6歳のIvan君は脳性まひで
てんかんの発作も頻発していたとのこと。
てんかんの発作も頻発していたとのこと。
昨夜体調が悪くなり、
今日ロンドンの病院で亡くなったとのこと。
今日ロンドンの病院で亡くなったとのこと。
Cameron党首は今日の正午、国会で首相の質問に出席する予定だったところ
Brown首相から勧められてキャンセル。
Brown首相から勧められてキャンセル。
Brown首相夫妻も2002年に生後10日の娘を亡くしており
深い理解と哀悼の意を示す。
深い理解と哀悼の意を示す。
当面、影の内閣外務大臣が党首代理を務める。
2009.02.25 / Top↑
春休みに入って最初の水曜日なので、
日ごろ利用できない映画館のレディスデイに出かけようというのも
今回は「おくりびと」を見ようというのも
個人的には前から決めていたことだったのに、
日ごろ利用できない映画館のレディスデイに出かけようというのも
今回は「おくりびと」を見ようというのも
個人的には前から決めていたことだったのに、
「おくりびと」がアカデミー賞をとってしまったものだから
行ってみたら、ものすごい人がホールにあふれて入れ替えを待っていた。
行ってみたら、ものすごい人がホールにあふれて入れ替えを待っていた。
田舎の小さな映画館のこととて、
他の選択肢は「7つの贈り物」のみ。
他の選択肢は「7つの贈り物」のみ。
交通事故で7人を死なせてしまった罪の意識に苦しむ主人公が
思いつめた挙げ句に、選びぬいた7人に「7つの贈り物」を考える……というのだから
「こういう話なんだろうなぁ……」と容易に想像がつくというもので、
ちょっと抵抗を覚える映画だったのだけど、
思いつめた挙げ句に、選びぬいた7人に「7つの贈り物」を考える……というのだから
「こういう話なんだろうなぁ……」と容易に想像がつくというもので、
ちょっと抵抗を覚える映画だったのだけど、
こんなに賑わっている中で「おくりびと」……という気分でもなく、
つい閑散としている方を選んでしまった。
つい閑散としている方を選んでしまった。
(改めて考えてみたら「おくりびと」の裏番組が「7つの贈り物」だったというのも
皮肉と言うか、示唆に富んでいるというか……)
皮肉と言うか、示唆に富んでいるというか……)
──見なけりゃよかったよ。
ここから後、ネタバレを含みますので、
既に見られた方または全く見るつもりのない方のみ、どうぞ。
既に見られた方または全く見るつもりのない方のみ、どうぞ。
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お話は、まったくの予想通り。
なんの「ひねり」も「ねじり」も「どんでん返し」もなく、まんま。
なんの「ひねり」も「ねじり」も「どんでん返し」もなく、まんま。
出口で目に付いたチラシを持って帰ったのだけど、
ウラに著名人の感想がずらっと並んでいて、
ウラに著名人の感想がずらっと並んでいて、
例えば、
服飾デザイナーの朝月真次郎氏
「日本人が失いかけている美徳を再認識させてくれる
とてもとても素晴らしい作品
特に日本の政治家の先生方は必見」。
「日本人が失いかけている美徳を再認識させてくれる
とてもとても素晴らしい作品
特に日本の政治家の先生方は必見」。
(どこかの協会と繋がりでも?)
医療ジャーナリスト、和田努氏の
「壮大な愛の物語であるのはもちろん、
神なき時代に神の痕跡を見る思いだ」。
「壮大な愛の物語であるのはもちろん、
神なき時代に神の痕跡を見る思いだ」。
(何を言いたい──?)
精神科医の香山リカ氏
「こうまでしないと人は自分を許せないものか
衝撃と感動で目がくらんだ」
「こうまでしないと人は自分を許せないものか
衝撃と感動で目がくらんだ」
同じく精神科医の名越康文氏
「私はこの作品を賛成や反対ではなく
沈黙を持って迎え入れたいと思う
畏れと共感を伴った沈黙を持って」
「私はこの作品を賛成や反対ではなく
沈黙を持って迎え入れたいと思う
畏れと共感を伴った沈黙を持って」
(仮にも精神科医なら、目をくらませたり共感してなんかいないで、
「この人は鬱病です。どこかの段階でいずれかの医師が気付いて
彼を精神科に紹介すべきでした」とコメントすべきでは?)
