いずれこういう話が出るだろうとは思っていましたが……。
Oxford大学の医療経済学センターが
2006年に未熟児で生まれた子どもたちが18歳になるまでにかかる社会的コスト
(医療、教育、子育てで親が休暇を取るコストなど)を試算したところ、
2006年に未熟児で生まれた子どもたちが18歳になるまでにかかる社会的コスト
(医療、教育、子育てで親が休暇を取るコストなど)を試算したところ、
この子達のお陰で「公共の財布」にかかる“余分な”コストは
9億3900万ポンドにも上ることになったそうな。
9億3900万ポンドにも上ることになったそうな。
米国のPediatricsに掲載された論文。
これまでに米国で行われた類似の研究でも
同じような結果が出ているとのこと。
(その研究、まさかIHMEなんてことは……)
同じような結果が出ているとのこと。
(その研究、まさかIHMEなんてことは……)
同大学の周産期医療ユニット the National Perinatal Epidemiology Unit のディレクター
Peter Brocklehurst教授は
「未熟児の出産がどのくらいの経済負担になるかという問題は
これまではほとんど注目されてこなかった。
未熟児の出産を防ぐことにもっと力を注ぐべきだと思う」
Peter Brocklehurst教授は
「未熟児の出産がどのくらいの経済負担になるかという問題は
これまではほとんど注目されてこなかった。
未熟児の出産を防ぐことにもっと力を注ぐべきだと思う」
今回の論文にも、
早産を予防する研究資金を増やすだけで年間2億6000万ポンドの
経費削減ができるという話も出てきているらしいのですが、
早産を予防する研究資金を増やすだけで年間2億6000万ポンドの
経費削減ができるという話も出てきているらしいのですが、
医療経済学者の言う「早産の予防」と
周産期医療のドクターが言う「早産の予防」というのは
全く逆の内容なんじゃないかという気がしていけない。
周産期医療のドクターが言う「早産の予防」というのは
全く逆の内容なんじゃないかという気がしていけない。
米国でも同じような研究があったというけれど、
そういう研究をするのなら、
そういう研究をするのなら、
他にも、いろいろと計算してみたらどうなんです──?
2009.02.02 / Top↑
中国で障害児の出産が急増している。
なにしろ中国では30秒に1人の割合で
身体に損傷のある赤ん坊が生まれているというのだから、すさまじい。
身体に損傷のある赤ん坊が生まれているというのだから、すさまじい。
特に8つの大規模な炭鉱地域からの排出物が問題だと
統計を発表した中国当局の人口・家族計画委員会は分析している。
統計を発表した中国当局の人口・家族計画委員会は分析している。
中国の急速な経済発展が
人間にこうした影響を及ぼしているのだとジャーナリストは批判、
人間にこうした影響を及ぼしているのだとジャーナリストは批判、
研究者らも、大きな炭鉱や化学工場による環境汚染が原因だろう、と
分析しているものの、
分析しているものの、
委員会のJiang氏は
「身体障害新生児の急増は都市部でも地方でも続いており、
この増加は懸念されるので我々は政府レベルで予防プランを開始した。
この増加は懸念されるので我々は政府レベルで予防プランを開始した。
同委員会は最も事態が深刻な8地方にスクリーニングのプログラムを導入した」
──文字通り、開いた口が、しばらく閉じられなかった。
……しかし、ふっと思うのだけれど、
これだけ化学物質による環境汚染やら遺伝子汚染やら
化学とテクノロジーによる目に見えない環境汚染が広がっているらしい世の中で、
もしも、それが科学的に証明できないだけで障害児を増加させていたとしたら、
出生前・着床前の遺伝子診断によるスクリーニングって中国政府の倒錯と何か違うんだろうか。
化学とテクノロジーによる目に見えない環境汚染が広がっているらしい世の中で、
もしも、それが科学的に証明できないだけで障害児を増加させていたとしたら、
