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ダニエル・エルチューリンの「ビルダーバーグ倶楽部」から、
Ashley事件関連の部分について。


・ビル・ゲイツは99年のポルトガルのシントラでのビルダーバーグ会議に招待された。
メリンダ・ゲイツは2004年にビルダーバーグ会議に招待された。
その他マイクロソフトの関係者は、何度も招待されている。


・ビルダーバーグ会議には、NY TimesやWP、LA Times、WSJ、米国3大ネットワーク、
英国のタイムズ、オブザーバー、フランスのフィガロ、ルモンドなど、
主要メディアが招待されている。それでいて、そこで知ったことはどこも報道しない。
2002年から03年にかけて、米国の対イラク開戦時期を彼らは知っていたのに、
どこも報道しなかったほど、秘密が守られている。

2007年1月3日に火を噴いた“A療法”論争の際、NY Timesは事件そのものは報道していないのだけど、
1月26日になって、いきなりPeter Singerの挑発的な記事をOp-Edで掲載した。

その時、どこかで(記事のコメント欄?)誰かが「Singerが自ら書きたくて書いたというよりも、
引っ張り出されて求めに応じて書いた、という感じがする文章だ」と言っていたのが
ものすごく頭に引っかかりを残している。


・ビルダーバーグに招待されているメディア関係者一覧(p.66-69)の中に、
思わず「あっ」と声が上がる名前があった。

出版社サイエンティフィック・アメリカンの
会長でCFR(外交問題評議会)メンバーのジェラルド・ピール。

2007年1月3日に火が付いた“Ashley療法”論争の時、1月5日に、いち早く、
Fost, Wilfond, Fraderという、いずれも子ども病院の“身内”を寄せ集めて、
全員に“利害関係のない専門家”のフリをさせ、世論誘導のメール討論
The Pillow Angel Case―Three Bioethicists Weigh In をセッティングしたのが、
このScientific Americanだった。

2007年の科学記事トップ25にも“A療法”擁護の記事を加えた。)

メール討論の仕組み方のあざとさには、
科学とテクノ系のサイトというだけではない何かがあるとは感じたし、
内容も、Fostが他の2人に強引にやらせている感じがありありだったから、
私はFostかAshley父のどちらかが SciAm にやらせたことだろうと考えていたのだけど
ここで、こういう名前を見ると、妙にすとんと腑に落ちてしまう感じも……。

         ---         ---

実は、ずうっと記憶に引っかかっていながら、
その後、どうしても探し出せないのだけど、

2007年に初めて米国政府のNBICレポート(詳細は書庫に)を読んだ時に、
障害者へのテクノロジーの適用について書かれた部分のどこかに、
「障害者への適用はQOLの向上に資するとのステートメントをもってスタートする」という
記述がありました。

その個所を読んだ時に、
Ashley事件とは、もしかして、この「ステートメント」ではないのか、
テクノロジーによって障害者の身体に手を加えることでQOLを向上させるという「声明」として
仕組まれた事件であり、

それによって世論の反応をみるための、いわば社会実験なのでは……? と、
ふと、そんなことが、その時に頭をよぎったのだけれど、

当時は、その後知ることになる諸々の一切を、まだ知らなかったので、
まさかね……と読み飛ばしてしまった。

なにしろ大部のレポートなので、その後その個所が見つけられないままでいるのだけど、
またぞろ気になってきた……。



もう1つ思い出したのは、
08年3月にCNNがAshley父にメールでインタビューした際に、妙な質問をしていること。

「あなたは、自分がなんらかの団体を代表しているとお考えですか」

私は当時、まだ
Ashely父は背後にいるGatesの“虎の威を借りた”だけだと思おうとしていたし、
その他、世の中のことについてもロクに分かっちゃいなかったので、
この「団体」については、とりあえずトランスヒューマニスト協会とか、
そういう方向違いのところを想像したものだったけれど、

今ふりかえって思えば、あの質問、もっと意味深なものだったのかもしれない。

で、その「団体」って、どこのレベルまで、さかのぼるんだろう……?


なにしろ
「ビルダーバーグ倶楽部」という、イマイチ得体のしれない本で、
私としては、ぞお~っと怖気が背中を這い上がってくるほど、最もリアルに怖かったのは、
A事件で最も大きなマヤカシを仕組んでみせたメディア、SciAm がビルダーバーグだということだった。
2010.06.29 / Top↑
「ビルダーバーグ倶楽部」を読了。

正直、受け止め方に悩む。
私はこの本に出てくる人や組織の大半を知らないし、
私にもわかる情報は、今度は詳細過ぎて、その情報の海の中でおぼれそうになるため、
それがどういう意味をもつのかが逆に見えにくかったりする。