「この人は鬱病です。どこかの段階でいずれかの医師が気付いて
彼を精神科に紹介すべきでした」とコメントすべきでは?)
だいたい臓器提供を申し出る人の健康状態だって調べないわけじゃなし、
こんなに傷だらけ・欠けたものだらけの体から
さらに臓器を摘出しようなんて医師はいないと思うし、
いたら、それこそヒポクラテスの誓いに反すると思うのですが、
それとも、それもまた「自己選択」だということになるのかしらん。
さらに臓器を摘出しようなんて医師はいないと思うし、
いたら、それこそヒポクラテスの誓いに反すると思うのですが、
それとも、それもまた「自己選択」だということになるのかしらん。
そもそも、クラゲの猛毒で死んだ人の心臓が
その直後に摘出・移植できるものなのか?
その直後に摘出・移植できるものなのか?
いや、それ以前に、
片肺と肝臓の一部と腎臓が既に摘出されているような身体で
さらに骨髄提供に耐えられるのか。
片肺と肝臓の一部と腎臓が既に摘出されているような身体で
さらに骨髄提供に耐えられるのか。
そんな身体を支えていた心臓が、果たして良好な状態であるものか。
でも、この映画が伝えるメッセージは、
きっとそんな現実問題とは無関係に、
きっとそんな現実問題とは無関係に、
一人の人間には
利用可能な臓器をみんな提供することによって何人もの命を救うことができる――。
利用可能な臓器をみんな提供することによって何人もの命を救うことができる――。
この前「笑っていいとも」に出てきたウィル・スミス自身は
「自分が共感できない主人公を演じたのは初めてだった」といっていたけど、
「自分が共感できない主人公を演じたのは初めてだった」といっていたけど、
自殺幇助の合法化法案があっちでもこっちでも議会に提出され、
莫大な資金が合法化に向けて活動する団体に流れ込んでいる、
同時に「臓器が不足している」と散々喧伝される、こんなご時勢に、
こんな映画が作られるということ、
莫大な資金が合法化に向けて活動する団体に流れ込んでいる、
同時に「臓器が不足している」と散々喧伝される、こんなご時勢に、
こんな映画が作られるということ、
むしろ、こんなご時勢だからこそ作られているのだ……ということ、
そして日本でも
著名人がこうして賛美してみせること……そのことごとくに背筋が冷える。
著名人がこうして賛美してみせること……そのことごとくに背筋が冷える。
映画評論家、北川れいこ氏は、
言うに事欠いて「究極の“献身愛”」
言うに事欠いて「究極の“献身愛”」
SCREEN副編集長、近藤邦彦氏も
「苦しく辛くて絶望してあきらめていた時に
もし手を差し伸べてくれる人がいたら、それは間違いなく
最高の贈り物だろう」
「苦しく辛くて絶望してあきらめていた時に
もし手を差し伸べてくれる人がいたら、それは間違いなく
最高の贈り物だろう」
もしも罪を償う行為として賛美するならば、
中国で死刑囚から臓器が摘出されていた事実と合わせて
もう一度考えてみてもらいたい。
中国で死刑囚から臓器が摘出されていた事実と合わせて
もう一度考えてみてもらいたい。
ただ1人、弁護士の石渡真維氏だけが
「主人公の行為は日本では
社会的に許される行為でしょうか」
「主人公の行為は日本では
社会的に許される行為でしょうか」
だいたい、
自分の臓器に値するだけ「いい人」かどうかを確かめて歩く……なんて、
それは一体なんという傲慢であることか。
自分の臓器に値するだけ「いい人」かどうかを確かめて歩く……なんて、
それは一体なんという傲慢であることか。
そういえば、弟が主人公に向かって言うセリフがあったな。
人の人生を勝手にいじったりしてはいけないんだ──。
2009.02.25 / Top↑
米国では
ざっと50キロ以上の肥満状態にある成人で
胃のバイパス術や切除、バンディング(胃の一部を括る? 復元可能が利点)など
減量手術を受ける人が1998年の14000人から2006年には178000人へと急増。
