英国政府はこのたび発表した児童保健医療戦略(Child Health Strategy)の一環として
2008-2011期において障害児のための予算としてプライマリー・ケア・トラスト(PCT)に
34000万ポンドを追加する、と。
2008-2011期において障害児のための予算としてプライマリー・ケア・トラスト(PCT)に
34000万ポンドを追加する、と。
それにより障害児向けにPCTに下ろされる予算は77000万ポンドに。
特記事項として
・2010年までに複雑な医療ニーズのある子ども全員に個別のケアプランを立てる。
・新たな予算のうち3000万ポンドは子どものパリアティブ・ケアに当てる。
・2009-2019年期に一連のパイロットスタディを行い、地域での小児医療の新たな監査モデルを作る。
・障害児の全国的チャリティWhizz-Kidzとthe London Strategic Health Authority,、PCT、地方自治体とのパートナーシップを築く。
・新たな予算のうち3000万ポンドは子どものパリアティブ・ケアに当てる。
・2009-2019年期に一連のパイロットスタディを行い、地域での小児医療の新たな監査モデルを作る。
・障害児の全国的チャリティWhizz-Kidzとthe London Strategic Health Authority,、PCT、地方自治体とのパートナーシップを築く。
具体的な資金の活用方法は各PCT次第という面もあり、
チャリティ Every Disabled Child Mattersなどでは働きかけを始めているとのこと。
チャリティ Every Disabled Child Mattersなどでは働きかけを始めているとのこと。
Government Doubles Funding for Disabled Children – child Health Strategy Welcomed – But Only Local Implementation Will Deliver, UK
The Medical News Today, February 13, 2009
The Medical News Today, February 13, 2009
他に関連記事がこちらにも。
2009.02.14 / Top↑
「どうすれば背が伸びるのか?」という箇所に書かれているのは
・このテーマに長年取り組んできた会社が韓国の大学の医学研究所と3年かけて開発したパジャマである。
・成長ホルモンの分泌を促すには熟睡することが重要である。
・今の子どもたちは睡眠不足だから快適な睡眠環境を求めている方に、このパジャマがお勧め。
・成長ホルモンの分泌を促すには熟睡することが重要である。
・今の子どもたちは睡眠不足だから快適な睡眠環境を求めている方に、このパジャマがお勧め。
そのほかの箇所を読んでも、
このパジャマに成長ホルモンの分泌を促す効果があるとは一言も書いてない。
このパジャマに成長ホルモンの分泌を促す効果があるとは一言も書いてない。
3年もかけて開発したという「特殊バイオ繊維」については
「14種類のハーブ入り」であり
「遠赤外線放射機能」「優れた吸水・発散性→殺菌効果」「着用感のよさ」が
快適な睡眠をもたらすと書かれているのみで
その組成や特殊性についての科学的な説明は一切ない。
「14種類のハーブ入り」であり
「遠赤外線放射機能」「優れた吸水・発散性→殺菌効果」「着用感のよさ」が
快適な睡眠をもたらすと書かれているのみで
その組成や特殊性についての科学的な説明は一切ない。
だから、つまりは
そこら辺のスーパーで安眠効果を謳って数千円程度で売っているパジャマと
(デザインがやたらとダサい以外に)何が違うのか、まったく分からないのですが、
そこら辺のスーパーで安眠効果を謳って数千円程度で売っているパジャマと
(デザインがやたらとダサい以外に)何が違うのか、まったく分からないのですが、
でも、はじめから科学とテクノロジーの力を過信している人がうかつに読むと
「パジャマから成長ホルモンが出る」とか
「パジャマを着ることで成長ホルモンの分泌が促される」と
読者の方で勝手に思い込んでしまいかねない。
「パジャマから成長ホルモンが出る」とか
「パジャマを着ることで成長ホルモンの分泌が促される」と
読者の方で勝手に思い込んでしまいかねない。
――そういう微妙な書き方なのですね。
で、この「魔法のパジャマ」のお値段、27000円なり。
このべらぼうなお値段がまた、
読者の側の勝手な思い込みを強化するのでしょう。
読者の側の勝手な思い込みを強化するのでしょう。
このエントリーを書いたことでYahoo!ブログが拾ってきたブログ記事によると
着て寝ることで倍くらいの成長ホルモンが出ると信じて実際にこのパジャマを買った人は
それほどのパジャマなら開発費がさぞかかって、このお値段になるのだろうと納得している。
着て寝ることで倍くらいの成長ホルモンが出ると信じて実際にこのパジャマを買った人は
それほどのパジャマなら開発費がさぞかかって、このお値段になるのだろうと納得している。
ある日突然、本当に成長ホルモンが倍も分泌されるようになったら
子どもの体にどんな異変が起こるか……なんて不安はないのだろうか……。
子どもの体にどんな異変が起こるか……なんて不安はないのだろうか……。
でもね、Ashley事件におけるDiekema医師の詭弁のマヤカシだって
・この医療処置はシアトル子ども病院の倫理委員会で検討し、承認したものである。
・重症児は親にずっと赤ん坊のように面倒を見てもらうのが幸福である。
・社会の支援サービスは不十分なのだから、重症児のQOL維持のためにはお勧め。
・重症児は親にずっと赤ん坊のように面倒を見てもらうのが幸福である。
・社会の支援サービスは不十分なのだから、重症児のQOL維持のためにはお勧め。
という程度のものでしかなく、
この「魔法のパジャマ」のマヤカシとそれほど違ったものとも思えないのに
この「魔法のパジャマ」のマヤカシとそれほど違ったものとも思えないのに
それでも世界中のいわゆる「知識人」までが
みんなして、たぶらかされてしまったのだとしたら
みんなして、たぶらかされてしまったのだとしたら
この「魔法のパジャマ」に騙される人を笑う資格があるのか……?