ビルダーバーグ会議の存在そのものは既に確認されていることだし、
彼らがどういう存在で、何を狙っているのかというあたりについて
著者のダニエル・エスチューリンが言っていることの大まかな内容は掴めたと思うけれど、

彼の言っていることにも、辻褄が合わないところが多々あるし、
その中の一部は執筆時の2005年以後の状況の変化が説明するにしても、
正直、どこまで真に受けたらいいのか戸惑いつつ最後まで読んだ感じ。

とりあえず、当ブログが関心を持って眺めてきた事柄2つ、
VeriChipとAshley事件に関連した部分だけは大きな関心をもって読んだので、
そのあたりのことを、2つのエントリーに分けて。

まずはVeriChip関連。

ビルダーバーグが世界政府として世界中の人々を管理するための方法として、
将来的にマイクロチップを全員に埋め込ませるべくキャンペーンが進行している、として、
当ブログでも取り上げたVeriChipについて、かなりのページ数が割かれている。

当ブログで行き当たったのは認知症患者の徘徊時の追跡用に
チップを人体に埋め込む実験が企まれて、その反対運動が起きていた2007年だった。

徘徊追跡でアルツ患者にマイクロチップ?(2007/7/28)
VeriChipはジリジリと広がっていく?(2007/10/22)

当時でも既に動物のトラッキングには一般的に使われていたけど、
その後、VeriChipは世論の批判を浴びて、とりあえず人体埋め込み型から
腕時計や靴に仕込んで身につけるタイプへと転向した。

(たしか、埋め込み型マイクロチップには発がん性があるとの指摘もあったはず)

著者によるとVeriChipの背後にいるのはIBMで、

2003年には、ベネトンが
商品に追跡調査用の極小発信機を縫い付ける計画をすっぱ抜かれて
中止する騒ぎもあったとのこと。

既にその後、バイオ認証技術が進み、
さらに極小追跡監視装置Digital Angelも登場した。

著者は、ビルダーバーグに招待されるメディアを通じて、キャッシュレスの便利なイメージに乗せつつ、
マイクロチップの人体埋め込みが社会的に望ましい行為として描かれていくと書いている。

私も2007年に、たしかWashington Postで、
銀行口座の情報を入れたチップを腕に埋め込んでおいて腕をかざすだけで居酒屋の支払いをする人や、
情報管理の厳しい会社で社員のIDチェックに使われている例などをとりあげた
長文の記事を読んだ記憶がある。

そういえば小児性愛者の足首にGPSのトランスミッターを装着するのも
米国ではいつのまにか当たり前になっている。

あれは相当な人権侵害ではないのかと私は思うのだけど、

本書を書いている2005年現在、テロや戦争、過激主義、人種差別、不寛容の精神など、文明の衝突によって、多くの人が自由を犠牲にしても構わないという精神状態に陥っている。(p.330)



いつのまにか監視カメラによる監視社会が到来していたり、
英国で国民DNAデータベース作りのために罪もない人まで逮捕されていたり、
全国民の電話やインターネットの使用記録ばかりか中学生の時の成績まで
保存・管理しようという企てがあったりということを考えれば、
テクノロジーによる管理強化が進んでいることは実感しているところでもあるのだけど、
(こうした監視社会の具体については拙ブログでも拾っており、文末に)

しかし、米国で子どもの誘拐事件をビルダーバーグが次々と起こして
親たちに子どもの居場所把握のためチップの必要を感じさせているのだという
エスチューリンの主張には、ちょっと戸惑う。

(ハイチの地震の際に、国外に連れ去られた子どもたちは、たしかDNA検査で
親元に帰されたという記事が出てきている……ということが頭に浮かんだ。
これも同じ匂いがするといえばするけど、じゃぁ、この説を丸ごと“買う”か、と問われても、
ちょっと返答に詰まる)


さらに、著者は
世界経済フォーラム(ダボス会議)の主要な目的の1つを
「全人類に予防接種を施すこと」だとし、

ここで読者に考えてほしい。今、読者の片方の手には、体内への埋め込みが可能なマイクロチップ・テクノロジーがある。そして、これを世界の60億人に『配達』することで大儲けしたいとする。もう一方の手には、世界の60億人を支配したいと願う組織がある。さて、この二つの希望を一つにまとめて共通の目的とするには、一体どうすればいいのか。マイクロチップを世界中の人間に一人残らず移植する方法。もちろん、それが先に述べた接種だ。(p.333)



2000年のダボス会議で組織されたGAVI(ワクチンキャンペーン組織)の
第1弾のキャンペーン「子どもチャレンジ」はゲイツ財団から7億5000万ドルが出ている、と。

GAVIにはもちろんシアトルこども病院も関わっているから
当ブログでも何度も触れてきたけれど、

じゃぁ、途上国の子どもたちの中にはチップを埋め込まれた子どもが
もう沢山いるということなんだろうか……?