ざっと50キロ以上の肥満状態にある成人で
胃のバイパス術や切除、バンディング(胃の一部を括る? 復元可能が利点)など
減量手術を受ける人が1998年の14000人から2006年には178000人へと急増。
その一方で18歳以下の未成年に関しては
リスクが大きすぎるとして専門家の間でも否定的な見方が一般的だったものが、
ここへきて子どもへの減量手術も急増し、
2000年からの3年間にはそれまでの3倍以上に。
リスクが大きすぎるとして専門家の間でも否定的な見方が一般的だったものが、
ここへきて子どもへの減量手術も急増し、
2000年からの3年間にはそれまでの3倍以上に。
背景にあるのは
尋常でないほどの肥満の子どもたちの急増と
ダイエットや行動療法が効果を見せないこと、
さらに成人において
減量手術が寿命を延ばし糖尿などいわゆる成人病を改善させるとの
調査研究が報告されてきたのを受け、
NIHとFDAも減量手術を受けた子どもに関する調査を始めたこと。
尋常でないほどの肥満の子どもたちの急増と
ダイエットや行動療法が効果を見せないこと、
さらに成人において
減量手術が寿命を延ばし糖尿などいわゆる成人病を改善させるとの
調査研究が報告されてきたのを受け、
NIHとFDAも減量手術を受けた子どもに関する調査を始めたこと。
米国小児科学会がガイドラインを出しており、
BMIが40以上で深刻な肥満関連病(Ⅱ型の糖尿病、高血圧など)があり、
小児科医の紹介状があること。
18歳以下の場合はさらに、それまでに減量の努力を尽くしており
成長がほぼ終了段階にあることなどの条件が追加。
BMIが40以上で深刻な肥満関連病(Ⅱ型の糖尿病、高血圧など)があり、
小児科医の紹介状があること。
18歳以下の場合はさらに、それまでに減量の努力を尽くしており
成長がほぼ終了段階にあることなどの条件が追加。
また全員に
手術前の水分ダイエットによる体重減少テストと、
心理状態のスクリーニングが行われる。
手術前の水分ダイエットによる体重減少テストと、
心理状態のスクリーニングが行われる。
リスクとしては厳密な食事制限が課せられること、
それにより多大な栄養障害を起こす(時に死に至る場合も)可能性があり、
研究されていないだけに、今後新たな問題が起こってくる可能性も。
それにより多大な栄養障害を起こす(時に死に至る場合も)可能性があり、
研究されていないだけに、今後新たな問題が起こってくる可能性も。
25000ドルかかるバイパス手術はだいたい保険でカバーされるが
10代のバンディング手術はまだ実験的とみなされており実費で約13500ドル。
10代のバンディング手術はまだ実験的とみなされており実費で約13500ドル。
A Boy’s Obesity Led His Mother to Send Him For Stomach Surgery
The Washington Post, February 24, 2009
The Washington Post, February 24, 2009
この記事タイトルの上に赤字でつけられたカテゴリー・タイトルは
Extreme Measure (極端な手段)。
Extreme Measure (極端な手段)。
ここでもまた不妊の急増と同じで、
子どもたちに病的な肥満がそれほど急増している原因のほうを
きちんと調べる研究こそ実は急がれるべきなんじゃないか、
調べてみたら案外に科学とテクノの濫用こそが犯人だったりもするんじゃないかと思うのだけど、
子どもたちに病的な肥満がそれほど急増している原因のほうを
きちんと調べる研究こそ実は急がれるべきなんじゃないか、
調べてみたら案外に科学とテクノの濫用こそが犯人だったりもするんじゃないかと思うのだけど、
せっせとお金がつぎ込まれるのは
手術が病気予防に有効だというエビデンスを出してくる研究ばかり。
手術が病気予防に有効だというエビデンスを出してくる研究ばかり。
肥満が医療費高騰の原因になっているからナントカしなければ……という話が
