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記事の詳細までちゃんと読んで、まとめる余裕がないので、
以下は補遺向けにメモった内容に過ぎないのですが、

かなり重要なニュースかと思うので、とり急ぎ
今日の補遺はこの一点ということで。



豚インフルのパンデミックに備えてワクチンの備蓄を推奨する
WHOのガイドラインを書いた3人の科学者には、
タミフル製造元のロッシュ、リレンザ製造元のGSKと金銭関係があったことが判明。

それぞれの科学者はその繋がりを隠していたわけではないものの、
WHOは豚インフルに関する一連の意思決定過程で3人の利益の衝突を報告していない。

今日のヨーロッパ・カウンシルに出席した英国労働党のPaul Flynn議員は、

「製薬会社の影響力がタコの足のように
意思決定のプロセスのあらゆる段階に及んでいる」

http://www.guardian.co.uk/business/2010/jun/04/swine-flu-experts-big-pharmaceutical?&

このニュース、さて、日本でどういう扱いになるのか。
2010.06.04 / Top↑
Not Dead Yet といえばStephan Drakeさんが率いている米国の運動体だとばかり思っていたら、
2006年に英国でも Not Dead Yet UK が立ち上げられていました。
リーダーは自殺幇助合法化に抵抗し続けている Baroness Jane Campbellさん。

去年、議会が合法化法案を否決したのは
直前の彼女のスピーチが功を奏したからだという声もあります。

Not Dead Yet UK の公式サイトはこちら。

そのNot Dead Yet UK が
英国内で自殺幇助合法化を求める動きに対して、
6月2日、レジスタンス・キャンペーンを始めました。

英国の議員たちに向け、
以下のレジスタンス憲章に署名するよう呼びかけています。

“レジスタンス”憲章2010

1. 障害者とターミナルな病気の人は他の皆さんと同じ法的保護を受けるに値し、また、受ける資格があります。
2. 私は障害者とターミナルな病気の人たちすべての生命と、彼らの社会に対する貢献を価値あるものと考えます。
3. 私は私の選挙区の障害者とターミナルな病気の人たちが尊厳のある生を生きるために必要な医療、社会ケアその他のサービスを受けられるよう保障する機会を作るよう努めます。
4. 私は、命を断つために支援を希望している障害者とターミナルな病気の人たちには、自殺念慮のある他の人たちと同じ支援をして、生きるように励ますべきだと信じます。
5. 私は自分の選挙区で、緩和ケアと自立生活サービスを支援し、それらのサービスが必要な人に確実に届くよう尽力している人たちと協働します。
6. 私は自分の選挙区で自殺幇助に関する法改正に不安を感じる障害者とターミナルな病気の人たちと会い、彼らの意見を考慮します。
7. 私は自殺幇助を違法と定めた現行法による法的保護が維持されるよう努めます。




また、Campbellさんは、このキャンペーン立ち上げに際し、
「障害者に必要なのは死ぬ手伝いではなく、生きる手伝い」と題する一文を
Guardianに寄稿し、その趣旨を説明しています。

Disabled people need help to live, not die
The Guardian, June 3, 2010


ごく、大まかにまとめてみると、

これまで、障害者はずっと運動してきました。
その運動が訴えてきたものは人々に受け入れられ、
我々の運動は障害者差別法など多くの勝利を挙げてきました。
そして、社会は変わり、誰もが平等を大切だと考えるようになりました。

これまで社会を変えようと運動してきた自分たち障害者が
今、変えまいと闘っています。

障害者もターミナルな病気の人たちは
不安だけでなく、偏見や差別にもさらされてきました。
「ああなるくらいなら死んだ方がマシ」と言われ価値なきものとみなされ、
最近では自殺幇助を合法化しようとの声が上がっています。

そういう人たちは不安、不安と、そればかりを言います。
苦しむことへの不安、尊厳を失うことへの不安、誰かの重荷になることへの不安。

そして、そう、本当は、
愛する人がそんな不安に苦しむ姿を目の当たりにしなければならないことへの不安も。

だから、障害と病気への不安への解決策として、自殺はどうかというのです。

しかし、障害も病気もない人の自殺は思いとどまらせようとするのに、
自分で死ねる人は自殺してはいけないという一方で、
人の手を借りなければ死ねない人の自殺は認められるなら
そこに平等はありません。

それでも多くの人が、
そう考えるのが思いやりというもので、
その考えは反駁の余地がないほど論理的だというのです。

一旦、合法化されてしまったら、基準は広げられていきます。 
  
そして、家族や医療職を始め社会の人々の考え方にも作用して、
障害者に対する見方、扱いやケアまで根底から変えてしまいます。

社会を変えるために運動することと違って、
変えないための運動は、運動することも説明することも難しいけれど
これは私たちの安全を守るための運動です。

合法化へ向かう動きを、声を上げずに黙って見ていることはできません。
我々にはNothing about us, without us というスローガンがあります。
ここに抵抗の声を上げましょう。

