自殺幇助ツーリズムのメッカ、スイスのDignitasクリニックの創設者 Ludwig Minelliが
BBC Radio4の The Reportという番組に登場。
BBC Radio4の The Reportという番組に登場。
放送メディアでのインタビューは5年ぶりだとか。
ついに出てきたか……という感じで以下の記事を読み始めて、
すぐに「なんてこと言うんだ! なんてこと、するんだよっ!」と頭に血が上った。
すぐに「なんてこと言うんだ! なんてこと、するんだよっ!」と頭に血が上った。
記事に出ている彼の発言を、とりあえず以下に。
・自殺に失敗されると英国のNHSにとっても厄介だしコストも重い。
・「自殺に対する私の姿勢はまったく違って、自殺は人間に与えられたすばらしい可能性だと考える。自殺は、自分では変えることのできない状況から逃れるための大変すぐれた選択肢である」
・「ターミナルな病状は条件ではない。英国人が勝手にターミナルにこだわっているだけだ」
・「Dignitas はクリニックではない。人権問題の弁護士として、私はパターナリズムには反対の立場だ。他の人に代わって意思決定を行うことはしない」
・「カナダ在住の夫婦で、夫の方が病気というケースがある。妻の方は病気ではないが、私の家のこのリビングルームで彼女ははっきりと『夫が逝く時に自分も一緒に逝きたい』と言った。問題をはっきりさせておくために、たぶん裁判所に判断を仰ぐことになるだろう」と、この夫婦をテスト・ケースと考えていることを明らかに。
・また、これまでDignitasが自殺幇助を行ってきた100人を超える英国人の大半はターミナルな人たちだったが、中には精神病患者や、病状に差がある夫婦が含まれていたことも明かした。
・「自殺に対する私の姿勢はまったく違って、自殺は人間に与えられたすばらしい可能性だと考える。自殺は、自分では変えることのできない状況から逃れるための大変すぐれた選択肢である」
・「ターミナルな病状は条件ではない。英国人が勝手にターミナルにこだわっているだけだ」
・「Dignitas はクリニックではない。人権問題の弁護士として、私はパターナリズムには反対の立場だ。他の人に代わって意思決定を行うことはしない」
・「カナダ在住の夫婦で、夫の方が病気というケースがある。妻の方は病気ではないが、私の家のこのリビングルームで彼女ははっきりと『夫が逝く時に自分も一緒に逝きたい』と言った。問題をはっきりさせておくために、たぶん裁判所に判断を仰ぐことになるだろう」と、この夫婦をテスト・ケースと考えていることを明らかに。
・また、これまでDignitasが自殺幇助を行ってきた100人を超える英国人の大半はターミナルな人たちだったが、中には精神病患者や、病状に差がある夫婦が含まれていたことも明かした。
記事には、Dignitasでアシスタントをしていたが
精神病者や夫婦に対するDignitasの姿勢に疑問を覚えて辞めたという女性
Soraya Wernliさんのコメントもあり、
精神病者や夫婦に対するDignitasの姿勢に疑問を覚えて辞めたという女性
Soraya Wernliさんのコメントもあり、
「その人が病気でターミナルであれば自殺幇助そのものは問題ないと思うけれど、
私が疑問を感じるのはDignitasが自殺を幇助する、そのやり方」と。
私が疑問を感じるのはDignitasが自殺を幇助する、そのやり方」と。
先月、前保健相が提案した the Coroners and Justice Bill への修正法案は
時間切れで投票にいたらなかったものの、
Hewitt前保健相は、この発言に、
Dignitasでの自殺幇助では十分なセーフガードになっていないからこそ
英国の法律を改正する必要があるのだと。
時間切れで投票にいたらなかったものの、
Hewitt前保健相は、この発言に、
Dignitasでの自殺幇助では十分なセーフガードになっていないからこそ
英国の法律を改正する必要があるのだと。
(しかし、Hewitt氏が提案した改正案は
「自殺幇助のためにターミナルな人を海外へ連れていく家族や知人を
罪に問わないことにしよう」という別の話だったはずなのですが)
「自殺幇助のためにターミナルな人を海外へ連れていく家族や知人を
罪に問わないことにしよう」という別の話だったはずなのですが)
一方、スイス当局は自殺幇助法の見直しを行っているところ。
もっと時間をかけてアセスメントを行う、
自殺希望の精神病者や夫婦には判断基準を厳しくする、など
同国の医療倫理コミッションから勧告が出されている。
自殺希望の精神病者や夫婦には判断基準を厳しくする、など
同国の医療倫理コミッションから勧告が出されている。
コミッションの委員長によると
スイスの法律は結局のところ、刑法にある
自分の勝手な動機で自殺を幇助したら、それは犯罪だとの1文でしかない。
スイスの法律は結局のところ、刑法にある
自分の勝手な動機で自殺を幇助したら、それは犯罪だとの1文でしかない。
「現在は、規制がないまま自殺幇助が行われているという妙な状態」と。
スイスの法務大臣はBBCに対して
2ヶ月以内に改正を提言する予定、と。
2ヶ月以内に改正を提言する予定、と。
なお、このニュースはTimesも以下に。
自殺を試みて失敗されたら医療費がかかって迷惑だろうから
最初から医師が確実に死なせてあげる方がいいだろう……って
それは一体どういう屁理屈なんだよっ。
最初から医師が確実に死なせてあげる方がいいだろう……って
それは一体どういう屁理屈なんだよっ。