結局「肥満対策で万ドル単位のテクノロジーをどんどん使いましょう」という話に行き着いて、
どうして、それが医療費削減に繋がるのか……。
結局「肥満対策で万ドル単位のテクノロジーをどんどん使いましょう」という話に行き着いて、
どうして、それが医療費削減に繋がるのか……。
だけど、それもこれも、いつのまにやら医療費削減の話から
子ども本人の“QOL向上のため”に話が変わっていたりもする。
子ども本人の“QOL向上のため”に話が変わっていたりもする。
なんとなく“Ashley療法”で起こったことが
ここでもなぞられているような……。
ここでもなぞられているような……。
一体どういうところがやっているサイトなんだろう……と思って見てみたのだけど、
結局は情報源がよく分からない減量手術の情報提供サイトでした。
結局は情報源がよく分からない減量手術の情報提供サイトでした。
もちろんサイトの目的は減量手術のプロモーションと思われますが、
この出所のはっきりしないサイトが検索では一番上に出てくるんだから、不気味。
この出所のはっきりしないサイトが検索では一番上に出てくるんだから、不気味。
2009.02.25 / Top↑
現在のダウン症の出生前検査の方法には不正確さと流産の危険性が指摘されていることから
母体の羊水の中にある胎児の遺伝情報を取り出して検査する方法が新たに開発されて
脚光を浴びているらしいな……という記事は
かなり前から目にはしていましたが、
母体の羊水の中にある胎児の遺伝情報を取り出して検査する方法が新たに開発されて
脚光を浴びているらしいな……という記事は
かなり前から目にはしていましたが、
いよいよ米国で6月には1社が販売開始、
他の3社も年内に参入を予定している、とのニュース。
他の3社も年内に参入を予定している、とのニュース。
しかし、読んでみて「えっ? まさか……知らなかった……」と衝撃的だったのは
まず2007年に米国産婦人科学会がすべての妊婦に対して
ダウン症のスクリーニングを受けるように推奨するガイドラインを出していること。
(実際に受けているのは妊婦の約半数とのこと)
ダウン症のスクリーニングを受けるように推奨するガイドラインを出していること。
(実際に受けているのは妊婦の約半数とのこと)
もう1つ、これは本当に愕然としたこととして
FDAがこうした検査を一切規制していないという事実。
FDAがこうした検査を一切規制していないという事実。
で、この「妊娠早期から分かる確実で安全な検査」とされているものについても
一般に提供される前にその信頼性をきちんと確認するべきだと
専門家からの批判も起きているし、
一般に提供される前にその信頼性をきちんと確認するべきだと
専門家からの批判も起きているし、
これでまた中絶を選択する女性が増える、
優生思想の広がりを招く、との懸念も
ダウン症のアドボケイト団体などから起きているのだけれども、
優生思想の広がりを招く、との懸念も
ダウン症のアドボケイト団体などから起きているのだけれども、
記事に引用されているFDAの官僚の言は
「だって一社がやっている検査に過ぎないから」。
「だって一社がやっている検査に過ぎないから」。
検査を開発・販売するバイオテクノロジー企業は
「最初はどの検査にしても医師は及び腰ですがね、
使ってもらっているうちに一般的な検査になっていくんです。
この検査もそういうふうになると思います」。
「最初はどの検査にしても医師は及び腰ですがね、
使ってもらっているうちに一般的な検査になっていくんです。
この検査もそういうふうになると思います」。
倫理問題とか道徳的な問題って、
医療検査の開発現場では、もしかしたら誰の頭にもない……?
医療検査の開発現場では、もしかしたら誰の頭にもない……?
2009.02.25 / Top↑
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