この話、私のスタンスは、今のところ受け止め方を保留しつつ、
でも、ちゃんと覚えてはおこう……というところか……。

ちなみに、今年のダボス会議でBill Gatesが
人口抑制とワクチンに触れたことで、現在、ネットにしきりに流れている陰謀説は
「ワクチンに不妊成分を混入させて世界中の女性に」というヴァージョン――。


ともあれ、この本を機に、
世の中がこれまでとは、ずいぶん違って見えてきたのは事実。

現に何をやっていたり、この先やろうとしているかはともかく、
ビルダーバーグ会議は現実に存在し、ダボス会議は公然と存在していて、
その周辺をなんだかんだと衛星的に取り巻いている各種組織があって、
……てことは、世界のあり方を世界中の権力者と金持ちが集まって決めているわけで、
それがグローバル政府でなくて、なんだ……? とは思う。

私は、グローバル政府なんかないところで
ゲイツ氏が勝手に世界の厚生相を買って出ているんだとばかり思っていたけど、
なんて、ものを知らなかったことだろう。

こういうことになっているんだから、
グローバリゼーションもネオリベも歯止めがかかるどころか
世の中が持てる者、強い者に一方的に都合のよい場所になって行くのは必然というもので
それなら、どうしたって我々一般人は奴隷化・資源化をまぬがれないのだろうな……。

なんだか、体中からあらゆる気力というものが霧散していくような感じ――。



【監視社会関連エントリー】
従業員をパソコンで監視・管理する世界へ(2008/2/12)
スパイウエアで子どもを監視しようって?(2008/3/17)
教育委員会が生徒にパソコン配り、カメラでこっそり遠隔監視?(2010/2/22)

【国民データベース関連エントリー】
中学の成績が一生データベースに?(2008/2/13)
国民DNAデータベースめぐり論争再燃(2008/2/24)
国民の電話とEメールの全記録を国が管理って?(2008/5/24)
NHSの患者データから研究者が治験参加者を一本釣り?(2008/11/18)
「無実の人のDNAサンプル保管は人権侵害」と欧州人権裁判所(2008/12/6)
情報で国民を監視・管理する社会へ(英)(2009/1/11)
100万人以上の子どものDNA情報が国のデータベースに(英)(2009/2/27)
「英国政府のデータベース4分の1は人権侵害」と報告書(2009/3/24)
国民データベース諦めて、代わりに「ネットと電話利用歴みんな残せ」と英国政府(2009/4/28)
DNAサンプル目的で何でも逮捕、既に黒人の4分の3がデータベースに(2009/11/24)

米国でも逮捕時採取のDNAサンプルを保管してデータベースに(2009/4/20)
米国でも犯罪者のDNAサンプル廃棄進まず(2009/6/10)
2010.06.29 / Top↑
NY Timesが、
先週のドイツの最高裁判決を取り上げていたのですが、

冒頭のところで
「この判決で家族や愛する人を死なせることが容易くなる」
「患者の生命維持治療を中止するのは犯罪ではないと判決した」という個所は
家族が直接に手を下して延命治療の管を抜いても許されることになったかのような書き方だし、

この記事によれば、この判決の意味は
「生命を終わらせる目的で殺すこと」と「本人の同意を得て患者を死なせること」との
一線を引いたことにあるとし、

「延命治療を終わらせることは患者の希望がはっきり表明されていれば違法でないのだから
尊厳のある死に方をする個人の権利を強化するもの」なんだとか。

その後は、ここでも“自殺幇助”という言葉がせっせと使われて、
英国での合法化議論やDignitasへの自殺ツーリズムと
ごちゃ混ぜの議論になってしまっている。

どこに「明確な線引き」があるのか私にはさっぱり分からないけど、そういう捉え方をし、
「これで濫用は防げるし、患者の医師も安心。なにより罰せられる不安がなくなる」と
コメントする弁護士もいるし、

ドイツの法務大臣が「個人の自由意思が患者にも家族、医療職にも保護になる、
個人の自由意思は尊重されなければ」と歓迎しているところをみると、
「本人の意思であれば」というところが、まさか上記弁護士の言う「明確な線引き」?