2009.02.14 / Top↑
オーストラリアの医療ジャーナリストが
インターネットのFacebookやMySpaceなどのSNSやブログに
製薬会社が一般人を装って何食わぬ顔で参加しては、
巧妙に(時として違法な)マーケッティングを行っている、と警告している。
インターネットのFacebookやMySpaceなどのSNSやブログに
製薬会社が一般人を装って何食わぬ顔で参加しては、
巧妙に(時として違法な)マーケッティングを行っている、と警告している。
つい最近も、Ashley事件がらみの検索で下のようなブログが引っかかってきて
身長のすべてを知りたい(一言メッセージ:どうすれば背が大きくなるの?)
「へぇ、こういうブログもあるのかぁ……」と思ってみていたら、
着て寝たら2,4倍もの成長ホルモンが出るという「魔法のパジャマ」だとか
背を伸ばす効果のあるエクササイズ・マシーンだとか
一日数回舌の下に吹き付ける「成長ホルモン・スプレー」だとか
いろいろと妙なものの情報も取り上げつつ、
ごく一般的な栄養とか生活習慣の情報なども織り交ぜてあって……
着て寝たら2,4倍もの成長ホルモンが出るという「魔法のパジャマ」だとか
背を伸ばす効果のあるエクササイズ・マシーンだとか
一日数回舌の下に吹き付ける「成長ホルモン・スプレー」だとか
いろいろと妙なものの情報も取り上げつつ、
ごく一般的な栄養とか生活習慣の情報なども織り交ぜてあって……
で、どの記事の末尾にも必ず出てくるのが
「超軽量&スタイリッシュなデザイン、
そして外から見てシークレットシューズに見えないシューズ」の
ネット販売サイトへのリンク。
そして外から見てシークレットシューズに見えないシューズ」の
ネット販売サイトへのリンク。
すぐに「ああ、そういうサイトか」と気はつくし、
売りたいものが靴だったら、さほど害があるわけでもないかもしれないけど、
売りたいものが靴だったら、さほど害があるわけでもないかもしれないけど、
こういうものが、ごく普通の人間がやっているブログのフリをして
読者の不安を煽ったり、科学とテクノロジーを過信させたりして
一定の医薬品の需要に結びつくような情報を流すことは十分にありそうだし、
読者の不安を煽ったり、科学とテクノロジーを過信させたりして
一定の医薬品の需要に結びつくような情報を流すことは十分にありそうだし、
それに、この、身長を伸ばすための情報ブログだって
訪問するのは身長や成長ホルモンに興味がある人だという点は間違いないのだし
すでにしてマーケッティングの対象が絞られているという点では
“魔法の靴”以外の“魔法”を売りたい業界にとって
カモが群れをなして水浴びにやって来る池みたいなものかもしれないし……。
訪問するのは身長や成長ホルモンに興味がある人だという点は間違いないのだし
すでにしてマーケッティングの対象が絞られているという点では
“魔法の靴”以外の“魔法”を売りたい業界にとって
カモが群れをなして水浴びにやって来る池みたいなものかもしれないし……。
改めて怖い時代だなぁ……。
【追記】
その後、上記の「身長のすべてを知りたい」からリンクをたどって、びっくりしたのですが、
成長ホルモンはインターネットで買いたい放題になっていた……。知らなかった……。
その後、上記の「身長のすべてを知りたい」からリンクをたどって、びっくりしたのですが、
成長ホルモンはインターネットで買いたい放題になっていた……。知らなかった……。
2009.02.14 / Top↑
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