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英国最大の医療と介護サービス企業Bupaの
高齢者ケア部門のメディカル・ディレクター Dr. Clive Bowmanが
英国医師会のジャーナル3月号で

医師の訓練不足とケアホーム管理者の意識の低さにより、
認知症患者に不適切な抗精神病薬の投与が続いている、と指摘。

医師らは研修医時代に病院の外科病棟などで
認知症患者の安全のための抑制を目的とした鎮静剤の使用事例を目にして、

それ以上の知識も研修もないままに
やがて自分たちが現場で実践し、さらに指導的な立場についても
研修医時代の体験の通りに投与し続けている。

また、ケアホームを管理監督する立場にある人たちも
これまで正面切って認知症患者への抗精神病薬の使用状況を把握する努力をしてこなかった。

抗精神病薬の処方は医学教育の中にきちんと位置づけられる必要があるし、
エビデンスに基づいた投与が行われなければならない。

病院にもGPにも
抗精神病薬の投与理由と治療の予定期間を明確に記録するよう求める必要がある、と。



Bupaについては、
HPを日本語訳したものがこちらに。


案外こういうことは日本でも行われているのではないかと、
ふと疑ってみたことがありました。
佐野洋子「シズコさん」(2008/7/12)
2009.04.17 / Top↑
米国テキサス州の女性 Missy Evansさんは
21歳の息子Nikolasさんを喧嘩による暴行で亡くした。

将来は男の子が3人ほしい、名前ももう考えてある、と
息子が生前、語っていたといい、

「息子は大学も卒業したかったし、子どももほしかったんです。
それなのに、人のせいで、もうできなくなってしまった」

遺体から精子を採取して代理母を頼み、孫を産んで育てるのは
息子の遺志を継ぐことだ、と。

Travis郡の検認判事は14日、Evansさんの希望を認め、
専門家による採取が行えるように警察に遺体の冷凍保存を命じた、とのこと。



しかし、ここでかなえようとされているのは息子の遺志や望みではなく、
息子を取り戻したい母親自身の見果てぬ夢なのでは?

彼女が本当にほしいのは息子のクローンで、
それが許されないから、せめて息子の血を継いだ孫を、と望んでいるのだと思う。


これは、ペットセマタリーだ、と思う。
こんな夢は、かなえてはいけないのでは?


去年イスラエルでも同様の判例が出ているようなので、
その記事を紹介しておられる方のブログ記事にトラックバックさせていただきました。
2009.04.17 / Top↑
意思決定能力を欠いている人の医療における代理決定の判例として
名前だけは聞きかじっていたサイケヴィッチ裁判(1976年)の詳細について、
星野一正氏がまとめられたサイトを見つけたので、

自分自身のメモとして、以下に。

重症の知的障害がある高齢者の、苦痛を伴うがん治療をめぐる代理決定。

インフォームドコンセントを与えることのできない患者の代理決定について
一定の法的基準を示した判例とされる。

患者の代理意思決定 =サイケヴィッチ判決=
時の法令1616号 69-75頁 2000年4月30日発行
民法化の法理 医療の場合 64
2009.04.17 / Top↑