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環境ホルモン・ユビキタス。つまり、もはや、あまねく存在して避けがたい環境ホルモンの害、“フタル酸症候群”についてNY TimesのOp-Edコラムニストが警告している。女児の思春期早発症、男児の女性化:ユビキタスなんだから、もう因果関係を証明することなど不可能なだけで、いろいろあるはずだと実はみんな思っているのだけど、この科学とテクノの時代、「証明できない」は「正しくない」に等しいらしい。そして「何を証明するか」を決めるのは、もちろん科学とテクノ。
http://www.nytimes.com/2009/07/16/opinion/16kristof.html?_r=1&th&emc=th

アルツハイマー病にかかりやすい遺伝子を受け継いでいると分かっても、落ち込むのは直後だけで、遺伝カウンセラーの関与で、たいていの人はそこから立ち直る、という調査結果:アルツハイマー病には今のところ有効な治療法が無いから、遺伝子診断でかかりやすいと知っても気持ちが落ち込む害があるだけでメリットが無いとの批判があるので、要するに、この研究は、それに対抗するためのエビデンス作りですね。結論が可笑しくて、「どの病気の診断を受けていいとかいけないとか判断を押し付けるのはパターナリズム。受けるか受けないかは、あくまでも個々の自己選択」。「何歳までしか生殖補助医療を受けられないと傍から決めるのはパターナリズム。産む・産まないは女性の自己選択」と、70歳に出産させた医師も言うのかな。まさか「誰は自殺してもいいけど、誰はいけないと傍から決めるのはパターナリズム。死は自己決定権」と誰かがそのうち言い出す……なんて?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/157700.php

邪悪なビッグ・ファーマが医師に金を掴ませて、あなたの子どもを薬漬けにする……:久々にBiederman医師の名前を見たけど、新情報ではなく、去年のあの一連の疑惑のみ。もう、ほとんど癒着構造の象徴のような名前。
http://www.alternet.org/healthwellness/141369/big_pharma_bribes_doctors_to_hook_your_kids_on_drugs/

あのアポロ11号の月面着陸は、40年前の7月20日だったんだそうな:私は中学生だった。視聴覚教室に集められて、何がどうなっているんだか、よく分からないテレビのライブ映像を見た。あれで同時通訳が一躍脚光を浴びるようになった。まだ帰国子女なんて言葉も無かった時代。で、40年後の現在、NASAは岐路に立たされているんだとか。これから、どっちに向かっていくのか。それとも宇宙開発そのものを、いっそ辞めてしまうのか。宇宙開発をやめて、国民皆保険の実現に投じるって……ないですね。やっぱり。
http://www.usatoday.com/tech/science/space/2009-07-16-nasamoon_N.htm?csp=DailyBriefing

米・民主党の国民皆保険に向けた医療改革案の骨子。国民全員に健康保険への加入を義務付け。違反者には罰金。極小企業を覗き、企業には従業員の健康保険購入またはそれなりの負担援助を義務付け。メディケイドの対象を拡大。中流家庭が健康保険を購入しやすいように新たなexchange(?)を創設。政府の大きな負担なしに、ほぼ皆保険が実現できるとされるが、共和党と経済界は反発。
http://www.nytimes.com/2009/07/16/opinion/16thu1.html?_r=1&th&emc=th
2009.07.17 / Top↑
4月にDignitasの創設者が
病気の夫と健康な妻(カナダの夫婦)の自殺幇助を検討中だと語った時から
実は、ずうっと頭のすみっこに居座っている想念というか、予感がある。



先週、英国の著名指揮者夫婦が夫の方は健康であるにも関わらず
「妻を失っては生きていけない」という理由でDignitasでそろって自殺してから
メディアでも個人ブログでも賛否両論、多数の記事が相次いでいる。

それは知っているのだけど、
月曜日の臓器移植法改正A案の成立から、気持ちのどこかがメゲたままなので
この夫婦の“幇助心中”を賛美・擁護する記事を読んでケチをつける元気がわかない。

それで、目には付いても、みんなスルーしていたのだけど、

この記事のタイトル「もう終わりにしようと決める勇気」には
「げっ。何が勇気だよっ」と腹が立って、つい目を通してしまった。

Assisted Suicide - The Courage to Call It a Day
By Ian Brockwell,
The News Blaze, July 14, 2009