出生前・着床前の遺伝子診断によるスクリーニングって中国政府の倒錯と何か違うんだろうか。
2009.02.02 / Top↑
ダウン症女性の母親でWP紙の記者でもあったPatrichia Bauerさんのブログから。
NY大学医学部の調査で
遺伝子診断を希望する999人にアンケートを行ったところ、
出生前遺伝子診断では、もっといろんなものを調べられるようにしてほしい、と。
遺伝子診断を希望する999人にアンケートを行ったところ、
出生前遺伝子診断では、もっといろんなものを調べられるようにしてほしい、と。
何を調べたいかというと、
知的障害を調べたい人が75%
聴覚障害を調べたい人が54%
視覚障害 56%
心臓疾患 52%
癌 51%
聴覚障害を調べたい人が54%
視覚障害 56%
心臓疾患 52%
癌 51%
5歳までに死ぬ病気や障害を調べたいと答えた人が49,3%
その他に
運動能力を調べたい人が10%
頭のよさを調べたい人が12,6%
背の高さ 10,4%
寿命 9,2%
運動能力を調べたい人が10%
頭のよさを調べたい人が12,6%
背の高さ 10,4%
寿命 9,2%
Study: Broader prenatal genetic testing desired
PatriciaEBauer NEWS& COMMENTARY ON DISABILITY ISSUES
January 30, 2009
PatriciaEBauer NEWS& COMMENTARY ON DISABILITY ISSUES
January 30, 2009
元論文は登録しないと読めませんが、
上記のまとめよりも多少詳しい記事がこちらに。
上記のまとめよりも多少詳しい記事がこちらに。
この結果について研究者は
「多くの人が遺伝子検査は認めるものの、
「多くの人が遺伝子検査は認めるものの、
“デザイナーベイビー”を作ろうという人は
メディアが騒いでいるほど多いわけじゃない」と。運動能力やら知能やら身長やら寿命やらまで調べたいと言っている人が
今の段階で10人に1人もいるというのに──??
今の段階で10人に1人もいるというのに──??
性別については設問がなかったようです。
いろいろある遺伝子疾患も問われていないことなど、
ちょっと設問の方に疑問も感じるのですが、それはともかく、
ちょっと設問の方に疑問も感じるのですが、それはともかく、
こういうデータがずらっと並んだ子どもの“仕様書”を前に、
若い夫婦がとても無邪気に会話している姿を想像してしまいました。
若い夫婦がとても無邪気に会話している姿を想像してしまいました。
「この子、どう? ほしい?」
「そうだなぁ……ええっと……」
「運動能力はまぁ、合格ラインかな」
「男にしては背が、ちょっと低いぜ」
「私的には背は許容範囲だけどな。それより、ほら、知能の方が問題じゃない?」
「確かに背をこのままでOKするんだったら、よほど頭が良くないと勝てないな」
「だよね。寿命が長いから私たちの老後は安心できそうだけど、
成功してくれなけりゃアテにもできないしね。
じゃぁ、今度は諦めて、次ということにしようか」
成功してくれなけりゃアテにもできないしね。
じゃぁ、今度は諦めて、次ということにしようか」
「うん。ボクたち、まだ若いんだから」
「ねぇ、次は、いっそ体外受精にして着床前遺伝子診断ってやつ、やらない?」
「ああ、それ、いいな。できちゃった子どもをYES/NOするよりも、
いろんな胚から、どれがいいか選ばせてもらう方がチョイスが広がる」
いろんな胚から、どれがいいか選ばせてもらう方がチョイスが広がる」
「産まれたらどんな子になるのかなぁって、
1つずつ想像しながら胚を選ぶのって、なんだかワクワク楽しいよねっ」
1つずつ想像しながら胚を選ぶのって、なんだかワクワク楽しいよねっ」
「じゃ、次に期待して今回ははボツってことで」
「うん。それで決まり!」
2009.02.02 / Top↑
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