しかし、ドイツ・ホスピス財団のディレクターは
今回の判例のKullmerさんの「意思」が口頭で伝えられたものに過ぎないことを重視。
この判決は、むしろ重病の人の基本的な自己決定権とケアを受ける権利に反する、と。

また、ドイツ医師会は
今回は管を抜くようにアドバイスした弁護士が免罪されたとしても、それは
「延命措置の継続を巡る意思決定で好き勝手にしてもよい許可」ではないし、
「延命措置を中止する前に、患者の意思を反映するためにどういう手続きが必要なのかが
法的規制として整備されなければならない」と

まったく、医師会の言う通りで、
やっと、ここに、まっとうなことを言っている人がいてくれたか……という感じ。


ちなみに、メルケル首相は2008年に
施設に入りたくない健康な独居女性を大物政治家が自殺幇助した
Kush事件を受けて、いかなる自殺幇助も認めないと発言したとのこと。

だ、か、ら、その事件は、明らかな「自殺幇助」の事件であって、
ターミナルな人の延命治療の停止とは、まったく別の話だっつうのよ。んとに。

German Court Liberalizes Rules for Right to Die Cases
NY Times, June 25, 2010


これは、母親のチューブを外した娘の裁判ではなく、

クライアントの相談を受けて
「じゃぁ、自分でお母さんの栄養チューブをはずしちゃいなさい」と
アドバイスした弁護士の行為が裁かれたケース。

問題になるのは弁護士が職務において犯罪行為をそそのかした事実であって、
娘がチューブを外したことではないと思うのだけど、

それなのに、どうして、こうなるの……?

仮に免罪されたのが、
娘がチューブを外した行為の原因を作った弁護士としての行為だとしても、
それが、どうして近親者が死にたい人を勝手に死なせてもいいことにはなるというのか。

それとも、本人が死にたいと言ってさえいたら、
家族が直接チューブを外して死なせても全然OKだから、
それを弁護士として「やんなさい」とアドバイスした彼の行為もOKで、

だから、この判決が出る前のできごとであったとしても、
クライアントが母親の栄養チューブを抜くことは違法ではないと考えた
弁護士の法的解釈と判断とは正しかったのだ、とでも?

そんな理屈って、あり?

9カ月の執行猶予にした下級裁判所の判断の方が正しかったのでは?

というか、英国のPurdy判決もそうだったけど、
最高裁が法理をすっとばして世論迎合なんだか政治的離れ業なんだかを
やってしまっているように思えてならないんだけど。

さらに、このニュースの論じられ方が不気味なのは
「延命措置の停止」が語られながら、
それが安楽死ではなく自殺幇助の問題として、
さらに医療の問題としてではなく家族の問題として語られようとしていること。

これまでに合法化した国や州があくまでも
その目的でつくられた法律の規定する手続きの元での
医師による自殺幇助だったのにもかかわらず、

英国は、何もかもぐずぐずの議論を続けることによって
いつのまにか医師ではなく近親者による、手段も対象者の状態も問わない自殺幇助を
事実上、合法化するというウルトラCを完成させつつあるけれど、

ドイツも、こんなふうに
犯罪行為をアドバイスした弁護士の行為を無理やりに免罪して
ぐずぐずの議論に乗じる形で、いろんな筋道をすっ飛ばして一気に
「本人さえ望むなら、殺したっていい」というところにまで
まさか、持って行くんだろうか……。



【関連エントリー】
大物政治家が健康な独居老女の自殺を幇助(独)(2008/7/7)
Dignitasでの自殺者、ドイツ人は500人以上(2009/9/24)
2010.06.29 / Top↑
ポリオは2000年辺りでほぼ撲滅されたはずだったのだけど、それと同時に、今度はなんと撲滅に用いられたワクチンに使われたポリオウィルスが原因の、つまり“ワクチン由来”のポリオの感染が起きている。でも大丈夫、既存のワクチンでこれも対応可能だから、という研究結果なのだけど……。:「なんでもワクチンで予防医療」の落とし穴がこのあたりにある?
http://www.medicalnewstoday.com/articles/192854.php

仕事の関係で出産をなるべく先に延ばしたい女性に、血液検査で簡単に更年期までの年数を4カ月程度の誤差の範囲で正確に予測する検査が登場。:でも、なんとなく今の「科学とテクノ」の簡単解決文化と、貧困層が富裕層の資源利用される傾向とが一緒になれば、そういう女性はこんな検査を受けてまで自分で産むことを選択しなくなるんじゃないのか、という気がする。
http://www.guardian.co.uk/science/2010/jun/27/menopause-test-close-baby-gap

30代でまだ理想の男性に巡り合えない女性たちが卵子を冷凍保存している。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/10419076.stm

国際捕鯨委員会:以前はなかったのだけど、最近になって近所のスーパーの総菜売り場にクジラ料理が頻繁に並ぶようになった。なんでだろう?
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science_and_environment/10422957.stm

英国の新連立政権で社会保障改革。何百万人もが給付を受けられなくなる。
Millions to lose benefits under incapacity reform.
Times, June 28, 2010

やらないと言ったはずなのに、NHSでもリストラ。治療も一部は配給医療に。
NHS already seeing cuts despite pledge
Times, June 28, 2010
2010.06.29 / Top↑