分かることって案外に沢山あるんじゃないのかなぁ……と思うのだけど
その分野の専門家以外にはチンプンカンプンな最先端の知見でなければ
信じるに足りる科学的エビデンスではない……みたいな“神話”もあるようで、
信じるに足りる科学的エビデンスではない……みたいな“神話”もあるようで、
これまでだって、そっちを向いていなかった科学のまなざしは
病んでいる人や障害のある人自身の体験から、さらにどんどん遠ざかり、
さらに人間が本来持っている知恵や賢さや本能的な知覚からも、どんどん離れていく。
病んでいる人や障害のある人自身の体験から、さらにどんどん遠ざかり、
さらに人間が本来持っている知恵や賢さや本能的な知覚からも、どんどん離れていく。
そして、一番怖いのはきっと、
私たち世の中の一般人までがそれに引きずられて
ずっと前から誰もが常識的に知っていたこと持っていたものをかなぐり捨てて、
知識の断片や欲望に振り回されない賢さを失っていくこと。
私たち世の中の一般人までがそれに引きずられて
ずっと前から誰もが常識的に知っていたこと持っていたものをかなぐり捨てて、
知識の断片や欲望に振り回されない賢さを失っていくこと。
この論文は、最先端科学に振り回される
そうした世の中への警告のように読めた。
そうした世の中への警告のように読めた。
2009.04.22 / Top↑
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