自分では変えることのできない状況から逃れるために自殺は優れた選択肢……って、
思い通りにならない、気に入らないからって、イチイチ死んで、どーすんだよっ。
思い通りにならない、気に入らないからって、イチイチ死んで、どーすんだよっ。
【2009年7月17日追記】
この時にDignitasが検討していた夫婦はこちらのカナダの夫婦と思われます。
夫が思い心臓病。妻は健康で「娘たちも愛しているけど、夫の方をもっと愛している」と。
夫が思い心臓病。妻は健康で「娘たちも愛しているけど、夫の方をもっと愛している」と。
2009.04.02 / Top↑
4月1日をもって
社会ケア監査コミッション(CSCI)、医療コミッション、精神医療法コミッションの業務が
ケアの質コミッション(the Care Quality Commission)に一本化されたとのこと。
社会ケア監査コミッション(CSCI)、医療コミッション、精神医療法コミッションの業務が
ケアの質コミッション(the Care Quality Commission)に一本化されたとのこと。
去年制定された
医療と社会ケア法2008(the Health and Society Care Act 2008)によるもの。
医療と社会ケア法2008(the Health and Society Care Act 2008)によるもの。
アルツハイマー病協会がコメントを出し、
アルツハイマー病患者が急増する中、ケアの質はいまだ低いままで、
新コミッションは早急に行動する必要がある、と。
アルツハイマー病患者が急増する中、ケアの質はいまだ低いままで、
新コミッションは早急に行動する必要がある、と。
2009.04.02 / Top↑
Pennsylvania州の議会にも
Oregon州をモデルにした尊厳死法案が提出されているとのこと。
Oregon州をモデルにした尊厳死法案が提出されているとのこと。
とはいえ、今回すぐに議会を通過するとか
法律として成立するという勢いのある話ではないようで、
法律として成立するという勢いのある話ではないようで、
PA大学の倫理学者といえば当然この人、お馴染みArt Caplanが
「私の予測ではペンシルバニアではこの法案は通らないでしょう。
議論はするべきですが、今のところ、まだ議論の一段階というところです」
議論はするべきですが、今のところ、まだ議論の一段階というところです」
ただ、Caplanは
「本当に死にたい人はそれほど多いわけじゃない。
たいていは、死も選べるのだという安心がほしいだけです」とも言っていて、
「本当に死にたい人はそれほど多いわけじゃない。
たいていは、死も選べるのだという安心がほしいだけです」とも言っていて、
この記事からだけでは、Caplan自身が自殺幇助の合法化に
どういうスタンスをとっているのか、よく分かりません。
どういうスタンスをとっているのか、よく分かりません。
2009.04.02 / Top↑
またかいな……。
もうカラクリが見通せてしまうような気がして
こういうニュースは、いいよ、もう……と食傷気味なのですが、
目に付いたので、ともかく。
こういうニュースは、いいよ、もう……と食傷気味なのですが、
目に付いたので、ともかく。
といっても、食傷しているので詳細まで読み込んでいません。
興味ある方は原文をどうぞ。
興味ある方は原文をどうぞ。
スタチンとアスピリンと、
そのほか血圧を下げる薬3種類
合わせて5種類の薬を1つの錠剤にミックスした複合薬を
健康そのものの人が飲めば、
将来心臓病にかかる確率が半減するんだと、
そのほか血圧を下げる薬3種類
合わせて5種類の薬を1つの錠剤にミックスした複合薬を
健康そのものの人が飲めば、
将来心臓病にかかる確率が半減するんだと、
米国の心臓病学会で。
インドで45歳から80歳までの
リスクファクターが少なくとも1つあるという健康な成人
2000人に対する実験の結果報告。
リスクファクターが少なくとも1つあるという健康な成人
2000人に対する実験の結果報告。
ちょっと面白いのは、この記事に寄せられたコメントの1つで、
「政府認可の新ソーマの世界にようこそ。
われらを国家のためにせっせと働く善良な国民たらしめるべく作られたソーマの世界に」
われらを国家のためにせっせと働く善良な国民たらしめるべく作られたソーマの世界に」
ソーマとは、
オルダス・ハスクリーの「すばらしき新世界」に出てきた薬で、
オルダス・ハスクリーの「すばらしき新世界」に出てきた薬で、
そこに描かれているのは
人間が社会で担う役割に応じて階層化され、
それぞれの階層ごとに人工的に工場で(人間が)大量生産され、
完全に管理されている社会。
人間が社会で担う役割に応じて階層化され、
それぞれの階層ごとに人工的に工場で(人間が)大量生産され、
完全に管理されている社会。
そこでは問題意識を持ったり物事を深く考察してはならず、
与えられた労働をこなし、せっせとセックスをして
いつもハッピーでいることが求められる。
与えられた労働をこなし、せっせとセックスをして
いつもハッピーでいることが求められる。
いつもハッピーで、頭を使わずにいるために、
ちょっとでも気分が塞ぎ始めると飲むように奨励されているのがソーマ。
ちょっとでも気分が塞ぎ始めると飲むように奨励されているのがソーマ。
ほか、「経済とテクノのネオリベラリズム」の書庫に多数。
2009.04.02 / Top↑
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