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時間があったらじっくりと読みたいし、
エネルギーがあったらエントリーにまとめたいと思いつつ、
なかなか果たせないので、メモ的に。




英国の児童保護があまりにお粗末で、国は子どもたちの親としての責任を果たしていない、と批判。
保護施設収容年限16歳では、出た後の子どもたちの非行が防げず、本来は21歳にすべき。
せめて18歳に。とはいえ、地方自治体の財政難が問題。
http://women.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/women/families/article6128640.ece?&EMC-Bltn=IOWEIA


CA州のナーシングホームの運営企業がスペイン語を母国語とする職員に対してのみ、
勤務中にスペイン語での会話を禁じたことに対する損害賠償の集団訴訟で原告側勝利。
http://www.medicalnewstoday.com/articles/146617.php


英国下院の委員会から国連障害者人権条約批准に関する報告書
http://www.egovmonitor.com/node/24702


去年「コウノトリのゆりかご」のネブラスカ版、年齢制限を設けない「安全な隠れ家法」で
数ヶ月の間に10代の子どもまで30人もが親に捨てられて
精神保健行政のお粗末が炙り出されたネブラスカ州は同法を改正して年齢制限を設け、
支援策を約束していましたが、その後、このたびの経済不況を言い訳にぐずぐずしているので
NYTimesが社説でチクリ。
http://www.nytimes.com/2009/04/20/opinion/20mon2.html?_r=1&th&emc=th



健康で長生きする秘訣を云々って、科学とテクノの偉業ばかりに目を奪われて
忘れているけど、実は友達の存在って大切な1つ。そりゃ、そうだ。
http://www.nytimes.com/2009/04/21/health/21well.html?th&emc=th
2009.04.21 / Top↑
夕方のニュースで日本の脳死・臓器移植法改正の問題が取り上げられていたのを機に、
当ブログ開設からの2年間に取り上げた臓器移植関連の海外ニュースをまとめてみました。

日本ではあまり報道されることはありませんが、
世界では(といっても読んでいるのが英語ニュースなので英米が中心になりますが)
こんなことが起こっている……というのを知った上で考えるのと
知らないままで考えるのとでは、
かなり話は違ってくるのではないかと
夕方のニュースを見ながら思ったので。


【Navarro事件 関連エントリー】



【Hannah事件 関連エントリー】



【Kaylee事件 関連エントリー】



【救済者兄弟 関連エントリー】
救済者兄弟:兄弟への臓器提供のために遺伝子診断と生殖補助技術で生まれる子ども



【その他 臓器移植関連エントリー】









2009.04.21 / Top↑
このたびThe Medical Journal of Australia に発表された研究で

摂食障害初期の5歳から13歳までの子ども101人を調査したところ、

78%が入院治療。
60%は命に関わる栄養不良状態だった。

また4人に1人は男児だった。

Severe eating disorders in five-year-olds
The Canberra Times, April 20, 2009


摂食障害が自尊感情と深く関わっているのは言わずと知れたことですが、
それにしても、5歳──。

子どもたちって、いつからこんなに不幸になったんだろう……。


科学とテクノの進歩で命の操作や選別が可能になり、
子どもは親が選べるものになってきたことや、

それにつれて、能力、特に知能偏重の価値観が蔓延していくことと

幸福でない子どもたちが増えてきたこととは
あながち無関係ではない……という気がする。
2009.04.21 / Top↑
英国の看護学会(the Royal College of Nursing)が
108人のプライマリーケアの看護師を対象に行った調査で

64%がターミナルな状態の患者が死を望んだ場合、
その患者に慢性的な痛みがあれば臨床家は自殺幇助を認められるべきだ、と答えた。

しかし、合法化された場合に自分はターミナルな患者の自殺幇助を行うかという問いに
Yesと答えたのは46%だった。

一方、早期の妊娠中絶(EMAs)の合法化には
反対の人が54%。

合法化されても自分はやらないという人が62%。

51%はEMAsがGPやポリクリニックでできるようになることに反対。
EMAsを行う診療所やポリクリニックでは働かないという人が37%。



このギャップをどう解釈したらいいのか、よくわからない……。

「看護師の3分の2が自殺幇助に賛成」として
あちこちのブログで衝撃が走ったり、話題にもなっているようなのだけど、

英国看護学会が実施したにしては
調査対象がたった108人というのも、なんか、よく分からない。


ちなみに4000人対象の調査で
医師の3分の2は自殺幇助の合法化に反対だった。詳細は以下のエントリに。

2009.04.21 / Top↑
先月、「乳幼児にてんかん手術は安全かつ有効」という論文が出てきた時も
なんだかイヤ~な話だなぁ……と思ったけど、

さらにイヤ~な匂いのする話が出てきた。

Lancet Neurology誌の5月号に発表された論文で、
無料で読めるのはアブストラクトだけですが、要するに

てんかん手術は患者によってはコスト効率がよい。
これは基本的な薬物治療が既に行われている国でのみ言えることかもしれないが、
貧困国においても、てんかん手術をもっと受けやすくできるのではないか。
その方策を考察する、と。

このアブストラクトにくっついている「現代てんかん手術」の説明にも
「コスト効率がよい」という言葉が繰り返されており、

「英国ロンドンで1886年にVictor Horsley卿によって行われたのが初めて。
(薬物治療が効かない)発作のある患者へのコスト効率のよい療法として受け入れられている」。

しかし、上記3月の乳幼児のてんかん手術の記事でも、
手術は「最後の手段」と捉えられているという話は紹介されていた。

薬品が不足していたり衛生面や技術面でも決して万全と思えない途上国での手術を
なんでわざわざ推進する方策が検討されなければならないのか。

それは露骨に書かれているように「コスト効率がよい」からであり、

どう考えても患者の身の安全なんて省みられていないような……?

Epilepsy surgery: challenges for developing countries
Jane Qiu, the Lancet Neurology, Volume 8, Issue 5, Pages 420-421, May 2009


この論文がLancetに掲載されていることが、そもそも「いかにも」だなぁ……と思うのは、

Lancetといえば、当ブログで追いかけてきたように
ゲイツ財団、ワシントン大学・IHMEと提携し、
Global Burden of Disease プロジェクトを推進中。

読んで字のごとく
病気を世界が背負い込む負担と捉え、それを軽減しようとのプロジェクトなのですが、

そこで使われているのは、DALY(Disability Adjusted Life Years)という新基準。

障害を負った状態もカウントする生存年数データの見直しを行い、
貧困などの社会的ファクターをまるきり無視した「科学的な検証」によって

世界中の保健医療施策全体をコスト効率で見直し、立て直すぞ、と意気込んでおられます。

こういう背景の中に、上記の論文を位置づけてみると、
今から世界中の医療が向かっていこうとしている方向がなんとなく見えてくるような……。

世の中の重荷・厄介者(つまりburden)になっている高齢者、障害者、貧乏人は
安全だの丁寧だの全人的だのと贅沢を言わず、

リスクは少々高くてもコスト効率のよい医療を受けてくださいよ、とね。


……なんてことを考えていたら、

時々お邪魔している精神科医の方のブログで、
米国の精神科医療といえば、もっぱら薬漬け医療のように見えるけれど、
実はお金持ちだけは以前の通りに精神療法を受けている、という話が紹介されていた。

精神科医による精神療法はもう終焉を迎えるのか??
(Dr.KOBAの身もふたもない話:2009/4/17)


やっぱり……。




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