まぁ、だいたい予想通りの展開と文意。

特に最後の辺りの
「中には夫妻の決断を批判する人もいるかもしれないけど、
 でも、2人の勇気と、互いへの愛は尊重しなければならない。
 その愛で2人は54年間も幸福に暮らしたのだから」

美しい夫婦愛──。
それが全てを許容する──。
この美しい愛に、他者は指差したり石を投げてはならない──。
当事者の苦悩を知らない他者には、何も言う資格はない──。
54年も愛し合い、連れ添った夫婦なのだから――。

“Ashley療法”論争で聞いた声と、まったく同じだ。

美しい親の愛──。
それが全てを許容する──。
これほどに子を愛する親の気持ちに、他者は一切の批判を控えるべきである──。
これほどの親の苦しみを知らない人間には、何を言う資格もない──。
こんなに手のかかる子どもを何年も愛し介護してきた親なのだから――。

もしも、この先、
障害のある子どもを残して逝くに忍びない重病の親が“幇助心中”を求めてDignitasを頼ったら、
世論は、これと同じトーン、同じ言葉で美化し、許容するのだろうか……。

親亡き後に施設に入れられるくらいなら、
こんなにも自分を愛してくれる親と一緒に死ぬ方が本人の幸せじゃないか、と言って……?
2009.07.17 / Top↑
Quebec州の医師会が
激しい苦痛のあるターミナルな状態の人には
一定の状況下での医師による安楽死を認めるよう
刑法を改正するよう提案することを決定。

カナダの議会には既にFrancine Lalonde議員からの議員個人提出の法案として
自殺幇助合法化の法案が提出されており、この秋にも審議の予定

記事では、
英国の著名指揮者夫妻のDignitasでの自殺が
世界中に与えた衝撃の中、ケベックの医師会の提案が報じられた、
カナダでは忙しい秋になりそうだ、と。



報道の常で、
医師会の提案の側からの発言と、
それに反対する立場の発言が引用されており、

医師会側は今現在でも事実上は行われているのだから
法改正は現状の「偽善」を正すだけのことだ、と。

緩和ケアの専門医は
延命治療の停止と、命を縮めることになる鎮痛剤の使用が可能なのだから
安楽死を希望する人が求めているものは既に認められている、
この上、自殺幇助が合法化されれば、患者は不当な理由で死を選ぶことになる、と。

また、この人の印象的な発言として、

「生と死がどういうものなのか自分でちゃんと分かったと思えないのに
 それをコントロールしたいなんて思わない」とも。


ちなみに英国医師会は自殺幇助合法化についても、
自殺のために海外へ行く人に付き添う行為を違法をしないことについても
反対のスタンスを明確にしました。
2009.07.17 / Top↑
The European Heart Journal に掲載された調査結果で
4000人のアメリカ人の元兵士を調べたところ、
IQが平均よりも低い人では心臓病で死ぬ確立が高いとの結果に。

社会経済上のファクターが影響することは知られているが、
今回は、それらファクターを除外しても、IQだけで20%もの差があった。

知能が低い人は健康に関する情報を取り込みにくく健康に留意しにくいのでは、と分析し、
研究者らは病気予防情報を簡略にするなどの工夫が必要、と。



病気予防の情報に工夫が必要だとの提言をしてはいるけれど、
IQだとか人種だとかが直接的に病気リスクなのだといわんばかりの研究が
どうも最近、目に見えて増加しているような気がしてならない。

今のように医療コストの削減の必要が声高に喧伝されている中で、
病気リスクであると名指しされることは「コストがかかる」レッテルを張られることに等しいわけで、

そもそも研究デザインの前段階で、
IQや人種と病気リスクとには直接的な相関があるはずだと誰かが仮説したからこそ
こういう研究が行われるのだということを考えると
いかに病気予防の情報に工夫を提言されたとしても、
論文の結論や提言とはまた無関係に
データだけが一人歩きするのではないか、と気にかかる。


それにしても、この研究で実は一番コワイのは
調査対象に選ばれたのが米軍の元兵士だったという事実のほうかも。

これは、つまり
平均よりもIQが低い人が一定数固まっている集団を探したら
それは米軍だった……ということであり、

その事実、
海兵隊リクルーターがノルマ達成のため、発達障害者を狙っているという話を裏付けているのでは……?
2009.07.17 / Top↑