この度立ち上げたキャンペーンの名前は、レジスタンス――。




これまでの実践に裏付けられた自信を背景に、凛と澄んだ上品な声が、
理路整然と批判し、堂々と訴え、高らかに呼びかける――。

本当に、すばらしい文章。胸打たれます。



なお、同日のBBCの記事はこちら。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8718581.stm
2010.06.04 / Top↑
英国で自殺幇助合法化の動きに関連し、障害者からの抵抗が相次いでいる。お馴染み Baroness Campbellと、Not Dead Yet から。
http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/law-and-order/7798414/Disability-campaigner-Baroness-Campbell-urges-MPs-not-to-relax-assisted-suicide-law.html
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8718581.stm

仕事の関係での調べ物で行き当たった、日本の聴覚障害者向け電話通訳サービス。
http://www.murayama-cb.com/modules/jirei1/index.php?id=19

もうひとつ、日本で、電話リレーサービスも。
http://blogs.yahoo.co.jp/hide461124/14210035.html

こちらは外国語の電話通訳企業。(日本語サイト)
http://www.nspeak.jp/

こちら米国の聴覚障害者用電話サービス。ビデオ・リレー・サービス(VRS)。日本語サイト。
http://wiredvision.jp/archives/200302/2003020606.html

こちら英国の聴覚障害者向け電話サービス。80年代に聴覚障害者団体がスタートしていたというのがすごい。英語サイト。
http://www.textrelay.org/
http://www.rnid.org.uk/howwehelp/our_services/textrelay
http://www.barnsley.gov.uk/bguk/applicationsandpayments/Type%20Talk
http://www.textrelay.org/about_us.php

売りに出されているNewsweek誌に、共和党系の雑誌が食指。
http://www.guardian.co.uk/media/2010/jun/03/newsmax-bid-for-newsweek-magazine

遺伝子分析により個々に合わせたガン治療をNHSが導入へ。
http://www.thetimes.co.uk/tto/science/genetics/article2538739.ece

英国で史上最悪の銃乱射事件。12人死亡。3人が重体。犯人は52歳のタクシードライバー。
http://www.guardian.co.uk/uk/2010/jun/02/cumbria-shootings-slaughter-countryside-derrick-bird
2010.06.04 / Top↑
なだいなだ氏の「こころ医者講座」を読んで、すぐに思いだし、
切り抜きを引っ張り出してきた。

今年3月18日の朝日新聞の地方版で、
鳥取県の「野の花診療所」の徳永進医師の
在宅ホスピスの取り組みを取材した記事。

最後まで家でなるべく快適に過ごせるかどうかは
痛みのコントロールがうまくいくかどうかにかかっている、
痛みがあると心も落ち込みやすいが、
「痛みが消えれば谷底からはい上がろうという希望が生まれる」と語り、

医療麻薬を適切に使える医師を増やして行かなければならないと
徳永医師は、今後の課題を述べているのだけれど、

そこまでなら、緩和ケアの専門医があちこちで言っていること。

私がこの記事を切り抜いたのは、そこのところではなくて、
その後に、付け加えられた数行。

それと「痛みを引き受ける」というメッセージを、
患者さんにきちんと伝えること。

「自分は見放されていない」と分かってから渡される薬と、
ただポンと渡されて飲む薬とでは効き方が違う。



こころ医者、ですねぇ。徳永先生――。


90年代の脳死論争の直後に“転向”して以来、
誰よりも熱心な「科学とテクノ」信者だった立花隆氏が
自身がガンになって、世界中の治療研究の最先端を巡り歩き、
最後に徳永医師の診療所にたどり着いて、

「人間には、きっと、ちゃんと死んでいく力が備わっている」と言ったのは
ものすごく示唆に満ちた言葉だったと思う。


そういえば、
やはり緩和医療で有名な柏木哲夫先生の講演を聞いた時に、

末期がんで寝たきりになって、もう身体のどこも動かせなくなっていたおばあさんに、
最期のお別れをさせてあげようと、ずっと可愛がっていた犬を家族が家から連れてきて
胸の上においてあげたら、

ずっと動かせなくなっていたはずの腕が胸のところまで上がってきて、
犬を抱いた……と。

もう何年も前に聞いた話なのだけど、
今でも、その話を思い出したら涙が出そうになる。

人の思いの強さというものに――。

「人間には、科学では説明できないことが起こる」と
その時に柏木先生が言われたのも心に残った。

医者のくせに。

こんな非科学的なことを平気で言うのだから、
こころ医者ですねぇ。柏木先生も――。



ちなみに、去年、アメリカの医学雑誌上での、
認知症患者の終末期医療を巡る、こころ医者と、ただの医者の論争がこちら。

「認知症患者の緩和ケア向上させ、痛みと不快に対応を」と老年医学専門医(2009/10/18)
「認知症はターミナルな病気」と、NIH英米では資金の終末期認知症ケア研究(2009/10/18)
NYTもMitchell, Sachsの論文とり上げ認知症を「ターミナルな病気」(2009/10/21)


英国ではこんな実態も。

“終末期”プロトコルの機械的適用で「さっさと脱水・死ぬまで鎮静」(英)(2010/9/10)

2010.06.04 / Top↑