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自閉症のワクチン犯人説では
発端となった論文はデータがガセだったという話が最近出ていましたが、

今度は
MMRワクチンによって子どもが自閉症になったとして
家族が連邦政府のワクチン被害賠償を求めていた3つのケースで
ワクチンが原因だとは言えないと裁判所が判断。

2007年にヒアリングが始まってから
同様の苦情が5000件も寄せられているとのことで、

今回の判断を
小児科学会は歓迎。
ワクチン犯人説を唱えるGeneration Rescue のHadley氏は非難。

この問題で創設メンバーが分裂しているAutism Speakは
「だからといって、さらなる科学的な調査の必要が否定されるものではない」。

Court Says Vaccine Not to Blame for Autism
The NY Times, February 12, 2009


前にも役員が辞任する騒ぎを紹介しましたが、
Autism Speak のようなアドボカシー団体が
こういう問題で分裂してしまうのは、なんとも悲しい。

もう一点、この記事で目に付いたこととして
連邦政府が1988年にワクチン被害への救済ファンドを作っていること。

ワクチン被害にあった子どもたちが製薬会社を訴えることなく救済されるように、
すべてのワクチンにかかる税金が、このファンドに使われるのだとか。

日本の産科医療の無過失補償制度の財源って筋が違うよね……という話を
ちょっと思い出した。
2009.02.13 / Top↑
もう、特定の分野の研究者か、よほど強い関心を持っている人以外には
興味などなくしてしまっているとしか思えないAshley事件ですが、

それでも、まだ、たま~に、どこかのブログが取り上げることがあります。

その中に、何も分析も個人的な意見もなく、
この2年間の諸々の展開にもまったく触れないままに
ただ2007年当初の記事をそのままコピペしただけという
ちょっと不可解な取り上げ方をするブログがあることに
前から気はついていたのですが、

ヘンだなぁ……と意識するようになったのは最近で、

今日また、これを見つけて、
いよいよ、これは絶対ヘンだ……と。



タイトルは
「あなたはAshley X に起こったことに同意しますか? 賛否その理由を説明してください」

長いエントリーなのですが、
実はこれは2007年1月4日のAP通信の記事全文なのです。
(コピーライトがあるから再掲禁止などと書かれている部分までコピペしてあります)

独自に書き加えられているのは冒頭のわずかな部分で
AshleyケースについてAPのLindsey Tannerがこう書いた、という説明に続いて
このケースを議論しよう。Ashley家族のブログを読もう」と書かれています。

そして、この、情報としては今さら何の意味もない記事に対して
即座に入っているコメントが1つ。

「最初は酷い親だと感じて反対だったけど、
詳しく知るにつれて子どもの最善の利益を考えているんだと分かってきました。
小さいままだったら親がずっと関って愛してやれるのだから本人のためです。
本人の同意なしに臓器をとってしまうなんて一見むごいと見えますが、
生理痛には正常な女性だって苦しみます。
障害のある女性がどう対処するというのでしょう?」

どうにも妙だよね……と思ったので、
今回はこのブログの背景をトップページから覗いてみたら、
医療機器のメーカーさんたちが集まってやっているブログでした。

どうも、ネット上で批判が書かれると、その後には
こういうブログが登場してくるように思われるのですが、
もしかしたら世論に忘れられないために、
一定の間隔で出てきているのかもしれません。

それにしても、
2007年1月16日のSeattle Times の社説もそうですが、
Ashley父や子ども病院の手が入っているのではないかと私が個人的に疑っている文章には
かならず「父親のブログを読め」と書いてあるのが、彼の肥大した自我を思わせて、笑える。

あれさえ読んでもらえば理解されないはずがないと、彼は今も信じている――。

それは、もちろん、笑い事では全然ない。
2009.02.13 / Top↑
4日に自閉症治療費めぐり保護者vs保険会社バトルのエントリーで取り上げた話題の続報。

民間の医療保険に自閉症の治療費支給を義務付ける法案が議会に提出されていましたが、
あえなく潰れたとのこと。

Autism Coverage Bill Fails
The WP, February 12, 2009


仮に1人の子どもにつき1年36000ドルまでという上限を設けたとしても
自閉症が給付対象になると総額で年に4000万ドルかかる、として
こんな経済危機のご時勢に新たな義務付けなんてカンベンしてくれと
攻勢をかけた保険会社のロビー活動が勝った、ということのようです。

最大の焦点がObama大統領の経済支援費を巡る攻防だったという
タイミングの悪さもあったのでしょうが、

上院が廃案にした直後に
折衷案を提出していたような議員までが不謹慎なジョークを飛ばしたり、

こんな経済危機の最中に障害児の治療費なんて取るに足りない“ちっこい問題”なんて……と
軽んじられ、テキトーに扱われてしまったような雰囲気と、

それに今は企業さんにまず元気になってもらわないと……と
優先順位が明らかに敷かれているような雰囲気とが
記事にはそこはかとなく漂っていて、

こういう雰囲気は今後どの国でも、強く漂ってくるんだろうな、

それと同時に「社会的コスト」を云々する声も
さらに、あちこちから耳に入るようになるんだろうな……と。
2009.02.13 / Top↑
イタリアの安楽死論争の渦中で栄養供給の管をはずされ、
9日に亡くなった永続的植物状態の女性 Eluana Englaroさんは
司法解剖の結果、
栄養供給を止められたために起きた脱水状態に起因する心臓発作で死亡したことが判明。

野党民主党が死ぬ権利に反対するベラスコーニ首相を批判すれば
ベラスコーニ首相は先週大統領が自分の命令に署名を拒否したことを批判。

最近の世論調査では
Eluanaさんの安楽死を支持する人は47%で
反対する人が47%。
残り4%はどちらとも決められない、と。

カトリック教会は改めて
原理主義的に死ぬ権利を拒否しているとの反発や
18-25歳の年齢層でEnglaroさんの安楽死を支持する意見が多かった傾向を批判。

「価値観が大きく転換している。
 確かに自由はよいことだが、一方に
 死なない、死なせないと決定する自由もあるべきである」

Italy: Autopsy shows ‘right to die’ woman died of cardiac arrest
The Adn Kronos International, February 11, 2009


何年も寝たきりで植物状態とされている人の
栄養と水分を停止するというと、そこには、
なんとなく「穏やかに死なせてあげる」というイメージがくっついてきますが、

脱水状態から心臓発作を起こして死に至る……とすれば
それは「穏やかに死なせてあげる」という話ではないような……。
2009.02.13 / Top↑